今年は久しぶりに花見をした。
4年くらい前に前勤めていた会社の人と一緒に花見をしたのを最後に、 特に誘われないまま随分経っていた。
ただ、花見に行くのは久しぶりでも、 一昨年までは実家で花見をしていた。
実家の庭にはソメイヨシノと八重桜が1本ずつ植えられていて、 また、リビングから見える森林公園にある山桜が綺麗に見える。
山桜が一番最初に咲き始め、ソメイヨシノが開花して、 その2本の桜の桜吹雪の中で八重桜が満開になるっていう。 なんとも贅沢な景色を見ながら私は育ったの。
母を亡くしてからはもう見れない。 母がいない実家には、父がひとりで暮らしていて、 1人でかわいそうだなとは少し思うけど、 会いに行けば腹を立てて帰りたくなるので、 もうあまり可哀想だとも思わないようにする。
しかし可哀想っちゃ可哀想なので、 可哀想に思わないようにしている自分が ひどい娘のようで、自己嫌悪する。
こんな繰り返し。
可哀想に思って実家に帰ると、 はらわた煮えくり返って総毛立つほどの怒りと悲しみに襲われる。 そしてしばらくその落ち込みから回復できない。
だから私はもう可哀想だと思うのをやめるんだ。 仕方ないんだ。
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