※映画『長州ファイブ』の感想文です。ネタバレ満載要注意! ※2/24に、『紫雨のゆりかご』の織方さん、明治サイト『華胥之夢』の洛芭さんと六本木で観てきました。当日のレポートは3/6の日記にあります。
俊輔が驚くほど俊輔でした。ただ、品川の時からあそこまで態度でかいのはどうなのか。聞多がヒーローでした(前半)。後半は山尾青春物語でした。いろいろとベタな伏線や展開が笑えた。パブで出くわして喧嘩する薩長留学生というシチュにも笑った。どんな天文学的確率な遭遇だよ。ロンドンにパブが何軒あると思ってんだ…!(答: 星の数ほど)
ストーリー展開が、「そして誰も居なくなった」→「山尾青春物語」でした(微笑) 基本的に英国から去る=物語からフェードアウト。遠藤なんか何も知らない人が見たら、死んだかと思うよ! 勝っちは最後までちゃんといたのに、手紙でしか登場しないうえ鉄道ヲタ扱いだったしな(いやヲタで正しいと思うけど) そして素晴らしくマニア向けでした。こっそり仕込まれた史実小ネタの山。知らなけりゃさらっと流してしまう演出がニクイ反面、勿体ない。君尾さんの鏡ネタ(聞多)とか。品川での「こいつたぶん久坂でいいんだよな」とか。グラスゴーの大学で同じ教室で勉強している中の誰かがダイアーさんだよな、とか。 観る人が、主要登場人物の経歴くらいは一通り理解済み、というのを前提に話が進んでいくので、知らない人にはきついでしょう。ネットのレビューで、「これ、誰が見たらおもしろいんだ? まぁ、おもしろい必要はないっちゃ無い映画なんだけど」と書かれたのもむべなるかな。 や、私はすっげ面白かったですけどね? 終始笑いを堪えるのが大変だったですけどね!(笑)
英国のシーンは、あの国をちょっとでも知ってると違和感を覚えると思われ。 まず、「ロンドンが見えたぞー!」って場面がね…どう見ても外洋っぽいんだよね…。(注: ロンドンはテムズ河口から60キロほど内陸の街です) シェトランドのシーンもちと拙いです。うんあのね、シェトランドの崖って白くないと思う、よ…。むしろ赤黄色っぽい砂岩でできた崖(Sandstone Cliffs)だったと。英国というと「白い崖(White Cliffs)」というイメージがあるからなんだろうけど、あれは南部のドーバー海峡周辺に特有の石灰岩の崖なんですよ。――どうせなら、英国に到着するシーンで「ドーバーが見えたぞ!」「ほら、白い崖だ!」なんて使うとか、なら無問題だったのに。 あと、当時のロンドンは大気汚染がひどく空はいつも煤塵で覆われていたので、背景CGの空がも少しばっちいとよかったかなー、なんて。(細かいな) ロンドンのコックニー(下町)の住民や、グラスゴーの人々まで、綺麗な標準英語だったのも、ちとアレでした。現代でも英国は階級や住む地方によって訛りがきつい国で、たとえば私はグラスゴーの英語は聞いても理解できません(笑) コックニーは、近くで働いてたから少し解るんだけどねー。 あ、コックニーがどんな訛りかというのは、往年の名映画『マイフェアレディ』をご覧くださいませ。あれは誇張ではないです。
……そんなかんじでかーなりツッコみまくってますが、全体として素晴らしく楽しい萌え映画でした。大好きです。ファンです。DVDが出たら大勢でツッコミ大会したいでっすvv
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