眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 小説・インテグラ:七地寧/プライムナンバー:七地寧

ボーイズ小説・インテグラ(リリ文庫)七地寧

得意先の攻とパーティで知り合い目をつけられた受。接待の名の下に攻に連れ出されて…。
元は雑誌掲載の書き足し有り単行本だったやつの新装版。短い書き下ろし有り。悪くない。
受は会社員。総合商社営業部所属。幼馴染み(「ルドルフの数」の受)にずっと片思いしている。対人の仕事は苦手だが事務能力は良いのかも。印象が薄い。覇気がない。肉付きの薄い身体つき。気弱な面差し。小動物。兎。酒に弱い。
攻は受の会社の得意先。情報室部長。総合商社の時期トップ。当主の息子。仕事が出来る。心を許している従兄弟が一人。成績が良く行動力統率力がある。ハンサム。美丈夫。
この作家さんのベスト3に入る作品。前にも書いたと思うけれど、雑誌掲載時に読んで萌えたので、思わず友達に載っている雑誌を買って読んで是非私と語ってくれと電話した覚えがある。数日後友達が萌え萌えで電話してきた時の楽しさは今でも覚えている。
BLが男と男の恋愛をかくものなら、これはある意味BLじゃないかもしれない。一種の情はあるけれどラブではない。
BLに出てくる主人(攻)とペット(受)のカプは、大体ペットが主人を一途に慕うけれど、主人はペットと同じ感情を持っていないようで対等な感じがしなくて、受可哀想と思ってしまい、今ひとつ萌えない話が多かった。ポルノ仕様(フィジカルの快楽メイン)でかかれているなら気にならないのだけれど。
でもこの作品は実際に飼われているペットと飼い主の関係に見えて、ある意味感情が対等に思えたのでとても楽しめた。
ポルノ仕様でない飼い主とペットのカプの話でははじめて萌えた作品だったので思い出深い。現在は他にも萌えた話はあるけれどね。
可愛がっているペットの犬猫が他の人間に懐いた時の飼い主のショックなど、ペットを飼っていると身に覚えのあるエピがたまに出てきて笑ってしまう。
BLを否定しているようだけど、受が攻を好き過ぎないのが良かった。実際のペットはこっちが溺愛してもつれない部分があるからね。
だから攻と対等な女性が出てきても攻以外に懐く相手として、攻があわてる様子を見られたので気にならなかった。
情はあると思うけれどラブではない。普通ならこれはBLじゃねーと思うのだけどラブでない故に楽しめる作品だった。設定が絶妙なバランスだったんだと思う。
「プライムタイム」のカプはこちらにも出てくる。プライム受がアメリカから帰り攻が追いかけてくる部分。
どうでも良いけど最初の方、受は攻に貰った名刺を捨てていなかったんだと思った。
ついでにあまり役に立たない受を引き取って減価償却すると言い切る冷静な攻にも萌えた。ここは何度読んでも笑ってしまう。
Hはそれなり。最初は無理目に。受は積極的ではなく攻は良いように翻弄している。
このシリーズは好き。
社会人物。リーマン物。情報室部長30代頭?×商社営業部。年上攻。ペットと主人。ウサギ。



ボーイズ小説・プライムナンバー(リリ文庫)七地寧

アメリカのビジネススクールに通う受は、同じ学校に通う攻へルームシェアに誘う。同居を始めたが攻に告白され…。
雑誌掲載に書き足しと番外編書き下ろし。悪くない。
受はアメリカビジネススクールの学生。「インテグラ」攻の従兄弟。従兄弟に甘やかされている。優秀な成績。ゲイ。家族にカムアウト済み。温室の花。社交的でない。料理は出来ない。消極的。物寂しげ。優雅。過保護。美人系。
攻は受と同じ学校に通う同居人。典型的なアメリカ人。桁外れの金持ちの実家。穀物メジャーグループ。世界規模の企業。兄二人姉一人がいる。碧い双眸。金髪。肉食獣。精悍な顔立ち。
「インテグラ」に出てきた脇カプの話。この単行本が出るまでどれだけ待ったか。雑誌は中途半端なところで切れていてずっと妄想が広がっていた作品。
執着攻は好物なので非常に楽しめたのだが、この本では受が攻から離れたところまでしか書かれておらず、長年待ってようやく満たされると思っていたものが再び途中で取り上げられたような気持ちになった。
久しぶりに本気で「ここで終わりかいっ」と紙面に突っ込んでしまった。続きはいつ読めるのだろうか。次に出る「インテグラβ」に入っていると良いのだけれど。
受は優秀だけど社交的でなく内に籠もり自分に自信がない。温室育ちの花をセレブ階級で優秀で肉食な白人攻が大切に愛でる話。
劇的な出来事があるわけではなく同居した二人が淡々と距離を縮めてカプになる話。
個人的に、はじめてHした後の受の気持ちはもうどうでも良いと考える攻の執着ぶりに萌えた。
受に逃げられた時のすれ違いも笑って萌える。
作家コメントでまた女性出現率が高くてごめんと書かれているのだけど、女性が出てくるから嫌なんじゃないのだが。
インテグラもプライムナンバーも出てくる女性の立ち位置が同じなのは何でだ。これだけではなく人獣物に出てくる女医者もそうだよね。敵に回る女と味方立ち位置の女が判子で押したようにどれも同じなのが気になる。ある意味記号化されているのかもしれないけれど。
ちなみに雑誌掲載分は104Pまで。
Hはそれなり。受の足にキスする攻に萌えた。
次も早く出して欲しい。
社会人物。シリーズ。同じビジネススクールの受講生。アメリカが舞台。執着攻。年下攻。

インテグラのドラマCD結構好きだったので「プライム」も出て欲しいのだけど、サイバーなので無理か。。

2010年09月22日(水)
最新 目次 MAIL HOME