心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」

たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
もくじ過去へ未来へ


2003年05月28日(水) 死の行進

ああ、おうちに帰りたいです。
わざわざ山梨の東のほうまでいったのに、「全然用意が出来てないから、ここに居てもらってもやることがないよ」というので、しかたない機材を持って帰ってきてしまったのですが、途中で「なんで帰っちゃうのですか?」という連絡が入ってきました。

現場に言っても誰が責任者なのか分からないし、何か聞こうにも窓口の人間すらわかりません。だいたい立会いの日まであと4日間だというのに、機械が完成していないし、動いてすらいない状態で、ソフト屋がそんな機械に取り付いて何が出来るというのでしょう。しかもソフト屋は3社いて、僕のところはその終端なので、残りの2社のソフトが動き出さないと意味がありません。
これで間に合ったら奇跡です。でも「間に合いません」という魔の言葉を誰も言い出せない状況が怖いです。事実を口に出せないストレスは、だんだん皆の中に積もり積もって行動をゆがめていくのね。

なぜ間に合わないのに日程が延ばせないのか・・・経験的にはお金の問題が絡んでいる場合がほとんどです。期日に間に合わなければ、期日にお金がもらえない。でも支払いは待ってはくれないのです。だから間に合うことを前提に仕事を進めざるを得ないのです。そして、「皆で一生懸命頑張ったけれど、結果として間に合わなかった」場合にのみ、「延長せざるを得ない」ことが皆に明らかになるのです(周知の事実なのに)。
これを「デス・マーチ」と呼びます。むかし日本軍がやった「死の行進」が元になった言葉です。失敗することがわかっていながら、誰もそれを途中で止めることが出来ない・・・。

この一年間締め切り線上の魔術師は、綱から落ちることはなかったのですが、今回ばかりは強風で綱が揺れているようです。ともかく来週の金曜日までは予定が縛られております。そして金曜日の夜には、機械全体は梱包されて、SARSの流行が始まったところへ運び去られてしまいます。後はどうなるのか知りません。
再来週には代休の予定を入れておきます。


2003年05月27日(火) Keep it simple

結局 Studio .NET で一から書き直しました。
すんません、一日中仕事している(かどうかはともかく職場にはいる)ので、それ以外の話題がなかなかありません。昨日はプログラマーとしての年期の話をしましたが、実は年期はあんまり役に立たないのがこの世界です。時流の流れが速いですから。といってもWindowsの32ビット版が登場したあたりから進歩は止まっている気がします。そこに競争はないから進歩もないのでしょう。パックス・マイクロソフトニカ。

最近プログラマーになった人は、スタックとか動的割り当てとか局所最適化とか知らないでも仕事が出来るのでしょうね。でも、それだと「なんだか知らないけど動いているプログラム」が出来上がってしまい、それが一瞬にして「なんだか知らないけど、動かなくなってしまったプログラム」に化けてしまうわけです。そして、「なんだか知らないけど動かないんです。助けてください」と言うはめになるというわけです。

MSは新言語C#を使えば、そんな不条理はなくなりますよ、と宣伝しているけれど、「なんでJavaが流行らなかったか。なんで、CがPascalに打ち勝ったか」考えて見れば簡単でしょう。初歩的なミスで失敗しないやつは、もっと難しい問題で失敗するのです。普通の車より四輪駆動車のほうが、「より厄介な場所」で立ち往生するのに似ています。スポーツと同じで、トレーニングだけが自分を支えてくれる、実力主義の世界なのです。などと偉そうなことを言っても、自己研鑽が足りないから昨日みたいな立ち往生をするのですけど。

霊的なトレーニングが足りないと、日常の簡単な問題で立ち往生するのでしょうが、多少なりともステップワークを続けていくと・・・より厄介な場面で立ち往生することができます。
ああ、なんて素敵な恵みなんでしょう。


2003年05月26日(月) 一生半人前

職場からその日のうちに更新だなんて・・・。一日書いたプログラムがおじゃんになってしまいました。どうして Studio 6 と Studio .NET でこうも互換性がないのか・・・。

北米では、プログラマーの平均プログラミング経験は20年だそうです。僕もおよそそんなものです。日本の平均は知りません。中国は4年だという話です。20年も同じ職業をやっていて飽きないかと言われれば、すっかり飽きています。ただ、やっている内容はまったく変わってきました。ワープロソフト組んでいた時代もあったし、ゲームプログラマーだった時もあります。ダイヤルQ2(パーティーライン)のソフトの改造とか、保育器の制御とか・・・。お絵かきソフトとか・・。20年の仕事の中で、満足できる出来の仕事はたった2件だけです。十年に一回満足のいく仕事をするのが精一杯ということですか。

お金を貰って仕事しているのに、こんなことを言っちゃいけないのですが、いつも「こんなんで出荷しちゃっていいのかなぁ」と思いながら仕事しているわけです。だから、携帯電話やカーナビのソフトに問題があっても「所詮そんなものさ」と諦め顔でうなずくほかはありません。

以前、著名な俳優さんが僕の母校へ来て講演していったのですが、有名な作品がたくさんある彼ですら、「満足のいく映画は一生に何本あるだろうか、仕事そのものから報われることなど滅多にはない」と言ったそうです。そういう話と比較しちゃあかんか。

やっぱり人間一生半人前ということでしょうか。



2003年05月25日(日) AAメンバーの品行方正

風邪をひきました。
不養生がたたったってことでしょう。仕事に出て行ったのに、設計だけ済ましてとっとと帰ってきてしまいました。そして「風邪はひき始めのうちに治す」という信条に基づいて夕方から布団を引いて寝ることにしたのです。で、夜中に起き出して設計の次の実装をしようと思ったのですが、考えてみれば明日は月曜日。普通に朝に出勤しないといけません。それに実装という作業は「途切れ途切れ」にはできない作業です。ここで始めておいて、続きは明日の朝から、なんていうのは効率が悪くてかないません。などと、いろいろ言い訳を自分にしながらwebの更新などしていたわけです。

昨年のAOSMの報告書の片隅に、「イギリスではAA内部でのセクハラが問題になった。この問題への対処法のパンフレットが代議員に配布された」とあります。聞いたところによれば、共同体全体を揺るがすような問題が2000年ごろに起こり、そのために、『AAメンバーの品行』というタイトルの問いかけ文書が全グループに配布されたということです。それに対する反応は、「小さな問題に過剰に反応しすぎだ」「不安から発生した問題で、皆の不安をあおるに過ぎない」「単なる回復へのハードルだ」「すでに共同体にはその答えが用意されている」「もう12の伝統に書かれている問題だからとっとと引っ込めろ」「ここの地域ではセクハラなんて起きていない」などなどだったようです。(この配られた文書そのものはまだ手にしていません)。

それに対して、ノンアルコホーリックの常任理事(聖職者)が、キリスト教会の中での例をひいて、問題から目をそむけているとどんな事態に発展するかを示して、グループを説得しています。結果として、他のNYでのガイドラインに加えて、「暴力」と「個人の品行」のガイドラインが2002年に追加されていますが・・・こりゃ世間常識だがや。

AAってのは、どこの国でも「常識が壊れた人たちの集まり」なんでしょうか。そういうひいらぎの常識だって壊れているんだけどね。


2003年05月24日(土) デプレッション自己中心派

いろいろ自宅でやっているうちに、外が明るくなってきてしまいました。
仕事用のメールアカウントにメールが届くと、Yahooメッセンジャーが「どひゅーん」と銃声を鳴らすようになっているのですが、こんな明け方に来るのはどうせSPAMだろうと覗いて見ると、同僚から「そろそろ帰ります」という内容でした。まだ仕事してたのね。

もうビールの自動販売機が動き出す時間です。飲んでいた頃は、夏が憎かったです。なぜなら、明け方の5時に酒を買いに行くときに、行きも帰りも姿が丸見えだからです。そして、自動販売機の赤い「売り切れ」ランプが消えるのを、明るい中待っているのも恥ずかしかったです。でも、恥ずかしくても酒は欲しかった。

最近になって、「うつ」というのは大変に自己中心的な病なのではないかというコンセプトを抱くようになりました。まだ、確信とは言えませんが、たぶんあと数年のうちに、それは確信へと変わりそうな予感があります。世界の全部とは言いませんが、そのごく一部分だけでも「自分の思い通りに動いて欲しい」という期待を捨てきれません。少しぐらいなら「動くはずだし、動くべきだ」という観念がたしかに僕の中にどっしりと座っています。だから、思い通りに動かない世界を憎み、そういう自分をさえ憎んでいるのではないかと。

世界を動かしているのは Higher Power であって、自分は自分の job に専念すればいい、と確信持っていえる頃には、心の中も晴れやかになるのではないか。これも妄想なのでしょうか、それともビルに起きた奇跡は僕のも「当たり前のように」起きてくれるのでしょうか。ともかく年単位ですね。


2003年05月23日(金) 不健康な生活

前の日は最初に帰ったから、今日は最後に帰ろうと思ったら、なんか深夜になってしまいました。家族は皆もう寝ています。食事は夕にいったん済ませました。風呂にお湯を張っておいても冷めてしまうので、湯を抜いてあるのを忘れて裸で入ってしまいました。おかげでお湯を貯める時間も合わせて、40分ぐらい風呂に入っていました。

帰り道でのコンビニで、カクテル炭酸飲料を買いました。「これはお酒ではありません」と書いてあるところが笑えます。風呂上りに飲んでみましたが、美味しく感じなかったです。確かに一種のカクテルに近い味はするのですが・・・。
考えてみると、僕がカクテルを飲んだのは、「カクテルを飲むとカッコいい」というバカな先入観と「味はどうでもよくて、その中にアルコールが含まれていることが大切」という要素があったからでしょう。「カクテルを飲むだけでカッコ良くなれるわけではない」という冷徹な事実と、「それで酔えるわけではない」という事実が、「おいしくない」という結論を導き出すのです。(ああ理屈っぽい)。

バースディでいただいた花束を生けるヒマもなかったので、横にしておいたら一日でしぼんできてしまいました。逆さに吊るしておくとドライフラワーになると聞いたので、紐をさがしたのですが、まったく見つかりません。しかたないので、はんだ配線用の単芯線でスチールラックにくくりつけられています。それにしても、下に置いておかなくてよかった。散歩中のモルモットに食べられてしまうところでした。

明日も同じ生活。


2003年05月22日(木) 健康的な生活?

朝起きたら、まだ上の娘がいるじゃないですか。8時半だと思ったのに、実は7時半だったのね。
昨日は午後4時過ぎに仕事を早引けして寝てしまい、晩遅くにご飯とお風呂をいただいて、1時にまた寝てしまいました。おかげで、今朝は早く目がさめてしまったのでしょう。30分過ぎても7時です。あれ?6時半だったのか。でも、朝早く起きても、僕の場合起動が遅いので、何かするということもありません。

仕事に火がついてしまいました。これから2週間半ほど、夕方に帰宅するのはまず無理です。土日も休めそうにないので、東京に二回行く予定もキャンセルです。せっかくNPO法人関係とかやっていたのに、神様に取り上げられてしまいました。

「NPOのことは実務をこなしている連中に任しとけってことだよ」

そんなもんなのかな。

「今日だけは勘弁して」と自分のミーティングへ。今夜は自分のバースディミーティング。ミーティングの頃にはもう眠くてたまりません。10時過ぎたら寝たくてしかたありません。「それが朝早く起きる人のリズムなんだよ」と言われれば、そうかと実感しました。でも、このまま朝型のリズムになることはないでしょうね。仕事がそうなってくれませんから。

やっぱりAAは副業に過ぎません。仕事でAAを粗末にするな、というご意見もいただきますが、仕事で金銭以外にもいただいているものはたくさんあるのですよ。BBにもAAは副業だって書いてあるし。次にリアルなAAに接しられるのは、6月第二週の病院メッセージの予定。それまで飲まずにいられますように。

あれ、今日もらったメダルがみつかんないぞ。


もくじ過去へ未来へ

by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


My追加