無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年09月05日(日) 入院顛末・その1

 終日、ほとんど寝床から動けず。
 嘔吐感はいよいよ強く、便所と寝床を行ったり来たりしては、吐いちゃ寝、吐いちゃ寝、の一日。パソコンもいったん開いてはみるのだが、日記も何も書き込む元気が出ない。
 吐き気と言っても、どうもこれまでとは感じが違うのである。喉に固いボールがあって、それが舌を押し上げてくる感じで、生唾がとめどなくあふれてくる。それを吐いているうちに気分がますます悪くなって、げろげろと吐き出すのである。意識がかなり朦朧とし始めていたからその時は気がつかなかつたが、その時、吐瀉物には血が混じっていたのだ。
 体力が毛穴から抜けて行くような気分で、水を飲んだら飲んだだけ吐くので、何の意味もない。当然、食事も出来ず、朽ち果てるように寝床で失神している。

 しげは朝方になって帰って来たが、ぐったりしている私を見ても声もかけようとしない。じきに芝居の練習に行くので、その準備のことしか頭にないのである。やっと声をかけてきたかと思うと、責めるような口調で「今日は練習行かんとね!」である。
 「昨日からげろげろ吐いてるんだ。行ける状態じゃない」
 「ふーん」
 しげはそのまま私に二度と声もかけず、出かけて行ってしまった。私の頭上に「鬼嫁」の2字が浮かんだが、考えてみたらしげはただの寄生虫で、嫁になったことなんかなかったよな、と反省する。って、そんなあほな反省なんかしている場合じゃなかったのだが。
 その直後にまた吐いて、今度はトイレから出たところの床で失神してしまったので、記憶が夕方まで飛んだ。床で寝ていたので、からだのふしぶしがズキズキと痛む。それどころか、腹が張って苦しい。けれども、もうウンコをひり出す筋力もなく、ただただ腹が圧迫されたように痛むのである。
 これはいったい何が原因か、到底風邪とかそんな軽い症状ではない。昨日食ったそばが当たったのか、水道水がよくなかったのか、いろいろ考えるが考える間も腹痛と吐き気は治まらない。もう胃の内容物は全て吐き出して、出るのは胃液ばかりなのだが、それでも吐き気は続くのである。
 喉だけは乾くので、水だけは飲みたいが、もうとてもカルキ臭い水道水は飲む気になれない。外に飲み物を買いに行く力もない。そろそろしげの練習も終わっているころだと、電話を入れた。
 「水がない、水だけでも汲んできて、早く」
 もう、私にはそれくらいしか言う元気がなかったが、しげは、電話に出たかと思うと、「あ? わかった」と言ってブツッと電話を切ってしまった。
 しげはその後私を3時間放置して帰ってこなかった。


 しげに電話を切られたあと、これはもう、あの馬鹿しげには頼れない、親父に連絡して救急車を呼ぶしかない、と考えたが、ここですぐに病院に運ばれたら、当然、帰宅したしげは私がどこに行ったのかわからずに、半狂乱になるだろう。しげがどれほど自分勝手な生活を送っていて、亭主をないがしろにしているのか、父にもバレてしまうのである。父のしげを見る目が厳しくなるのは何としてでも避けたかった。……なんだかこの期に及んでも馬鹿しげの心配をしてやってる自分のほうがよっぽど馬鹿だとは思うが、これも私の業(ごう)である。
 ようやく帰ってきたしげに救急車を呼ばせて、即、入院。「救急車呼んで」という私の声に対するしげの返事は、暢気に「なん。そんなに悪いとね?」であった。糞野郎。
 てなわけで、また入院であります。こないだ退院したばっかだったような気がしてたんたけどなあ(T∇T)。

2003年09月05日(金) 土の下には虫くらいいます/映画『からっ風野郎』/『地震列島』
2001年09月05日(水) 中華幻想/『仙人の壷』(南伸坊)ほか
2000年09月05日(火) 日向ぼっこしてるヒマに本が読みたい/ムック『アニメスタイル』2号ほか


2004年09月04日(土) 血の海の涙

 早朝から「シネテリエ天神」で、今日から公開の映画『バレエ・カンパニー』を見る。
 いつものようにせっかちなしげにせっつかれて時間より30分も早めに着いてしまったので、コンビニで焼き肉お握りとフライドチキンを一本買って、映画館の前の道端で、花壇の煉瓦の上に座って食べる。往来で何だかみっともないように思われるかもしれないが、場所が親不幸通りだから、大して違和感はない。夜になればもっと小汚い連中がところ狭しとジベタリングしている場所なのである。
 「シネテリエ」も、名前とは裏腹に、ビルの地下に潜らないと行けない秘密クラブのような雰囲気のたたたずまいなのだが、上演開始を待って並んでいる客がなぜかみんなデブ。しげが「今日はデブの日?」とか言うが、じゃあオレたちはデブじゃないんか、と苦笑する。
 ロバート・アルトマン監督と言っても『M★A★S★H』のころからの映画ファンもさほど多くはなかろうし、バレエ映画という内容を考えてみてもそうそうヒットする映画ではなかろうと思っていたが、初日の第1回目なので、ある程度はお客さんが入っている。座席数60席の小劇場で、40人ほどだけれど。
 映画はもう、バレエ好きな人でなきゃ、ちょっと辛かろうな、と思うくらいに全編ひたすらバレエ、バレエ、バレエ、それのみで、『アラベスク』とか『テレプシコーラ』とかを期待して見に行くとそのドラマの余りのなさに困惑するのではないか、といった印象。もちろん、それがアルトマン監督の「ねらい」なので、考えてみたら『M★A★S★H』だって、設定はあるもののこれといった明確な「筋」はないのであった。そう考えると、幕間の楽屋裏を時折“ツナギ”として見せるだけで、ただひたすら舞台上のバレエの美しさを追ったこの映画、皮肉も諷刺も韜晦も何もないにも関わらず、やはりアルトマンらしい映画と言えるだろう。
 いや、バレエシーンは眠くて仕方なかったんですが(^_^;)。でもしげはたっぷりバレエが見られてご満悦なのでした。
 映画を見終わってロビーに出ると、そこにこないだ広島アニフェスで見た『ベルヴィル・ランデブー』のチラシが貼られてあって、驚く。思わず館員の人に「この映画、いつ来るんですか?」と聞いたが、「来るとは思うんですけど未定で」と言われてしまう。こういうのって、たいてい朝一とかレイトでってことになりかねないんだよなあ(T.T)。
 東京にお住まいの方、このフランスアニメの傑作、来年の正月に新宿のテアトルタイムズスクエアでしかやらないので、ぜひお見逃しなく。
 http://www.klockworx.com/belleville/

 そのあと、父の店に寄って散髪。もう2ヶ月近く伸ばしっぱなしで、髪の薄いのはごまかせるとしても、さすがに襟足から鬢のあたり、もしゃもしゃした状態なのはかなりみっともなくて、これで御通夜に行けるものではない。
 しげは夜仕事なので、昼間のうちに寝ておくように帰らせる。家にはもう飲み物がなかったので、帰り道、水だけ「レッドキャベツ」で汲んでおいてくれるように頼んでおいたのだが、実は頼んだ5秒後には忘れられていたのであった。あとで思うに、ここからケチはつき始めていたのである。

 喪服に着替えて博多駅へ。
 お通夜は夜からだが、時計はまだ昼を回ったばかりなので、かなり時間がある。紀伊國屋で立ち読みなどして、時間を潰す。
 驚いたのは新刊コーナーの平積みに、例のイラクの人質三馬鹿の著書が、3種類揃って並んでいたことであった。あの目がイッちゃってた学生さんの本なんて二種類もあったが、立ち読みしてみたら、「結局ぼくはイラクに行って人質になって返って来ただけで、イラクの現状も何もわかりませんでした」というもの。だから「馬鹿」って言われてんのに、その「何もない」内容を記録にして本を出すのは馬鹿の二乗ではないのかな。「市民団体のみなさん、ありがとう」って謝辞を送ってるあたり、いくら「自分は政治活動家ではない」と言い訳したところで、信用されるものではないのである。
 でもなあ、政府が「自己責任論」をぶち上げて自分たちの責任まで三馬鹿に押しつけようとしたおかげで、かえって同情票があの三馬鹿に集まっちゃったしな。こうして三者三様の本を出して儲けようって政治屋どもに口実を与えてしまったのは政策の大失敗だったと思うのである。……なんかね、あのムーミン女がね、解放された途端に日本の参事官に対して「どうして自衛隊は撤退しないんですか? イラクの人たちにとっては自衛隊は占領軍なんですよ! それがどうして分からないんですか!?」って食ってかかったって書いてあったけどね、その主張が「テロリストの主張と同じ」だということがどうして分からないんですかね?(~_~;)
 2、3時間うろついて、買ったのは大場つぐみ・小畑健の『DEATH NOTE』3巻のみ。3巻あたりでどう展開させていくかが一つの山になると思ったけど、「第2のキラ」登場とは見事。『金田一少年』に始まるミステリマンガの流行の中で、唯一自前のミステリマンガを持ち得なかった「少年ジャンプ」がようやく生み出した作品がこれだけの傑作になるとは、全く「ジャンプ侮りがたし」だ。折り返しの原作者のコメント見ると、相当なミステリファンみたいだけれど、『金田一』や『コナン』のような「本格もの」に追従しないで、『ルパン対ホームズ』の現代的再生を図ったのが成功した理由の一つだろう。これからの展開、どうなるか予想もつかないのが楽しい(言っちゃなんだがもう『ワンピース』なんか「予想のつく」話の再生産で飽きているのである)。鍵はLがデスノートの存在にいかにして気付くかだけれど、そこに至るまで更にひと波瀾もふた波瀾もあってほしいね。ああ、くそ、単行本でまとめて読みたいものだから、雑誌は立ち読みしないようにしてたけど、どうにも先が知りたくて、またジャンプ立ち読みしたくなっちゃったぞ、困ったなあ。


 夕方、北九州行きの電車に乗って、よしひとさんのお父さんのお通夜へ。
 長居をすると自分の方が泣きたくなってしまうので、ご挨拶だけして帰る。また落ちついたら、お線香を上げに行こうと思う。


 帰り道は、少し雨がぱらついていた。傘を持ってきてはいなかったので、少し濡れる。何となく寒気がして、喉が無性に乾いていた。
 しげにお通夜が終わったことの報告と、水を汲んでくれたかどうかの確認の電話を入れたが、しげの返事は「あ、忘れた」。こういうヤツだとわかっちゃいるけど、平然と言われるとやっぱり腹が立つ。なんでこうまで馬鹿が治らんかな。治らんから馬鹿なんだろうけれど。
 「なんか風邪引いたかどうかわからんけど、具合が悪いんよ。今からでも間に合うやろうから、仕事行く前に水だけでも汲んできといて」と頼むと、しげ「分かった」とヒトコトだけでブツッと電話を切る。こういう切り方をしたときは、返事とは裏腹で、たいてい面倒臭がって行く気がないのだ。
 疲れて帰宅して、冷蔵庫を覗いてみたが、案の上、水は汲んできていない。頼まれたことを忘れたなら忘れたで、もう一度やり直そうととすればいいのに、ほんの少しの手間すら惜しむ悪癖、未だに治らないのである。
 水は仕方なく水道水をそのまま飲んだ。そのあと、ともかく腹が減っていたので、ソバを作って食べた。
 からだを休めようと風呂に入ろうとすると、湯船が血のように真っ赤である。いや、まさしく血の海で、昨日のしげの生理のあとだったのである。あれだけ「洗っとけよ!」と言っといたのに、やっぱり洗い流さずに放置していたのだ。あの糞しげはどこまで人を愚弄するか。気がついたら、涙が流れて止まらなくなっていた。
 このままではとても風呂に入れないので、栓を抜くと、そこにしげの血塊がどろどろとぬたくっている。それを見た途端、吐き気を催して吐いた。自分の吐瀉物も一緒に洗い流して、湯桶を洗って新しくお湯を張ったが、その間ずっと吐き気が収まらない。こうして風呂をきれいにしても、明日になればまたしげは湯舟を真っ赤にして平気な顔でいるのである。それを考えると情けなくてやる瀬なくて、風呂から上がって寝床に入っても涙が止まらなかった。
 こういう人間だと知った上で伴侶にしたのは他ならぬ私だから、自業自得ではあるのだが、人とは少しは成長するものだと期待はしていたのである。「反省する」と口だけでも言われれば、信じてあげたくはなるわな。そこにつけこんで実際には全く反省しないのだから、しげの性格、かなり腐っていのである。……その腐った性格、最近になるほどどんどん悪化してきているようなんだけど、時々私の目の前がブラックアウトしちゃうのは、単に目が悪くなってるだけなのか、絶望の帳がちらついてるのか、いったいどっちなんでしょ(T.T)。

2003年09月04日(木) また誤読する人はいるかもしれないが/『福岡口福案内 地元の美食家が自腹で調査』(口福倶楽部代表ヤマトモ)
2001年09月04日(火) 虚構としての自分/『マンガと著作権 〜パロディと引用と同人誌と〜』(米沢嘉博監修)
2000年09月04日(月) また一つ悪いウワサが……?/『マンガ夜話vol.9 陰陽師・ガラスの仮面』


2004年09月03日(金) 悲しい知らせ

 久しぶりに妙ちくりんな夢を見る。
 しげと映画に行く約束をして、映画館の前まで行くのだが、急にしげが倒れて、「私のことは構わないからあなただけ一人で映画を見て」と青息吐息で言い残し、救急車に乗せられて運ばれて行く。けれどもチケットが一枚余っているので、一人で見るのももったいないと、鴉丸嬢を誘ってみたのだが、「今、三頭身だからダメなの」と断られた。三頭身ならしょうがないよな、と一人で映画を見たのだが、よく考えてみたら、三頭身だとどうして映画が見られないのか、理由がよくわからない。つか、あの子は時々三頭身になってるのか。ちなみにその時に見にいった映画は『ダイ・ハード』だった。


 忙しさが倍増中。
 ここしばらく、炎天下での仕事が続いているので、体力の消耗がいつになく激しい。さらにもう二つ三つ、並行してやらなきゃならない仕事も控えているので、それの準備も重なって、休憩するヒマもない。昼飯だって食ってないんだからね。
 だいたいこの時期になると決まっていきなり倒れてリタイア、という人が増えるのだが、既に今年も同僚が一人入院していて、肩代わりの仕事を頼まれたところなのである。そもそもウチの職場、安月給のわりに労働条件が苛酷だってこと、も少し上の連中にも考えてもらいたいものなんだがね。この6年間、労働時間は変化してないのに給料上がってるどころか減ってんだからな。余計なところに予算使ってるの切り詰めれば、もちっと人件費上げられると思うんだが、なんか余り工夫してるような様子見られないしなあ。
 いや、私の給料増やせとは言わないから、新しい人あと三人雇ってよ(+_;)。


 しげの鬱が治って、なんとか仕事に復帰することになったことは最近の日記にも書いたことだが、以前ほどの苛酷なスケジュールではなくなったことは、私にとっても、ありがたいことである。おかげで私の仕事帰りに、車で迎えに来てもらいやすくなったのだ。何度か書いてるけど、ともかく今の職場、交通の便が悪くて家まで直行で帰れない。車だと二十分の距離を、バスと地下鉄を乗り継いで1時間半かけて帰るのは、気力体力ともにかなり消耗するのである。
 定時に駐車場で待ち構えていたしげに、今週で終わる映画もあるので、何か見に行くかどうか聞くと、「明日は仕事だし、明後日は練習だから今日はウチで寝る」と言う。それでも買い物だけはしたいと言うので、ダイヤモンドシティに向かうことにした。
 「買い物って何を買うんだ?」
 「新しいストラップとねー、あとねー……」
 ところが、ダイヤモンドシティを目指している途中で、しげの携帯が鳴った。
 よしひと嬢のお父さんが亡くなられたという知らせだった。
 もう10年以上昔のことになるが、しげも私も、よしひと嬢のお父さんには随分お世話になったことがあるのだ。そのころのしげはかなり貧乏で、私にもよく「タカリ」に来ていたのだが、私だってそんなに裕福なわけではない。特に独身のオタクは食費削ってでもマンガなどに金を費やしているものであるから、しげにしょっちゅう奢ってやる余裕はなかった(つか、当時はそんな義理なかったはずなんだがなあ)。
 で、しげがよく食事を奢ってもらっていたのがよしひと嬢のお宅だったのである。当時、しげとよしひと嬢とは演劇活動を通して知り合った先輩、後輩の間柄ではあった。しかし、だからと言って、人間、際限なく他人に甘えていいものでもなく、そこには何か節度というものがあって然るべきだと思うのだが、しげにはそんなものはカケラもなかった。よしひと嬢のお宅に何の屈託もなく押し掛けて行って寝泊りし、上げ膳据え膳、衣服の世話まで含めてまさに「衣食住」をあちらのご家族から世話をしていただいていたのだから、厚かましいにもほどがあるのである。しげの寄生虫性格はこのころから堂々としたものだったのだが、それを文句一つ言わず、優しく受け入れていたのだから、よしひと嬢を含め、ご家族のご寛容、心の優しさ温かさ深さにはただひたすらに感嘆するほかはない。これはもう、義理人情を云々せずとも、何がなくともしげがお悔やみに行かないというのは、到底お天道さんの許すところではないのである。
 けれどしげはなんだかオロオロして、渋面を作っている。
 「お通夜は明日? じゃあ、一緒に行くか?」と聞いたら、しげはベソをかいて、
 「どうしよう、明日は仕事だよ」と言う。なるほど、確かに仕事に復帰したばかりで「また休みます」なんて話は通るものではあるまい。これだから簡単に鬱になどなるもんじゃないのである。
 「オレはちょうど休みだから、明日、行ってくるよ。お通夜の時間と場所は?」
 「あ、聞き忘れた」
 全く、義理のある相手に対して後足で砂かけてるようなものである。仕方なく私の方から折り返しよしひと嬢に連絡を入れて、お通夜の時間と場所を確認する。そのあと、しげに、「出入りがあるから、ストラップはナシな」と言ったら、また渋面を作られた。
 結局ダイヤモンドシティでは、しげの職場へのお詫びのお菓子、それと香典袋を買っただけで帰る。


 帰宅して、風呂に入っていると、しげが何やら赤黒い塊を洗面器にぶちこんで来た。
 続けて、「ケツが真っ赤〜♪」と笑いながら自分も裸になって湯舟に飛び込んできたが、塊の正体はしげの汚れたパンツであった。
「なんだよ、お前、生理か」
「うん、パンツ見てビックリ。もうだだ洩れ♪」
「喜んで言うな! しかも人がフロに入ってるのに、ケツ汚したまま来るか、普通!」
 と、怒鳴ってみても、もう入ってしまったあとではどうしようもないのである。
 私のほうが慌てて外に出て、「あと、ちゃんと風呂の栓を抜いて風呂桶洗っとけよ!」と言い置いたが、普通、女性ってものは生理の時は風呂の外で身体を洗うだけで、湯舟にはあまり浸からないものじゃないのだろうか。しげはそのあたり全く気にせずにお湯を血だらけにするばかりか、その湯を換えもせずにまた翌日もそのまた翌日も入ろうとするのである。いくらやめろと言っても聞かない。こういうところもまたしげの狂っているところなのだが、いくら狂っているからと言って、自分で気持ち悪くはないのだろうか。どうにも理解し難いのである。
 おかげで生理中のしげはいつも生臭くて近寄りたくもないんだけど、周囲の人間は気づいていないんかなあ。気付いてて知らんふりしてくれてるのかなあ。とするとこれもまたしげが周囲に迷惑かけまくってることの一つということになるんだけど、いい加減で「無自覚の迷惑」、少しは自意識に上らせてほしいのである。それとも脳にシワがないから意識も全てツルンとすべってやがるのか。


 玄武亀吉君であるが、どうもその成長の早さからすると、女だったようである。既に大きさは竜宮亀太郎君の1.5倍。女の毒気にあてられたのか、竜宮くんが一向にエサを食わなくなってしまったので、これはまずいと玄武嬢の方を小さめの別の水槽に移し換えてみたのだが、竜宮君の元気、すぐには回復しないようである。亀って飼い方簡単と言われてるわりになかなか繊細なところもあるようだ。
 とりあえず、「玄武亀吉」という名前は、「玄武亀代」に変更します。で、やっぱりオトコだったってことになったら、また改名かな(^_^;)。

2003年09月03日(水) 不明を恥じるハナシ/『ビートのディシプリン』SIDE2(上遠野浩平)
2001年09月03日(月) 変わるわよ♪ ……何がだよ/アニメ『こみっくパーティー』第1話ほか
2000年09月03日(日) 警察も役所/『ら抜きの殺意』(永井愛)ほか



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藤原敬之(ふじわら・けいし)