眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

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 小説・気高き僕は跪く:暁由宇/映画館で逢いましょう2:鳩村衣杏

ボーイズ小説・気高き僕は跪く(アイノベル)暁由宇

大手金融会社の秘書課で勤務する攻は、系列の美術館の館長である受の下で働くようになった。受は同じ高校の先輩で印象的な存在だったが…
最近買う作家さんなので買ってみた。悪くないに一歩足りない。
受は黒々とした髪に紅をはいたような唇。すっと通った鼻筋切れ長の目元。射抜くような鋭い視線。浮世離れしている。厳しく張りつめた空気をまとう。京都の旧家で育てられる。
攻は総合金融会社の秘書。目鼻立ちのくっきりした顔。良いところのボンボン。努力家。人の輪の中にいるタイプ。体格は良い。
借金を肩代わりしてくれた受の仕事を手伝うようになった攻は、慣れない骨董の世界で勉強し、受の家の暗部を見て、受を言葉で嬲りながらご主人様になるHに励みつつ話が進む。
この作家さんは、良くも悪くもおっとりとしてほのぼのな作風だと思っているが、今回のように受が誘い受でプチSMちっくな場合は、作風とあいまってぬるく感じる。妙にドメスティック。
攻も基本はお人好しな気がするので、そういうタイプが言葉で嬲るというのが今一つぴんとこない。
流れでプチSMチックになったが、くっついた後は普通のHをするようになるのかな。
受の性格はおっとりとした天然で攻を一途に思う姿が可愛い。
受の家庭は複雑で単行本の頭に家系図がついている親切仕様。ボーイズでは珍しいかも。仕事エピソードとして骨董を取り上げているが、アプローチの仕方も少し珍しいと思った。
基本攻視点でたまに受の独り言が入っている作り。
次も設定次第。
社会人もの。受の部下25歳×美術館責任者27歳。同じ高校出身。2年差。10年ぶりの再会。美術品。骨董。



ボーイズ小説・映画館で逢いましょう2(シャレード文庫)鳩村衣杏

付き合いはじめた二人だが、攻の昔の男の噂を聞き、自分との違いに動揺する受。会社は買い付けたチェコ映画の上映に向け動いていくが…
続編。雑誌掲載と番外脇カプの書き下ろし。前作が気に入ったので買ってみた。悪くないと面白かったの間。
キャラ設定は前の巻で。
一つの映画を公開するまでの配給会社の仕事を絡めつつ、攻の昔の恋人やライバルが出てきて色々自信を無くしていく受。一度は別れようとするが最終的にはハッピーエンド。仕事面の話は割と楽しんで読めた。
受が段々自信を無くすのは、追い詰められていく感じで良かったが、社長室で決定的になる下りは、雑誌の時から読んでいて「?」だった。単行本になってもやはりどこか釈然としない。切っ掛けの前に追い詰められていた受が少し浮上した気がしたので、浮き上がったところでまたすぐ元に戻ったのが釈然としない理由。
攻の恋人や片腕の方が仕事が派手で魅力がありそうに見えるので、それを押して受を選んだ理由は事あるごとに出てくるが、今一つ説得力が無い気もした。
他は相変わらず脇キャラも立っているし、受攻も頑張っている感じで読後感も悪くない。
書き下ろしの脇キャラはどうかと思ったが、本編の時から脇攻が気になっていたので読めて良かった。因みに、ライバル会社在籍の本編攻の子分×本編攻の片腕カプ。口の悪いしっかり美人受に一癖ある大型犬攻。続きもあるらしいので読んでみたい。
後書きでも書き下ろしは駆け足だったとあったが、本当に駆け足だった。気に入ったカプだけに残念。
本編最後の一文が、色々あったけど受にとっても今年が最良の年だったという意味なら、良い締め方だと思う。是非幸せになってくれ。他のキャラもみんな。
しかし、この作家さん、出版関係やこの映画の話は、裏の事情まで詳しくエピソードに絡めてくるが、それ以外の仕事物は割と流しているように見える。得意職種があるのだろうか。
次も設定次第。
映画会社。社会人物。社長30代?×新入社員25才。しみじみ。


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2005年07月02日(土)
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