眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

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 ボーイズ小説・愛しているなら離れるな:義月粧子

ボーイズ小説・愛しているなら離れるな(クロスノベル)義月粧子

高校生の攻は見知らぬ上級生の受から告白される。驚いて一度は断ったがその後も声をかけられ話す内に気になるようになってきて…
久しぶりの高校生で粗筋が気になったので買ってみた。内容だけ見ると可もなく不可もなく。色々決心が付いた。
3部構成で、1は高校生編くっつくまで。2は大学生編から社会人編の別れてから再会するまで。3は番外のラブラブな二人。
受は整った顔立ち。図書委員。穏やかで落ち着いた雰囲気。学生時代からカミングアウトしているゲイ。頭が良く数学が得意で大学時代留学し、そのままイギリスに残って研究を続けている。それなりの業績を上げている。
攻はサッカー部。女性にもてる。強引でワガママ。社会人になってからは会社のシステム課に所属。
以下ネタばれにつき注意。

話の流れは、片方がゲイで、耐える健気受とワガママ何様攻で、攻の浮気が原因で攻が受をふり、で惜しくなって元鞘。この作家さんでは一番多いパターン。
今回の別れる原因も、大学生になり学業で忙しい受の部屋へ、攻は予告もなく頻繁に表れてはしたいようにし、ある日いつも通りに連絡も入れずに受の部屋を訪れ、はじめて受から忙しいと断られ、ショックを受けて飲みに行き女をひっかけ寝て、拗ねたまま数週間連絡を取らず、その間連絡をくれなかったと切れて他の女と付き合うことにして受をふる。
と、相変わらず開いた口がふさがらない。最後に一応反省している点だけはマシだが、個人的ワーストキャラの一人ではある。
受は取り立てて欠点もなく普通の性格の持ち主だとは思うが、唯一の欠点は攻を好きになった事。話で一番萎えたのは元鞘に戻った事だったので、既にボーイズとしての楽しみは感じられなかった。
文章はエピソードを箇条書きしているようで短くて展開が早い。あまり余韻やタメがないので話にのめり込みにくい。そして相変わらず海外スポーツが出てくる。今回はツールド仏蘭西。
地雷かも知れないと分かりつつ買ったので、内容であまり言うつもりはなかったが、一番萎えたのはこれが既刊の焼き直しだったこと。
読み始めて数ページでどこかで読んだと思い、検索したらこの作家さんの書いた既刊が出てきたので思い切り萎えた。
単行本のどこかに出し直しと書いておいてほしい。しかも前に出た時と作品のタイトルが違い、更に萎えた。加筆修正やら改稿やらしたので新作扱いしたかったかもしれないが、元の作品があることを書き加えて欲しかった。
ついでに、元作が出されていたレーベル(?)はこの作家さんがプロデュースしているそうだが、限られていたけど一般書店で流通していたし、同人イベントでスペースに並んでいなかったので、個人的に商業レーベルと認識していたのだが、そこから再録と書かないのは同人扱いだったからか。
この作家さんの新刊だと思って買う読者にも失礼だと思うのだが。
後書きに「愛読者様いつもありがとう」みたいなことを書いてあったが、本当に感謝しているなら他にすることがあるだろうと思ってしまった。
同人まがいの元作品から、ずっと買い続けて読んでいる人もいるかもしれないのに。
前も似たような事をやっていてひっかかった事があったが、再度同じ事をされると心底萎える。
と言うわけで、これからは雑誌掲載作品は読むかもしれないが、同人も単行本も買うことは止めるよう。これから面白い作品も出るかもしれないが。
もういいや。
学生から社会人まで。後輩×先輩。1歳差。数学者。元鞘。留学。



作家さんの同人から商業への再録自体は、個人的には気にならない。
同人より商業の方が部数は多いし、特定の人以外も読む機会が増えるだろうし。作家さんは、一人でも多くの人に読んでもらいたいと思うだろうし。その気持ちは分からないでもない。ただ、後書きかどこかに、一言書いておいて欲しい。
再録で書き下ろし数ページでも、その作品が面白かったのなら、その思い出に新たな新刊の値段を払う気になれる。
タイトルを変えたり、同人初出を明記しないのは、同人も追いかけている読者の人に悪いと思わないのだろうか。思わないからやっているんだろうけど。

2004年10月20日(水)
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