読書記録

2024年07月25日(木) 月と散文 / 又吉 直樹



 ドブの底を這うような歳月を越えて芸人として世に出て10年と少し。
芥川賞受賞、相方の渡米、コロナ渦・・・。
その間に、様々な出来事が起こった。

いろんなものが失くなってしまった日常だけれどなにがあるのだろうか。

あの頃、夢に見た年相応の暮らしは
なにが変わってなにが変わらないのか。
実体験と、内側で爆ぜる感覚と感情を時折、青春を引き摺りながら描く。

センチメンタルが生み出す爆発力、ナイーブがもたらす激情。




やや欠けた月でも満月ということにして、詩を詠むことくらいは許したい。
そこに満月を見た時と同じような興奮があれば、嘘も嘘ではなくなる。
ただ私は、そうしようとした狡い感情を書く方が性には合っているけれど。











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