眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 ボーイズ小説・ホテルに隠れましょう:剛しいら/月を抱いた:夜光花/蜜月:雪代鞠絵

ボーイズ小説・ホテルに隠れましょう(アイノベル)剛しいら

「ホテルで逢いましょう」の続編。「逢いましょう」では天才画家の兄でありその絵を管理する会社の社長である攻と、小さな旅行代理店で働いていた受の話であったが、今回はその弟である天才画家・受2と有名若手俳優・攻2のカプも出てくる。天才画家と俳優のなれそめから日本に個展を開くため帰ってきてハプニングが起こってという内容。
前作は嫌いじゃないけど最期がばたついてまとまりが悪いという印象だったが、続編なので買ってみた。可もなく不可もなく。
受2は綺麗な顔立ちの天才画家。4歳の頃両親が離婚。兄弟でアメリカに渡り苦労して育つ。精神面が不安定なまま成長し、知能が遅れているように見える。感受性が強く、一度見た物はカメラのようにとらえ絵にすることが出来る。兄とべったりだったが、攻2と出会い好きになる。感情はストレートに出す。攻2は大学時代バイト代わりに芸能界で働いていたが、アメリカで受2と出会い稼ごうと思って俳優になる。浮ついた外見だが根は真面目でしっかりしている。器が大きく恋人に対しては真摯。
メインカプ4名のうち一番器が大きくいい男なのは攻2な気がする。キャラはどれも好感がもてる。とんでもない性格なキャラもいるが、この作家さんの味〜で収まる範囲。
内容的にはそれなりに事件がおこり収まるところに収まっており続編としては楽しめるが、小粒に纏まりつつ、どこかがちゃがちゃしている印象なので感想は普通。
この作家さんの書くキャラの会話は、たまに映画や劇の中で登場人物が演技しながら話しているような印象を受ける。それが悪いとかではないのだが。私は演劇を見ると、たまにその仰々しさや作られ過ぎている部分にひくことがあるのだが、その時と同じような気持ちになる。内容が悪いわけではなく、合わない部分。
ついでに、タイトルに絡めるつもりか、何度か文中に「ホテルに隠れる」というフレーズが出てきたが、使いすぎるとせっかくの決め台詞(?)の印象が弱くなる。
カプ二組。メインは若手俳優23歳×天才画家29歳。



ボーイズ小説・月を抱いた(ラバーズ文庫)夜光花

恋人だった攻に感じていた負い目に耐えきれず大学を辞め失踪した受は、4年後再会してしまう。変わらない攻の情熱に押されて再び付き合うようになるが…
新人さんながら気になったので買ってみた。初読みだが悪くない。
受は可愛い系の顔立ち。年上に可愛がられる。平凡な頭。花屋でバイトしている。仕事をするのは好き。幼い頃に犯した過ちがずっと心の枷になっていて他人と一線を引いて生きてきた。負い目から攻と付き合い、負い目から逃げる。後ろ向きな性格。攻は頭が良く顔も良い。小さい頃から受が好き。高校で告白して付き合うようになる。まめで誠実。情熱的でずっと受を愛している。
攻が受を好きで好きで大切にして気遣って追いかけ続けるという話は好き。その点ではとても楽しめた。少しじめっぽい文章に自虐的な受の性格。キャラの作り方もこの作品だけ見ると好みっぽい。次も読んでみたい楽しみな作家さんだと思える。
ただ話の進め方が今ひとつ。攻の妹が出てきて2つの理由で受をなじるのだが、受は負い目を感じているのは、その中の1つだけに見える。それはかまわないのだが、大学時代に一度攻から去ったのは負い目に感じていないほうの理由だったので、悩む内容と行動がちぐはぐな感じがして何度か首を傾げた。もう少し整理されていれば萌え萌えで楽しめたのに。そして最期のシーンで妹は手のひらを返しすぎ。これまでのことは何だったのかと思ってしまった。残念。
ついでに受が故郷に帰った時攻は車で受を迎えに来たのだが、東京に戻るときは受と二人で電車に乗っていた。レンタカー?
Hはねちっこくて濃いめ。受が気絶してもしつこくやっている。このHシーンは好み。
文章は書き慣れているっぽい。
過去の贖罪。幼なじみ同級生カプ。会社員×花屋のバイト24歳同士。



ボーイズ小説・蜜月(アイノベル)雪代鞠絵

妾腹の子として育った受はイギリスで結婚している姉が失踪し、体裁が悪いので姉の夫で義兄である攻に謝りに行けと親に言われイギリスに渡ることになったが…
雑誌ではちょこちょこ読んでいたが単行本を買ったのは初めて。微妙。
受は妾腹で母親が亡くなり父親の家に引き取られる。引っ込み思案でおどおどしている。健気で攻にずっと片思いしている。遠慮深い。攻は御曹司で頭も良く将来を嘱望されている。姉の婚約者で受の大学受験の家庭教師をするため初めて出会う。現在はイギリスに城を買いそこで仕事をしている。
虐げられつつ健気に攻を思う可哀想な受の話を読みたかったので、その点ではそのままな内容。実家はそれなりに金持ちなはずなのに貧乏くさい服を着ていたり、わざとらしさが鼻につく部分もあるのだが、見なかったことに出来ないこともない。
それより攻が微妙に電波っぽいというか。萎縮している受に薬を盛って、眠らせてから体を弄っている。胃炎で苦しんでいた受にそんなものを飲ませても大丈夫なのだろうか。受も寝ながら体を開発されているし。妙な感じ。
攻の台詞が、ところどころ芝居がかっていて恥ずかしい。ついでに受がいじましいとか可哀想とか安易に書きすぎると萎えるので、言葉でなくエピソードでいじましさを表して欲しい。
受が開き直って攻が好きだと言うエピソードは弱い気がする。その後のエロは濃厚。
しかし重要な事があると受に薬を盛って蚊帳の外に置こうとする攻の性格は頂けない。
企業家義兄×大学生21歳。イギリス舞台。



2004年05月11日(火)
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