みみずのたはごと

2007年02月21日(水)  教養修得というより情報収集と化している。

少し読書でもして教養をば磨かんとて書店に寄りしに、試みに手に取りたる翻訳関連新書に躓きて時を過ごし、終に目的を果たさず仕舞いになりにけり。
…無駄に古文調にしてみても教養は磨けません。ていうより合ってるのかこの古文(爆)

無駄に創作熱が燻ってるようで、いろいろなネタのいろいろなシーンが脳内で無秩序に展開してます。こーゆーときはあんまり宜しくない徴候なんだよ…結局なに一つモノにならないうちにブームが去っていくんだよ…。
できるだけそうならないように、がむばってまふ。(や、別に頑張る筋合いでもないんだけどね。自分的にここで踏ん張らないと負け犬な気分なんだよね)

うっかり立ち読みしてたのは、字幕翻訳者が著者の『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』(光文社新書)という本。
葛生さんがやってるのはニュース翻訳なので字幕と事情は違うんですが、それでも共通点がそこかしこに。楽しく読めました。
翻訳というのは、語学ができればいいというものではなくて、原文の意味を理解したうえで、それをどうやって自分の言葉で言い換えて、文脈やニュアンスを伝えるかという芸当なので、語学の得意な方から「そこ、意味違う」とつっこまれることは実際、よくあります。
でも、意味が合ってても文脈が繋がってなかったり、原文の単語のウラの意味が含まれてなかったりしたら、幾ら原文に忠実でも、翻訳としては下手くそだということになる。媒体の性質を見極めて、相応しい表現をいちいち選ばなきゃなりません。
ニュース記事なら昔取った何とやらで、糊口を凌ぐだけの質のものをかろうじて提供できる葛生さんですが、口語の会話文とか物語系、ユーモア系は恐ろしく苦手です。一方で、原文忠実を旨とするトリセツなんかも超苦手です。むしろ無味乾燥なビジネス書類のほうが好き。…などと選り好みするので、なかなか仕事にありつけません(爆)
あああ、そろそろ苦手分野にも取り組まないとなー…(嫌々)
ちなみにこの本、「最近の映画の字幕ってどうよ?」と思ってる人にもお勧めです。何を隠そう、私がそのクチなんですけどね!

ところで、慶應4年1月の江戸帰還〜4月の江戸開城までの、榎本&海軍系の時事情報(当時)を探しているのですが、どこにあるのか。
てっきり『榎本武揚伝』を見れば済むとばかり思ってたのに、井黒センセは前半生はあっさり片付けて下さってた。どうも加茂センセも期待薄の模様。…『〜伝』というとついうっかり『圭介伝』の濃さを期待してしまう…。
「日本外交史人物叢書」に収録されてる『榎本武揚子』が近代デジタルライブラリーで見られるんですが、これより詳しいものってないんですかね。『復古記』の隙間を埋めたいんだようー。(><)


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