ほぼ真夏日となり心地良いほどの暑さとなる。
苦手だった夏が好きになったのはいつからだったろうか。
遠い日の夏のことを決して忘れてはいないけれど
もう口に出してはいけないような封印されたような夏がある。
朝のうちにお大師堂へ。独りでてくてくと歩いて行く。
日捲りの暦が昨日のままだった。めくるのは久しぶりのこと。
お参りを済ませてから外の木陰でしばし風と戯れていた。
風が生きている。吹き抜けながら踊りながら歌っているように。
午後はめずらしく独りぼっちだった。なんとも静かなこと。
読みたかった本をやっと開くことが出来る。
言葉が愛しい。ひとつひとつの言葉がこころに沁みるよう。
それからふと海が見たくなってしまってぶらりと出掛ける。
独りで海に来たのは何年ぶりだろうか。ずいぶんと遠い日のこと。
もう感傷に浸る歳でもないけれど懐かしい思いが込み上げてくる。
このまま老いて朽ち果てたくはないなとふと思った。
まだ「おんな」なのだろうか。それともただの人間だろうか。
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