管理人日記
管理人



 ティッシュ配りは命がけ


消費者金融の大手に勤務していた友人がいる。彼女は久しぶりに話すたびに香ばしいお話を教えてくれるのでとっても楽しい。夏にふさわしい強烈なお話のはじまり。

消費者金融の総合職で大変なのは、やっぱ家庭訪問であろう。もちろん焦げ付いている顧客を訪問するのだが、大方えらいことになっている方が多い。

とあるアパート。顧客は結構若いお兄さん。延滞がひどいのでお宅に伺うことになる。アパートのピンポンを押す、するとお兄さんがハーイと簡単に出てきた。そう、頭にハチマキ、ハチマキには3本の火のついたロウソクが…

宗教にはまっていたらしい…

また別のお宅訪問。独身中年のおっさん。お宅に伺うと様子がおかしい。なぜかドアが少しだけあいている。中は真っ暗だ。おかしいな?と思いながらも担当営業マンは帰社したそうだ。

そして次の日。また訪問してみた。
またまたドアが少しだけ空いている。昨日より早い時間だったのでまだ日が落ちていなくて明るかった。それなので思い切ってドアを開けて中に入ってみた。中は雑然としている。そして窓枠の方を見てみると…

彼の会社の電話が鳴った。そして彼の上司がその電話に出た。
「お前、○○さんちに訪問してんだろ?どうだった?」
すると彼は

「あの、、、どうやら窓枠に洋服が吊る下がっているようなんですけど…」

上司はピンときた。

「…うわわわ〜〜〜お前見ちゃったのかよ!!触ってないだろうな!!」

そう、首を吊っていたのだよ。

死体の第一発見者になると何かとめんどくさい。警察に連絡しなくてはならないしその後警察にて事情を話さなければならない。半日くらいかかってしまうのでその間の仕事に影響を及ぼすのだそうだ。ホントに効率が悪いという。

それからお宅訪問だけが大変なのではない。

手紙が来た。顧客の家族からだ。中身を開けてみたところ手紙と消費者金融の借り入れ用カードが入っている。手紙を読んだ。すると、

「父親は、富士の樹海で死体で発見されました。このカードはポケットに入っていたものです。御社にお返し致します」

友人はすでにそのカードを触ってしまった後だった…ぷるぷるぷる…

そして最大に恐ろしい仕事がまだある。
それは”ティッシュ配り”だ!!

テレビのCMでもやっているがそんなクリーンなものではない。

とある新入社員の女性が街頭で優しくティッシュ配りをしていた。すると鼻血を出して帰ってきた。しくしくしく…泣きながら言うことには「お前のせいでウチの親がああ!!」といきなり殴られたそうだ。男性社員はカッターナイフで切りつけられたこともあるそうだ。平和にティッシュを配っているだけで、殺されそうになるという。ああ、恐ろしい。

友人いわく、金がからむと本性が出るというが、消費者金融道は大変だ。ナニワ金融道なんてあんなことは無い、もっとまともだから!と豪語するが、話を聞くだけで具合が少々悪くなれます。

どうか皆さん、街頭ティッシュ配りの消費者金融の社員にあたたかくしてやってくださいね!


2003年07月22日(火)



 札幌名物


3年前の夏に札幌へ行った。洋服のデザイン・販売を営んでいる知人と会うためである。このときは珍しく女友達と二人で出かけた。普通なら♪友達と楽しい旅〜になるんだろうが、やはり!事情が違った。この女友達はレズビアン(自称)だったのだよ。行きの飛行機着搭乗時、旅の目的が観光とはかけ離れていたことに私はまだ気づいていなかったのだった。

国内旅行でもケチって超マイナー航空会社、エア・ドゥ(その後倒産)を使用して普通に札幌についた。

真夏ってえのに札幌はやっぱり涼しいもんだね〜あたしゃびっくりしたよ!しばらく和んだ後に「さ、行こうか」と言われた。え?こんな時間からどこにいくの、と尋ねると

「決まってんじゃん、ニューハーフのショーを見に行くんだよ!そのために来たんじゃん」

と、あっさり言われた…

旅の目的をオイラは知らなかったよ(涙)。札幌では新宿二丁目でニューハーフショーを見るよりも相場が安いんだってさ…わかったけどなんで札幌くんだりまできてわざわざそんなもん見なくちゃならないんだ。少々哀しくなったが、切り替えは早いので(懲りないとも言う)まいっか、とススキノに出かけた。

受け付けにはマイケルジャクソンとラ・トーヤジャクソンを足して二で割ったような身長180センチほどのニューハーフがいた。彼女は料金とドリンクシステムを説明して「OK?じゃ早く入って。もう始まっちゃうから」と言った。

中に入るともうショータイムが始まっていた。みんな改造した己の身体を誇らしげに見せながらそれぞれの芸を披露していた。しかしそんな芸よりも私が気になったのはやっぱり外見だ。

思った通りのオバちゃんだかおじちゃんだかわかんなくなっているようなニューハーフがいる。しかし豊胸をしてる人としてない人がいる。ここはビアンの友に聞く。

「そういう性癖の種類だよ。胸が欲しい人と欲しくない人がいるの」

とのこと。ほー、勉強になるわ。

エックスのヨシキに似たニューハーフもいる。男だったらさぞかしカッコいい…ねえ〜。

しかしキワモノ系のニューハーフの中に、もの凄いかわいい子がいる!!華奢な肩、細い足、オカマがみな欲しがるという、オードリーヘップバーンのような首筋…これが札幌在住の友人の弟も危うく惚れそうになった(笑)超美形ニューハーフだった。

いやー、マジでね、かわいいんだよ。清楚っつーかアイドルっぽいっつーか…だって元男とは、ちょっと思えない。しかもニューハーフってその辺の女なんかよりよほど女らしい。酒の勺は上手いし気配りもできるしきっと料理も上手いのであろう。そこにいた私ら女三人はくぎ付けになってしまった。

ニューハーフショーは縁もたけなわ、トップレスになってのラストショーとなった。いやー、おひねり飛ぶ飛ぶ、差し込む差し込む。やっぱ一番人気はあの美形の彼女なのであった。いやー、いいもん見せてもらいました。

その後ドリンクタイムになり、様々なニューハーフがテーブルにやってくる。これって、とても楽しい!男がキャバクラにはまるのもよくわかるような気がす(あ、キャバクラにも結構行っていたのだが、この話はまた後日)。

「私、彼氏いない暦22年なんですぅ〜」などど嘆く麗子嬢。みればまだニューハーフ暦も短いようであごに黒い点々が。(笑)ひげである。まだ女性ホルモン注射が少ないのであろう。精進しろよ。

ローリー寺西顔のニューハーフも来た。もう40歳くらいらしくそれはそれはものの哀れを感じる。それでも人体改造費はひとえに3〜400万かかっているそうだよ。

レズビアンの友人いわく、新宿二丁目のニューハーフは聖子ちゃん派(すんごい付け毛とかして頭巻いてるらしい)と明菜ちゃん派のファッションに別れるという。楽しいけどお金がかかってしょうがないんだそうだ。しかも店には有名女優やら歌手(それは槙原だったという。しかも逮捕前)がひっそりと来ているという。しかしこういう店に遊びに行くのは、合う合わないがあるからね〜という話だった。

そんなこんなで結構楽しんでしまった私だった…

だけどね、だけどね、

牧場見たり、ラベンダー畑見たりね、ソフトクリーム食ったりね、

たまには普通の札幌名物を堪能する普通の観光旅行をしてみたかったっす…

おかしな旅になったのは私だけが原因ではないと思うよ…


2003年07月20日(日)



 怪・白雪姫と7人の小人


私は運動はキライ。

でも二つだけ好きな運動がある。ひとつは水泳、そしてもうひとつはスポーツジム通いをすることだ。マシンジムをメニューどおりにもくもくとこなしていく、それは誰にも邪魔されない一種の瞑想タイムと化していた…のだが…以下はそれにまつわる大変恐ろしい話である。

仕事を辞めて、少々遊んで、ということが許されてた頃。そう29歳の頃だろうか(許される年齢じゃないってか)。私はあるスポーツジムが気に入って週に4回は丸一日そこで過ごしていた。メニューはごく普通のもので体脂肪なんかが見る見る減ってきてジム通いがますます楽しくなってきていた。

そこには色んな人がいた。

プロゴルファーで調整のために通っている人、ぶらぶらしてるフリーター、学生の娘さん、レゲエな調理師さん、ウェイトトレーニングに励んでいる人。インストラクターさんもきれいなお姉さんとかわいいお姉さん、軽そうな、でも感じは悪くないお兄さんの3人だった。そんなに忙しくないジムだったので、のんびりほのぼのしていた。そんなこんなで通いはじめて3ヶ月くらいが経過した頃のことだった。

ウェイトトレーニングに励む一人の人が目に入った。

あまり見かけない人で一見男か女かわかんない外見。一応ピンクのトレーニングスーツを着ているがそれでも良くわからない。ピチピチなスーツなのに、胸を見ても判断がつかなかったのだが、じ〜っと見ているとどうやらかろうじて女?とわかった。

髪はベリーショート、顔は…アブナい表情。これまた子供なのかおばさんなのか全くわからん。でもこういう場合って若いことが多いんだよね。

ちょっと恐いながらも彼女のトレーニングッぷりに注目してみた。かなりのハードトレーニングであった。筋肉をつけるのだろうか?そういえばボディービルダーっぽい。ダンベルもかなりの重さでいち〜にぃ〜とやっている。

インストラクターは公平に話し掛けてくれるので、その人とも話していたが、声がさっぱり聞こえないのであった。そう、とても小さな声で内向的にしゃべる人かな?という感じであった。

もうひとつ不思議なことは、彼女はトレーニングの合間に自分で持ってきた本をぱらぱらとめくって見ているのであった。何見てるんだろう?でも、見かけによらず?何かのスポーツ選手かもしれないので(リフティングとか)鍛えた筋肉の部分を筋トレ本で確認しているのかな?とも思った。

気が付くと、私の次のメニューは彼女の近くのマシンを使うトレーニングになっている。じゃそれをやろうかな〜と思い、彼女がタオルやらその本やらを置いているベンチの近くのマシンに歩いていった。そして何気なくチラッとその本の表紙を見た。そのとき私は戦慄した…なんとその本の題名は…

”白雪姫と7人の小人”

だったのだ!!ええええええ〜〜〜???

驚く私を尻目にその彼女はダンベルを終えてこちらにやってきた。そして…椅子に座りながら白雪姫と7人の小人の本をめくっているではないか!しかも白雪姫が死んで丘の上でガラスの棺に入り、王子様がキスしようとしている場面!!…そして彼女は私の方を振り返った…

ニタ〜〜〜〜〜

…と笑ったんだよう!!!恐い恐い恐い!!!えっえっえっ一体何なの??

私は大急ぎでインストラクターさんに訴えた。あああのひとお〜アブナイですよ〜〜!!インストラクターさんは言った。

「ええ??何が?そんなことないですよ〜」

そんなバカな。じゃ、ジムの合間に見るあれは何なんだ。みんなやりながら見てるのか?A4サイズの絵本だぞ!しかも白雪姫だぞ。なんでみんな気がつかないんだ!!もはやこれは怪奇映画、ホラーである。

恐くなってサウナでも入って帰ることにした。ここは裸になって入るタイプのサウナだったのだが…ヤツが追っかけてきたんだよう。裸で見つめあうこと3分間。もう限界だよ。私は毒蛇ににらまれて動けないような状態だった。何とか逃げ出してさらに逃げ帰った。

それからヤツには会っていない。
一体なんだったんだろう??しかしインストラクターさんに聞いたら「そんな人いないですよ〜」なんて言われたりしたらね…余計に恐いので尋ねませんでした。しっかし、筋肉作りながら白雪姫と7人の小人を見る人間って、どうなん?笑っている場合ではない。あなたも出くわすかもしれないからね!

私のマジこわ恐怖体験でした…


2003年07月18日(金)



 ああ、猪木イズム


都内近郊の団地に伝説がある。

本当かどうかわからないが、ある団地は恐れられている。どのくらいといったら、地元のヤクザですら一目おくような状態だという。団地の中に住んでる若いやつらが結束しており、この団地の中の連中に何かあったときみんなでお礼参りにいく。団結しており、それは恐ろしいという。

その団地の近辺にはコンビ二が一軒もない。危なくて作ろうとするような経営者がいない。団地付近にはコンビ二どころか店が一軒もない。団地に近づくと灯りですら減っていくという。

消費者金融に勤めている人間もその話は知っている。人にお金を貸すときには身分照会をするので、どの地区がどんな借金状況なのか検索すればすぐわかる。とても状況の悪い地区(団地とかマンションなど建物)は確かにあるそうだ。

これはある種の都市伝説かと思っていた。人面犬とかみたくね。ところが自分の古い友人(男)にそこと関わっていると思われる話を聞いた。

彼は人間はまっすぐで大変いいやつなのだが、家庭で色々事情があり、荒れていた。そして高校進学では東京近郊の偏差値最低の私立男子校に入学することになってしまった。そこには事情のある彼ですら想像を絶するような家庭環境の生徒が多かったのだそうだ。

高校に入るまで電車に乗ったことがなかったというクラスメイトが少なくなかったらしい。この現代日本で産まれてから16年間電車に乗ったことがない人って…家族構成を聞くと6畳2間に家族6人で住んでいるとか。で、住所はみんな同じだったそうだ。そう、おそらくあの団地ではないかという。

そんな高校ではかなりの人間がひどくグレだして、どんどん退学していったという。俺が辛いときは世間のやつらはみんな楽しいんだ!と思うと犯罪に走るようだと言っていた。

そんな高校にいて、私の友人の彼はどうだったのか?彼はまっすぐなままであった。そしてまっすぐなまま、大学受験に失敗し人生どうしようと悩んでいるときにバイト先で私らに出会った。

しかし、彼も相当な家庭環境だったし学校もそんなだったのになぜ悪いことしなかったの?と聞いてみた。彼はこう言った。

「俺が辛いときは、アントニオ猪木はもっと辛かったんだと思ったからですよ!」

…そう、彼は強烈な新日猪木派、通称”猪木イズム”の信仰者だったのだ!猪木のお陰で人生やってこれましたという。おお、猪木イズムは彼と彼の周辺の人間を救った。偉大なる猪木イズムよ…

そして彼はかわいい娘さんと結婚した。結婚式の引き出物は、アントニオ猪木の詩が入った特注のコーヒーカップだった(笑)。

この道を行けばどうなるものか
危ぶむなかれ。
危ぶめば道はなし
踏み出せばその一足が道となる
迷わず行けよ
行けばわかる。

これが書いてあり、夫婦の名前が明記されている。私が過去の結婚式でもらった引き出物のベストアクトだ(ちなみに2位は各人にあった小説をくばったもの。私は山田詠美をゲット)。

彼に言わせれば「猪木詩集」は人生に素晴らしい詩ばかりだという。今もバリバリ猪木イズム。

で、思うに!人間ってえのは家庭環境も大事だけど、心の中に支えとして持つのものこそが大事なんじゃないかなってこと。彼の環境じゃあ凶悪犯罪を起こしたって納得なのに今はインテリアに凝ったりする嫁さんもらったり仕事でちょっと上手くいかないでブルーになったり普通の生活をしてるんだもんね。

ちなみにその団地の噂は定かではないが、そんな伝説も吹き飛ばす心の師匠のアントニオ猪木は凄かったってことです。色々ある人頑張れよ〜

1.2.3.ダーッ!!


2003年07月15日(火)



 彼氏は外人


彼氏は外人という人が3人いる職場にいたことがある。みんな外国在住の外国人でみんなこぞって長期休暇をとっては彼氏に会いにいっていた。

一人はアメリカ人のデイブ、一人はタイ人のアラン、そしてもう一人はイタリア人のアレックスと言う名前だった。みんな写真をみせてくれるのだが、それはそれは個性的だった。

一番普通なのがアメリカ人デイブ。特に書くこともないような愛あふれる普通の恋愛模様。日本人は幼く見えるので子供扱いされちゃう〜というような話のみ。

タイ人アランはやっぱりタイ人。
海に連れてってくれた★なんていう写真を見せられた。彼女は水着を着ているのだけどアランはどうみてもブリーフを履いている。これはブリーフではないか?と聞くとそうだけど、アランのそんな飾らない(?)ところが好きだという。何が飾らないのかよくわからないが、恋は盲目ということで納得する。

一番強烈だったのがイタリア人アレックス…
彼女の家の留守電は日本語とイタリア語と両方のメッセージが入っているのだが、あまり長期間連絡が取れない場合は彼女が実家に帰っていることもあるので実家に電話してくれといっておいたそうだ。そして実家に電話がかかってくる日がやってきた。

イタリア人は通常イタリア語しか話せない。彼女の両親は日本語しか話せない。どうなったのか?いくら話しても言葉が通じないアレックスと彼女の親。業を煮やしたアレックスはなんとイタリア語をゆっくり話したという(笑)…ゆっくりしゃべったって意味はわかんねーんだよっ!いやー、さすがイタリア人。

彼女の親も少々変わっていて、お母さんは「チャオ(イタリア語でハロー、みたいな挨拶)」っ言っちゃったと舞い上がり、お父さんはひたすらノー!といっていたらしい。ノーと言える日本人と思って欲しかった、と父さんは言う。ノーと言えない日本人を書いたのはアメリカ人では無かったでしょうか。

イタリアではアモーレ(愛)が至上最高だ。
イタリアで路上でアレックスと喧嘩になったとき彼女はアレックスに往復ビンタをくれて泣き叫んでしまったそうだ。すぐにポリッツィア(警官)がやってきて、どうしたんですシニョリーナ(お嬢さん)?と聞かれたので彼女は
「これは愛情の問題です!」
と言ったそうだ。ヤレヤレ。

それにしても彼女は足しげくイタリアに通っているので、たまにはアレックスに日本にきてもらったら?と私が尋ねると彼女は悲しく言った。

「あのね、アレックスは2〜3年前銃で人を撃って執行猶予の身なの。だからイタリア国外には出られないのよ…」

犯罪者だった(爆笑)。

アレックスはどんな理由かかわらないが両親がいなくて10代のころグレていたらしい。今はどうなんだ?

え〜〜っ今は仕事はしてるの?ナンカ、いつ遊びに行っても都合がつくとか言ってたけど…

「いつも友人と家にいるの」

どうもおかしい。アレックスと家で撮った写真、見せてくれないのあったよね…何で?

「…写真をみんなで撮るとね、いっつも誰かが後ろでハシシ刻んでるのぅ〜」

どうやらドラッグのディーラーのようだよ。おいおい、イタリアでもマリファナは違法だよ。やっぱ犯罪者のままだね〜。いやいやいや。

その後も交際模様を聞いていた。
この間アレックスから電話がかかってきて、「モルト…」といっていたのでイタリア語でモルトは素晴らしいというような最上級の意味なので彼女はすごいねーモルトモルト、と返したら妙に元気がなかったそうだ。

イタリア語も大変に難しい。

彼女のようにイタリアに留学しててもわからないことがあった。そう、モルトとは素晴らしいという意味のほかに「死んだ」という意味もあったのだ。アレックスは兄弟が死んだんだ…モルトモルト、と電話してきたのだ(笑)。彼女は♪いいねーいいねーって明るく返してしまったのだよ。いやー、国際交流って難しいね!はっはっは。皆さん、素敵な国際恋愛ができるといいね!っつーオチで閉めるっつーことで。


2003年07月11日(金)



 ショーン君の旅


香港にある安宿の親分。その名も「重慶大盾(チョンキンマンション)」。

沢木耕太郎の「深夜特急」でも有名、または映画「恋する惑星」のロケ地でもある。監督ウォン・カーウアイですら小さい頃は近寄っちゃいけないといわれたほどえらいおっかない場所だったらしいが、実は今でもおっかない。

しかし格安の宿がたくさん入っているビルだ。インド人、シーク教徒(頭にターバン巻いてるおっさんね)イラン人、パキスタン人の家族が住み着いていたりしてとても恐いんだけどね。友人はここでイラン人にスワッピングパーティ(笑)に誘われたと言っていた。

ちょっとおかしくなってしまった香港の人も住んでいたりする。

朝の4時30分くらいに何か叫び声のようなものが聞こえた。勇気を出して宿の外に出てみると、このビル吹き抜けというかビルの真中がすっぽり無く、上の階も下の階も見えるじゃないか。すると髪の長い女が白い服を着て、上の階から吹き抜けを向いて歌っていた。
目つきがヤバイ。まじでやめてくれよっ!

アジア系以外の外人も多い。南アメリカからきたというねーちゃんらは、宿の入り口でばくちをしょっちゅうしていた。

オーストラリアのデブ(夜中に私の部屋に入ろうとした。ふざけんな、デブ)フランス人、日本人もいた。

そしてアイルランド人の青年もいた。彼はこの宿の管理人のバイトでもしているのか、面倒見がよかった。私が入って詰まってしまったトイレでさえ一緒に直してくれた(涙)…ありがとう、いいヤツだ。彼の名前はショーンという。

このショーン君は23歳だった。所々金髪と黒髪が混じっているので質問したら、ここに来る前にロサンゼルスの海岸でバイトをしていて、その強烈な日差しに髪が焼けてしまったという。いいな、英語圏の人は旅先でバイトすらできてしまう。

いつから旅してるの?ときくと
「5年前、18歳のときから!」
と元気な答えが。

「5年前、12歳だった妹が17歳になって送られてきた写真みたら別人だったよ。ハッハッハ!」

へええ??そんなに長く?何か理由があるのだろうか。

あくまで彼は明るく、そして痩せている。私がマックで朝ご飯食べてきたら「俺はこれでイナフ(腹いっぱい)だ」とペットボトルのコーラをごぶごぶと飲んだ。

いくら旅好きでもね…5年というのは落っこちちゃった人なのかな。タイなんかには落っこちた外人がけっこう住んでいるが香港は物価が高いから無理じゃないかな〜なんて思ったりしてね。

この頃は海外で落っこちた日本人が、勇気を出して日本の社会にエントリーすべく帰国しようとするのだがやっぱり日本に帰ることが恐くなり、タイの空港のトイレで首をつってしまうことが少なくないと聞いていた(今はわかんないけど)。漂泊の青春も、堕落の青春と首の皮一枚の差だな〜とつくづく思った。

あんまり安い宿に泊まりすぎるとそんなこんなで自分も人生不安になってくるときがある。私はその二日後、ここよリもう少し高い別の宿に移ることにした。ショーンくんにそのことを言うとこういわれた。

「宿移るって?やめとけよ。そこの宿だってマザーファッカーだよ、ここと同じようにね」


2003年07月10日(木)



 モスクワ・ゲットーの少女


海外旅行を安く済ます最大の手段のひとつに、ヤバイ航空会社のチケットを使うという方法がある。これにはリスクがありアジアの安宿で聞いた話では、某アジア系航空の激安チケットで旅し、飛行機の最後尾の席に座った人が強盗に会い、首を切られて死んでいたという。

私が搭乗したのは、ロシアのアエロフロートという航空会社の飛行機。そこまでではないがこれも嫌な話がある。国内線ではなんとバンバン落ちているというのだ。他の航空会社がもう使わないと払い下げた飛行機を修理して飛ばしているようなのでいたしかたがないと…やだやだ。ま、そんなこんなでアエロに乗ったときのお隣さんのお話。

さて、氷の世界モスクワにてトランジット。私の隣の席にかわいい女の子が座った。tA.tuよろしくかなりの美形。しかしロシア人ぽくないのだが…なんて思ってると彼女は私に話し掛けてきた。

「あなた、こんにちは。私は外国人の友達が多いのよ。あなたも私とアドレス交換してもよくてよ」

聞けば彼女は20歳で、パパと一緒にイタリアに住んでいる兄に会いに行った帰りだという。

あなたは何人?と尋ねると、ジュートと答えた。ジュートって何だ?と考えているとどうやらユダヤ人ということのようだった。じゃ、なぜモスクワに帰るの?と聞くと、

「モスクワのゲットー(ユダヤ人居住区)に住んでるのよ」

あれれゲットーって差別用語じゃなかったっけ?でも自分でそういったからいいんだろうな。お父さんをみるとこりゃまたアドルフって名前かっつーぐらいユダヤ人ぽい。彼女からモスクワの今の若者事情を聞いた。

16〜17歳くらいでみんな結婚してしまい、20歳前で子供が2人、3人といる人が多いそうだ。やっぱやることが他に無いのね…あなたは子供いないの?と聞いたらいるわけないでしょ!と怒っていた。

後は国際結婚が多いとのこと。向かい側に座っている、大変美しいロシア女性の愛息もイタリア・ロシア・スペインの混血とか。あだ名は”ミックスサラダ”ちゃんだそうだ。

今度はお兄さんの話を聞いてみた。

なんと彼女の兄さんはキックボクシング重量級のチャンピオンだった。そして、私は別のイタリアに住んでいた知人から男を紹介すると言われていて、なんとその男もキックボクシングのチャンピオンだった。しかも重量級ってとこまで同じだよっ!

休暇が取れると真っ先にアムステルダム(オランダ。マリファナ合法・幼児ポルノもつい最近までOK、売春は届けを出せば立派な職業、今でも夏は多数のヒッピーがハードドラッグ求めてたむろす・こちらは違法)に直行するようなアブナイヤツだがいいとこあるんだぜー、なんて言われててね。

しかし同一人物かどうかは確認できなかった…チキショー、確かめたかったね。キックは色んな階級や団体があるのでもう少し英語力がないとわかんない。

一緒にワイン飲んだり、シート二つ倒して「ビジネスクラスぅ〜」なんて遊んだりしてたが結局彼女とはアドレス交換しなかった。なぜって?

ロシアは今でも恐い国だ。(彼女がユダヤ人でも在ロシアなら)
数ヶ月前にロシアで人気のロックスターが取材しに行こうとすると、もうとっくに死んでたりする。常識もまるで日本とは合わないし、仕事をなめてるし←tA.tuで証明済み。
彼女もだんだんずうずうしいところを見せだしたので、アドレスなんか教えたらマジでこっちの都合聞かずに日本にきそうだったからなのさ。

彼女は今でも「私の氷の世界、モスクワ」に住んでいるのだろうか、そして結局知人から紹介してもらえなかった在イタリアのキックボクシングチャンピオンは彼女のお兄さんと同一人物なんだろうか?

全ては謎に包まれたままである。


2003年07月05日(土)



 初恋


数年前の8月のとある日。

久々にライヴをやるという知り合いのお誘いで、高円寺のライヴハウスへ一人で出かけた。バンド仲間が沖縄に移住することになり、そのお別れライヴという企画だったらしい。らしい、というのはこの沖縄に行ってしまう方と私は直接の面識が無いので詳しい事情は知らないためである。

そのライヴにどのバンドが出演するのかも良くわからないままにライブハウスに入ってみた。

私にとって久しぶりの面々ばかりである。

結婚して子供が二人産まれたことまでは知っていたが、その子供らと会うのは初めてという旧知のベース引きもいた。奥さんはその昔かわいい女子高生だったので、まーあれから随分と月日が経過したもんだなー、なんて思った。子供二人はとても子供らしくてかわいかった。

他にも誰かいないかな〜とキョロキョロしていた。知った顔があった。

旧つれづれ草のヴォーカル、安井則之氏とギターの塚田進一氏だった。うわー、バンド頑張ってんだ!と衝撃を受けながらも挨拶程度の声がけしかしなかった。しかし私は密かに彼らの今現在やっているバンド、SOLBITの登場が正直楽しみであった。昔から曲の良さには定評があったし、私もそれが好きだった。今はどんな音なんだろう?

そして彼らの出番になった。

 ベースとドラムのメンバーが私の知らない人だった(後で高石真樹雄氏と南たけし氏と確認)が、バンドとしての演奏力はあるに違いないと確信、そしてそれは正解であったと気づかされることになる。安井氏のMCで曲名が紹介される。

「は・つ・こ・いーー」

初恋。

その曲は明るくて、ちょっと切ない
考えようとすると、すぐにすり抜けてゆく
それは私が期待していたもので、期待以上だった。

いやー、いいね。

昔と変わってないという言い方は何か違うと思う。

そういうふうに決まっている形ではなく、そこに今現在存在するバンドの形・曲。

伸びやかにここに居続けて欲しい。

SOLBIT。

メンバーみんなそれぞれ素晴らしい個性と実力の持ち主だ。

それは皆さんの方がよくわかっているように。

私はこのバンドを応援していきたいと思う。

影ながら、時にはかなりでしゃばりながら(笑)

ちなみにこのライヴ時の私の酒摂取量はエビスビール2.7リットル。アル中まっしぐらの頃の夏の夜のことでありました…

2003年07月04日(金)



 哀・企業戦士

私が以前、大変香ばしい企業に所属していたような文章を書いた。

今では恨み言は全く無く、お世話になったなー、とか貴重な経験させてもらったなーとか。むしろ人に話せるネタとしてありがたい。
そしてここでの同僚はもう第二次世界大戦での戦友のような感じで今でも仲がよい。しかし当時は毎日本当に心臓が止まりそうな事件が起こり、太陽が私にだけ見えないようになっていた。

なべやかん氏もたけし軍団でのことを「魁・男塾のようなことをやらされた恐るべき軍団」と言っていたが、私も自分がいた企業をそう思う。例えて言うなら、トラの穴か、魁・男塾のような場所だった。

前振りはいい。

あまりに強烈で何から書いていいやら…そうそう、殴る話からにしようかな。

有名な常務が殴る殴る。誰をって、社員を殴る。反抗的な目をしたとか、成績が悪いとか。右を頬を殴られたら左も差し出さないともっと殴られる。

この方のいるお部屋にはボールが置いてあって、頭にくると投げてぶつける。のど飴も飛んでくる。いつの時代の会社か?と思うでしょう。今現在の会社です。

監禁もする。

企業秘密を漏らしたという疑いで、私と年が大して変わらない課長が自分の部屋から拉致され、監禁された。上層部が集団で黒いスーツを着て車で乗りつけたらしい。笑いたいのだが笑えない。本当の話。

この課長は深夜、部屋でコーヒーでも飲もうとしてたところだったらしく、ジャージのまま(笑)会社の一室に監禁されていた。ぐるっと上層部の黒服軍団に囲まれ、殴られ、首根っこつかまれ、課長は真中に土下座、メガネが半分ずれたまま

「オイ、吐けや!」
「携帯のリダイヤルみせいや…なんでこいつに電話してんねん。こいつは会社辞めたやつやで…なんで連絡とってんねん、企業秘密おしえとったんか?ああ??」

こんな尋問が数日間、課長は隙を見て逃げ出したらしい。裸足のまま、オフィス街から…その後彼の行方は知らない。

のべ人数は莫大な会社だったが、その頃私はこの荒波をかいくぐって役職づいてた(というか異常に気に入られていた…恐かった)のでこの課長とも仕事をしたことがあった。
ぼーっとしててとてもスパイ活動できるタイプじゃないと思うんだけどなあ。連絡とったと言っていた相手の方とも仕事をご一緒してたし。確かにこの相手は油断ならない方でしたが。

あまり詳しく書くと、興信所とか使われるので(マジ)さらっと書こうね♪っと。

うーーん、蒸し暑い夏になると会社の記憶がよみがえってくるな。
まだまだ続きます。


2003年07月03日(木)



 子供の霊感

あなどれない。全くあなどれない。子供には絶対何かが見えていると思う。子供を持った親が一度は考えることではないだろうか?

 息子2ヶ月の頃。深夜2時。ミルクはまだ3時間おきというところで、世の中の新米お母ちゃんがかなり弱ってくるころでもある。いつものようにミルクをやって台所に哺乳瓶を置いてきて、さ、寝かしつけようと寝室に帰ってきた。

しかしドアを開けてびっくり、天井を見ながら息子がゲタゲタ笑っているではないか。さむっ!

この月齢ではまだおかしくて笑うということがまずできない。それをも笑わせるような何かがいるのだろうか?ちょっと恐くなった。

どこの赤ちゃんも同じみたいで、ある一定の方向を見ては笑う、泣くというのはよくあるらしい。南の壁を見ては泣きわめくということもしばらく続いた。

もう少し大きくなってくると
「あ、そこにおばあちゃんがいる!」

とか(笑)よくあるらしい。

まあ、無理も無いこの世に生を受けてまだわずか。どっちかつーとあの世の方が近いからなのかなーなんて思う。

友人の子供の言動も不思議だ。
女の子なんだけど、2歳か3歳の頃、生まれる前はなにしてたのー?とお母さんが尋ねたところ、「女の人がいっぱいいるところにいた」という。そして彼女はなんと自分でお母さんになる人を選んだというのだ。

「いっぱい女の人がいたんだけどね、お母さんが一番優しそうだったの」

とのたまう。そして彼女は30時間かかった難産でそれも覚えているという。

「真っ赤だったの」

出血が多かったそうだ。うちの息子も覚えているんだろうか?

正直言って子供っていう存在は結婚相手よりももっともっと深い縁を感じる。だんなさんは自分で見定めることもできるが、子供は一切産まれてくるまで顔すらわからないし…なぜ私にこの子なのだろうか?それはホントに謎だ。やっぱ子供が選んでくるのだろうか?

産まれてくるのもそうだ。子供が「今出て行きたくなった」ということをお母さんの脳に伝え、そして陣痛が起こるという。どうやって伝えるのだ。やはりハチのようにダンスを踊るのか(笑)

そして息子は今日もあらぬ方向に笑いかけながら眠りにつく。助かるけど、一体誰があやしてくれてるんだろうね?


2003年07月01日(火)
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