眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬
日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。
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小説・is in you:一穂ミチ
ボーイズ小説・is in you(ルチル文庫)一穂ミチ
受は親の海外赴任から日本に戻り編入する。周囲に馴染めない受は空き教室で密かに息抜きをしている所、学校の有名人で水泳部の攻と知り合う。密かに交流する内に惹かれていくが攻に告白され拒絶する。数年後香港で再会し…。
気になる作家さんの新刊なので買った。可もなく不可も無くと悪くないの間。
受は香港在住。現地で日本人の仕事のつなぎをしている。7歳から香港に7年居た。日英広東北京語を話せる。感情を表すのは控えめ。激しい感情はため込む。曇り空のような。感情は繊細だけど生活は大雑把。
攻は新聞社勤務。香港支局に赴任。新しい支局長。学生時代は学内で有名な水泳選手だった。妹二人弟一人の4人兄弟。実家は関西。微塵の憂いもない底抜けの明るさ。物怖じしない。人好きする。少し緩くはねた髪。屈託のない笑顔。逞しい。
高校時代に惹かれ合っていたがくっつかなかった二人が13年後香港で再会する話。
1/3ほど使って1997年の高校時代、残りは香港で再会後の設定。
親の海外赴任で香港に7年居た受が帰国してから感じていた孤独感の書き方が良かった。
香港にいた頃は早く香港に慣れなさいと言っていた母親が日本に戻ってからは香港の生活を忘れたかのように振る舞い、日本のクラスメートからは帰国子女ということで遠巻きにされ、同じ帰国子女の生徒は欧米から戻ってきた生徒が多く一種のヒエラルキーがありよそよそしい。
若い主人公が疎外されて閉塞感を感じていると、学校(或いは家庭)だけが世界じゃないよ(だから別の世界にも目を向けて自分と合う場所を見つけられると良いね)。と思うのだけど、受の感じている三重コーティングの壁を見せられると、本当に孤独だったのねとしみじみした。
再会後は香港が舞台で土地の描写もみっちり入っている。二人の関係が表なら裏の主役は香港の土地に見えた。
前にもこの作家さんの文章を読むとたまに昔の記憶が蘇ると書いたけれど、今回も香港に行った時の蒸し暑さや、人の熱、猥雑とした町、独特の香辛料の効いた料理など思い出して懐かしい気持ちになれた。ついでに香港で初めて買ったブランドバッグはバレンシアガだった。
この本は読んでしばらく立ってこの感想を書いているのだけど、時間をおいたのは読んですぐだと個人的な香港の思い出を後40行くらい書きそうだったから。まあ個人の日記なので書いても良いとは思うのだけど。
この作家さんが好きな理由は紅茶に浸したマドレーヌみたいに思い出せるからでもある。
香港の事を思い出しながら読んだので、あの空気・土地で二人が動いているのを想像しながら読んで楽しかったけれど、香港に興味がなければいらん描写が多いと思う人はいるかも。
受は前支局長(40代頭)と不倫している。不倫設定は基本嫌いなんだけど、不倫相手のキャラがとても立っていて(近寄りたくはないが興味を持って動向を追ってしまうようなタイプ)、まあこれもありなのかなと思えたから。攻が霞みそうだった。象のエピソードに笑った。とてもアルアル。
攻が日本に帰ったらどうするのだろうと気になった。受の性格だと超遠距離恋愛になりそうだが。受のスキルならどこでも仕事にありつけそう。
話の締め方が綺麗だった。結びついてなかったようで結びついていた感じ。
Hはそれなり。初Hは受の方が慣れていたけど初々しさも感じられた。受が他の男と寝る描写有り。
次も地雷で無い限り買う予定。
社会人物。再会物。13年後の再会。香港が舞台。同じ高校の先輩×後輩。新聞社香港海外支局長31歳×フリーランス28歳。シリアス。受の不倫。犬。
2011年08月03日(水)
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