無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2003年07月08日(火) 身内だからバカって言うんだよ/『赤ちゃんがいっぱい』(青井夏海)/『20世紀少年』13巻(浦沢直樹)ほか

 アホな話2題。どちらもしげから聞いた話である。
 一つ目は歩く無知無教養、穂稀嬢の話題。
 「BIGBOY」という『オースティン・パワーズ』で有名になった(^o^)ハンバーグレストランがあるのだが、そこのハンバーグは「手ごねハンバーグ」と言って、要するに「手作り」を売りにしている。
 穂稀嬢、これをなんと「手ごめハンバーグ」と聞き違えていた。
 もちろんみんなから笑われたのだが、話はここで終わらない。穂稀嬢の次のセリフで、みんなは今度は凍りついた。
 「『手ごめ』って何ですか?」
 意味も知らないで使っとったんかこいつはあ!
 ひと昔前ならば、こういうのは「カマトト」と呼ばれたものだったが、今やもう「知っているのに知らんぷり」なんて人間はいない。ただ「無知」なだけだ。しかしなあ、散々○○○○○○○○○○○○○○な穂稀嬢が「手ごめ」って言葉を知らんとはなあ。カタカナのほうが流布してるからなんだろうなあ。

 もう一つは愛上嬢のこと。
 と言ってもこれは具体的に書いちゃうと相当プライバシーに関わってしまうことなのでち詳しくは書けないのだが、結論だけ書くと、彼女、ある事情で仕事を辞めてしまったのである。
 そこはしげも働いてる店で、しげの紹介で勤めることになったのだから、急に辞めるということになれば、シフトにも支障を来たしちゃうわけだし、しげだって肩身の狭い思いをすることになるのである。常識的な感覚の持ち主ならば、しげに迷惑掛けちゃったことを申し訳ない、とか考えてもおかしくないはずだ。ところがなんつーか、辞めるにあたって彼女、しげにはお詫びのヒトコトもなかったのだね。
 他人に頭を下げることをしないしげだから、自分が謝られないのも仕方がないと言えば仕方がないのだが、だからと言って、愛上嬢が謝罪しない言い訳にはならない。
 愛上嬢も、これまでこんなふうに人付き合いをテキトーにしてきたことで縁切れちゃった友達とかも結構いるだろう。いい加減で少しは自分のやってきたこと自覚したらどうか。
 つーかチャットにも書いたが再度ここで声を大にして言うぞ。
 ふざけんな馬鹿野郎。


 青井夏海『赤ちゃんがいっぱい』(創元推理文庫・672円)。
 『赤ちゃんをさがせ』に続く「助産婦探偵シリーズ」第2弾で初の長編。短編型の作家は長編が苦手、という傾向もなくはないが、殺人も起こらないし、犯人の仕掛けた鬼面人を驚かすような大トリックもないのに長編一つ持たせる作劇技術はさすがである。なんといっても文章が上手いんだよねえ。半人前の助産婦、亀山陽奈の一人称で書かれた文体、実に歯切れがいい。

 世間の不況の嵐は助産婦の世界にも吹き荒れる。陽奈はバイト先の助産院をクビになる。慌てて潜りこんだ次の勤め先はアヤシイ「胎内育児」を標榜する「ハローベイビー研究所」。クリーニングの引換券やくずかごなど、ヘンなものばかりが盗まれる事件。そして起きる赤ちゃん置き去り事件。けれど、所長たちにはその事件を闇に葬りたい秘密があるらしい。困ったときの先輩頼み、陽奈は明楽先生のもとに駆けつけるが……。

 謎の赤ちゃんの正体は見当がついた。けど「秘密」の真相についてはちょっとびっくり。若干リアリティに欠けるなあと思ったけれど、実は「現実」にもそういう事件はあったのよ。事実は小説よりも奇なりってのをもう一回小説にもちこんだ形か。これ以上はトリックをバラすことになるので言えません(^_^;)。
 前作では頼りなかった陽奈ちゃんも、「経験」を積んで、聡子先輩に説教するまでに成長する。けれど更に続編が書かれたら、またおっちょこちょいで先走りなドジッ子ぶりを見せてくれることだろう。続編が楽しみなミステリって、久しぶりである。
 テレビ版は結局1度も見られなかったけど、出来はどんなんだったのかな。


 マンガ、浦沢直樹『本格科学冒険漫画 20世紀少年』13巻(小学館/スピリッツコミックス・530円)。
 「トモダチ」はやっぱり前巻で死んだ「彼」だったってことですか。もっとも「彼」は必ずしも物語の牽引者ではなくて、物語は更に「継承者」の手に委ねられたので、あと数巻は続きそうだけど。でも角書きにある「本格冒険科学漫画」って味わいは薄れて、すっかり『モンスター』っぽくなっちゃったのは残念。もっと明朗快活な方向に行ってくれると思ってたんだけど。浦沢さん自身もそうするつもりが、描いてるうちに「地」が出ちゃったんじゃないか。こうなったら、やっぱり「ケンヂ」に復活してもらうしか手はないと思うがどうかなあ。
 今巻の見所は、なんといってもキョンキョンの風呂上がりシーンであろう(^o^)。実写化してほしいなあ、キョンキョン(ドラマそのものじゃないんかい)。


 マンガ、細野不二彦『ギャラリーフェイク』28巻(小学館/スピリッツコミックス・530円)。
 オビによると累計900万部突破だって。めでたいめでたい。
 『オリエント急行オークション』が前後編でボリュームがあるが、まあそんなに面白くはない(^_^;)。オリエント急行には、作中にも描いてあるが車輌が四散していた時期に、京都のホテルに買い取られてたときに泊まったことがあるんで懐かしくはあったが。言っちゃなんだが所詮は寝台車なんで、ベッドは狭いし寝心地はそれほどよくないぞ。壁飾りはキレイだったけど。
 サラが飛行機事故に巻き込まれて行方不明になってしまう『生きているオフィーリア』は、定番なドラマだけに作者の作劇技術が問われる。こういうマンガこそ前後編でじっくり描かないといけないんじゃないか。コマわりもセリフも陳腐だし、わざわざフジタの「娘」エリザベータまで再登場させたのに、何の役回りも振っていない。細野さんは実はマンガ自体はあまり上手くなくて、「ネタ勝負」なところがあるので、一作と一作の間をもう少し開けて、ネタを熟成させてから描いてもいいと思うのだが。 


 マンガ、細野不二彦『ダブル・フェイス』2巻(小学館/ビッグコミックス・530円)。
 普段は消費者金融(つまりはサラ金ですな)「月影ファイナンス」のダメ会社員(でも手品好きってとこ、多羅尾伴内だなあ)、けれど手酷い借金に泣かされてる庶民を見ると、その加害者に「人生の債権」を取りたてる「ウラの仕事人」と化す男・春居筆美。
 これも面白いと言えば面白いんだけれど、やはりドラマ展開が2巻で早くも定番化してるところが気になる。前に描いてた『ジャッジ』の焼き直しじゃん、と言われればそれまでだし。あっちはオカルトだったけど、こっちは結局「カネのチカラ」で悪人倒すってのがなんともね。ギャグなら笑えるけど、どうも主役がいけすかんだけになってる気がするよ。
 春居の正体を訝む女の子が出てくるあたりもな〜、もうちょっと工夫できんかな〜という感じでした。

2002年07月08日(月) えすぽわ〜る、とれびや〜ん/『ブラックジャックによろしく』1・2巻(佐藤秀峰)/『アグネス仮面』2巻(ヒラマツ・ミノル)ほか
2001年07月08日(日) 夫婦で暑気あたり?/『昔、火星のあった場所』(北野勇作)ほか


2003年07月07日(月) 今年も涙の雨が降る/アニメ『高橋留美子劇場・Pの悲劇』/『探偵学園Q』11巻(天樹征丸・さとうふみや)

 七夕だけど曇天。でもってまた午後から雨である。
 今年も灑涙雨(さいるいう)なんだねえ。
 以前も書いたが、七夕に雨が降ると、牽牛と織女の二人は天の川が氾濫して会えなくなってしまう。だもんで、悲しみのあまり、涙を流す。で、七夕に降る雨のことをこう呼ぶのである。
 ちょっと恥晒しな話であるが、昔、私はこの「灑涙雨」って字をうっかり「催涙雨」と書いてて、その間違いに全く気がつかなかった。これは「洒涙雨」とも書くのだけれど、「灑」も「洒」も「そそぐ」と読むのである。『奥の細道』にも「前途三千里の思ひ胸にふさがりて、幻のちまたに離別の涙をそそぐ」って文があったね。意味は「涙を流す」ということ。これが「催涙雨」だと、「涙をもよおす」になってしまうんだよねえ(^_^;)。オシッコじゃないってば。ああ、恥ずかしい。

 牽牛と織女が天の川を渡るときには、「鵲(かささぎ)」という鳥が、群れを成して二人のために橋を作るのだそうな。
 この「鵲」(別名カチガラス)という鳥はカラス科なんですね。腹の部分だけ白くて、全体は尾の先まで黒い。白い天の川に黒い橋が架かることになるわけで、ホントにかかったら白と黒のコントラストがさぞ美しいことでしょうねえ……って、夜だから見えないんじゃないか(^o^)。古代中国人は多分、天の川のところどころにあるオビのような「隙間」を「鵲の橋」に見立てたんでしょう。
 昨日見た『猫の恩返し』のカラスの群れのシーン、ここらあたりにアイデアのルーツがあったりして(『長靴をはいた猫』はハトだったしねえ)。

 この鵲の架ける橋は、和歌にも詠まれている。
 一番有名なのは、百人一首にも採られている中納言大伴家持の歌だろう。

  かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ更けにける
  (宮中の御階は、天の川に鵲が渡した橋みたいに黒いのやけど、そこに霜が白う降りてごっつキレイやってん、つい見とれてるうちに夜が更けてしもうたがな)

 この「かささぎの渡せる橋におく霜」を「天上に白く輝く天の川の星々そのもの」、と解釈する説があるけれど、さっきも書いたとおり鵲はほぼ黒い鳥だから、そこに星が輝いてるって情景がどうもピンと来ないんだなあ。それとも腹の白い部分を「星」に見立てたのか。

 家持の歌自体は非常に美しいのだけれど、私が好きな「鵲」の歌は、実はこの歌をパロッた、壬生忠岑による本歌取りの方。こっちはあまり有名じゃないんだけどね。
 出典は『大和物語』125段。
 忠岑は泉大将・藤原定国に随身として仕えていた。ある夜定国は、酒宴の帰りに酔っぱらった勢いで、左大臣藤原時平の屋敷を真夜中だというのにいきなり訪ねる。「オラオラオラ、開けんかい! 泉の大将のお出ましや! ……ひっく、うぃ〜」「な、な、なんや一体!?」
 当然、時平はビックラこいて、「どこの宴会のついでに寄ったんや、ワレ」と大激怒。そこへ壬生忠岑がヒョイと出てきて、「まあまあまあ」となだめる。
 「わしの歌でも聞いて、機嫌なおしてくれまへんかなあ」

  かささぎの渡せる橋の霜の上を夜半に踏み分けことさらにこそ
 (天の川に架かる鵲の橋かて、一年に一度わざわざ架けますのんやで、こないな寒い夜に、霜踏みながら来たのに、ついでっちゅうことがありますかいな)

 時平はプッと吹き出して、すっかり機嫌を直し、夜明けまで酒宴を張ったとか。この歌、定国が牽牛だとしたら、時平はなんと織女にたとえられたわけで、こりゃ笑うのもわかるよねえ。昔のことだからホントにそんな関係だったりして(^o^)。しかも詠んだ忠岑自身は自分を「仲人」役の鵲になぞらえてるんだから、結局は自画自讃。チャッカリしてます。

 それにしてもここ数年、七月七日がハレだった時ってあまり記憶にないんだが、もしかして牽牛と織女さん、もう何年もセックスレスなんだろうか(^o^)。
 牽牛くん、ほんのちょっとでも晴れ間を見つけたら急いで天の川渡ってコトに及ばないと、「もっとラテンな結婚がしたかった」って、織女に愛想つかされちゃうぞ♪

 職場には毎年なぜか笹が飾られる。
 子供っぽいけど、こういう趣向でもって、職場の雰囲気を和ませようって考えてるのかもね。誰がだ。
 私も毎年願い事の札を掛けてるんだが、ナカミはいつも同じ。
 「妻が家事をしてくれるようになりますよう」
 願い事がかなったためしなんて全くないから、神様っていないなあって思いますね、つくづく。



 新番組アニメを2本続けて見る。
 1本目は、『HAPPY☆LESSON ADVANCE』第1話「ピカピカ☆制服まつり」。
 ……サブタイトル書くだけで脱力しちゃうなあ。面白いのか、これ?
 美少女シミュレーションゲームが元になってるらしいが、もう企画自体が頭打ちになってないかな。「自分の好みの女の子をゲットする」ってとこまでは理解できなくはないが(それにしたところで、あまりにも「志が低い」ので私は美少女系のゲームは殆どやらなくなってしまったのである。『センチメンタルグラフィティ』と『TO HEART』で止まっちゃいました)、相手がみんな「女教師」って、病んでないか。そのくせ、キャラが全然女教師っぽくないのもよくわからない。
 でも長々と感想を書く気にもなれないので、このへんでやめときます。ケイエイエスのアニメって全部こんなんばっか。

 2本目、『高橋留美子劇場』は『Pの悲劇』。
 CMコピーでは「全部が傑作!」とか言ってるけど、「誉め殺し」はよくないですね。高橋留美子も小池一夫の悪影響で、キャラを作りこみすぎる傾向があるんだけど。いや、「一見動物嫌い」の筧さんのことではないです。
 仕方ないとは言えるが、高橋さんは男がうまく描けない。『Pの悲劇』も、主人公の裕子の夫がいきなり「商取引相手からペンギンを預かってくる」ヤツだってのにムリがあるんだよね。つーかこんな設定自体、古色蒼然としてると思うけど。もちろんそういう設定がないとこのドラマが成り立たないのは分るけど、おかげでこのダンナさん、相当オチャラケでいい加減な人間に見えてしまうぞ。なんでこんなのと結婚したんだ裕子。
 作画レベル、演出はまあまあ。裕子が宇宙を感じるシーンはちと長過ぎたけどね。筧さんの林原めぐみは上手いけど、こういう冷たいおばさんの役がまわってくるということは、ベテランになったということでもあるけれど、ヒロインを後進に譲り渡しつつあるってことでもあるんで、ちょっと寂しい。林原さんが演じてきた「元気少女」が80年代の産物だとすれば、もうその時代は消えちゃったってことなのかな。


 マンガ、天樹征丸原作・さとうふみや漫画『探偵学園Q』11巻(講談社/少年マガジンコミックス・440円)。
 もうトリックがどうの、なんて文句は言いません。
 「前代未聞の密室トリック」とかハッタリかましてるけど、フタを開けてみたら「抱腹絶倒」「笑止千万」「羊頭狗肉」「軽薄短小」なトリックに決まってるから。
 だもんで、これから先はキャラとか設定についての話だけに限定します。
 今巻からの新キャラは福井県警の嶺刑事。安手のミステリにありがちな「主人公の探偵に敵対するヘボ刑事(だけど一応2枚目)って役回り。ミステリの歴史って百年以上も続いてるんだから、もういい加減でレストレード警部の呪縛から離れてもいいと思うんだが、相変わらずこんな薄っぺらなキャラ作るんだよねえ。人間的に深みのあるキャラクターを作ろうってアタマが天樹さんにはないのだろうか。いや、ないってことはもうわかりきっちゃいるんだけど。
 まあ、本物の刑事にも高慢なだけのバカはいるのかもしれないけれど、フィクションの刑事は本物以上にリアルじゃないと、その存在感が簡単に崩れてしまうのである。いくらDDSに反感を抱いてるからって、死体の第一発見者で、これから尋問しようって相手に対して、いきなり「目障りだ」なんて反感買うようなこと刑事が言うかい。特に子供相手なんだから、ヘタすりゃ大問題になるぞ。
 こういうティテールのいい加減さもバカミスにはやたら多い。しかしこのマンガのファンって、何が面白くて読んでるんだろう。わからん。

2002年07月07日(日) 叶わぬ願い/DVD『風のように雲のように』/『映画欠席裁判』(町山智浩&柳下毅一郎)ほか
2001年07月07日(土) オタクな××話/『こんな料理に男はまいる。』(大竹まこと)ほか


2003年07月06日(日) 日曜の昼は出たくないね/DVD『悪魔くん』vol.1/『ワイド版 風雲児たち』14巻(みなもと太郎)ほか

 とりあえず一通り朝の特撮、アニメは見てますけど、感想は『アトム』だけにしときます(^_^;)。
 『鉄腕アトム』第13話「ウラン誕生」。
 ウランの衣装デザイン、スカートの下がタイツみたいになってるのは、もしかしたらパンチラがアメリカじゃアウトってことなんだろうか。
 妹の誕生に大喜びするアトム。けれどウランはとんでもないお転婆。「動物の気持ちがわかる」という能力をお兄ちゃんに信じてもらえなかった彼女は、自分の見た滑空する巨大な翼竜型ロボットの実在を確かめるため、一人で秘密基地に忍び込むが、そこは反ロボット主義者のアジトだった。
 カタリの再登場エピソードでもあるのだけれど、さて、これも話としては原作にはないオリジナル編なのかな。あまりにも単純過ぎる話で、物語としては今一つ面白味に欠ける。
 原作でのウラン誕生のエピソードは、全くこんな話ではない。『少年』掲載時には、『透明巨人』のラストでお茶の水博士が『ミドロが沼』で死んだコバルトを再生させて、一緒にウランも作ってアトムにプレゼントしているのである。
 単行本ではコバルトは『ミドロが沼』で死ななくなった形に改稿されたので、そのアオリをくらって、ウラン誕生のエピソードもカットされてしまった。だから現在、公式には『ウラン誕生』という原作はない(^o^)。
 一応、今そういうタイトルで流布している作品があるにはあるのだが、それは、雑誌掲載時には『1/2人間』というタイトルが付いていた、ウラン誕生「後」のエピソードなんである。
 こうして見ると、手塚さん、ウランが嫌いだったのかねえ。
 

 昨日はずっと眼帯で過ごしてたので、今日は一日ぐたっとしてるつもりだったけど、思い立って夕方から博多駅の紀伊國屋書店まで。
 しげが『マイガール』のDVDがほしいと言ってたので(もちろんダン・エイクロイドが出演しているからである)、1と2を買いに行ったのである。
 ついでに、ついに決意して『ルパン三世劇場版ボックス』を予約注文。解説ブックレットが充実してりゃいいな。店員さん、私が名前を告げなかったのに、サラサラと伝票を切る。しかも誤字なし(私の本名は珍しいのでよく書き間違えられるのである)。感動していいのかどうか(^_^;)。


 3号まで出てたインフォレストの『トラマガ』、どうやら実質的な休刊になってしまったらしい。発行予定は「未定」だって。
 『ガンバ』のマンガ版、『ジャイアント・ロボ』の誕生編と、期待のマンガを連載し始めたばかりだったのに、やっぱり売れなかったのかなあ。まあ、あと読めるマンガって『楽勝! ハイパードール』くらいしかなかったから仕方なかったのかもしれないけれど、もう少し「売り」を作っといてほしかったよなあ。いくらなんでも3号は短か過ぎるよ。どっか、連載を引きとってくれる奇特なマンガ雑誌はないか。『ウルトラジャンプ』とか(ムリだって)。


 DVD『悪魔くん』vol.1。
 後のアニメ版ではなく、実写モノクロの前半13話を収録。私にとっての『悪魔くん』はなんと言ってもこのシリーズである。潮健児さんも地獄大使じゃなくてメフィストなんだよね。これはもう生まれた時代がそうなんだから仕方がない。
 とりあえず、第1話『妖怪ガンマー』と第2話『化烏』、間をすっ飛ばして、兄弟メフィスト共演の第10話『シバの大魔神』を見る。
 モノクロ作品で再放送も滅多になかったから、見るのはホントに30年ぶりくらいじゃないか。ずっと「妖怪ガンマー」は「ガンマー」が本名なのか「百目」が本名なのか(原作には「百目」としか出てこない)気になってたのだが、「昔の人が「百目」と呼んでいた妖怪の正体が、実は「ガンマー」だったってことなんだな。ガンマーが女の子を襲うシーンなんか、明らかにボリス・カーロフの『フランケンシュタイン』をモチーフにしているし、やっぱり原典にはきちんと当たるべきだなあと実感。
 兄メフィストの本名がメールセデス・ニチ・メフィスト、弟の本名がシラーサルタン・モメット・メフィストと違ってるのも今回確認したが、兄が弟の名前を忘れているのがオカシイ(^o^)。この回の脚本は伊上勝さんだから、ネーミングも恐らく伊上さんだろう。
 しかし、40年近く前の作品だから仕方ないんだけれど、出演者の殆どが故人というのはさびしい。金子光伸(悪魔くん)、メフィスト兄(吉田義夫)、メフィスト弟(潮健児)、ファウスト博士(浜村純)、みなさん鬼籍に入られてしまった。その当時の思い出を語れる人も少なくなってしまった。
 せめて10年前に、ムック本とか作ってほしかったなあ。


 DVD『猫の恩返し&ギブリーズ episode2』。
 見返してみたけど、やっぱよくできてるわ。結局、評論家連がみんなこれについてトンチンカンなことしか言えなかったのは、「少女マンガ」がどんなものか全くわかんなかったからなんだろうな。「底が浅い」とかなんとか、少女マンガに底なんてもともとないわい。でもやっぱり池脇千鶴のやたら裏返るようなセリフ回しはちょっと気になった。


 マンガ、みなもと太郎『ワイド版 風雲児たち』14巻(リイド社・680円)。
 シーボルト事件から大塩平八郎の乱まで。年代で言えば1826年くらいから1838年くらいまでだけど、ワイド版になっても1巻で12年しか経ってない。そりゃ幕末まではよう行かんわな(^_^;)。「幕末」ってのは一応、黒船来航の1853年からってことになってるから、なんだあと15年じゃん、って感じだけど、この間にまたいろいろと事件が起きまくるんだよね。高野長英と渡辺崋山だけで何巻費やすことか(^o^)。まあ、それについては次巻のお楽しみ。
 史実の大塩平八郎という人は、史料を読む限りではマジメが行き過ぎちゃったような人で、あまり私とはソリが合わんような気がするのだが、戦前までは理想主義者・革命思想者の典型として憧憬の的だったようだ。
 映像化の歴史を見ても、目玉の松っちゃんこと尾上松之助が『侠骨男児 大塩平八郎』(明治43年)と『大塩平八郎』(大正3年)と二度に渡って主演しているし、片岡千恵蔵も『風雲天馬草紙 第一・第二篇』(昭和5年)で大塩に扮している。
 これが戦後になると、歴史もののエピソードでチラッと出演することはあっても、大塩一本立ちの映像化となると、嵐寛寿郎主演の『風雲天満動乱』『続風雲天満動乱』(昭和32年)くらいしか見当たらない。
 まあ『風雲児たち』も別に大塩一人にそんなにページを割いているとは言えないのだが、歴史の教科書にちょろっと出てきた「知行合一」思想をきちんと紹介してくれているのはエライなあと思うのである。
 現代日本人の思想体系はもういろんなものがゴタマゼになっててワヤクチャになっているのだが、それでも未だに消えずに残っていてその根幹を成していると言ってもよいのが安藤昌益の「自然生」と大塩の(とホントは限定はできないんだけどね。陽明学の基本思想だから)「知行合一」だと思うのである。まあやたらと「労働の純粋性」を訴えるやつとか、「不言実行」を理想的に語るやつっているでしょ。ウチのオヤジだ(^_^;)。
 好き嫌いは別として、「こんな人が我々日本人の思想体系を作っていったんだなあ」ということ、これが今一番簡単に読めるのが『風雲児たち』シリーズだと思う。こういうマンガがもっと増えりゃいいのにねえ。


 マンガ、倉田真由美『だめんず・うぉ〜か〜』5巻(扶桑社/SPA!COMICS・900円)。
 ちょっと気になったんだが、45ページに「自分の女に『特殊な好み』を押しつける男」ってのが出て来てるけど、ここで描かれてるヘアスタイル&メイクって、もしかして『謎の円盤UFO』とか『怪獣大戦争』の宇宙人女のイメージじゃなかろうか。いやまあ、ゲイ・エリスや波川女史が美しいことは認めるが、ああいうスタイルの人が側にいたらフツーはちょっとコワイと思うんすけど。
 自分の彼女にコスプレさせたがるという感覚が私にはイマイチ湧かないのだが、しげになんかさせるとしても「キグルミ」しか思い付かんのである。セーラー服とかナース姿とか、まずもって似合わんし、ましてやプラグスーツなんぞ着られた日にゃあ、性欲よりも殺意を覚えるのは間違いない。じゃあ、ネコとかピカチュウになったしげには欲情するかというとまあそれも絶対にないのである。……コスプレさせる意味、ないよな。
 ほかに特に感想はありません(^o^)。

2002年07月06日(土) 理想の正論より現実の暴論/映画『スターウォーズ エピソード2 クローンの攻撃』
2001年07月06日(金) ニュースな一日/DVD『遊撃戦』第一話ほか



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藤原敬之(ふじわら・けいし)