無責任賛歌
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| 2003年09月21日(日) |
劇団の激談/『美女で野獣』3巻(イダタツヒコ)/『バジリスク 甲賀忍法帖』2巻(山田風太郎・せがわまさき) |
俳優・河原崎長一郎さんが19日午後4時26分、急性心不全のため死去、享年64。若過ぎる死だし、また糖尿病である。 つい何日か前にCS時代劇チャンネルで『子連れ狼 その小さき手に』に出ていた河原崎さんを見ていたばかりだったので(と言ってもこれも何年も前の映画だが)、なんだか亡くなられたという実感が湧かない。 誠実、実直、お人好し、そういった印象の役柄が多く、たまにちょっと悪役っぽい役をされても、「でも根はいい人なんだろうな」と思わせるところがあった。この人も代表作を「これ」一つと挙げきれない。遺作の記述が新聞に載ってなかったけれど、いったいなんだったんだろう。
朝11時より、久しぶりに劇団の集まりに参加。 パピヨンプラザのロイヤルホストにメンバーが参集。と言っても出席者は、私、しげ、円谷君、鴉丸嬢、穂稀嬢、よしひと嬢の6人のみ。メンバー数だけいてもなかなか集まれないというのがうちの一番のネックなんだよな。 脚本書くときにも、勢い、役者を3人程度に抑えなきゃならない。しかも、よしひと嬢は家庭の事情で役者としての参加は今回ほぼ不可。となると、最悪の場合、しげと鴉丸嬢二人だけの芝居も考えないといけなくなる。 何度も言ってるけど、もうたいがいで誰か脚本書こうってやつ出てこないのか(-_-;)。 とりあえず女二人、男一人の想定でシノプシスを書いて来たが、みんなに読んでもらった評判はあまりよくない。私の場合、最初からそうビシッとしたものが書けるわけじゃなくて、書いてるうちにアイデアがひらめく場合が殆どなので、シノプシスの段階では外形ばかりで中身がスカスカな場合が多いのだが、叩き台としてはそれで充分なので、あとはみんなでああすればこうすれば、と意見を出してくれればいいのである。 ところがこれが、具体的なアイデアとなるとからきし出ないのである。「おもしろくない」「ありきたりだ」という「感想」は出るんだけど、打ち合わせってのは品評会とは違うんだから。 結局、みんなの不満が奈辺にあるかを推測して、具体的な改変をしなきゃならなくなるのは私ということになるのである。でも、みんなが「何をしたいのか」ってのが見えてこないと、私だって具体的なアイデアは出てこないんだけどな。
打ち合わせのあと、しげと鴉丸穣と連れだって、博多駅の紀伊國屋に回る。鴉丸嬢にはここのホームページのイラストを描いてもらっているのだが、ここしばらくは芝居に集中していて更新がなかった。改めてイラストを何点か描いてもらうために、報酬として本を買ってあげるのである。なんか安上がりで申し訳ないんだけど。 鴉丸嬢、最近はクトゥルー神話にハマってるようで、ラブクラフト以外にも青心社の『クトゥルー』シリーズなどに手を伸ばしているとのこと。マンガでもクトゥルーものを探していたようなのだが、しげとよしひと嬢が、揃って「諸星さんがあるじゃん」というので、物色に来たのである。 で、「諸星さん」とはもちろん諸星大二郎なのだが、はて、諸星さんにクトゥルーものがあったっけと訝る方もおられよう。で、それが何かというと『栞と紙魚子』シリーズなのである。いやまあ、確かにクトゥルーものだと言えば言えるが、そんな認識持ったことなかったよ(^_^;)。クトゥルーちゃんの「テケリ・リ!」って叫んでるのはラブクラフトじゃなくてエドガー・ポーだし。 文庫版の『栞と紙魚子』全3巻を見つけて鴉丸嬢にご進呈したが、こりゃもう、早いとこウチの本棚あせくって、『真ク・リトルリトル神話体系』貸してあげないといかん、と心に誓ったことである(^o^)。
鴉丸嬢を家まで送ってさしあげたあと、帰宅の途につく。 途中、バーミアンで軽い食事を取りながらしげと長話。 しげの職場に、顔立ちは全く日本人なのだが、喋り方がどうも「外人っぽい人」がいるとか。意志疎通がしにくいし、「どこか他の国の方ですか?」と聞いてみたい衝動に駆られるのだが、そういうこと聞くの差別かなあ、と気にしているのである。 こういう話を聞くにつけ、「人権思想」の弊害ってのはやっぱりあるよなあ、と思ってしまう。相手が何人か聞くなんてことは、もちろん差別でもなんでもないのだが、「誰かが差別だと言い出すんじゃないか」という恐れが逆に「壁」を作ってるんなら、そっちの方がよっぽど差別だろう。 厳密に言えば、人間と人間の関わりなんて、相手のことが完全に理解できることなんてありえないのだから、どうしたってそこに「偏見」は混じる。人の言動を差別だと決めつけようと思えば、全てが差別になっちまうのである。 「で、聞いてみたいの?」 「聞いて相手が気を悪くしたら、一緒に仕事しにくくなるじゃん」 「聞く必要が絶対あるの?」 「絶対じゃないけど」 「だったら答え出てるんじゃない」 初めからしげが本気で相手に国籍のことを聞いてみる気がないことは解りきっていたので、どうしても返事はつれなくなってしまう。自分で答えを出していることを人に聞くというのはそれこそシツレイの極みだと思うが、自分の行動を決断するのに、あと「ひと押し」がほしいのだろう。 でもその「ひと押し」のあとでトラブルが起きたりしたら、すぐこちらに責任転嫁してくるのが目に見えてるから、私も愛想よく返事をする気になれないのである。 ……短く書いてますけど、この手の話でそこに3時間くらいいたんですよ。思えらく、「人権思想」って、平等を謳ってるんじゃなくて、「出る杭を打つ」ことしかしてないんじゃないですかね。藤子・F・不二雄さんが『征地球論』で喝破したごとく。
マンガ、イダタツヒコ『美女で野獣』3巻(小学館/サンデーGXコミックス・560円)。 1巻のころに比べると結構絵がうまくなってきたかな。大胆なアングル・構図も取れるようになってきたし、線に「伸び」が生まれてきている。なんだかんだ言って「女闘美」モノでは一頭地を抜いてるんじゃなかろうか。他にどんな「女闘美」モノがあるかはよく知らんのだが(^o^)。 まあよくわからんが米軍基地とのチアガールファイトは面白かった。敵の3人がバブルスとバターカップまではいいとして(いいのか?)、3人目がキャメロンなのはよくわからんが。それとも実は3人目のブロッサムは4巻のお楽しみなのだろうか。 カバーをめくって、表紙のマンガも楽しみましょう。
マンガ、山田風太郎原作・せがわまさき漫画『バジリスク 甲賀忍法帖』2巻(講談社/アッパーズKC・560円)。 戦慄の走るマンガというのはこういうのを言うのかなあ。 いやもう、甲賀弦之介の「瞳術」ですよ。いや恐ろしい。山田風太郎の小説を「こういう形」で視覚化できるとはねえ。これ、アニメや特撮にしたら、ただ眼をピカッと光らせるだけっておサムイ映像になっちゃうんだろうなあ。って、それ、『魔界転生』じゃん(^_^;)。 この弦之介の「瞳術」対朧の「魔性の眼」、発想は「もしもメデューサとゴーゴンが見つめあったら?」ってなあたりにあるんじゃないかと思うけど、そこに「ロミオとジュリエット」を重ねちゃうのが山田風太郎の非凡なところ。 何がイイかってさ、「家同士が本気で戦争やってる最中に何を色恋沙汰でゴチャゴチャやっとんねん」という現状認識の甘さというかフヌケた展開が、山田風太郎にはないのだ。その点、本家『ロミオとジュリエット』より、『ウェストサイド物語』より『甲賀忍法帖』のほうが格段に凄惨かつ冷徹なんである。人間、「恋」をするならこれくらいのモノをしなきゃなあ、と思うのは、「地獄」を見たことのない甘ちゃんの発想なのかもしれないけどね。 だからこそ、この2巻でのラストのアレがまた……戦慄するのよ。 「究極の愛」を描かせて、谷崎潤一郎を越えてると私が思った作家は、実は江戸川乱歩と山田風太郎の二人だけなんである。 まだ原作読んでないアナタ、人生ゼッタイ損してるぞ。
2002年09月21日(土) 世界の王/『パラケルススの魔剣 アトランティスの遺産』(安田均・山本弘)/『パンゲアの娘 KUNIE』5巻(ゆうきまさみ) 2001年09月21日(金) 子供のころは本屋さんになりたかったのさ/『多重人格探偵サイコ』7巻(大塚英志・田島昭宇)ほか 2000年09月21日(木) 笑顔とブレゼントとオタアミと
| 2003年09月20日(土) |
優柔な憂愁/『よみきりもの』5巻(竹本泉) |
恒例の(^o^)病院ハシゴ。休日出勤を依頼されたのを断っての通院なので今回はちょっと後ろめたい。と言っても来週の土曜はまたまた休日出勤せねばならないので、今日通院するしかないので断るしかなかったのだが。 内科の方は検査だけなので、診察はナシ。前回同様、しげはリハビリで、私は眼科に回る。こないだから目の前に小さな光のカケラのようなものが見えていたので、何なのか見てもらったが、主治医にはやっぱり硝子体の中の濁りだと言われる。でもこれはほかの濁りと違って全然動かないんだけどなあ。また誤診されてんじゃないかと不安になる。 「視力回復手術みたいなのがあるそうですけど」と聞いてみたら、あっさり「やってみてもいいかもしれませんね」。 「どの程度になるものなんでしょうか」 「まあ、メガネをかけた今程度の度数になるくらいですね。でも度数が回復するだけで、視力が回復するわけじゃありませんよ。メガネをかけるのが楽になるくらいです」 視力と度数がどう違うのかよく分からないが、0.3程度はモノが見えるようになるということなのだろうか。ただ手術を受けるとしても、年末にならないと時間は取れないだろうな。ただ、ここの病院ではその設備がないらしく、別の医者を紹介される。 どうも眼科医の間でも、さほど普及している技術ではないみたいで、受けていいものかどうかまたまた迷う。医者にかかって手術に失敗された経験、結構あるからなあ。
しげと合流して、父にプレゼントを届けに行く。誕生日には早いが、平日はまず会えないから仕方がない。ついでに散髪してもらうが、「何ヶ月来とらんか」と呆れられるくらいに伸びていた。自分ではそんなに時間が経ってたとは感じてなかったのだが、勘定してみるとかれこれ2ヶ月。まあ不義理していると言われても仕方がない間ではある。 しげ、父から何やら小さな箱入りのプレゼントを貰って喜ぶ(あとで中を見たら高級そうなボールペンであった)。別に何かが貰えると期待などしていなかったので、嬉しさもひとしおのよう。
しげ、気分がいい感じで、今日も「肉が食べたい」と言い出す。 和牛ステーキのレストラン「サトウ」でランチ。ランチは普通の定食程度に安いのだが、一枚ン千円もする佐賀牛あたりと比べると、やはり味は落ちる。けどそう連日高級肉ばかり食ってもいられない。昨日の夕食だって、二人で一枚近く吹っ飛んだのだ。けど、ここの店と言い、昨日行った大東園と言い、見た目普通のサラリーマンやら家族やらでほぼ満席状態だったが、不況だと言ってるわりには結構みんな贅沢しているのだなあ、と思う。もっとも、「食」が一番のタノシミ、という人も多いのかもしれないが。 私は財政を切り詰めるとしたら、まず「食」から始めてしまうので、昔は一日、二日の絶食は普通だった。大学のころまで、体重70キロを越えたことがなかったのも、そのせいだろう。基本的に私は食に対する欲があまりないのである。 大学卒業間際に病気になって、一週間ほどでいきなり10キロ以上も太り(痩せずに太る病気があるなどとは夢にも思わなかった)、その後、入退院を繰り返すたびに痩せたり太ったりを繰り返しているが、その振幅が軽く30キロはあるので、古い知り合いとちょっと古い知り合いと同時期に会うと、「痩せたねえ」「太ったねえ」と正反対のことを言われてしまうこともある。これでも最盛期に比べると20キロは体重を落としているので、もちっとカラダが動いてもよさそうなものなのだが。 どちらかと言うと、体重が腰に来ているしげの方がもっと体重を落としたほうがいいと思うが、どうも私のように欲を抑制することが一番苦手なタイプなのである。しげと私の一番の違いはこのあたりだろうな。
福岡ダイエーホークスの優勝が近づいて来たので、中洲の那珂川の「福博であい橋」に「飛びこむな!」という看板が立ったとか。でも飛び込むやつって、その時点では理性もなんもかんも吹っ飛んでるヨッパライが殆どだろうから、効果のほどはいかばかりか。 飛びこみ自体は法に触れないので、警察は取り締まりができないらしいね。「危ないからやめなさい」と警告するだけ。確かにリクツで言えば、誰かに迷惑をかけてるわけでもない、と言えなくもないしね。本人が怪我しても、「覚悟の上でやってる」と言われたらそれで終わりだ。 でも、ホントは決して誰に迷惑をかけてないわけでもなければ、後先考えてるわけでもない。どんな事件が誘発されるかも分からないという「社会不安」を引き起こしているという事実は明らかにある。ただ、そのことを糾弾し始めたら、世の中の現象で社会不安のタネにならないものはないので、「あれもよくないこれもよくない」と、個人の自由そのものが侵害されかねないのだ。結局、一人一人の「熱が引く」のを待つしかないということなんだよねえ。行政でこの狂騒自体をなんとか収める手段はあるかなあと考えてはみるのだが、川をその日だけ堰きとめるってわけにもいかないしなあ。 で、考えたのだが、大阪の場合、「今飛びこんどかないと、次のタイガース優勝はいったい何10年後か」というファンの「焦り」が飛び込みの増加を招いた面も大きいと思うのだ。だとすれば、福岡の場合、ホークスが毎年優勝し続ければ、ファンも「また来年があるからいいか」と鎮静化していくんじゃなかろうか。実際、巨人ファンがあれほど熱狂したって話は聞かない。多少、優勝の間が空いたからと言って、「常勝巨人」のファンとして、無謀なことをする必要はない、と彼らは考えているんじゃないだろうか。 となれば、阪神ファンの命を救い、引いては大坂の町に治安を取り戻すためには、もう今後二度とタイガースには優勝させないことだ(^o^)。今からタイガースの方に常勝軍団になってもらうのには、かなり時間がかかるだろうからねえ。 てなわけで、日本シリーズは社会平和のためにもホークスに優勝させなさい。いや別にそれが言いたかったわけではないよ。私ゃそもそも野球ファンじゃないのだから。
福岡の一家4人殺害事件の犯人らしい中国人元留学生二人、王亮容疑者(21)と楊寧容疑者(23)が、中国公安当局に身柄を拘束された模様。 王亮容疑者の方はあの似顔絵の人物だそうだけど、まだ写真が間に合ってないらしくて、テレビ報道では相変わらずあの「若いたけし」みたいな絵を流し続けている。楊寧容疑者の方はもう写真が公開されているので、並べて報道されると、なんとなく滑稽。あれですね、学校の卒業文集なんかで、みんなの写真をコラージュして見開きページ作ってるのに、一人だけ写真撮り損ねていて似顔絵になっているという……例えがヘンか。 けれど、これで事件が解決するかっていうと、まだまだ前途多難な気はするね。いかにも「黒幕」がいそうだけれど、実行犯逮捕までにこれだけ時間が経ってしまっているのだ。その間、その黒幕さんが座したまま何もしないでいたとは考えにくい。既に何かの「手」を打ってるのではなかろうか。 も一つイヤだなあ、と思うのは、これでまた「在日外国人の犯罪」を云々するヤカラが増えそうだなあ、ということ。ともかく他人を蔑む機会を狙ってる連中はこういう事件が起きるたびに、ここを先途とばかりに、公然と「だから○○人はよう」ってなモノイイをするからねえ。根拠のない批判はただの中傷だ、くらいのことはあの連中もわかっちゃいるから、これまで言いたくても言えなかったことを、やっと口実ができたとばかりにもう喜色満面で吹聴するのだ。 在日外国人の事件を問題にするなと言いたいわけじゃない。ただ、自分の差別意識をさも公憤のごとくすり返る、その根性がさもしくって、見ていられないのである。 黒幕さんが仮にいたとしたら、そいつが「トカゲのシッポ」としてあの留学生たちを使ったのは間違いないことである。どうせ日本人じゃないから、という意識もあっただろう。だとすれば、その黒幕さんと、容疑者を中傷する連中とは精神的に一脈通じている部分があると言えるんじゃないかな。
マンガ、竹本泉『よみきりもの』5巻(エンターブレイン/ビームコミックス・756円)。 カバー外した表紙にもマンガがあるのは竹本さんのいつものサービス。今回、「ヘンな話が少ない」と竹本さんは忸怩たるものを感じていらっしゃるようだが、どうしてどうして、充分ヘンな話ばかりである(^o^)。 「せきめんのすきま」「そらのすみ」「ことりのす」「くちをひらけば」「ブックスパラダイスVol.3」「もらいものに笑顔」の六編を収録。
いつもひらがなタイトルの多い竹本さんのマンガ、ほわんとした柔かな雰囲気がいい感じなのだが、「せきめんのすきま」って最初勝手に「石面の隙間」と勝手に漢字を当てはめてて、いつ石の壁が出てくるかと勘違いして読んでいた。f(^^;) すぐ「赤面」する女の子の話なのですね。
「そらのすみ」、空の隅っこに、「何か」が見えるという、かなりヘンな話。でも、見えないものを見ちゃう人って巷にゴロゴロしてるから、この話などはただただかわいい。このマンガで紹介されてる「チョコベー」のCMは、以下のサイトで見られます(うちのパソコンではなぜか見られませんが)。あの当時の子供はみんな一回はこれのマネやってますね。
http://www3.plala.or.jp/akitokun/morinaga/cyokobe/1972.html
「タイタニアン」のネタは私はもう忘れてました。『アイアンキング』も全話見てたんだけどなあ。
「ことりのす」は某萩尾望都の有名短編とは何の関係もありません。髪の毛が「小鳥の巣」な女の子の話です。で、これが比喩ではなくて、ホントに小鳥が巣になってるから竹本さんのマンガは侮れない。
「くちをひらけば」、「悪口が出る」話。「バカ」っていう言い方がとてもかわいらしい女の子っていますね。 私は昔、映画の女優さんの「バカ」って言ってるシーンを集めて、クリップビデオを作ろうかと思ったことがありましたが、探すのが大変で諦めました。だって実際、映画を全部見なきゃなんないんだもの。オチだけは決めてたんだけどなあ。最後に「クレージーキャッツ映画」での人見明の「バカ」ってのを入れるの。まあ受ける人には受けるだろうってギャグだけど。
「ブックスパラダイスVol.3」、このシリーズも『アップルパラダイス』のころから数えると長いですねえ。しかし主人公の「森永う子」ってどんな名前なんだ。「あ子」とか「い子」ならまだ分かるんだが。もしかして、「森永」→「牛」→「うし」→「う子」って連想でつけたのかな? 恵理子が今回はポニーテールで登場。この子が竹本さんの全マンガ中、最強かもしれないと、私は密かに思っているのである。
「もらいものに笑顔」、モノを食べてるときの顔がともかくかわいい女の子の話。一般的に女の子はみんな、モノを食べてるときって本当に幸せそうで、そんな様子を見ないフリして横目でチラチラ見るのが私の趣味だったりしますが(イヤな趣味だが男はみんなそうです)、この程度で癒されちゃうんだから、男って他愛ないものなんですよ。 作中に出てくる『チグリス川潜行夫』って本、実在しないんだろうなあ。「れげんだ・おうれあ」のパターンだね。
2002年09月20日(金) ついに発売! アレとアレ(^o^)/映画『インソムニア』ほか 2001年09月20日(木) ま、映画さえ見られりゃいいんだけどね/『夜刀の神つかい』4巻(奥瀬サキ・志水アキ) 2000年09月20日(水) 頭痛と頭痛と頭痛と……/ムック『山下清のすべて』
| 2003年09月19日(金) |
回想の妻/『にっちもさっちも 人生は五十一から』(小林信彦) |
職場の若い子がフンフンと鼻歌を歌ってたので、何かと耳を傾けてみたら、これが『ゲッターロボ』。「若い命が真っ赤に燃え〜て〜♪」という出だしの部分だった。当然、本放送のときに『ゲッターロボ』を見ているはずはない。「再放送で知ってるの?」と聞いたら、一度も見ていないし、『スパロボ』も知らないと言う。 「じゃあなんで知ってんだよ」 「いや、カラオケで……」 友達と一緒に出かけたときに知ったんだとか。 「番組も知らないのにそんなに燃えられるものなのかなあ」 「だってカッコいいじゃないですか!」 カッコいいのはわかったから、「じゃないですか」と語尾につけるのはやめてちょ。 なんかイマドキの若い人はゲームもあまりしないみたいね。でも友達とカラオケに行ったからと言って、コミュニケーションの取り方がうまくなってるかと言うとそうでもない印象なのはなぜなんでしょ。
ようやくしげ、仕事休みが取れる。 久しぶりに私の職場まで迎えに来てもらって、4日遅れのしげの誕生祝いにキャナルシティまで繰り出すことにする。明々後日が父の誕生日なので、ついでに父へのプレゼントも買えるので一石二鳥。しげは「箱崎の『ゆめタウン』に行こうと思ってたのに」とブー垂れる。そんなんどっちでもいいじゃん。あそこは本屋がないんであまり好きじゃないのである。しげ、「オタクな本屋なんて、普通ないよ」と吐き捨てるように言う。自分だって紀伊國屋に行ったときはずっとサブカルのコーナーにいるくせになあ。
途中、グッデイに寄って、車用のマッサージシートをしげにプレゼント。なんかムチャクチャ実用的なプレゼントであるが、最近、仕事が忙しくて立ちっぱなし、相当腰を痛めてるようなので、少しは役に立てばいいんだが。なんかこういう健康器具の類って、「ぶら下がり健康機」の昔からあまり信用ならんなあと思ってるんで。 早速、シートを座席に設置して、振動部がちょうど腰に当たるように枕で高さを調整し始めるしげ。電源を入れると、振動が助手席のこちらにまで伝わってくる。なんかしげの目もキラキラしだした。……喜んでくれてるというより、エサ撒いた途端に池の鯉が口開けて飛びついてきたような感じがするのは気のせいか。
キャナルシティ到着は6時過ぎ。外はもう暗くなっていて、日が落ちるのが随分早くなったなあ、と感じる。 父へのプレゼントは、なんか適当な服をしげに選んでもらう。色とかわかんないからこれはしげに頼んだ方が無難なのである。
そのあと、四季劇場に回って、『オペラ座の怪人』のチケットを購入。予定日は土曜の昼なのだが、既にほぼ満席で、後ろの方の席しか残っていない。平日はまだ空いてるんだろうなあ。土、日しか動けないから、仕方がないんだが。
福家書店で本を買いこんだあと、いったんキャナルから外に出る。 しげがやっぱり誕生日の祝いは「焼肉で」と言うのである。ちょっと違うんじゃないかとも思うが、まあいいか。で、前からいっぺん行ってみたかった「大東園」に入る。週末で随分込んでいて、30分ほど待たされたが、ようやく着いた席で注文した肉の数々、この味がもう、これまで食べた肉の中でも最上の部類。いやホントマジで「肉ってこんなに美味いモノだったか」と思ったね。 ロース、ハラミ、フィレ肉、豚トロ、どれも美味いが、サイコロ形に切ったフィレ肉はもう絶品である。六面満遍なく焼いて、タレもつけずに味見(私は焼き肉は最初はタレを付けずに肉の味そのものを味わう)。程よく焼けた肉の歯応え、中は柔らかいが、決して火が通ってないわけではない。甘い肉汁が口いっぱいに広がって、肉そのものは舌の上でとろける。いやホントにこれが比喩じゃないんだ。 肉はできるだけしげに食べさせて、私は冷麺を注文。まず麺の腰がいい。スープはキムチを混ぜなければさほど辛くなく、ちょうどいい具合に細麺に絡む。チャーシューと一緒に平たく白い円盤みたいなのが乗ってるから、いったいなにかと思ったら、これがスライスした「梨」であった。これがまたよくスープに合って、爽涼感まで感じさせてくれる。これでは一枚乗ってるチャーシューが、スープの味の前にかえって邪魔なくらいだ。おかげで、いつもは残すスープも、今日はつい全部飲んでしまった。なんだかここまで満足できた食事と言うのも珍しい。 時間が合えば映画も見ようかと思っていたが、特に見たいというほどのものがなかったのと、しげの腰の調子がまた少し悪くなって来たので、そのまま帰宅。でもまあ、充実した夜であった。 実はどこの店に入るかでまたちょっと口ゲンカしてはいたのだが(^_^;)。
帰宅した途端にしげはバタンキュー。 チャットに入ったら、あやめさんがご来臨。奇しくもあやめさんも今日が誕生日であった。おめでとうございます。〜( ̄▽ ̄〜)(〜 ̄▽ ̄)〜 って、ウチは4日遅れで誕生日してるんだけど(^_^;)。
しげのことをあやめさんが「おねえたま」と呼んだので、なんか凄い違和感を覚える。人はやっぱり出会った時期からそうトシを取った感覚で見ることはできないもので、しげに最初に会ったとき、あいつはまだ、15歳だった。てことは、もうあいつの人生の半分近く、私は一緒にいるわけである。 初対面のころのしげの印象は今でも鮮明に覚えている。当時、私のいた劇団にあいつが訪ねてきた。わざわざ自分からやってきたのだから、入団したいのかといろいろ声をかけてみた。ところがこいつがともかく喋らない。 「芝居に興味があるの?」 「……」 「好きな役者さんとかいる?」 「……」 「最近見たドラマとかは?」 「……」 取りつくシマもないとはこのことである。ともかくいくら声をかけても返事一つしないで、ただ黙っているだけなのだ。 普通ならここで「黙ってるだけなら帰れ」と追いかえすところだが、口は開かないが、目だけは私を真っ直ぐ見つめて全く逸らそうとしない。そして時折唇がモゴモゴと何か言いたそうに動く。 もしかしてこれは、何か私に挑戦しているのか、と思った。芝居を一緒にしていくに足る人物かどうか、試されてるのかも、と大いなる勘違いをしたのである。ああ、勘違い(by『欽ドン』)。 これは何としてでも口を割らそう(って何か悪いことしてたわけじゃあるまいし)と、ともかく芝居の話を延々とし出した。演劇論、演技論、なんかその場で簡単なマイムまで披露したような気がする。それでも反応はやっぱりない。やはりただこちらを凝視して口をモゴモゴさせているだけである。 それでも懸命に私はずっと喋り続けた。1時間近く、一人で喋って、ついに私は負けた。 「……ま、芝居が面白そうだと思うなら、また明日来なさい」 で、次の日も、その日と同じ光景が演じられたのであった(-_-;)。
あとで聞いたら、その日はしげ、「よく喋る人だなあ」と感心して聞いていただけなんだそうな。単に最初から喋る気がなかったんである。ドテっぱらに風穴空けてカツブシつっこんでネコけしかけてやろうか。
なにしろその頃のイメージが強い。強すぎる。 だもんで、普通ならあいつの成人式にまで付き合ってるというのに、私のしげへのイメージは、そのころで止まったままなのである。と言ってもさすがに15歳とは思えないので、18歳くらいで止まっているのだが。それでも若すぎるか。
小林信彦『にっちもさっちも 人生は五十一から』(文藝春秋・1550円)。 『週刊文春』好評連載のシリーズ最新版、2002年度の分である。改めて言うまでもないけど、小林さん、今年で71歳だから、タイトル見て勘違いしないように。 読んでくと、書きたいことがたくさん出てくるんだがなあ。でもとても全部には触れられないからなあ。こうなったら毎週『週刊文春』買って、感想書いてこうかなあ。もったいないからしないけど。
小林さんが『千と千尋の神隠し』を高く評価している点は嬉しいことだ。私自身はどちらかと言うと『千と千尋』は宮崎駿作品としてはつまらない部類に入ると思うけれども、小林さんが誉めるのは“わかる”のである。 「アニメという特殊性に閉じこもるのではなく、むしろ、“映画として開かれている”」という指摘が評価の根拠になっているからだ。宮崎さんが森卓也さんに語ったという「『荒野の決闘』で、ワイアット・アープがクレメンタインと腕を組んで協会に近づいてゆく時、地上を雲の影が流れる。それをアニメはまだ描けない」という言葉、多分この本で紹介されるのが初めてだと思うが、アニメファンには必読ではなかろうか。これを単に「宮崎アニメは実写志向」、と誤解してはならない。 「必要な描写を描くための技術を作り出すこと」、という「演出論」として語っていると捉えなければならない。 「後半の水の上を走る電車、車内での少女の孤独感の描写が、そこまでの狂騒的な気分から観客を浄化してゆく」というのも嬉しい指摘。「あそこのところはよかったね」とずっと以前によしひと嬢と話したことがあったが、まさしくあのシーンこそが「映画」としての白眉なのである。「『エヴァ』じゃん」という突っ込みはできるけどね。
鮎川哲也さんのエピソードはちょっと悲しい。 人間不信ゆえに、鮎川さんが小林さんとちょっと疎遠になりかけた話だ。これもミステリファンは必読のエピソード。 ほかのはもう、実際に読んでみてくださいな。
2002年09月19日(木) 騒ぎどころが違うぜ/『仮面ライダー龍騎 13RYDERS』/映画『恐怖の火星探検』/『ロケットマン』3巻(加藤元浩) 2001年09月19日(水) ヤンキーたちの好きな戦争/『日露戦争物語』1巻(江川達也)/『探偵学園Q』1巻(さとうふみや) 2000年09月19日(火) 塩浦さん、今度はご夫妻で遊びに来てね
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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