JERRY BEANS!!

2004年12月28日(火)

雪があまりに綺麗で、貴方を想い出した。

雪が降ると空気が澄む。
雨も好きだけれど、音もしないで好きな方向に
舞い散って落ちる雪がホントに綺麗で。

…不思議と寒いのは好き。

あの、重たい灰色の空も、
世界の終わりみたいな夕方の暗さも、
歩くたびに音がする道路も、
顔に付く度に、ひやりと溶ける水も。

これから、何遍でも、
貴方に重なって積もって行けたら良いのに。
細かく細かく。小さな物が。

貴方の体温で溶けながら、少しずつ積もるように。



2004年12月27日(月) knock your heart

誰かの身の上話を聞いて、何を思うか。

可哀想なお話。
辛いお話。
悲しいお話。

どれもこれも、全て他人のお話。
どれに対しても、同調できないなら、
その人を思う価値があるのかしら。

ただ、

誰かの身の上話を聞いて「可哀想」と、
思った瞬間から、その人に恋は出来ないと思う。

私は、貴方の辛い経験も、哀しい想い出も、
儚い夢も、その悲しみの全てを愛しいと思う。
その悲しみが、貴方を創る。今日もこうして生まれていくわ。

どうしようもなく、くすぶっていたこの胸に、貴方が最初に火をつけた。
だからどうか、貴方も私を可哀想だと思わないで。

この哀しみに気付いてくれる、貴方にやっと、辿り着いた。
こんなラッキー。だからどうか、可哀想だと思わないで。

27年かかって、私はやっと貴方に辿り着いて、
ようやくその胸を、ノックしている。



2004年12月25日(土)

貴方の側にいても
見えない内側

だから、こうして浸食したいと思う

夜の湿度に濡れる
細い葉の先に貴方の足が触れる

独りでそんなところに佇んで
どこかいつも遠くばかり

淋しい
哀しい

遠くて近い

ああ、見届けたい
貴方が、最期に笑う姿を



2004年12月24日(金) XMAS

夜が赤く染まる。
電飾が散る。
偽物の星が光る。

ふと、通った道の途中で、あの人を想い出して
ふと、携帯を見た。

もう消したアドレスもナンバーも、思い出せない。
もう声も顔もその手の感触も、思い出さない。

けど、いつも何かの拍子に、一瞬だけ胸を透く。
夜風のようなその感覚。

用の済んだ衛星みたい。無意味に軌道に沿う。

チカチカする。電飾に瞬きをするような。
振り返るほんの一瞬の時間。

「     」

言葉にならない。額を切るようなあの人の。



2004年12月22日(水) 自己喪失

気付いたら、好きになっていて、
気付いたら、相手の事を考えてる。

でも、自分が相手に対して出来る事を考えたら、
何にも、無い事に気付く。

彼の闇も、彼の哀しみも、彼の傷も、
何ひとつ、私は、解ってあげる事も出来ない。

でも、それで良いの。
人は、独り。…だから、触れ合える。

誰かを好きになる事、強く想う事がいつの間にか義務になって、
それ以外自分を支えるものがなくなってしまうのは、
あまりにも悲しい。それは、ただの依存だから。

相手のことなど、簡単に解る事など無い。
独りでしか、色んな事を感じる事は出来ないし、
過去を分けることも、苦しみを肩代わりも、出来ない。

だけど、そんな独りきりの世界で、自分が出来る事を考えたら、
私は、独りのままで、強くなりたいと思った。

独りでも強くなれたら、きっと、貴方を側で支えられる。
貴方が弱った時に、きっと、力になってあげられる。
だから、強くなりたいと思う。
相手を想う事だけには、逃げないで居たい。

相手を想えば想うほど、気持ちが強いほど、想う気持ちに
潰されそうになるの。相手を想う気持ちが、自己を喪失させる。
それを乗り越えたら、きっと、…手を、胸を、体を、脳を、

繋がれる相手に逢える。



2004年12月20日(月) ANSWER

貴方に出逢うまでの全ての涙やキズの素が
傲慢な私の角を削ぎ落としてくれていて

だから今貴方に逢って
こんなに優しく触れられるんだろう

もっともっと触れて居たい
もっともっと優しく
出来るならこの空気の全てになって
どんなこの体温も貴方を傷付けない程に
無くなってしまえたら

きっと、いつかは言葉が殴り引掻き
胸に刺さる日も来るのでしょう

それでも、私の全てが無くなって貴方を傷付けなくなる最後の日まで
どうかこの手の届く所で貴方と居たいと


だって


もう出逢ってしまった


私の
全ての人生の解答である貴方に



2004年12月17日(金)

瞼を、強く閉じて、もう一度開けたら、あの人生の区切りの一日の
前の時間まで戻るんじゃないかと、何度思ったか知れない。

最期に会ったのは、19歳の冬。

あの時の背中を、今でも。
瞼に強く想うのです。

大好きな背中。優しい掌。私にとっての、小さな太陽。

例えこの世で二度と会えなくても、深く強く、瞼の裏に想うのです。
多分、きっと、家族の全ての人がそうするように。

貴方を愛する全ての人が、きっと同じように、瞼を閉じるでしょう。
この世界の、何処に居ても。

貴方が、何処に居ても。

全ての想いが、貴方の支えになりますように。
二度と開かない瞼の奥に、貴方を想う、全ての愛が届くように。
もう一度、瞼を閉じて、開く。涙が揺り起こさないように。

全ての笑顔が、道を照らすように。



2004年12月13日(月)

私のこの腕をまわせる、貴方の首が愛しい。

私のこの腕をすんなりと受け入れてくれる。
この掌を認めてくれる貴方の左の頬が好き。

私の、この手も頭も。
皮膚で触れると髪が触れると、こんなに嬉しいなんて。

今度会ったら、もっと長い時間抱き合っていよう。
すぐにベッドに行かないように。

こんな気持ちを、私は貴方に伝えたい。

もっと瞳を見て、貴方の首に、感謝しよう。
貴方に逢うと、私はすぐに瞳を閉じてしまうから。
そのまばたきをする前に。

その首に腕をまわして、長い間、ずっと、そうしてたい。



2004年12月12日(日) 特別

幼いころからずっと、誰かの特別になりたかった。

誰かに優しくされると嬉しいけど、それが「誰にでも」だって、
気付いた瞬間にいつも哀しくなった。

誰かが優しく気遣ってくれて、簡単にかん違いをして
あとでよく一人で落ち込んでみたり。

誰かを独り占めしたいという欲よりも、ずっと、
誰かに自分を独り占めされたいと思った。
心を占められるのも、そうだけど、やはり、
ずっと、特別になりたかった。
特別に扱われたいと思っていた。ただ、ひとりとして。

笑顔も、掌も、想う気持ちも、側にいるのも、
何でもいいから、何もかもを、ただ、ひとつの特別になりたくて
ずっと。

だけど現実に、何をするにも私だけが特別に出来る事など何ひとつ無く、
何をするにも、何もかも、他の人と変わらない。全く。
…息をするのも、右手を動かすのも、ため息をつくのも。

それでも、…「それ」が「私」でなければいけない理由を、
私はずっと探していて、ただ、普通に、生きている事の全てが、
誰かにとって特別でありたいと、ずっと、思っていた。



2004年12月11日(土) 星屑

なんでもかんでも、時々ぶっ壊してやりたくなる衝動に駆られる。

星はそのままでも美しいのに、どうしても、近付くと輝かない。
遠く遠く、夜の空でまばたきをする、沢山の光の目。

その光をそのままに、遠い空のままに、ハンマーで、叩き壊したくなる。

星のクズ。クズ。だけど綺麗。

銀の粉。金の粉。虹色。

全部、壊したくなる。



2004年12月08日(水) この夜の虹

ふたりで一緒にいた時間を考え、想い出していたら、
やっぱり夜を想って、一枚、ハガキサイズの紙に貴方の夜を描いた。

長い時間で動く貴方を見て、その起伏の激しさに驚いたり、
そのころころと変わる表情にやはり惹かれてみたり、
私には到底制御できない貴方という生物自体に恐れを感じたり。

本当に、貴方は面白くて、怖くて、可愛らしくて、愛しい。
そして恐ろしい。

改めて自分が、制御不能な、半分なま物で、半分機械仕掛けの
大変奇妙なものに手を突っ込んでしまった事に気付く。

この夜の虹のように。

歪むプリズム。綺麗な夜空。不安なのに美しくて、惹かれる。



2004年12月07日(火) この服

この服に、貴方の匂いが残っている。

懐かしくて。哀しい。

ふがいない自分。それでも、貴方を好きな自分。

匂いが消えてしまっても、やっぱり。

同じように、貴方も私を想い出してくれていたら良いと思う。



2004年12月06日(月) コンビニエンスストア

貴方と初めて、長い時間一緒にいて、
別れたあとに初めて自分の家の近くのコンビニに寄った。

「あー、…ほっとする。」

…貴方の他に欲しい物など無いと思った。
自分自身の「自分らしさ」など無いと思った。
貴方に溶けてしまって、同化できたら良かったのに、と、思った。

でも、それは無理。

貴方をこんなに好きなのに、一緒に居ると疲れることもあって、
自分の家の近くのコンビニに寄って、ほっとする自分が居て、
その時に、どんなに薄弱であっても貴方と完全に同化出来ない
私の、「私」という存在感を嫌になる程、思い知った。

本当に、今すぐにでも連れ帰って欲しいと思った。
でも、貴方には貴方の家があって、生活があって時間があってリズムがあって。
私には私のそれがあって、それが今は、どうしても合わない。

きっと、貴方も貴方の場所で、似たような疲労感を抱えているのかな。

それでも、…あんなに疲れるのに、私と居る時間を作ってくれた事が
とても嬉しかった。色んな事を我慢して、一緒にいてくれて嬉しかった。

私は、貴方になれなくて、同じ事を同じように出来ないけれど、
それでも、いつか2人で、同じコンビニに寄って、「ほっとする」と
同じ台詞を言いたくて、…やっぱり今も、貴方の事を考えている。



2004年12月05日(日) 呪い

貴方が私を抱いてくれて、心も体も、気持ちが良かった。
そういう時だけ、役に立てる自分が好きだと思う。

単純明解な。私という道具に対して。


何度か私を抱いた後、貴方が
気持ちが良い時の私の目は、とても細くて、白目がちで怖いと言った。

面白いと思った。

そんな事を言われたのは初めてだった。
気持ちが良い時は、少し朦朧としていて、焦点がなかなか合わない。
白くなりがちな意識の中で、貴方を見ようと、閉じた瞼を少し開ける。

その目が怖いのだと。

…意識は薄れているから、貴方が見ているのは、多分、私だけど、
完全に私じゃない。…きっと、その目に呪われる、と私が言ったら、
貴方は笑った。

私は、貴方が、こっちを見て笑う顔が好き。
その原因が私なら、もっと素敵。

呪いが本当にかかるのなら、それでも良いから
貴方を縛り付けておけたら良いと、うっすらと思った。




2004年12月04日(土)

意識を、魂の方に集中すると、見えるのは白。
何もかも真っ白で、…確かな輪郭が薄れる。

途方も無い虚無感。怖いほどの、消失感。


意識を、肉体の方に集中すると、見えるのは黒。
なにもかも澱んで、現実という暗さに押し屈められる。

言う事をきかない私の躰。役に立たない時間。


貴方を想う時、ガラスのように、冷たい壁がそこにはあって、
向うの貴方を見たいのに、白も黒も邪魔をする。

美しいバランスを保つ事。それが「透明」。
ガラスの壁の内側に、厚かったり薄かったりするその内側に
白や黒が交じり合っていて、私はそれが透明になるのを待つ。

貴方に逢いたい。

両手をついて、額をこすりながら、その向こうに居る貴方を見ること。

そちらには行けない。

それでも、…ガラスの向こうの貴方に、…やっぱり、恋焦がれている。



2004年12月02日(木) 消える

そのうち忘れるなんて簡単に言える訳ない。
…簡単に癒える訳ない。

胸に残る痛みも、脳に響く言葉も、骨を砕くような眼差しも、
私はいつでも覚えて居たい。

…胸が痛い。

だけど。

忘却の水は、霊魂でなければ、飲むことは出来ない。
躰がこの世にある限り、私はあの人のことを覚えて居たい。
この躰ごと。抱えて居たい。この肉と心で。


消えない痛みを抱えるからこそ、貴方にそっと触れられる事。
儚いキスを、何度も貴方に重ねる事を。

生きてる限り、哀しみだけなんて、都合よく消える訳無い。
哀しみが消える時は悦びも消えてしまう。

私が消える瞬間まで、…覚えて居たい。
できればそのどちらも。その手の、ぬくもりも。


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