眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 ボーイズ小説・寡黙に愛して:火崎勇/ラブライズ:染井吉乃/蜜月:春原いずみ

ボーイズ小説・寡黙に愛して(キャラ文庫)火崎勇

たった一人の肉親である祖母が亡くなり天涯孤独になった受の元へ生前祖母が借金をしていたと不動産屋社長の攻がやってくる。受は返済するため攻の会社でアルバイトをし、攻の家の家事もすることになるが…
デフォ買い作家さんの新刊。悪くない。いつも通りな内容。
受は大学を卒業して祖母の持つビルの管理の手伝いをしていた。そのビルを建てるのに攻の亡くなった祖父に借金をしており、その返済をするため攻の元で働くようになる。働き者で前向き健気で頑張りや。という火崎キャラの典型のような性格。攻は祖父の不動産会社を継ぐ。無口で表情が出にくいたち。仕事に対して厳しい。顔は整っている。
この作家さんの元気受キャラは常に前向き。倒れるときも前に倒れるんではないかと思うくらいポジティブ。攻の方が案外子供っぽかったりうじうじしていたりする。そういうのもまた好きなのだが。
ついでに真面目な働き者が多いので、例え家事しかしていなくても、「攻の家庭に入る受」のようには見えない。
全体的にまとまっていてワンパターンながら楽しく読めたのだが、悪役に受が拉致られて警察と攻が助けに来る流れで、助け出されてそのまま帰宅したのはいただけない。頭を殴られたんだから、一応病院で検査受けとけ。と思ってしまった。押し倒して初Hの前に攻が「頭が痛くなったらすぐ言え」とか話すのだが、だから先に病院に連れて行けばいいのにと(以下略)。
次の作品も期待している。
不動産会社社長28才×負債者23才。借金もの。



ボーイズ小説・ラブライズ(キャラ文庫)染井吉乃

ニューヨークでのレコーディングを終えた受は一足先に帰国する。帰国した後も攻のバンドの手伝いをするが、その中のメンバーの一人が脱退するという噂をきき…
連載もの。第三弾。最終巻。割と面白かった。
受も攻も顔が良く音楽に携わっている。受は音楽の才能があるが、自分の才能に今ひとつ自信がない。裏方の一スタッフだと思っている。攻はストレスで歌えない時期があり、受に助けられ歌えるようになり感謝している。受にべた惚れ。
1冊目を雑誌で読みツボだったので、ずっと買っていたが、くっつくまでが一番面白かった。くっついたあとは割とバカップル。攻が受に甘えている。受は縁の下のしっかり奥さんみたいなタイプ。信念を持って男らしい面もある。
あまりべたべたされるとこっぱずかしい。受は周りからとても愛されてかまわれている。
攻のバンドに入ることを受が渋り悩んで最後はメンバーになるのが大筋なのだが、渋っていたのをすっかり忘れていたので、まだメンバーじゃなかったんだ。と驚いてしまった。バンドものは基本苦手なのだが、気にせず読めたのは良かった。連載終了お疲れさま。
バンドもの。音楽。複数巻。バンドの歌手28才×音楽会社の社員25才



ボーイズ小説・蜜月(ショコラノベル)春原いずみ

元医者で絵画修復士である攻はある日海岸で倒れていた受を拾う。医者に行きたくないと言われ自宅で介抱するが、熱が下がった時には記憶を失っていた。成り行きで同居することになるが…
何となく買ってみた。駄目だった。
受は記憶喪失で拾われる二十歳前半。童顔で美しい青年。絵画に造詣が深く日常的な家事は一切出来ない。攻は精神科医であったが患者に自殺未遂をされ医者である自分に自信を無くし、絵画修復士になる。世捨て人のような生活を送っている。頭が良く面倒見も良い。
すごい展開に途中からついていけなくなった。(以下思い切りネタばれにつき注意)

攻が順当に医者になったとして、数年働き、それなりの実績を上げ信頼されたところで辞め、一から修復士としての勉強をして(フレスコ画専攻で絵画の修復もする)6年で画廊から仕事をもらえたりするものなのだろうか。絵画は習うまで趣味でかじった程度、しかも国宝級の絵画を修復しているのだが。最短でも30代頭から半ばになっているとしても、作中の言動から年の割に若い精神を持っているようだ。
受も絵画の専門的な知識を持っていて、絵画部門の天才か? と思いきや実は海外のコンクールでも賞を取っている天才美少年ピアニストだった。3つぐらいの作品の設定が無理にくっついているようで目が回る。
惹かれ合っているのに受の記憶が戻ったので、一度別れ、でもすぐに受が戻ってきて、二人が出会った浜辺で入水しようとしていたところを攻に見つかり(現実に照らし合わせれば、男にふられた女が二人の思い出の場所で当てつけ自殺するようなもの)、流されるようにHして、次の日受が起きると今後の展開が怖くなった攻は既にパリに逃亡していた。逃亡先の6年ぶりに再会する兄の元でほとぼりさましているところ、医者を辞めるきっかけとなった患者がたまたま現れ(都合良く結婚してフランスに来ていた)「あなたのせいじゃなかったのよー」と言われあっさりトラウマを克服し、日本に帰る。まさにジェットコースターストーリー。
んで、何故かそのHで立ち直っている受のコンサートに駆けつけ、関係者出入り口で抱き合い愛を確かめると。何かものすごーくはた迷惑なカプな気がする。もっと地味な設定で良いのでじっくり書いてくれないだろうか。
文章はシリアスで淡々として穏やかな感じなので好きなのだが、その割に内容がすごかった。「氷点下の恋人」は面白かったのだが、作りが違う。本来の作風はこちらの方が近いと思うので、「氷点下」が別だったようだ。
修復士30代半ば?×ピアニスト21才。しみじみ。

2004年02月28日(土)
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