JERRY BEANS!!

2003年12月17日(水) リセット

また、今年も父の命日がやってきた。

毎年何があったとしても、この日の意味は変わらない。

そうして私は、また一年、時間が過ぎて行った事を認識する。


この日付の門。くぐる度に、気持ちが1つずつリセットされて行く。

一年経つたびに、また同じ日の記憶をたどり、全てが元に戻って行く。

シャッターをきるように。

何度その門をくぐっても、拭えない運命があって、

私はまた同じ運命の一日を記憶で辿る。



2003年12月09日(火) プライド

自分にとって自分で誇れるものは何かと考えた。

そうしてさんざんと考えてみると、それは、自分がこの世に生まれた時に
既に兼ね備えていたもので、かつ、その中でも自分が好きだと思える部分
だろうかと思う。

今は百貨店の中で働いているおかげで、世の中の色々な人を見る機会が
あるけれど、その中で、私の嫌う系統の人が奢るものは、結局

生まれながらにして持たなかったものを着込んだ、着ぐるみの傲慢だ。


自分と他者を比較する事で、人は自分の位置やレベルや形を知る事が
できるけれど、他者との比較で得られる満足感、それしか持たない人間は
とても悲しいと思う。人は無意識でも、比較する対象を自分の都合で選別
できるからだ。

自分が自己主張しなければ生きていけない世界で、虚勢をはり、声を荒げて、
その人は幸せだろうか。



「わたしのこと、好き?」


こんな簡単な一言が出ない人ほど、余計なおしゃべりばかりする。



2003年12月07日(日) 消えない痛み

父が亡くなって、かれこれもう6年ほど経つだろうか。

ようやく「父が亡くなった」という言葉も口に出して言えるように
なってきたように、段々と居ない事実が日常に溶けてきたように思う。

人が死ぬということ。

二度と目覚めないということ。

もう、一度と無く、その人が私になにか語りかけたり、
優しく触れてくる事がないという、それだけの事実。


最初の数年は、それでもまだ、突然ひょっこりと現れて、この日常に
戻ってきてもおかしくないと思った。そしていつもそれを期待して、
この現実が全て嘘である事を願った。空虚なままで。だけど、だんだん年をとり、
人も周りも自分も変化する中で、いつの間にか居ない事が日常になって
来ていた。不在が不在でなくなって行く。


それでも、私は時々こうして、自分の中のあの痛みを、決して忘れないように
する。…自分の胸をえぐり切ってでも、あのとき思った胸の辛さややるせなさが
私の中から消えないようにする。

人が本当に消えてしまい、全ての世界から死んでしまうのは、その人と関わる
人すらも、全て息絶えた時だろうと思う。だから、私は自分の中の
あの人を、決して消さないようにする。私の中に融けている、今は居ない
あの人の全てが、いつまでも生き続けるように。


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nana [HOMEPAGE]

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