心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2004年04月19日(月) ハード・ラック・ディ

コンビニで朝刊を買ってみましたが、載っていませんでした。年に一回あるかないかの殺人事件。バスが衝突して小学生たちが怪我。それに、会場近くの駐屯地でやっていた自衛隊祭りの賛成反対。ニュースに事欠かない日曜日だったようです(悪いニュースは良いニュースを駆逐する?)。

夕方から雨になりました。土曜に久しぶりに洗車したばかりだというのにです。

昨日と同じ公民館で、今夜は普通のAAミーティングでした。新しい人が誰か来ないかと、密かに期待していたのですが、その願いは裏切られました。まあ、そんなものでしょう。すぐに報われると期待しても仕方ないし、報われないからといっていじけても仕方ありません。
いつものメンバーがあらかた揃えば、それでよいでしょう。皆の顔が輝いているように見えたのは、昨日のスピーカーズのおかげでしょうか。

「あ、いけね。レンタルDVD返すのに、持ってくるの忘れちゃった」

延滞料って妙に高いんだよねー、などと仲間と話したあと、家にいったん戻って返しに行きました。実は借りたのは先々週の土曜であり、返却期限は先週土曜まであったのに、今日までだと勘違いしていたおかげで、延滞料300円×2枚×2日=1,200円を請求されてしまいました。

Windowsが起動時に「PAGE FAULT ON NON PAGED AREA」という呪文を吐いて青ざめるようになってしまいました。きっとWindows Updateでインストールしたデバイスドライバのせいに違いありません。でも、どうやって戻したら良いのか分かりません。


2004年04月18日(日) オープンスピーカーズ無事終了

朝8時半に会場に着いたときには、もうかなりの人が集まってくれていました。みんなで準備。
僕は長野のオープンスピーカーズやステップセミナーには、毎年出ているわけではありません。理由は農繁期(種まき・田植え)と重なる日程になることがあるからです。だからスピーカーミーティングの運営には慣れていません。他にも緊張した人はいるでしょうが、僕が一番?緊張してテンパっていました。

人数は数えていませんが、県内からも県外からも予想以上にたくさんの仲間が集まってくれました。それに、会場の後ろのほうに何組か家族とおぼしき皆さんもいらっしゃいました。やっぱりメディアの力は偉大だなと思います。なかなか「自ら足を運んで」くださる人は少ないのです。
まさに「わらをもすがる」気持ちで来られたのかもしれませんが、AAがその答えとなっているかどうかは僕には分かりません。ビル・Wが書き残したように「AAはアルコールの問題に対する唯一の解決でもなければ、最善の解決でもない」わけです。でももし、誰かがAAを選び取ってくれたのなら、仲間が増えて私たちはもっと安全になるわけです。

今回の会場は全館禁煙で、タバコを吸うには一階の渡り廊下まで移動しないといけませんでした。以前の見慣れた光景、会場の一歩外に出ると、廊下はタバコを吸う人たちで溢れ、空気は真っ白、というのにはお目にかかりませんでした。喫煙所はAAメンバーの社交場でもあるのですが、そこまで行くのが面倒でスピーカーの話を(以前より)たくさん聞いた人も多かったのではないかと思います。

課題も残ったけれど、ともかく今回は終わりました。ほっとしています。地元紙が取材に来られたので、明日の朝刊に載るでしょう(タブロイドサイズのやつね)。仲間の力で成し遂げたイベントという感じでいっぱいです。

帰宅後、疲れて寝てしまいました。夜、二人の娘と久しぶりに一緒に風呂に入りました。

「僕もだんだん<AA人>になっていくなぁ」と言ったら、仲間に「良かったじゃないか」と言われました。AAはひょっとしたら壮大な虚構かもしれません。けど、一生ばれない「永遠の嘘をついてくれ」るのならば、だまされてみるのも悪くないかも。


2004年04月17日(土) 種まき

実家へ稲の種まきに行きました。田植えのときに使う苗を育てるために、でっかいトレイみたいなのに土を盛り、その上に発芽した籾を撒いて、また土を薄くかぶせ、そして水と温度管理を適当に行えば、3週間後には植えられる苗に育ちます。
もちろん苗の状態で農協から購入することもできますし、籾の状態でも買うことはできます。でも買えば金がかかりますから、手作業をすることで購入資金を節約しているわけです。
籾を発芽させるのはそれほど難しい技術ではなく、単に籾殻のまま水につけておけば良いだけです。が・・・母が雑に籾を選んだせいでしょうか、今年は2割ぐらいの米が発芽しないまま残ってしまいました。
発芽しない米は、殻が取れてお米(玄米)になってしまいました。それが籾の間に点々と散らばっているのです。それを箸代わりの竹串2本でつまんで取り除くという、気の遠くなるような作業が待っていました。「なんでこんなことになるんだ。農協で籾を買ってくりゃいいじゃないか」と電話をしてみたのですが、残念ながら売り切れでした。

それでも夕方には作業も終わりです。兄は自室で昼からビールを飲んでばかり・・・、休みだからといって昼から酒を飲む習慣は「いかがなものか」と思うのですが、そんなことは母からも義姉からも甥や姪からも言われているでしょうから、重ねて言うことはしないことにしています。
僕は今年の秋は、ラウンドアップやら新潟やらで、稲刈り・脱穀とも逃げ出す予定でいますから、春のうちに恩を売っておいたほうが得策です。

義父(これは我が家のほう)が竹を鎌で切っていて、間違えて自分の左手を切ってしまったのが、確か一週間前です。救急病院で筋肉を縫い合わせてもらったのは良いのですが、今度は「親指が外側に曲がらない」そうで、手術して入院となりました。妻はそちらにかかりきりです。

でも子供たちは、種まき後に母がお風呂に入れてくれましたし、夕食も途中の吉野家で豚皿を買ってきて先ほど済ませました。布団もひいたし、あとは歯磨きをさせればOKというところ。


2004年04月16日(金) やめられない理由

朝刊も夕刊もコンビニで買ってみましたが、記事は載っていませんでした。明日でしょうか。

もはや僕にできることは、当日朝遅れないように、きちんと起きて会場に向かうことぐらいでしょうか。そして仲間と「一緒にやること」です。
AAのイベントは人数がたくさん集まれば成功というわけでもありません。盛り上がれば成功というわけでもないし、会場献金がたくさん集まって黒字になれば成功というわけではありません。もちろん、人数は多い方が良いし、にぎやかな方が良いし、赤字にならないに越したことはありません。でも逆に考えると、これを達成すれば成功という基準はないのです。

一回限りのイベントが地元のAAを大きく変えてくれるわけではありません。そのことは経験的に分かっています。でも、何もしないでいると、自助グループというのは尻すぼみに衰退してしまいます。苦労して(?)何かをなし遂げて、わずかばかりの成果を得るのです。その積み重ねでなんとか現状維持+αを遂げているのでしょう。
すごく効率の悪いやり方にハマっている気がしないでもありません。でも、もっと効率の良い方法があったら「教えて欲しい!」と叫びたいぐらいです。

もっとよい方法があったならば、依存症の治療法はもっと昔に確立されて、病気に苦しむ本人も家族も、もっとずっと数が少なかったに違いありません。でも、そうはならなかったし、今もなっていません。だから、効率が悪かろうが既知の手段を取るのです。

もしAAで誰も助からなかったら、とっくにAAには見切りをつけていたでしょう。でも、全体に比べればわずかな数ではありますが、助かる人間がいるのです(自分も含めて)。その助かった喜びは、イラクから救出された3人の喜びに勝るとも劣りません。

「くだんねー」「つまんねー」「もー飽きた」と不平ばかり並べながらも、僕がAAをやめられないのは、そこに理由があるのでしょう。


2004年04月15日(木) 可換なもの

僕の住んでいるところから西を見ると、3000メートル級の山が立ち並んでいます。真冬にその山に登ろうという人間の気が知れませんが、「そこに山があるからだ」と言われれば、そうなのかなと納得してしまいます。
一冬にいったい何人が入山するのか知りませんが、毎冬たいてい遭難する人がいます。登るからには自己責任なのですが、だからといって遭難した人間を放っておくわけにもいきません。県警のヘリも飛ぶし、民間のヘリもチャーターされます。捜索隊が雇われて入山します。指が何本か無くなっていても、生きて帰ってくれば万事オールライです。人の命は金には替えられません。
イラクの3人の命も、金で買えたのならそれで良かったではないかと思います。例えその原資が税金であったとしても(うがち過ぎか?)。

仕事中に今度は全県版のローカル紙から電話がありました。オープンスピーカーズの予告記事を書いてくれるということでした。質問されたのは「事前申し込みは要るのか」「途中で話をする一人は病院のスタッフなのか」「問い合わせ先は東京のセントラルオフィスでよいのか」でした。
AAのイベントは(宿泊しない限り)事前申し込みは不要なのが普通なので、わざわざそのことを断ったりしなかったのですが、世の中ではたとえ参加無料でも、参加の申し込みが必要なイベントが多いってことなのでしょうか。

オープンスピーカーズミーティングと呼びながら、実際には参加者の九十数%がAAメンバーという実態は、ぜんぜん「オープン」でないのでないか? という素朴な疑問に端を発して、新聞への予告記事という方向へ今回は走ってみました。オフィスの電話が鳴りっぱなし、というわけでもなさそうです。
さて、当日ふたを開けてみて、実際どれくらいの人が「初めてAAにやってきた」人なのでしょうか? 答えは3日後です。

(病院や保健所へのお知らせはいつもどおりやっていますよ)


2004年04月14日(水) 正直と馬鹿正直

先日のことですが、ホームグループのミーティング会場を借りている公民館の隣の村役場から電話がかかってきました。もちろん勤務中の電話が歓迎であるはずもないのですが、これも7章に書かれている12番目のステップの一部だと思って諦めるようにしています。ステップのなかで自分に都合の良いところだけを受け入れていれば楽なのでしょうが、どうもそれでは前進しないようなのです。

先月、公民館の利用料減免申請書を提出したのですが、それには団体の名簿をつけなくてはいけませんでした。そんなものは作りようがないので僕の住所と名前だけを書いて、あとは会の規約上名簿を作成も公開もできませんと書いておきました。ところが、それでは規則上よろしくないというのです。
AAのことを紹介するパンフレットを同時に出しておいたので、こちらの事情もある程度分かっている様子でした。こちらも無理を通そうとは思いませんから、「減免は通らなくても、公民館さえ使わせてもらえれば、有料になってもかまわないのですが」と言ってみたものの、それでも納得していただけません。

「村の在住者が5人以上参加している必要があるのです」と言われました。
昨年はそんなことは言われなかったのですが、規則は変わるものだし文句を言ってみても仕方ありません。
「村の在住者もいるとは思いますが、こちらとしては確かめようもありません」
そう、人口7千人の村に5人もAAメンバーがいるわけがありません。
「口頭でかまいませんので、5人以上いると言っていただけると、私も上司に説明しやすいのですが・・・」

僕は一瞬躊躇しました。「はい」と言えば、それはおそらくは嘘になるでしょう。でも「いいえ」と答えれば相手は困ったことになるでしょう。都会の市役所と、田舎の村役場では、いろいろと事情も違います。余計な変化が起きるのは好ましくありません。
「正直と馬鹿正直は違う」
という先人の言葉を思い出して、「おそらく5人はいるんじゃないでしょうか」と答えておきました。

前回も、前々回も参加者は二人でした。「またひとつ嘘をついてしまったな」と思ったものですが、その思いすらすぐに忘れてしまい、ここ数日、そんなことがあっとことすら思い出せないでいました。

5人の村民が名簿に名前を書いて提出できるまでグループが成長すれば、こんな悩みはなくなるのでしょうが、それはだいぶ未来の話になるでしょう。


2004年04月13日(火) ひみつ資金

「毎年この時期になると調子が悪くて」と春も夏も、秋も冬も言っているような気がします。薬を飲まないとうつが悪化します。でも飲むと眠くなります。眠気・だるさというのは典型的な副作用なので心配はしていません。しかし、飲んでも飲まなくても、あまり結果は変わっていないような気もします。
仕事を午前中休みをもらいまして、寝ていたら少し楽になりました。身体の疲れは心の疲れ、心の疲れは身体の疲れ、なのかもしれません。

毎月給料から数千円を天引きして、積み立てをしています。以前は「社員旅行積み立て」と呼ばれていたものですが、誰も社員旅行に行きたくないという理由で毎年4月に払い戻されます。音沙汰がないので、経理に催促してみたら「すっかり忘れていた」そうであります。ともかく今週中には現金を手にできそうです。

この積立金払い戻し・年末調整の払い戻し、このふたつは時期が来れば期待できる「ひみつ資金」であります。でも身につかないで、使っちゃうんですけどね。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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