一橋的雑記所

目次&月別まとめ読み過去未来


2005年12月31日(土) 倍増し(何)。※ホントは050804.

昨日と一昨日付けに書き残した。
しずなつ小話の分量比較どす(どすて)。

なんつーかあれですね。
なつきちさん語り過ぎ(過ぎて)。
時間軸設定は二人出逢って間もない頃ですから。
ホントはもっと幼くてもええかなあと思いつつ。
中学生の心理なんて最早遠い過去過ぎて。
どうも加減が分からん胡乱な己(ヲイ)。
静留さんは、ええんどす(だからどすて)。
中学生やろうが小学生やろうが静留さんやから(其処?!)。

明日とか明後日とか時間があったら。
まったりと書き直ししたいなあとか思いつつ。
そんな時間取れるんかいなとか。

最近お休みの度にぐったりしてしまって。
もうなんつーか。
お料理するか音楽聴くかぼんやりネット巡回するか。
Youな管でアニメ観る(え)位しか出来ないんですよね。
気力が衰えつつあるのをまざまざと実感する今日この頃でありますです。
お若い方々が「寄る年波」だの「もう歳だから」だのを。
何気なく使っているのを拝見して。
「……まだだ、まだそんなもんぢゃ……」と。
軽く殺意を含ませつつ呟いてしまう位に、ええ(冗談です)。

あ、御免なさい姐さん初めシニアチームの皆さま。
決して嫌味なんかぢゃなくってよ?
てか、シニアチームの皆さまは多分。
此処なんかご覧になってないと思われるのですが念の為(笑)。

さてさて。
頑張ります。
頑張ると言ふ言葉を自分に向けて語れる間は。
ええ、頑張りますです。


2005年12月30日(金) だから折角の休日早朝から何してんだか己…(伏し目)。※ホントは070801.

流石に一時間では無理でした……(何)。
昨日のとは裏表と言ふことで一つ……(何々)。






どんなに拒んでも、冷たくあしらっても。
動じないどころか、いつも笑顔で。
気が付けばそこに、佇んでいるから。







幾ら出席日数が気になったとはいえ出てくるのじゃなかったと。
うんざりするくらいかったるかった午前の授業を思い出しながら、中庭に出る。
授業以上に煩くてイラつく昼休みの教室に居場所なんてある訳もなく。
購買で買ったパンやコーヒーをぶら下げていっそこのまま帰ってしまおうかなどと思っていた時だった。

「なつきさん」

他の誰とも違う、不思議なイントネーションを纏った声が背中に投げ掛けられて思わず足を止める。
この所、何を思ってかやたらと声を掛けてくる、学園内でも評判の優等生の笑顔がそこにあって。
思わず振り返ってしまった事を後悔する。即座に顔を逸らし、構わず歩き出したけれども。

「なんや、お久し振りどすなあ。今からお昼?」

などと言って駆け寄ってくる。
教室に居た頃から腹の底に積もり始めていた苛立ちを一気に炸裂しそうになった。しかし。

「……お前には、関係ない」

それでは、ただの八つ当たりだ。そう思って何とか堪えると、出来るだけ顔をそちらへ向けないよう、ただ前を見る。

「嫌やわあ。そないにいけず、言わんと」
「い……?」

聞き覚えの無い単語に思わず振り返ってしまうと、何が可笑しいのだかあいつは小さな笑い声を上げていた。

「わ、笑うな!」
「ああ、堪忍。……もしお昼まだどしたら、ご一緒しようか、思いまして」
「……なに?」

何を言い出すのか、と思って視線を巡らすと、あいつの手にはどうやらお弁当の包みらしいものがあった。
変わり者ではあるけれども何故か学園の人気者らしく、校内で見かけるたびに、2、3人ではきかない取り巻き連中を従えている癖に。

「それとも、これから何かご用でも?」

こうやって不意に声を掛けて来る時は、いつでも一人で。
一体何の気まぐれなのかと思って何か言い返そうとして。
目の前の、ごく自然な、それでいてとても楽しそうな笑顔を見つめた途端に、言葉を失う。
何をどう叫べば、こんな風に真っ直ぐに笑う相手を。
これまで誰にも踏み込ませたことの無いこの距離感の中から追い出せるというのだろう。
躊躇いが勝った唇を強く引き結んだ時、あいつの笑顔が一層深くなった。

「……変な奴だ」

何が嬉しいのだろう。何だか一気にばかばかしくなって溜息と共に目を逸らし、いつの間にか立ち止まってしまった足を改めて踏み出す。

「そうどすか?」

相変らず微塵も堪えた風も無いあいつの声は本当に不思議そうで。

「変だ」

更にばかばかしい気分になって、吐き捨てた。

「何でわざわざ私になんか声を掛ける。他にいくらでも居るだろうに」
「あら。うちにとってなつきさんは、なんか、何かと違いますえ?」
「な……っ」

おっとりと返ってきた言葉が、余りに自然だったから。
驚いて、それから、何故か胸が詰まるような気分になる。

「逢えたら嬉しいし、出来れば一緒に居てたいなあ思うお人です」
「だから、それが変だと言うんだ!」

まずい、と思った時には、激高するように叫んでいた。
振り返ると思いのほか近い場所に、あいつの酷く静かな笑顔があって。
その事が、一瞬覚えた後悔を押し流して、この胸の奥に仕舞いこんでいた感情の扉をこじ開けた、そんな気がした。

「お前に私の何が分かる? 私の何を見てそんな事を簡単に口にする?」

いつの間にか、気が付けばそこに居て。
付きまとい、笑顔を振り撒き。
優しい言葉を投げ掛けて。

そう。
いつもあいつを取り巻く連中のように。
いつか、あいつに引き寄せられ惹きつけられて、その中の一人に加えられる為なら。
要らない、そんな気持ちなら要らない。
笑顔、言葉、優しさ。
目に見えるものが全てだと思えた頃ならば、それも少しは暖かなものとして受け止められたろう。
けれども、そんなものはもう、信じられない。
信じてはいない、そんな自分の何を見て。
何を分かって。

「何のつもりで私に付きまとうんだ! 私は……!」

――「私は」……?

何だというのだ。
そんなもの。
今この目の前に居る、風変わりな、誰からも好かれる、愛される存在である、あいつには何の関係も無い事で。
その事で、罵倒される理由だって、少しもないのに。

そう思い至った瞬間に、頭に上っていた熱が一気に下がる気がして。
唇を噛み締め、目を伏せる。

「なつきさん……」

静かな声が呼ぶ。
これまで、何度となくその声に名を呼ばれたけれども。
独特の抑揚で、何処か楽しげに呼ばれる事がもしかしたら、嫌いではなかったかもしれないけれども。
それとは全然違う、穏やかで、静かな声で呼ばれて。
頭だけではなく、胸の中の熱も一気に下がる気がした。

でもいい。
もういい。
これで、いい。

「……なつきさんは、優しい子ぉどすなあ」

しかし、溜息のような吐息と共に続けられた言葉はいつもと同じ、いやそれ以上に優しくて。
思わず顔を上げると。
そこにも、いつもと同じ、いやそれ以上に優しげに、深い笑みを湛えた顔があって。

「確かにうちは、なつきさんの事、なぁんも知りません。けど、なつきさんの事、知りたいとは思うてます。 見てたいと思うてます」

ゆっくりと紡がれる言葉の意味よりも。
その声の響きの懐かしさに、捕らわれる。

「うちは……なつきさんと友だちになりたいんどす。それだけや、あきませんやろか?」

微笑みながら、緩く首を傾げて。
言葉を切って真っ直ぐな眼差しを向けてくる。

どうして、とか。
なんで、とか。
浮ぶ言葉や気持ちは沢山あって。
それでも、そのどれも今のこの笑顔にぶつけるには全然、的外れな気がして。
その中に、ほんの少し。
泣きたくなるような、切ないようなものもあって。

「……やっぱりお前は、変な奴だ」

言い捨てて、背を向ける。
そうだ、分かる訳がない。
あいつの気持ちが、こんな風に少しも分からないのと同じ。
あいつにも、この気持ちが分かる訳が。
でも、そう思う事が少しも、嫌ではないことに、酷く戸惑っていた。

「なら、うちとなつきさんは友だち、いう事で良いんどすな?」

打って変わってあっけらかんと明るい声が背中に届いて。
何でそうなる、と思わないでもなかったけれども。

「……勝手にしろ」

そう返していた。
そうだ、勝手にすればいい。
見て居たいのなら、側に居たいのなら、と、半ば自棄に近い気分でそう思う。

「友だち、いう事やったら、名前、呼び捨てにしてもええ?」
「な……」

いきなり砕けたその口調に振り返ろうとして。
不意に背中に暖かいものを感じて硬直する。

「……っっておいっ!」

肩に回された腕に引き寄せられる。

「うちとなつきは、友だちやねんから」

耳元でそっと囁かれる。
こんなに間近な場所で誰かの声を聴いたのは、いつ以来だろう。
それも、こんなに優しい声音を聴いたのは。
瞬間、かぁっと頭に上った血が頬を走った。

「分かった、分かったから離れろ……!」

いややせっかくやもん、などと嘯く声に。
強引だけれども、人を傷つけない強さで回された腕に。
この先どれだけ振り回される事になるのだろうかと。
そんな予感を仄かに感じながら。

私とあいつの日々は、始まった。









やっぱり。
片恋風味……?(伏し目)

てか。
擦れ違っても構わないといふか。
擦れ違うものぢゃないのかとか。
そんな感じで、ええとええと……(逸らし目)。


2005年12月29日(木) だから出勤1時間前に顔も洗わず何をしているのかと小一時間(え)。※ホントは060731.追記あり(えー)。

時間制限30分。
スタート(何)。



ついてくるな、と吐き捨てられて。
向けられた背中をそれでも追い掛け続けてる。
何故とかどうしてとか問われても分かる筈もない。
ただ確かなのは。
今の自分の目にはあの子の姿しか。
見えていないという事実だけ。



BEGIN



昼休み、生徒会室での用を終え。
出来れば一人静かに昼食を摂れる場所をと中庭を横断していた時だった。
校舎沿いの並木の影を、いつものように脇目も振らず真っ直ぐに歩いている姿を見つけて思わず、頬を綻ばせる。

「なつきさん」

あの子が振り返った瞬間、良く透る、と評される声をこれまでで一番有難いと思った自分に気付いて微笑む。
あの子は、なんだ、と言いたげに一瞬形の良い眉を顰め。
それからふいっと顔を逸らしてしまったが、構わず駆け寄った。

「なんや、お久し振りどすなあ。今からお昼?」
「……お前には関係ない」

そっけなく言い返す前に置かれた躊躇いが愛しくて。
思わずこみ上げた笑いをそっと、奥歯で噛み殺す。

「嫌やわあ、そないにいけず、言わんと」
「い……?」

何だそれは、とばかりに真正直に振り返るその顔がまた可愛らしくて。
今度は流石に笑い声が漏れてしまった。

「わ、笑うな!」
「ああ、堪忍」

プライドが高くて、手負いの獣の様に警戒心が強くて。
それでいて、真っ直ぐで、自分の感情には酷く素直で。
近付けば近付くほど、目が離せなくなる。
つい先ほどまではあれだけ、一人になりたかった気持ちが嘘のように。
側に居たい、居て欲しいと思ってしまう。

「もしお昼まだどしたらご一緒させて頂こか、思いまして」
「……何?」

不意を突かれたような顔をしたあの子の手に購買の白い袋がある事にも。
その歩く勢いからそのままもしかしたら、校内を離れるつもりなのかもしれない事にも、とっくに気付いていたから、続ける。

「それとも、これから何かご用でも?」

瞬間、その顔一杯に広がった困惑を真っ直ぐに見つめていたら、あの子の唇が逡巡と共に引き結ばれた。
適当な事を言って、邪険に遠ざけたって構わないのに、そうしない、出来ない。
そんなあの子の心根が、何とも愛しく嬉しい。

「……変な奴だ」
「そうどすか?」

目を逸らし諦めたような溜息と共に歩き出したあの子の背中を追いながら、聞き返す。

「変だ。何でわざわざ私なんかに声を掛ける。他に幾らでも居るだろうに」
「あら、うちにとってなつきさんは、なんか、何かとちゃいますえ?」
「な……っ」

振り返りこそしなかったけれども、その横顔がみるみる赤くなって、その色が耳元まで達するのが見えた。
この子は、本当に何も知らないのだと思う。
自分がどれだけ、人の目と心を惹き付ける魅力を隠し持っているのかを。
その事が、嬉しいようなもどかしいような気がして。
気が付いたら、思ったままの言葉を口にしていた。

「逢えたら嬉しいし、出来れば一緒に居てたいなあ思うお人です」
「だから、それが変だと言うんだ!」

間髪入れず激しい言葉と共に足を止め振り返ったあの子を見た瞬間。
胸の奥が大きく波打った。
その顔に浮かぶ表情は、呆れるとか照れるとかではなく。
何処か怒りにも似た、激しいものだった。

「お前に私の何が分かる? 私の何を見てそんな事を簡単に口にする? 何のつもりで私に付きまとうんだ! 私は……!」

言い募りかけて、はっとした様に。
あの子は、口を噤み、面伏せた。

「なつきさん……」

強く唇を引き結んで、何かに耐えるようなあの子の顔には、後悔が見て取れた。
激情に我を忘れた事、それを人にぶつけてしまった事を悔いる色が。
先ほど見せた、荒れ狂う嵐そのもののような顔が嘘のようだった。
けれども、どちらもあの子の、真っ直ぐなあの子の心、そのままのようで。
酷く、胸が、痛んだ。
だから。

「……なつきさんは、優しい子ぉどすなあ」

波打つ胸の高まりを抑えこんで。
出来るだけ、静かに、語りかける。
驚いたように顔を上げたあの子は何処か、寄る辺を失った迷い子のような、それでいて、何処か老成した諦めのようなものの影をその面に滲ませていたから。
改めて、ゆっくりと、微笑み掛ける。

「確かにうちは、なつきさんの事、なぁんも知りません。けど、なつきさんの事、知りたいとは思うてます。見てたいと思うてます」

あの子の心の何処まで、この言葉、この笑顔は届くだろうか。
届いてしまうのだろうか。
自問する事で、自分の中の何かを制しながら続けた。

「うちは……なつきさんと友だちになりたいんどす。それだけや、あきませんのやろうか?」

胸の内に生まれたこの気持ちは、瞬く間に溢れそうだったけれども。
それ懸命に堪えて微笑を浮かべて。
少し怯えながら紡いだ言葉たちが、あの子の中に落ち着くのをじっと待つ。

「……やっぱりお前は、変な奴だ」

暫しの沈黙の後。
あの子はこわばっていた顔を緩めて吐き捨てるように言い放ったけれども。
その背けられた顔の頬辺りが、ほんのりと。
でも確かに、薄赤く染まっているのを認めて。
どうしようもなく、嬉しくなる。

「なら、うちとなつきさんは友だち、いう事でええんどすな?」
「……勝手にしろ」

返される言葉の勢いが、少しずつ弱くなっている。
その事が、もっともっと、嬉しくて。

「友だち、いう事やったら、名前、呼び捨てで呼んでもええ?」
「な……っておい……!」

わざと言葉遣いを変えた事に敏感に気付いたあの子が振り返るよりも早く。
その背中に背中に。
縋るように、そして決してこちらを振り向かせないように。
腕を回して耳元近くに、囁いた。

「勿論、うちの事も名前で呼んでくれはってええんよ?」

う、と詰まったあの子を軽く抱き締めた。
真っ直ぐで、傷つき易くて、大切なものを。
壊してしまわないように、包むように、優しく抱き締めた。

「うちとなつきは、友だちやねんから」
「わ、分かった、分かったから離れろ……っ!」


恐らく、人に触れられる事に馴れていないだろうあの子が。
居心地の悪さに身じろぎながら、でも。
振り払えないままに、この腕の中に納まっていてくれた。
その事に、嬉しいような切ないような気持ちを初めて抱いたこの日。


うちの恋は、始まった。





ぐっはあ!時間切れ!
後で直すかさくっと消すか全面的に書き直すかしたいと思います!では!






追記:
こしょこしょと書き直してみたり。
でもあんまし変わらなかったり……(伏し目)。

何がしたかったかのかは自分では分かっているんです、はい……。
てか、暫く全くこの手の文章書かない間に。
幾ら30分一発書きや言ふてもホンマに文章荒れ荒れで。
流石に凹みましたわ……(逸らし目涙)。

コレを下敷きに別の小話を書くか。
そりともコレを後もうちょっとこしょこしょ手直しして。
そのまんまどっかに晒すかはまた後で決めますです。

てか。
またもや己。
人様から預かった物を独占して作業してない事を思い出したり(え)。
ええとええと。

明日、時間、取れるかなあ……(遠い目)。


追記その2:
結局、結構色々書き足しました。
やっぱり静留さんは、切なくてナンボやなあと思ったとか。
そんなこと、ナイデスヨ……?(逸らし目)


2005年12月28日(水) 実写化についてアレコレ。※ホントは060726.

表に投下するにはちょっとヤヴァイネタかと思いまして(何)。

そりは兎も角。
昨日、『Noir』の残りを。
セール中のレンタル屋さんに借りに行った折。
紀州さんと何故か『舞-HiME』を実写化するとしたら、な話を。
徒然と行ってみたのでその実況(一部事実を改編しておりますです/え)。

「なつきちさんに柴咲コウがエエって話があってな」
「うーん…ちょっと年齢が」(言うたらアカンことを…/笑)
「なつきちさんは割と思い浮かぶねんけどな」
「そやな…(新作棚眺めつつ)栗山千明とか」
「ああ、良い!でも、ちょっと怖すぎかな…静留さんのが良くない?」
「京都弁が無理やろ」
「其処は演技力でカヴァー(笑)」
「でも、柴咲コウと栗山千明やと年齢差が」(まだ言ふか)
「年齢差はおいておくとしていっそ、小雪さんに静留さんを」
「せやから京都弁が」
「其処は演技力で(以下略)」
「関西人拘りやったら、上野樹理とか」
「今話題の人やな(笑)」
「そ、関西弁はばっちり」
「京言葉とはちゃうやん…あ、宮崎あおい」
「宮崎あおいが静留さん? ええかも」
「ちゃうちゃう、なつきちさんに。子犬っぽくてええやん」
「雰囲気あって、ええ女優さんやけどなあ…どやろ」
「うーん…なつきちさんはやっぱり結構思い浮かぶねんけどなあ」


以上、勿論実写化なんて望んでもいない己らの。
言いたい放題でした(ヲイ)。

ちなみに後からわざわざメールで紀州さんから。
「静留さんに伊東美咲ってどう?」とご提案がありました(笑)。
てか己も今、思いついてしまったんですが。
関西人繋がりで黒谷友香さんなんか如何でせう、紀州さん?(マテ)


ともあれ、実写版『笑う大天使』の上野樹理さんの史緒さんが。
関西弁キャラになっている件については一度。
本作を拝見してから改めて語りたいものです(またどおでもええ事を)。


2005年12月27日(火) 『Noir』祭りの予定は無いです…今の所は(今の所は?!)。※ホントは060724.

頭の中で。
『Noir』の出撃テーマ(違)と。
『舞-HiME』のテーマとが途中から混じって。
大変な事になっております己です。
ええこちらに書き込みは久々ですねえ(逸らし目笑)。

後。
『Noir』の霧香ちゃんのアクションシーンと。
『舞-HiME』のなつきちさんの格闘シーンとが。
結構脳内で被って面白い事になっておりますです。
個人的には、霧香ちゃんのクールな暗殺者っぷりが。
なつきちさんにプラスアルファされたら。
ものっそい嬉しいなあとかそんな感じで(マテ)。
あ、待てよ。
寧ろ日常のわんこっぷりが加味された方が面白いのか…!(コラ)

でも。
流石にミレイユ姐さんと静留さんは被らない(当たり前)。


そんな感じで。
横道にものっそい逸れつつも。
ちゃんと考えてますよー、しずなつ小話の続き。


多分(多分?!)。


てか。
日常ほのぼのな感じのがやっぱり。
書きたいかも、うん。
御飯食べるシーンとか。
そりも、お豆さんとかが良いなあ…(何故?!)。


2005年12月26日(月) 本サイトにて『舞-HiMEプロジェクト部屋』公開開始〜。※ほんとは060705.

と言ふ訳で(何)。

己的本サイトの方にて。
『舞-HiME部屋』を本格始動準備に入りましたので。
こちらに書き書きしていたしずなつの小話は。
未だにのたのた徒然書き中の例のあれ(あれ?)を除けば。
全て、Web拍手並びに『舞-HiME部屋』で閲覧可能となりましたです。
エンピツさんのレイアウト、めっさ気に入っているのですが。
これを再現するのは結構メンドクsげふがふなので。
ちょっと違った感じに見えるのは止むを得ないかと思いつつ。
本サイトからお越しの方には飛びやすくなったかなあと。

あ。
今回のお引っ越しに関しては。
全然全く書き直しやら校正やらしておりませんので。
変えたのは文字色とか位でせうか。
だもんで、後からちょこちょこ手直しする可能性も無きにしも非ず。

己の悪い癖なんですよね……。
UPしてからでも気になった箇所はこそっと書き直すってのは。

内容がどうの、ではなくて。
地の文とか台詞回しでどうしても違和感が生じてきたりして。
気になってしまうとこっそりと、ええ。

そういふ手直しの必要性を全く感じないのは。
今現在の時点では、某企画参加作品「cigarette」、
くらいでせうかねえ……。
あれは、己が勝手に触ったらあかん、と思える位。
かなりオートマティックに文章降りてきてソレっきりっつー。
珍しい書き上がり方をしたお話なので。

企画対談でも話しましたですが。
脳内で勝手に誰かと誰かが会話を始めたり。
何某かの行動を開始して。
それを必死に書き留めて回るのが己の仕事、みたいな。
書き方をするものですから、己。
その降りてきたものにその時点で追いつかなくて。
後で引っ掛かったり後悔した箇所を直すことが多いので。
己の場合、書き直せば書き直すほど、言葉の数が増えてしまったり。
だから、「cigarette」だけは今以て不思議。
書くスピードと脳内の世界が無事に一致した稀有な小話です。


さて。
リンクミスチェックは週末に回してー。
サイト巡回の旅に出かけますかー。




2005年12月25日(日) 余りに切ないレポばかりなのでちょっと血迷ってみました(何)。※ホントは060704.

例の修羅なゲームレポートを各所で眺める内に。
どうしても書かねばならない気分に陥ってしまった。
己としては過去最大級に。
有り得ない位、 ほ の ぼ の な小話を一つ。

ええと。
ええええと。


良いんどす!!!!!(どす?)
偶には己だって和みたいんどす!!!!!(何ソレ)






たとえば、座り込んでゲームに熱中したり。
雑誌を捲って時間を潰している間。
背中で聞く、彼女の忙しく立ち回る気配だとか。
少しずつ辺りに漂ってくる、美味しそうな匂いだとか。
汗をかいた首筋に掛けて貰った、タオルの清潔そうな香りだとか。
そんなものが運んでくる、遠く懐かしい記憶。
何でだろう、思い出させるほど似ている部分なんて。
これっぽっちも無い筈なのに。



HOME



耳と視界を圧していた機械音とCG画面から。
不意に意識が引き戻されたのは。
穏やかだけれどもまめまめしい彼女の動く気配の合間に。
流れている小さな歌声に気付いたからかもしれない。
何故か意外な気がして。
ゲームを一旦停止状態にした。

「……どうしたん?」

私の挙動にどうしてだか敏感な彼女は直ぐに気付いて。
微笑みながら振り返る。

「いやその……」

ええと、と口籠もってしまったら、小さく声を立てて笑われた。

「笑うな……! 今、その、歌ってたろ?」
「歌……?」

きょとん、と目を見開いた後で、いややわあと彼女は口元に手を当てた。

「うち、鼻歌歌てました?」
「……うん」

恥らう彼女を見ていたらこっちまで恥ずかしいような。
何とも落ち着かない気分になって、慌てて目を逸らす。

「だからって、その、変だとか思った訳じゃないぞ? その……」

何を言いたかったのか自分でも良く分からないまま。
言葉を続けようとした時。

「分かってますって」

まだ少し笑い含みの声で、彼女が言ってくれたから、ほっとする。

「昔からの癖なんよ。独りで台所立つ時の」

言いながら、エプロンで軽く手を拭き拭きやってきて。
ソファに陣取る私の目の前に、すとん、と腰を下ろして目線を合わせる。

「……昔から……独りでって?」
「ああ、なつきにはまだ言うてなかったんどすなあ」

緩く小首を傾げるように、彼女はあっさりと続けた。

「うちもお母はん、ちっさい頃に亡くしてますから」

え?……と聞き返す前に。
彼女はほんのりと苦笑いめいた表情になった。

「せやから家では、炊事は昔っから、うち独りの仕事やったんよ」
「そ、そうか……」

何と返したものか考えあぐねて。

「私とは、随分と違うな……」

うっかりと零した言葉に、彼女の眉が瞬時に曇る。
しまった、と慌てた私は。
握りっぱなしだったコントローラーを思わず投げ出して。
違う、と首を大きく横に振った。

「気にしないでくれ、私は、その、元々不器用というか。
 食べる事にはそんなに、拘ってないというか……」

ああ、と、彼女は更に苦笑を深くする。

「そやね、マヨネーズ以外にはほんまに拘りらしい拘り、ないみたいやし」
「し、静留……!」

あんまりな物言いに思わず上げた声を、堪忍な、と受け流して。
彼女は、すっと立ち上がる。

「でも、誰か喜んでくれる人が居てくれはるから、うちも楽しいんよ?
 うち独りの為やったら、ちっとも面白いことあらしません」
「そ、そういうものか……?」
「ええ」

いつもの穏やかな表情に戻って、彼女は頷いて見せる。

「小さい頃は、お父はんが、今は、なつきが居てくれはるから。
 独りで台所立ってても、喜んで食べてくれる人が居てる思たら、
 ちっとも苦にならへんし、嬉しうて、つい鼻歌も零れるんどす」
「う、嬉しい、のか?」
「ええ」

どうにも良く分からなくて寄せた眉根を、彼女の指先がこつん、と突く。

「難しいこと考えんでもええんよ」

そうして、楽しそうに微笑みながら再びキッチンに戻っていくから。
私は、どんな言葉も見つからなくて、その背中をただ見送るしかない。

「そや……なつき?」
「な、なんだ?!」

その背中が急に振り返ったので。
慌てて大声を上げてしまったが、それにはお構いなしで
彼女は、にっこりと笑ってみせる。

「今度は一緒に、台所仕事せえへん?」
「……はあ?」
「なんぼ大好きななつきが待っててくれるいうても、
 やっぱり独りは少ぅし寂しいもんやさかいねぇ」
「ば……!!」
「ふふふ……冗談どす」

物凄く楽しげな声音を残して、彼女はキッチンへと戻る。
寂しい、なんて、少しも思ってなさそうな、飄々とした足取りで。
それが何だかとても、何処かとても、もどかしいような。
悔しいような腹立たしいような。
……何故か寂しいような気分になった時。
私の胸の中で、何かが微かに身じろぐような気がした。

――今度はなつきちゃんも、一緒に行く?

不意に甦る、柔らかい声音。
台所に立つ姿なんて、記憶の中にも殆ど皆無で。
ご馳走と言えば、家政婦さんが作ってくれるものとか。
近くのファミレスでごく偶に一緒に食べたお子様ランチ位で。
仕事が忙しくなると、滅多に家にも帰れなくなるからと。
幼かった私を、研究所にまでも連れて行ってしまう。
そんな人。
彼女とは、何処にも似たところなんてないのに。
思い出させるような仕草も動作も言葉遣いも。
全く何処にも見当たらないのに。
何故だろう、この頃は。
彼女を見ていると、頻繁に思い出すものがあり過ぎて。
自分でもどうかしていると思う。

少し前までは、思い起こすのも苦しくて。
自分の中にある遣る瀬無い想いや復讐への飢餓感を。
掘り起こすだけだった、あの人の記憶が。
彼女とこうして過ごす中で唐突に。
もっと、優しい、穏やかな色を纏って甦る事があるから。

それは私に、戸惑いと焦りと同時に。
どうしようもない懐かしさや切なさを呼び覚ます。
しかもその事を。
決して辛いとか苦しいだなんて思ってもいない自分が。
不思議で堪らない。

「……ああ、なつき」

暫く物思いに耽っていた私の耳朶を。
彼女の何気ない声が緩く、叩く。

「良かったら、ホンマに手伝ぅてみますか?」
「……何をだ?」
「お皿とかお箸、並べるだけでええんやけど」

ゆるゆると上げた顔の先。
色々作り過ぎたかも……と困ったような言葉を呟きながら。
でも少しも困った風に見えない彼女が居たから。
そんな簡単な事なら、とソファから腰を起こしながら。
脳裏に浮かんだ自分の考えに。
私は、思わず、苦笑していた。

子どもながらに、父親の為に台所に立つ日々を過ごした彼女と。
子どもながらに、自分を捨てた父親を憎む事しか出来なかった自分と。
母を亡くしたもの同士、同じような独りぼっちであっても。
こうも違うのかと思い。
それが逆で無かった事に私は、つくづくと、安堵したのだ。
同じ境遇に育ったとしても私は、彼女のようには為れなかっただろうし。
その逆も確かだろうとは、分かっていても。

「おおきに、なつき」

言われるままに料理の盛られた皿や。
二人分の箸や湯飲みをテーブルに運ぶだけの私に。
彼女は心底、嬉しそうに微笑んでいる。
敵わない、と、心から、思った。








ええと。
えええと。

ほのぼのっつーか。
何このバカップル状態っつーか(言われる前に/え)。

でも。
この時点ではまだまだ静留さん。
片恋状態なんですよーとか、言って、みる……(逸らし目)。

アカン。
何書いても、癒されない気がしてしまうのはあれです。
公式が、公式やから……(伏し目)。


2005年12月24日(土) そんな風になるのなら。※ホントは060629.

もういっそ書くな、と叱られました(何)。


何の話かと申しますと。


11月付けの何処かに。
己的本サイトにUPしたマリみてSS。
「海を見に行く。〜初夏〜」の下書き版を放置しておりますですのですが。
(つか月別一覧をご覧頂いたら一目瞭然かと/笑)


そんな感じでちょいと裏話。
てか、あんまし楽しい内容にもならなさげなので。
嫌な予感に襲われた方は、するっとスールな方向で一つ(ヲイ)。



あの小話を。
二人の優しい心の交流を描いたものだと。
受け止めて下さった方は、尚更、間違っても。
読まれないやうに、願いますです、はい(平伏)。


つーことで。
念には念をの半纏仕様(何ソレ)。










ええと。
マジで、良いですか?
こっから先はマジで己の得手勝手な暴露話みたいなものですからね。
読んでしまった後で、「返せ!」「戻せ!」はナシですよ?



暴露っつーても、己の個人的な秘密(笑)に関する。
打ち明け話ぢゃないですからね?
期待しないで下さいませね?(何ソレ)




えーと。

では。

徒然に。

行きます。

小話同様(えー)。





書いている間は結構楽しかったです。
自分の胸の中にある海を幾つも幾つも辿って。
何処へ辿り着くとも知れない、二人を書いて。
ああ、こんな風に自分は彼女らを捉えていたのかと。
思い出しながらなぞりながら。




ただ。
書上げたら結構、来ました(笑)。
自分の中をちょっと、引っ掻き回し過ぎた感じ。
普段忘れた振りをしていた傷の痕まで全部。
ざくっとやっちゃいましたですよ、ざくっと。




まあ、そんな予感がちょっとあったので、今回は。
姑息にも佐藤聖ではなく、蓉子さまの視点を選んだのですが。
寧ろ、逆の方がマシだったのかも知れないです(泣笑)。




ほら、佐藤聖は、言うてしまへば。
エエかっこしいやないですか?(言うてもた)
でもって、弱いから、痛み覚える場所を避けたり避けたりを。
テケトーにやっちゃおうとする。
この辺りは色々身に覚えあり過ぎてアイタタなんですが。



でも、蓉子さまは、強い人なんで。
書いてみて分かっちゃったんですが、結構。
真正面からぶち当たって行っちゃうんですね。
そういふ、痛い、辛い、切ないところを。
迂回しないで、真っ直ぐに。




それって。
佐藤聖が時折、直視出来なくなる、強さで。
でも、近くに居て貰わないと困る、眩しさで。




だから、ホント、酷いなあと。
蓉子さまの立場からしたら、マジ、酷いなあと。




そんな事を考えながら。
最後の修正を終えて、勢い良くサイトにUPして。
結構、びくびくとしていたのですが。
幾人かの方から、思いも掛けずに色々と嬉しいお言葉を頂戴して。
大丈夫かなあと、リンクサイトさまにも登録させて頂いたのです。




己の書く小話は。
特に、マリみての二次創作については。
多分、読んでいて、そんなに楽しいものではなくて。
お話としての必要最小限の形をとることすら叶わない代物が多いのですが。
それくらい、あの物語が。
己の心の古い癖にいっかな消える事のない、傷の痕を中心に深々と。
ぶっ刺さっているからなのかもしれませんねと。
そんな事を、改めて考えなどしてみたのです。



ええ、己的筆力のなさに対する、いいわけぢゃないですよ?(マテ)



勿論。
痛みだけではなくて。
救いだったり、幸だったり、優しい思い出だったり。
そんなものを残した大切な場所の側にもちゃんと。
寄り添う物語でもあるのですけれどもね。


そんな優しい物語を描くには。
己にはまだまだ、何かが足りないのだと。
お互いから時折目を逸らし合わないではいられない二人を描いていて。
つくづくと、思い知った気がした、今日この頃で。
その分、更に、アイタタだった訳です。



てーか。
そんな己の手前勝手な内輪事情による波を。
マトモに被って仕舞うことになったリアル友人には。
マジで、申し訳なかったです(えー)。


ホンマ。
ゴメンナサイ。






2005年12月23日(金) 生け贄バトン解決編(解決?)。※ホントは060626.

さくっとコピペで。
本文は、昨日付けをご参照の事♪



■キーワード1 【雪】
蓉子さま→佐藤聖

こんな感じの小話を書いてみたいなあと。
思っていた時期もありました(過去形/何)。


■キーワード2 【月】
静留さん→なつき

最初のバトン回答の時に先に思いついていたのがコレだったり。あんましストレート過ぎたかなあと思って、没にしたのでした実は。


■キーワード3 【花】
乃梨子→志摩子さん

めっきり忘れ去られつつありますですが、つか本人もうっかり忘れそうになってましたですが(え)、実は現白スキーだったりする己。しかして「でもこれで乃梨子って難しいわ」と紀州さんにまで突っ込まれました(泣笑)。ゴメンナサイ。正直書いた直後は己も「コレ、なつきちさんでもええやんね」と思ってましt(蹴倒


■キーワード4 【鳥】
佐藤聖

「白き花びら」から「片手だけつないで」までのイメージでした。これまた、なつきちさんでもええやんねt(殴倒


■キーワード5 【風】
なつき→静留さん

DVD特典映像の、「静留、なつきを語る」にありました、二人でツーリングに出掛けたっぽいショット。あの場面の少し前をイメージ。タンデム仕様でないドゥカティのシートの後ろにあのミニな制服スカートで静留さんがどうやって跨る事が出来たのか、その辺を詳しく知りたい今日この頃の己です(どうでもええ)。


■キーワード6 【無】
静留さん→なつき

こんな静留さんをどうやったら幸せに出来るのか悩み続けてコチラでのたのた続けているの小話は現在トコトン行き詰まっておりますのですはい…(コラマテ)。


■キーワード7 【光】
佐藤聖

『アニみて』の「白き花びら」のイメージで。温室のシーンは原作の方が印象深いのですが。アニメの方では学園の何処か人目のない林の中で二人抱き合うシーンがあったぢゃないですか。あれがものっそい印象に残っていて。そんな感じでひとつ。


■キーワード8 【水】
志摩子さん

これは実は7と対のつもりで。でも栞さんでは無くて、みたいな。『アニみて〜春〜』のOPだったか、オフィーリアみたいに水に浮かぶ志摩子さんの画像。あれが凄く気になっていて。でも、己のイメージする志摩子さんは、あんな風に悲しみに流されてゆくのではなく、ご実家近くの綺麗な河原とかでこっそり独り水遊びしながらぼんやりと、こんな事考えていそうな人なのですよねえ…と語ってみたり。つか、コレも「分からん!」と紀州さんに一刀両断されました…(伏し目)。


■キーワード9 【火】
祥子→祐巳

己にしてはストレート過ぎましたかねえ…(逸らし目笑)。一年目ではなくて、二年目の、「特別でないただの一日」なイメージで。書いてから、ロサカニでも良かったかなあと思ったのは此処だけのないしょ(え)。


■キーワード10 【時】


特定のキャラと言ふよりは、己が書くものに繰り返し出てくるモチーフの一つみたいなものでせうか…って分かるかあ!!!!!(セルフツッコミ)




言い訳はBlogとか某所とかで散々したので。
此方ではシンプルに(笑)。

小話のネタばらしみたいやなあと思っていたのですが。
ここから何かが膨らむかどうかが難しいので。
ネタはネタのまま、寝かし続ける事に大抵なるのです。
そんな種のまま幾星霜越え続けるしかない呟きの吹き溜まりとして。
この場所を、残しているのだったり。

なんつって。


2005年12月22日(木) 生け贄バトン番外編。※ホントは060619.0621完結(完結て)。

ちょいと諸々煮詰まっているので。
徒然に思いつくままに。
ちょっと具体的なキャラですとか。
シチュエーションですとかを想像しつつ書いてみたり。

かなり勝手な脳内妄想炸裂的徒然ですので。
どれが誰だか、誰が誰に宛てたものだか。
全問正解するのは確かに、至難の技かと(爽笑)。

ヒント:
マリみてとか舞-HiMEとか(これがヒントかよ)。

※060621.全回答UP。

■キーワード1 【雪】
触れたら消えてしまうのじゃないかと思った。
だから、手を伸ばせなかった。
寒空を見上げていたあなたが。
何を思い出しているのか聞けなかった。
素直に答えを返してくれるとも思わなかったけれど。
「……何?」
振り返ったあなたの顔に浮かぶ笑みの向こうに。
あの日の涙が見えた気がしたから。
私は、ゆっくりと微笑んでみせた。
「何でもないわよ」
あなたの弱さを暴けないほどあなたを想う。
そんな未来をあの日の私は。
想像もしていなかったのだとふと思った。

■キーワード2 【月】
近過ぎると、大きくて赤くて怖くて。
まともによう見ることさえ叶わんのに
昇ってしもたら青くて綺麗で小さくて。
なんや、惜しい事してしもたような。
切ない気持ちになってしまいます。
近付き過ぎたら、嵐になる。
遠過ぎたら、不安になる。
……ううん、堪忍。
ちょっとした、独り言やから。
どうか、気にせんとって。

■キーワード3 【花】
綺麗だと思ったから。
いつまでも見ていたと思ったから。
ずっと側に居たいと思ったから。
本当に、それだけなんだけど。
あんまりにも安心した顔をして。
私の肩に頭を乗せてまどろんでいるから。
ただ見ているだけなのに何だか。
悪い事をしている気分になって、困る。

■キーワード4 【鳥】
この空を飛ぶ為に。
地を這いずり回って食べるものを探す。
雨に打たれて役に立たなくなった羽根を。
休める場所を求めて彷徨う。
それは罰でもなんでもなく。
一人で生きていく為には。
当たり前に必要な事なのだから。
だから、これ以上、私に触れないで。
空を飛ぶことよりも大切なものを。
私に、与えないで。

■キーワード5 【風】
何もかもを忘れて走る。
過去の事、未来の事。
誰かの思い出、そんなもの全て。
駆けて来た道の上に投げ出しながら。
それでも、最後の最後にたった一つ。
消えないで残るものが。
今の私の心の中に、あるような気が、して。
だから、もし、今度出掛ける時には。
お前を後ろに乗せて走りたいと、そう思った。

■キーワード6 【無】
二人一緒に消えてしまえるなら。
何もかも無かった事にして。
あんたの笑顔だけ胸に仕舞って。
そんな夢みたいな最期の後。
うちの心に残されたのは。
前にも増して深くて暗い、それ。

■キーワード7 【光】
眩しかった。
消えてしまいたかった。
そのまま、此処から。
思い出す夏は。
あの、重いくらい鮮やかな陽の光の中。
綺麗に、溶けてしまいたかった。
居なくなりたかった。
あなたとなら、そのまま。

■キーワード8 【水】
跪いて。
浸す。
踝、膝、掌。
そっと、近づける、顔。
乾いていた私の。
多分、一番欲しかったものを。
あなたがその時、与えてくれたのだと。
思い出しながら。

■キーワード9 【火】
明日に残さないために。
明日からまた始めるために。
燃やしてしまいましょう。
ワルツを踊りながら。

■キーワード10 【時】
過去に復讐される現在を未来に癒される。
繰り返し続ける愚かな私を。
どうか、見ていて。



何となく。
小話のネタ帳を披露してしまった気分(何)。

さて。
どれが誰と誰を想定して書いたのか。
知りたいと仰る方は。
メールフォームでご一報下さいませね。
こそりとお教え致しますです。

逆に。
どれが誰と誰ぢゃない?と思った方も。
よろしければ是非にお教え下さいませ(笑)。



2005年12月21日(水) 本サイトWeb拍手に一本転載。※ホントは060609.

051212付けの、天花粉のアレです(アレて)。

転載に伴いまして、若干加筆訂正してみました。
こっちの方と拍手の方はレイアウト以外は全く同じ内容(の筈)なので。
此方を読まれた方は、あちらを確認する必要は御座いませんかと。

つーか。
文字制限に引っ掛かって。
Web拍手の方、二つに分離してしまいました……(伏し目)。

もうちょっとしたら本サイト一旦休止して。
ちゃんと『舞-HiME』プロジェクト部屋作ろうとか。
思うだけは只な事を目論見中(何)。
結局、書けば書くほど長くなるので。
いつまでも、Web拍手に頼っている訳には……!
つか、そもそも使い方間違ってますが、Web拍手(伏し目)。

<060609>


2005年12月20日(火) 何だかそれぞれ独立したお話の断片を集めたみたいな(ヲイ)。※6回目。ホンマは、060607更新。

だああああああ………!!!(何事)


軌道をそれたまま、そして落としどころが見つからないまま。
恐ろしい事に、続けてみました。
何も考えないで書くべし、と決めたのは良いのですが。
これ、通しで読めないものになりつつないですか?(訊くな)

そんな感じで。
第六回です。
読み返すのが、大層怖いのでそのまんまです(何)。

ちなみに。
本日のBGMは、某YouなTubeで拾って参りました。
シズナツなPVより「Enerything I Do,I Do It For You」。

や、もう、マジで。
内容とは全くかけ離れたBGMにて……(伏し目)。








痛くない筈はないのに。
彼女は眉一つ動かす事無く、静かに涙を流し続けている。
光を失ったかのようなその瞳の中には。
何一つ映ってはいないようで。
そう、私の姿すら、映してはいないようで。
その事が、辛かった。



綺麗な夢のその果てに・6


いつだって、彼女は、自分の事は何一つ語らないままに。
独りで何かを決めてきた。
私の為に、と思う事ですら、いつだって。
そんな彼女の、寂しいまでに厳しい優しさに守られなければ私は。
多分、何処かで折れてしまっていた。
だから、分かる気がする。
今なら、分かる気がする。
彼女が、何を恐れて離れていこうとしているのか。
悲しかった。
でも、それ以上に、情けなかった。

「静留……」

彼女を、そんな寂しい檻に閉じ込めたのは、私だ。
あの日、偽りなく言葉にした、私の思いだ。
でも。

「……」

彼女の手首を戒めていた両の掌を開く。
強張った指の間から、その温もりが遠ざかる。
淡い血の色をした、この手の痕が。
自分のした事だというのに痛々しくて、見ていられなかった。

「……静留。お前が望もうと望まなかろうと」

だのに、私の唇は、激情の勢いを残したまま、また。
偽れない気持ちを言葉に代えて、吐き出してしまう。

「私だって、いつかは、変わる」

ひっそりと。
彼女の肩が小さく揺れる。

「それを恐れているのは、お前だけじゃない」

零される言葉とその意味を。
多分、私以上に理解する為に。
彼女が息すら堪えて耳を澄ましているのが分かる。

「そんな事、お前は良く知っていたんだろうな……だから……」

一旦握り締めた右の掌を解いて、そっと伸ばす。
脳裏を掠める既視感。
あの日彼女が差し伸べた、震える掌。
それすら恐ろしくて、怖くて。
初めて見た、彼女の泣き出しそうな怯えたような表情にすら。
気付けないままに、その手を拒絶した。
今、私の差し伸べた掌を彼女は、拒まない。
けれども、その頬にこの指の先が触れても。
色を失った頬はぴくりとも動かなかった。

「でも……私は嫌だ。嫌なんだ」

白い、涙の跡を、親指でそっとなぞる。

「お前に守られるだけの自分でいるのは、もう、嫌なんだ」

言った瞬間、彼女の頬が微かに揺れた。
口元が、歪むように緩んだように見えた。

「……せやったら……」

何処か遠い所で鳴る風のような声が聞こえた。

「尚更、うちがあんたの側に居る訳には、いかへん……」
「……! 違う、そうじゃなくて……!」

聞け!と叫び出しそうになる気持ちを堪えて、彼女の顔を覗き込む。
悔しかった。
守られていたのは、事実で。
何も知らないでいたのも、事実で。
何処かで私が、折れてしまわないように、彼女が。
全てを見越して、私の側に居てくれた事が。
嬉しくて有難くて…それでも、悲しくて。
だから。
どうすれば良いのか。
何処から、やり直せるのか、知りたかった。

「私は……私は、お前に守られる私でなければ、
 お前の側には居られないのか……?!」
「……違う……!」

弾かれたように、彼女が顔を上げる。

「そうやない……なつき、そうやないんよ……!」
「違わない、私にとっては、違わない……っ」

瞬時に炎のような色を取り戻した彼女の眼差しを振り切るように。
大きく首を振って、叫ぶ。

「だったら、そんな風に私から、離れようとするな……!」

またこみ上げてきた涙を堪えたくて。
痛む唇に再び、歯を立てる。

「なつき……!」
「私は……もっと、お前を……」
「あかん…て…っ!」

ぱんっ!と、頬を張られる音に遅れて。
唇の痛みを越える痛みがそこに広がった。

「もう、分かったから……」

痛みに思わず緩んだ口元を彼女が掌で押さえ込むように塞ぐ。

「これ以上……自分を痛めつけるのんだけは……お願いやから……!」

酷いな、と。
彼女の血の気を失って冷たい掌を感じながら。
再び震えだしたその肩を眺めながら。
熱と冷気がひっきり無しに入れ替わる頭の片隅で思う。
でも、どんなに酷くてもいい。
あの日以来、何もかもを独り決めしたまま。
自身の身も心もずたずたに引き裂くようにして。
私の目に留まらない場所で何もかもを独りで。
勝手に考えていた彼女を、私は。
知りたかった。繋ぎ止めたかった。
多分、それだけを、望んでいた。

「静留……」

塞がれた口元を気にする事なく、私は言葉を繋ぐ。

「私は、お前を、もっとちゃんと、見ていたい。分かりたい」

お前が望もうと、望むまいと。
この想いが、何と名付けられるものだろうと。
もう、構うものか。
たとえ、返される答えが、拒絶であろうとも。
もう、怯んだりしない。
恐れたりしない。
傷つく事も、傷つけられる事も。
悲しむ事も、悲しませる事も。

睨みつけるようにして見据えた彼女の顔が。
呆然としたまま、色を取り戻すのを見ていて。
ことり、と胸の中に何かが落ちるのを感じた。
ああ。
また、分かった。
あの日の、お前の気持ちが。
こんな気持ちを、自分独りで抱え込んで。
再び拒まれるのを恐れて、逸っていただろう、お前の気持ちが。
だから。

「……お前は、本当は、どうしたい……?」

投げ掛けた問いに、どんな答えが返ろうとも。
決して、逃さない……その気持ちに嘘はなかったけれども。
口にした瞬間、心が震えた。
何も問わずとも、私の心の幼さも弱さも知っていた。
あの頃の彼女のようには、いかないから。
明かされない心を思いやれる強さも広さも私の中にはまだ、ないから。
せめて、答える彼女を見誤らないように。
瞳に力を込めた。






いや、ホンマに。
どうしたいん?己……(伏し目)。

つーか、多分、あれですね。
抱き枕なシズルさんに。
「ほな、どうして欲しいん?」て、
問い詰められたいんぢゃないかt(蹴倒


2005年12月19日(月) お誕生日、おめでとさんです〜♪(笑)※ホンマは060606やのにね(ヲイ)。

つーことで。

某所で、某尾張さんに嘘教えた己ですが(え)。
もうちゃんと覚えましたからね。
静留さんのお誕生日は、12月19日。
終業式直前っちゅーのがええですねー(何で/笑)。

ちなみに、なつきちさんのお誕生日は、8月15日。
ある意味、覚え易くて嬉しいなあとか(マテ)。

だって。
他のHiMEのお誕生日は、覚えへんし(真顔)。
てーか。
リアル友人のお誕生日すら、覚えられへんし、己……(伏し目)。

あ、杉浦先生こと、碧ちゃんだけ例外です。
つーか。
己と同じやねんて……(乾笑)。



さて。

折角の、静留さんお誕生日日付なので。
何か書こうかなあ…とか無駄に考えてみたのですが。
ほら某友人を三行でノックアウト出来そうなあっまーいのとか(何)。
折角やからね(笑)。


……。
………。
…………。
……………。
………………!!!!!



ええと。
考えるだけ無駄でした(コラ)。
てーか。
ちょっとした日常ネタとか。
やってみたいなあと思って実は昨日。
ヨッパラってふらふらした状態のまま。
頑張ってみたりもしたんですけれどもですね。

結論。
無理。今は、無理。
アニメの、前の方の話とか観直す時間が欲しい位、無理(其処?!)。
ぢゃないと、静留さんが味噌汁作ってる描写だけを延々と。
書いてしまいそう、今の己ときたらば(何ソレ)。



多分。
ちょっと色んな事を考え過ぎてしまうから、と。
考え過ぎない内に、書きたい事だけ書いてしまうつもりで。
胡乱な徒然小話をだらっと始めた筈だったのに。
書きたい気持ちを追い越す勢いで、色んな考えが。
頭の中をぐるぐるし始めてしまったものだから。
ほんの少しの気持ちを逃すやうな、小さな言葉さえ。
形になるまで、ホントにホントに、時間が掛かってしまって。
マジで、今は、無理。
そう思いましたです、はい。

なんつーか。
佐藤聖書くのよりもやっぱ。
きっついみたいですわ、静留さん書くのって(結局其処かい)。


2005年12月18日(日) ええもんみっけー。※実は20060601.

所謂、YouでTubeな動画サイトさまで。
最初は無印ばかりをキーワードに検索していたのですが。
最近、乙の方も探し始めてみたりしていたら。
ちょっと良いシズナツな動画を発見。

BGMはブライアン・アダムズ。
映像はってーと、乙のシズルさんとナツキさんオンリー(笑)。
や、時々ちゃんと他のキャラも出てくるんですよ?
でも概ね、楽曲がフルコーラス終わるまでシズナツオンリー。

つーかですね。
場面の選び方並べ方が秀逸で。
なんつーか、もう、見ていて分かっちゃいます。
シズルさんがどんだけナツキを好きか!
ナツキがどんだけシズルさんに甘えているか!(大笑)

何か、見ていて、幸せなんですけど。
切なくなってきましたよ……(涙目)。
シズルさんの視線は、どうみても恋しい人を見る感じなんですが。
ナツキちさんのはあれですね、ホント、
心から信頼している相手に向けられたそれで。
まあ……なんだ、ナツキちさん的にはアレで十分。
恋してる状態なのかもしれないんですが。
そりにしても、真っ直ぐだし無防備過ぎますです。
ええい、このイケズめ……!(大笑)

ちなみに。
素手でマント男ども(笑)をタコ殴りにした直後。
人質盾に取られて降参するシズルさんもばっちり収録されてました。
寸前の、「甘えたこと言うたらあきまへん!」なシーンも好きですが。
相手の胸倉掴んで冷静に拳入れてるシズルさんカッコええですわー(笑)。
あ、そうそう、赤ちゃんプレイシーンもちらっとありましたが。
ええ、ガラガラ振って「よちよち♪」って見送るカットだけ(笑)。
トモエちゃんが全く登場しないので。
見送られてる相手がナツキちさんみたいでグーでした(大笑)。

これみててふと思ったんですが。
そんでもって、乙ネタばれですが(うっわめっさ今更)。

二人して敵に取り囲まれた時。
此処で二人して戦って。
一緒に死のうとまで覚悟決めたナツキさんを。
シズルさんがたしなめて、逃がすんですよね。
「甘えたこと言うたらアカン!」みたいな事言って。
「ナツキさえ生き延びてたら」希望は残るって。
あれは……今思うと、凄いシーンやったなあと。

♪いつか一緒に死にたいわ〜、だった静留さんが。
いつかはこんな風になつきちさんを生かす人になるのかなあと思うと。
ちょっと、泣けました。
ええ、別もんやとは思ってるんですが、無印と乙は。
そりでも、スタッフ諸氏が自ら認めている通り(笑)。
どういぢっても変わり様無かったシズル(静留)さんですから。
無印の静留さんの未来に、乙のシズルさんが居ると思っても。
強ち、間違っちゃーいないんぢゃないかと。

そんなシズルさんを置いて、我らが学園長ナツキちさんは逃げる訳ですが。
最後に一言、「死ぬな……!」と叫んで。
そんな信頼関係、素敵やなあと、思いましたです。
愛とか恋とかも、ホンマ、大事なんですけれどもね。
でも、それ超えた所でもちゃんと、一番大切に想う相手として。
ナツキがシズルさんを捉えているのならば。
シズルさんがあんだけ幸せそうなのも、頷けるなあとか。
一人、ほのぼのしてしまった次第。
ラヴぅーくいちゃいちゃしてるシーンよりもある意味。
ストライクずどーんな場面やったなあと、今更ながら思う己でした。


つか。
某友人がいみじくも先日、しみじみと曰く。

「これがヤロー同士やったら私にもど真ん中ストライクなんやけどな」

ホンマにな(笑)。


2005年12月17日(土) 明日お休みではあるのですが。※実は060528.

拠所なき事情に付き(嘘)。
実家(ネット環境無し)に帰らせて頂くもので。
どうあっても続き書き書きは無理と思われ。

てか。
軌道外れ掛けた辺りから。
色んなイメージが脳内を駆け巡り始め。
いえその。
決して。
シズル・ヴィオーラお姉さま 素 敵 抱 き 枕 のせいでは(ヲイ)。

ぶっちゃけ。
前回分を、書いてしまってから。
嗚呼、やっちまった……と。
思っちゃったシーンとか台詞とかがちょこちょこありまして。
その辺をさて思い切って修正するのか。
そりとも、分岐してしまうのか(え)。
落ち着いて考える時間が取れないのが、ちょいともどかしい処。





いかんいかん。
色々考えていたら。
やっぱり、シズルさんのせいな気がしてきた(え)。

静留さんがなつきちさんと幸せになる方向性を考えていると。
まあ、想いの違い・好きの違いについてはもう色々と。
書いてしまったのでもおええんですが。

要はあれです。
『舞-乙HiME』に於ける、シズルさんのやうに。
あんな風に。
誇らかに、穏やかに、堂々と。
なつきちさんを愛せる静留さんを見てみたいなあ、と。
何処かで思っているみたいです、己。

まあ。
『マリみて』に於ける祥子ほど、とまでは言いませんが。
(此処で祥祐出すか己!/笑)

何ともまだまだ、上手く言えませんですけれども。
そうなれるだけの強さが、本来。
静留さんには、あるのだと、信じたいのかも。
そんな感じで。

まあでも。
見てみたいものと、書いてみたいものとが。
一致しないのも己にはままあることにて(何)。

さて、どっちへ転ぶ事やら。
まだまだ、なーんも先が見えない今日この頃でありますです。

つか。
ちゃんとDVD揃えて全編見直すべきかもしかして(えー)。


2005年12月16日(金) 軌道を外れた衛星のやうに。

失速して燃え尽きそうな。
己的徒然書き書きしずなつ小話です(何ソレ)。

(おっかしいなあ…何でこっち方面に転がってしもたんやろ……(ブツブツ)。

てか。
先日、うだうだと此処とかアソコとかで語った通り。
己も、静留さん、幸せにしてあげ隊の一員なのですが。
……が……(伏し目/ヲイ)。

や、ホンマに。
恋愛モノは、鬼門ですねえ……己にとっては(問題其処?)。


ぶっちゃけ。
同じでなくても全然問題ないと思ってるんですが。
ええ、静留さんとなつきちさんの想いの種類と言ふか。
内容と言ふか、愛の形(そこ、吹かない)とかとか。
そもそも、完全なる一致を見ないと駄目なもんなのでせうか?
どれだけ分かり合っていても想い合っていても。
お互いの気持ちが完璧に重なり合える瞬間なんて。
長い人生に於いてもそうはない、と思ってみたり。

ただ、そう思えるやうになるまで己自身が。
どんだけアホな事考えたり言うたりやらかしたりしてきたか、思うと。
(己が書こうとしている)静留さんとなつきちさんが。
あそこまでぐるぐるする事も、アリなんですよね……。

静留さんなんか、ある意味、出来すぎやと思いますです。
祭が始まるまでの、あの、自己抑制っぷりとか。
どんだけ出来た高校生なのかと。

なつきちさんの稚さは、分かる気もしますです。
他人を遠避けて育った…つまりは、極普通のおにゃのこが。
幼い頃から否応無しに経験してくる筈の。
様々な人間関係に揉まれるっつー一通りの体験を。
殆ど経ないであの年頃に達した、みたいな。
だからこそ、愛おしかったり愛でたかったりするやうな。
痛々しい、純粋さ。

それって、清濁併せ呑んで生きている普通のおにゃのこから見たら。
結構、怖いっつーか、残酷だったりもするのぢゃないかなあとか。
思う反面、なつきちさんの元来持っていた素直さが。
それが怖い方向へ振り切れるのを、防いでいる気がしますです。
そのバランスの危うさに。
揉まれて生きている側の静留さんなどは。
ものっそい惹かれるのぢゃないのかなあとか。
思ってみたり。

ああ、なんだかうだうだと語ってますよ……(汗)。
ともあれ。
うだうだ語る暇あれば、続きどないするか考えた方がええ気が。
語り過ぎるとある意味。
ネタバレ、っつーか、底割れっつーか、そんな感じになりますもんね(え)。

ちゅーても。
マイペースでしか書けそうに御座いませんですので。
万が一にも続きをお待ち下さっている方。
うっかりと楽しもうと思って下さっている方。
色んな意味で申し訳ないですが、何卒、ご容赦下さいませ……(平伏)。


2005年12月15日(木) 段々と痛々しい事になってきました…何故(何故言われても)。※5回目。実は20060524.でもって0531に若干修正。

BGMは何故か、「Hungry Spider」。
多分、内容とは関係無かろうと思われ。
そんな感じで(どんな感じやねん)、5回目です。
時間的に余裕ないので、中断しつつ。
キリの良い所まで行けたら行こうかと思ったり。

つーか。

これ多分。
後で大幅に書き直すか。
全然違うのに差し変わるかすると思われます(滝汗)。
何か、ちょっと、流石に。
アレな感じになってきましたです……はい……(何アレって)。


060531.追記:
若干の軌道修正を行いました。
だからっつーて、アレな感じは少しも削げなかった気が。
(だから何よアレって)




どのくらい、そうしていただろう。
時折、近くの部屋や廊下から小さく物音が響くのが聞こえて。
その度に、何故だか夢の中に居るような気分になって。
自分の左肩に押し付けた、彼女の温もりに意識を集中する。
そうやって、実際には数分ほどの時間を過ごした後。
ずっと、身体を強張らせ、震え続けていた彼女は。
不意に、大きな息を深くゆっくりと吐くと。
諦めたように、その肩から力を抜いた。
同時に、左手首を抑え込んでいた彼女の右手が。
そっと、離れていく。
それを、私は。
何だか切ないような気持ちのまま。
視界の隅で、見送るしか、無かった。



綺麗な夢のその果てに・5



大きな吐息を一つ漏らすと彼女は、静かに身じろいだ。
離れ難い気持ちと、ようやく押寄せてきた自身の行動に対する困惑とが。
私の胸の中で、せめぎあいを起こす。

「……なつき」

その間にすっと入り込んできた彼女の声の静謐さに。
上っていた頭の血が、すっと降りる。

――追い詰められているのは、私じゃない……。

唐突に思い出して、それから、ゆっくりと腕を解く。
彼女は、私の当てたハンカチに添えた手はそのままに、そっと身体を起こした。
その顔はでも、やっぱり逸らされたままで。
乱れて頬に張り付いた髪が、その表情すら伺わせてはくれなくて。

「静留……」
「ほんま、あんた、無茶ばっかりやね……」

ぽつり、と、色のない声が、辛うじて見える口元から零される。
ほんのりと紅いその唇は、かすかに震えているように見えた。

「……ごめん」
「謝ることないけど……血ぃ止まるまで、ちゃんと抑えといてな」

空いた手で無造作に私の手を取ると、ハンカチの上に添えさせる。
そのまま何かを考える暇も与えず、彼女は、静かに立ち上がった。

「ま……静留……っ!」
「喋ったら、あかんて」

丁度一歩分の距離を置いて佇むとようやく此方に向けた、その顔に。
思わず、息を飲む。
彼女は、笑っていた。
笑いながら、一粒の涙も流さず、泣いていた。

「あんまり、酷い様ならお医者さんへ行かんとな。
綺麗な顔に、痕でも残ったらおおごとどすから」

そんな事を呟きながら空疎に目を細めて、背を向ける。

「ま……待て!静留……っ!」

慌てて身を起こした私を振り返りもしない。
その姿に、身震いする程の既視感を覚える。
瞬間、背中を駆け上がった何かを無理矢理抑え込んで。
私は立ち上がった。

「待て、話が……」
「喋ったらあかん、言うてますやろ……!」

思わずその手を取って振り返らせると。
彼女の厳しい紅い瞳に射抜かれる。

「し、ずる……」
「うちはもう、あんたをこれ以上傷つけとうない」

叫ぶように吐き出された声が静かに、胸元を叩いた。

「せやから、もうこれ以上……」

不自然に途切れたその声音が湛える。
これまで一度も聞いた事のない血の滲むような響き。
不自然な位穏やかなその声に打たれたように。
頬に血が集まるのを覚えた瞬間。
駄目だ、と思う間も無かった。
彼女の、胸元で握りこまれた両の手を強く掴み取るように引き寄せる。
当然、口元からハンカチが落ちる、けれども、構ってなどいられない。

「今更そんな事を言われたって、私は、聞けない!」

蒼白に近い顔に、真紅に近い瞳の中に走る、痛みの色を目に焼きつけながら。
私は、叫んでいた。
泣かせたくはないと、確かに思っていた。
悲しませたくはないと。
けれども、その気持ちさえ振り解くようにして、叫んでいた。

「お前が私の側から居なくなるのは、嫌だ……!!」

傷ついたその瞳を真っ直ぐに見据えて。
その痛みを与えているのは自分だと分かっていて。
それでも、叫ばずにはいられなかった。

「勝手なのは分かってる、だけど、私は嫌なんだ。
お前が居なくなるのだけは、絶対に……!」

卑怯だ、と激しく鳴り響く胸の鼓動が軋み声を上げる。
そんな言い方で彼女を繋ぎとめようとする自分の浅ましさに眩暈を覚える。
優しくしたい気持ち、傷つけたくない気持ちの裏側で。
何をするか分からない程の激しさで、彼女を求めている自分。
知らない。
こんな自分は、これまで、知らなかった。

「なつき……」

苦しそうに、悲しそうに、彼女が私の名前を呼ぶ。
強く戒めるように握り締めたその手首の細さに、胸が痛む。
でも、離せない。離したくない。

「……堪忍……」

今度こそ、彼女は。
面伏せ、肩を落として、静かに、涙を流していた。
色を失った頬に、傷跡のような軌跡が走る。

「うちの……せいや……堪忍……堪忍な……」
「……!」

何が。
何が彼女のせいだと、言うのか。
何処までも、何もかもを自分の背に負おうとするその姿を。
悲しむよりも早く、冷えかけた頭に再び一気に、血が集まる。

「静留……っ!」

叫んでも、叫んでも。
決して、届かない気がした。
辛くて、切なくて。
言葉にすら、ならなくなるほど、悲しくて。
きつく掴んだその手首に。
この手の痕が、いつまでも残れば良い。そんな事さえ。
酷く、苦しい胸の中、考えながら私は。
こんな自分を、今の今まで。
知らないままで居たいと願っていたのかと。
自分自身を激しく責め立てたい衝動に、駆られていた。





で。
若干の軌道修正を行った上で尚且つ。
何処へどう持っていくつもりなのかな、己ときたらば……(伏し目)。


2005年12月14日(水) 続き再開は、次のお休み以降と言ふ事で(何)。※実は20060523.

その前に。
天花粉的小話を、ちょこちょこ手直し。
後もう一押し出来たら、何処かへ移動しやうと思いますです。
(一押して)

つーか。
書き直した分を某友人に改めて見て頂きました処。

「どこをどうしても馬鹿ップルは治りませんから残念(真顔)」

と。一刀……両断……(さめざめ)。

そりは兎も角。
静留さんの台詞にチェックが入りまして。
曰く。

「こそばゆいとか通じへんのと違う?」

と。

や、くすぐったい…の関西弁やんね?と素で返したら。
そりは「こそばい」やろ、と更に返されました(笑)。
もしかして、O阪限定の方言やったかいなと心配になったので。
某便利な京言葉サイトさまにて調べてみました、つい先程(え)。

……京言葉にもあるがな!(裏平手)

しかして、「こそばいに同じ」…な扱い。

……ま、いっか(えー)。

つか。
己が書く静留さんの台詞はマジでなんちゃって京言葉なので。
てか。
只の己的関西弁モード炸裂状態、なので。
果たしてなつきちさんに通じてるのかなあと。
ちょっと不安になってみたりもした訳ですが。
まあ。
なつきちさん、四国育ちやから大丈夫かと(決め付け)。


相変わらず、色々と、切ない(何)。


2005年12月13日(火) 初心に帰って(え)。※ホントは060521.

昨日付の小話について。

『舞-HiME』のサントラをBGMに。
続きをほっぽらかして、祭前……所か。
本編開始前のしずなつを一本。

色んな意味でものっそい胡乱な感じですが。
ちゃんと、公式の短編(「なつきのプレリュード」とか)を。
読み返さなあかんなあと思いつつも。
面倒くさくt(蹴倒

あれです、要は。
静留さん→なつき、な日常をホンマは。
書きたかったものと思われ……(伏し目)。
後はそうですねえ……。
なつきちさんの見事な勘違いっぷりとか?(ヲイ)

なのに。
某友人に、「馬鹿ップル」呼ばわりされた……(涙目)。

いろんな意味で、切ない。






以上を、書いたんは夜中ですが
お昼間に追記したのはこっからです。


さて。
折角の御休みなので。
『舞-HiME』のサントラやらキャラソン集やらベスト版やらから。
お気に入りの楽曲などを集めて、
PCの音楽ソフトでリストアップ編集してみました。
我ながら面白いラインナップなので、書き残してみたり。


1.媛星   ←メインテーマですね。
2.Shing☆Days  ←OP。DVDでは飛ばし捲くって正直すまんかった。
3.闇夜の序曲  ←某YouなTubeでカッコいい映像見つけました(笑)。
4.It's Only The Fairl Tale ←アリッサちゃん…!(涙目)
5.舞夢!  ←雪之んがダイアナ使う時に流れてませんでしたっけ?
6.目覚め  ←黒曜宮での戦いとかのが思い浮かびますです。
7.イノセント(悠樹奈緒/南里侑香) ←切ない…切ない…。
8.過去への鎮魂歌  ←なつきちさんのやさぐれた過去。
9.片恋艶花(藤乃静留/進藤尚美)  ←説明は不要かと(え)。
10.鴇色の舞  ←「相変わらずいきなりやねえ…」(何) 
11.「桜の花、咲くころ」(ドラマCD#2) ←泣く。泣いてしまう。
12.なつきのこころ(玖我なつき/千葉紗子) ←11と続けて聴くと…(涙)。
13.綺麗な夢のその果てに(玖我なつき/千葉紗子) ←……(涙目)。
14.鴇色の舞〜Instrumental Ver.〜  ←黒曜宮でのラストバトル!
15.小さな星が降りる時  ←「堪忍な♪」…つか、媛戦隊のテーマ(笑)。
16.阿修羅姫(ARI PROJECT) ←ゲーム版ネタバレの後だと切ない…。
18.君が空だった  ←ED曲。DVDでは(以下略)
19.舞-HiMEプロモーション用BGM  ←〆に相応しく(?)。


趣味丸出しです堪忍したって下さい(平伏)。
特に、8〜13は我ながらナイスな曲順やと思いますです(言ってろ)。

10は有名な、しずなつ最終決戦の時のBGMです。
フラメンコギターが絡みつくように奏でる旋律が、
物悲しくも激しい楽曲で。
本編では、生徒会室にドゥカティでなつきが飛び込んで来て、
静留さんがエレメント出して応戦に入った処から。
命と深優の対決シーン〜Aパート終了まで、
絶妙なタイミングで流れていましたね。
ああ、こんな場面でこんな楽曲入れるんや…と。
ものっそい、心臓鷲掴み状態になった印象深い一曲でありますです。


ところで。
こっから下は胡乱な世代ネタを含みます。

そっと笑って見逃してやって下さい(逸らし目)。


さて。
昔っから己、好きなアニメはサントラも揃えたい人で。
古くは、かの羽田健太郎氏が担当された、幻のアニメ(笑)。
『ムーの白鯨』から。
すぎやまこういち氏大活躍の『サイボーグ009』(所謂新009)、
『機動戦士ガンダム』…は兄の守備範囲だったので手付かず(あれ?)。
因縁の『六神合体ゴッドマーズ』はドラマや映画音楽、
そして歌謡曲のアレンジャーとして活躍中だった、
若草恵氏の壮大なオーケストレーションにやられて集め捲くり。
ええ、TV版から映画版、果てはシンセサイザーアレンジ集とかまで(伏し目)。
その後、コミックスのイメージアルバム集に手を出して。
豪華な顔ぶれ集め捲くっていた白泉社系にはくらくらしてました。
『ここはグリーンウッド』のイメージアルバム第一弾なんて、
爆風スランプや深津絵里ちゃんまで参加してたんですよ……!
チェリストの溝口氏参加の『ぼくの地球を守って』も凄かったなあ……。
『緑野原幻想』は…今聴いてもドキドキしますです。
あの不思議な作品世界を更にぐっと広げる透き通るやうな音楽の数々。
わくわくとどきどきが止まらなくなるみたいな…。
今で言ふ処の、メディアミックスの走りなのでせうが。
参加された方々がその作品自体のファンなんだなあと。
そんな勢いとか気持ちが溢れていて。
聴いていて、ものっそい楽しかったです。

『舞-HiME』のサントラを聴いていると。
その頃の自分やその当時のどきどきが、ちょっと。
甦ってくるやうで、楽しくて溜まりませんです、はい。


2005年12月12日(月) もう、何が何やら。※実は20060521.0522.に若干手直し。

徒然に。
思いつくままに、断片。





少し遠くまで足を延ばした割には。
これといって成果も何も得られなかったから。
何となく燻るような、じりじりとした気持ちを抱えていた。
まだ陽も高いし、直に帰宅するのも何だか癪な気がして。
海沿いの道を駆け上り、学園の方へと進路を変えた。
今なら、まだ、あいつも残っているかもしれない。
この春から足繁く出入りするようになった、生徒会室で。
居残っている筈の生徒会長の姿をぼんやりと。
脳裏に思い浮かべてみた。



夏の匂い



いつもの繁みに、愛車を隠す。
この時間帯なら人目も適当にかわせるだろうと踏んで。
ライダースーツのまま、歩き出す。
やや湿り気を帯びた風が頬や髪に纏わり付いて少しうっとおしい。
飛ばしている間は気に為らなかった熱気がスーツの中から上がって来て。
歩を進めながら、前のジッパーをやや下げる。
元より、校内に長居する気は無かった。
生徒会室を覗いて、あいつが居れば端末を借りて。
次の行動に向けての情報を収集する。
居なければ、そのまま帰ってもいい。
遠くから響いてくる、部活生たちのものらしい歓声に。
軽く鼻を鳴らしながら、校舎の裏口へと回った。

生徒会室の窓や扉からだけ、廊下に明かりが漏れている。
思わずほっと息を吐く。
それでも少し用心しながらそっと扉に手を掛け中を伺う。
見慣れた淡い色のジャケットと、柔らかな癖のある髪が見える。
他に人影がない事をちらりと確認して、引き戸を開くと。
あいつがおっとりと此方を振り返った。

「なつき」

何が楽しいのか。
いつ見てもあいつは、笑顔だ。

「……少し、邪魔する」
「相変わらずいきなりやねえ。……元気にしてはった?」

元気も何も。
二、三日前にもこの場所で逢ったばかりだと言うのに。
何と返したものか思いつけないまま歩み寄ると。
あいつはそっと、席を立った。

「これ、使いはるん?」
「ああ、借りる」
「なら、お茶でも淹れましょか」
「別に……」
「まあ、そう言わんと」

流れるような動作で席を譲られ。
居心地の悪いような、そうでもないような気分で身体を入れ換えた途端だった。

「――静留……っ!!!」
「ライダースーツ姿のなつきも、ええもんやねぇ〜」

語尾にからかうような色を滲ませた声が、耳の近くで響く。
背中に覆い被さるのは、あいつの体。

「やめろ、暑い!」
「そうどすか? 今日はそないに暑ない思うけど」
「私がだ!私が暑いんだっ!」

右肩と左の腰を抱き込む腕を押しやりながら、喚く。

「確かにこの格好、見た目からして暑そうやねぇ……」
「良いから!離せっ!」

そう力を入れているようにも思えないのに。
あいつの腕を振り解くのは結構、難しい。
素人の、しかも女の子を相手に護身術を応用する訳にも行かなくて。
暑苦しいあいつの体温を意識しながらも、身動きが取れないでいたら。

「……あら、なつき」

怪訝そうな声が、うなじの近くに息を吹き込んできた。

「な、なんだっ!」

くすぐったさに怒声を上げると、背中を覆っていた体温が不意に消える。

「これ、虫刺されどすか?」
「なに……?」
「それとも、汗疹やろか……」

待っとくれやす、と続けた声が、遠ざかる。
軽くなった背中越しに振り向けば。
あいつの、給湯室へと急ぐ後姿が見えた。

「……なんなんだ、一体……」

憮然と見送った後、頭を一振りする。
額に滲む汗を、手の甲で拭った。
あいつは。
初めて会った時からやたらとべたべたしてくるし。
こっちの都合などお構いなしな言動ばかり取る、変な奴ではあったけれども。
生徒会室を利用させて貰うようになってからは、更に。
人の事を構ったり触ったりを頻繁にしたがるようになった気がする。

――春からこっち、更に取り巻き連中が増えたからな……。

大方、余り顔を合わせない昼休み辺りに。
下級生ども相手に散々悪ふざけを繰り返しているのだろう。
こういうのも多分、その延長程度の事で。

――……傍迷惑な趣味だな、全く。

うんざりした心地で胸の中に吐き捨てると、ノートPCの方へ向き直る。
これまでにも何度と無く利用したので指がすっかり覚えてしまった、
あいつのIDとパスワードを入力し、特待生名簿にアクセスする。
例年だと一定の人数に設定されている特待生枠だが。
新年度に入ってからその枠が増設されている。
にも関わらず現時点で認定を受けているのは、進級生ばかり。

――新しい「HiME」が、来るということか……。

昨年度の担任だった、組織のエージェントが時折示唆する情報と。
このデータの状況とを照らし合わせれば。
その時は、そう遠くはなさそうだった。

――ならば……どうやって、それを……。

「おまちどうさん」

驚く程耳元近くで声がして。
寸での所で叫びそうになった言葉を危うく飲み込む。

「ば、馬鹿……脅かすな……っ」
「あら、堪忍な」

振り返ると、相変わらずな笑顔であいつが何かを差し出していた。

「な……んだ、これは」
「天花粉。見たことあらへんの?」
「天花……なんで、そんなもの」
「ほら、なつきのここ」

ひょいと、あいつの手先が首筋に延びて来て、思わず身を竦ませる。

「な、何だっ!?」
「せやから……ここに、発疹があるんよ。かゆないん?」

言われて、ばっと首元に手を当てる。
撫でた首筋に触れた指先が確かに、微かな違和感を感じ取る。

「か、痒くなんか、ないっ」
「そうどすか? えらい赤ぉおすけど」

言いながら、手にした小さな丸い容器の蓋を取る。

「これ、普通の天花粉と違て、ちょっとひんやりして気持ち良えんよ。
 良かったらつけたげよ、思て」

穏やかに目を細め、緩く小首を傾げる。
何だっていつもそんな風に楽しそうにしているのだろう、こいつは。
そう思うと、無性に腹立たしいような、苛立つような。
でも、何処かで何か、安心するような。
誰に対しても抱えた事のないややこしい気持ちが沸き立つから。
慌てて、目を逸らした。

「別に、そんなものは……」
「あきません、たかが汗疹や思て油断して、
折角の綺麗なうなじに痕でも残す事になったらどないするん」
「き……っ! い、いちいち、恥ずかしい事、言うな……っ!」
「恥ずかして」

ふふ、と笑い声を上げたあいつは勝手に手を延ばし。
「ちょぉ失礼」などと言って人の襟首を引っ張るようにして広げた。

「な…っ!」
「大丈夫。直ぐ済みますさかいに」

宥めるような声音に言いようの無い反発を覚える。
けれども、天花粉の容器を一旦机の上に置いて。
取り出したハンカチで先ず、首筋を撫でるように拭おうとする手を。
どうしても、払い退ける事は出来なくて。

「ちょっとだけ、大人ししといてな」
「……っ! か、勝手にしろ……っ!」

叫んで視線を逸らした先、開けっ放しの窓辺に。
夕陽を集めて茜色に染まり出したカーテンが揺れている。
眩しくて目を細めた時、ひんやりとした感触が首筋に触れた。

「……こそばゆい?」
「う……す、少し、な……」
「堪忍、も少し我慢してな」

冷たいというよりも涼しいものが首筋をゆっくりと辿る。
それと同時に仄かに漂ってきた何かの匂いが。
鼻の奥と同時に、記憶の中にまでするりと入り込んで来た。
それが何だったのかを探るよりも早く。
脳裏に響き渡ったのは、懐かしい、遠い、声。


『なつきちゃんは、汗、気持ち悪くないの?』

笑い含みの穏やかな声。
髪をまとめ上げて振り返る笑顔。
まだ湯気の立ち上る身体に優しくタオルを巻き付けて来る腕。

『ほら、汗拭いて。痕、残っちゃうでしょ』

窓越しに夏の長い夕暮れ。
翻るカーテン。
そして、くすぐったいような、懐かしい。

『ほら、なつきちゃんも、夏の匂いつけとこうね』

懐かしい、匂い。


「……どないしはったん?」

気遣わしげな声に、はっと我に返る。

「なっ、何でもない…っ」

あいつを心配させる程長い間、自失していたのだろうか。
大きく声を上げてしまってから、間近に覗き込んでいるあいつの目が。
これまで見たことも無いほど真剣な色を湛えているのに気付いて。
何だか、落ち着かない気持ちになった。

「いや、ちょっと、その、ぼんやりしてただけ、だから……」
「……そう?」

珍しく、ほんの一瞬躊躇するように唇を止めた後。
あいつは、表情を緩める。

「ならええんどすけど……今日も、お疲れやねんね」

言って、さ、終りましたえ、と軽く肩を叩いてきた時には。
いつもの笑顔に戻っていて、思わずほっとする。

「どないどす?気持ち良ぉ、なりました?」
「う、うん……まあまあだ、な……」

正直に言えば、汗ばんでいた首筋が良い具合にすうすうして。
物凄く気持ち良い。

「ほな、これはなつきに」

肩越し、そっと差し出された小さな容器が。
ノートPCの脇にこつんと音を立てて置かれた。

「……って、これはおまえのじゃ……」
「ふふ…こんな事もあるか思うて、買いだめしといたんどす」

せやからこれはなつきの分。
そう言って、あいつはそっと、身体を引く。

「さ、今度こそお茶、淹れて来ますわ」
「……静留」

行きかけたあいつを、思わず呼び止めていた。
何?と穏やかに振り返ったあいつの表情は。
やっぱり、いつも通り、何処か楽しげで。

「……あ、……」

言いかけた言葉が行き場をなくして、のどに絡む。
久し振りに、まともにあわせてしまった目を。
逸らすに逸らせないで、じりじりとした気持ちのまま、息を飲む。
けれど、こっちがどれだけ焦ろうがもどかしかろうが、お構いなしに。
あいつの表情は変わらず、穏やかで。
余計に、何をどう言葉にするつもりだったのか。
胸の中にこみ上げた気持ちがどんなものだったのか。
それすら、分からなくなって。
ただ、睨むように見つめ続けた視線の先で。
あいつは、突然、何だかとても嬉しそうに、微笑んだ。

「天花粉、って、なんや、夏の匂いどすなあ」
「……え?」
「まだ梅雨も来てへんのにね」

そうして、そっと窓の方へ目を向ける。

「なつきも、懐かしとか、思てたんと違います?」

見透かされてた、と、思った。
瞬間。
頬に朱が走るのが分かって。

「べ、別に……!」

反射的に叫んで目を逸らす。

「そぉどすか?」

くすくすと、楽しげな笑い声を一頻り立てた後。

「どういたしまして」

囁くような声で呟いたあいつに驚いて。
振り返った時には既に背中を向けて。
あいつは再び、給湯室へ姿を消してしまっていた。

「……な……何なん、だ……あいつは……」

見透かされるのにも、程がある。
腹立たしいよりも、自分が情けないような。
呆れるような馬鹿馬鹿しいような気分になって。
机に拠り掛かるようにして、脱力するしかなかった。


その後は、いつものように。
仕事に励むあいつのとなりで調べ物をざっと一通り済ませ。
あいつの淹れてくれたお茶を飲んだ後、二人して。
かなり暗くなってきた外の空を仰ぎながら窓を閉め。
カーテンを引き切って生徒会室を後にした。
その間は、これまたいつものように。
会話らしい会話は何も無かったけれども、今日に限って。
それが何だか拍子抜けするような、ありがたいような。
居心地の良いような悪いような気分が行ったり来たりを繰り返して。
どうにも、集中し辛かった。

「雨、降りそうやね。くれぐれも、気をつけて帰りよし?」
「ああ……」

薄暗い廊下を一緒に歩きながら軽く頷き返すと、あいつの足が止まる。

「……どうした?」
「え?……ううん、なんやろ」

呟きながら、あいつは頬に軽く手を当てて見せた。

「なつきが、いつにのう素直やわ、思たら、嬉しなってしもて」
「……!!」
「あ、ひょっとして、もの貰うたから言うて、気ぃつこてくれてはんのかしらとか」
「静留……っ!」

そのあんまりな物言いに本気で叫び声を上げたら。
あいつは、愉快そうに笑い声を立てた。

「ふふふ。ほんま、かなんなあ……。なつき、かいらし過ぎやから」
「な……っ!」
「うち、もうちょっと一緒に居りたいなあて、思てしまいます」
「……私は先に帰るぞっ!!」

こうなったら、あいつのペースに乗せられた方が負けだ。
そう思い切り、さっさと足を早めて先に出口を目指す。

「ああ、なつき」

慌てた風も無い、いつもどおり飄々とした声が、背中に届く。

「気ぃつけて帰りよし。また、明日」

――また、明日。

正直、明日がどうなるかも。
こうしてまた、逢えるかどうかも、分からないのに。
そして、何が楽しいのだか。
嬉しそうな声と笑顔で簡単に、あいつが。
約束めいた言葉を口にするから。

――巻き込んではいけない。

ぎゅっと、胸の前で、拳を作る。
忘れかけていた気持ちが、引き戻される。
自分が何の為に、何をする為にここに居るのかを、思い出す。

あんな風に、幸せに。
当たり前の生活を送っている者を。
あいつらは、自分たちの目的の為には平気で、踏みにじる。
既に奪われた笑顔は取り戻せはしないけれど。
これ以上、やつらに奪われ続けるようなことだけは。
それだけは、絶対に。

でも。

非常口の扉の前まで辿り着いて、思わず振り返る。
あいつは、いつものように。
ほの暗い廊下の真ん中で、静かに佇んでいた。
見えなくなるまで見送ろうとするかのように。
多分、いつものように、そうやって。

「……………っ!」

その姿を、視線を振り切るように、勢いをつけて鉄扉を開く。
途端に頭上に広がった。
今にも泣き出しそうな雲を湛えた夕暮れの空を睨みつけて。

私は、全力で、駆け出していた。








オチが付かないまま、終る(何)。
何かになりそうな、そうでもなさそうな。
所要時間、二時間ちょっと。
んでもって、どうにも静留さんの台詞が上手く行かなくて。
ちょこちょこと、手直ししまくりだったり(何々)。

追加の手直し。
色々いぢってみました。
一応これで、エンドマーク。


2005年12月11日(日) 昨日付け雑記の小話についてとか。※ホントは060518.

さて。
12月9日付に書き書きした上。
本サイトのWeb拍手に放置してみた小話。
今書き書きしている長いつれづれ小話の。
静留さんパートに当たります。

しずなつに関しては。
旧白…つーか、佐藤聖書いて居た時ほど。
自分を抉る事は余り無いかなあと。
思っていたのですが…甘かったです(泣笑)。
寧ろ、一番、痛い所を抉り捲くっている感じです。
ただ、それをちょっと距離置いて眺める事が出来る分。
まだ、大丈夫かなあとか。

嗚呼でも。
結構、ヤヴァいんですよねえ…。
だから、静留さんパートは、短めに(何)。
まだ、なつきの方が冷静に書ける、と、思います。
そろそろ、自信無くなってきましたですが。
3回目で方向性がぐらついたのも多分にそのせい。
4回目で頑張って持ち直しましたですが。

そーいへば。
静留さんとなつき、どっちが好きなん?と。
某友人(笑)に最初に突っ込まれましたですが。
うーん…どっちも好きです(笑)。
静留さんはねえ…幸せになって欲しいですねえ…。
佐藤聖の時には思わなかった感情ですねえ…(笑)。


さて、しずなつについて。

静留さんは。
誰かが手出しする事で幸せになれる人ぢゃないんですよね。
彼女が求めるものが無い限りは、幸せになれない人。
逆になつきは…多分。
誰が相手でもそこそこ幸せになれる人(笑)。
つーか、まだまだこれから、な人なんぢゃないかと。
だから、手出ししたいと思う人も沢山居て(笑)。
しかも、そういふ視線や想いに対してはものっそい鈍いから。
静留さんにしたら、気が気ぢゃないだらうなあと。

気が気ぢゃないんですが。
静留さんは、そんななつきを自分が変えてしまう事が。
ホントは怖いんぢゃないのかなあとか。
聡明すぎるが故に。
色んな事が見え過ぎるが故に。
多分、もう、盲目的になつきを自分のものにしたいとは。
思い切れなくなってしまっているんぢゃないかなあとか。
祭前までの静留さんを思い返すに。
どうもそう思えて為らなかったり。

まあ、これはホントに。
現時点での己的極私的考えですけれども。

静留さんのあの狂気は。
諸々の条件が重なった極限状態下だからこそ発揮されたもので。
祭が終ってHiMEの運命から逃れた時点で。
それを抑制する事の出来る人に戻ったんぢゃないかなあと。
思ってみたり。
自分の中の狂気を飼い馴らすだけの。
出来た人なんぢゃないかなあと。
思ってみたり。
その延長線上にあるのが、『舞-乙HiME』のシズルさんかなとか(笑)。

だからこそ。
なつきとの関係をどう続けるのか…って処が。
ものっそい、気に為る訳で。
そりが、まあ、昨日付けの小話とか。
長々書いてるつれづれ小話の、
執筆動機のひとつだったりもする訳ですが。
その気持ちをぐらぐら揺すぶるのが未熟な己の精神な訳で(泣笑)。
色んな場所が引っ掛かったり痛かったり。
辛かったり苦しかったり。
でもそりを吐き出さない事には。
居ても立ってもいられなかったり。

そんな感じで。
意味不明なままに、終る(何)。

連休中に、少しは進展すると良いなあ…と思いつつ。


2005年12月10日(土) ついでながら、やってみた。※実は20060514.その2

閑話休題。

連続書き書きの方は一旦御休みして。
静留さんパートです。




今年の内に受けた地元の大学に程近い。
図書館を利用する為に、バスで通う。
何もそんな真似をわざわざ…と。
同級生の中には不審に思う者も居たけれども。


――その方が、集中できるんよ。それに遅ぅまで開いてるし。


はんなりと笑ってその疑問を躱し。
毎日、閉館時間までそこで過ごすのがこの所の日課。
風は随分と、冬の匂いを帯びてきた。
数日前、最後に見たあの子の横顔をふと思い出して。
微笑むと同時に、酷く寂しさを覚える。
ちょっとずつ、距離を置いてきた。
あの祭りの日を境に。
以前のように無邪気さを装うことが。
出来ない自分ではないけれども。
あの子の真っ直ぐな眼差しを思うとそれはどうしても。
許されないことのように思えて。


――……あかんなあ……。


いつから、うち、こないにやわになったんやろ、と。
吐息で曇る窓ガラス越しに海岸線を眺めて。
泣きたいような気分で、微笑んだ。




片恋暮色




今日は半日を、引越し先を探すのに費やしたから。
いつもよりは早めに学園に戻る事になった。
三年生は、受験の為の自由登校期間に入っているので。
午後の授業の合間の休み時間に私服で校内を歩いていても。
誰にも見咎められる事はない。
目敏い後輩の何人かにその姿を見つけられ挨拶されるのにも、
適当に愛想良く応えながら寮へ戻ろうとしていた時だった。


「……あ、会長さん?」


擦れ違いざま、声を上げたのは。


「ああ、鴇羽さん?なんや、お久し振りどすなぁ」


あの子の友人の一人だった。


「でも、うち、もう、会長とちゃいますえ?」
「ああ…そうだった。失礼しました、藤乃先輩」


てへ、と舌を出して笑ってみせる姿には以前の影は何処にも見当たらない。
彼女の潔い清々しさに、どれだけあの子が救われているかを思って。
微笑みながら、また、この胸の中にさす寂しさに気付く。


「その後、あんじょう、お過ごしどした?」
「ええ、お陰様で……あ、そうだ、会ちょ…じゃなくて藤乃先輩」


もうすぐ休み時間が終わろうかという頃合いの為か。
彼女は慌しく、あの子が次の授業をサボって何処かへ出かけた事を教えてくれた。


「多分、寮に帰ったんじゃないかと思うんですけれど…方角的に」
「へえ……おおきに、鴇羽さん」


いえいえ、と大きく手を振って彼女は照れたように頬をかいてみせた。


「なつき、この所またサボり癖出てきたみたいで…会ちょ…藤乃先輩からも、
ちょっと言ってあげて下さい」
「ふふ……承知しました。……それにしても」


はい?と小首を傾げた彼女に、ゆったりと微笑を向ける。


「あの子にも、ええ友だち、出来たんやね…うち、安心しました」
「はいぃ〜い?」


私?!と言いたげに自分を指差す仕草がなかなか、可愛らしい。


「あの子、ほっといたら何もせえへん子やから、
鴇羽さんみたいに面倒見のええ子が側についててくれたら安心どす」
「そんな……」


照れ隠しなのかやだなあと笑って見せた後で、不意に彼女は真顔になった。


「でも……私じゃダメだなあって思うことも多いですよ…?」


何が…と問いかけて、思い直す。


「そんな事、あらへんよ?」
「いいえ、何て言えばいいのかな……」


真剣な顔と眼差しで、真っ直ぐに、見つめて来る。


「たとえば」
「たとえば?」
「煮物にマヨネーズを大量に掛けられたら、本気で殴り倒したくなります」


真剣な顔して。
何を言うかと思うたら。
思わず吹き出してしまったら、「笑い事じゃないですよ!」と彼女は生真面目な大声を上げた。


「だから、卒業しちゃう前にあの子の悪食、治して貰わないと困ります」
「治す…って、うちが?」
「はい!」


相変わらず、真剣な顔。
けれでも、その言葉の向こうにある、彼女の思いが透けて見える気がして。
そっと、目を逸らす。


「かなんなあ…そろそろ楽隠居さしてもらおう、思てましたのに」
「ダメですよ、なつきにはもう暫く会長さんがついてて貰わないと」
「そやろか」
「そうです」


ふん、と拳を握ったあと、彼女はしまった、と自分の額を打った。


「次、移動教室だった…!あ、それじゃ、私はこれで失礼します!」
「ええ、ほな、あんじょうきばりよし。鴇羽さん」
「はーい!なつきのこと、お願いしますね会長さん!」


すっかり元通りの呼び方を残して、彼女は慌しく校舎へと駆けていく。


――……なつきには、うちが居ぃひんと…か。


甘いような苦いような言葉。
その意味が持つ呪縛めいたものに縋って。
あの子を自分の手の中に収めようと思てた時期もあった。
けれど。


――それでは、あかんやろうなあ……。


あの子が本来持っていた、素直で真っ直ぐな心が。
要らん荷物を背負う事でまた。
その歩く道が狭められたり歪んだりする事にでもなったら。


――それだけは、うち、避けたい思てるんよ。


そして、他でもない自分の存在が。
あの子のそんな純粋な心根を損なうものであるのなら。


――もう、これ以上、側におったらあかんよね……。


それは、酷く切ない痛みを伴う決意で。
でも、この先いずれは、選ばなくてはいけないもので。


――あの子、うちのこと、好き、言うてくれはった。


同じではなくても。
好きだと、一番大切だと。
その命を掛けて、自分に伝えてくれた。


――それだけで、ええ。


胸の奥を刺す、どうしようもない痛みを。
多分、生涯抱える事になったとしても。
あの時のあの子の笑顔を、口付けを。
思い出せる自分で居られる間は。


――うちは、大丈夫やから……。


だから。
久し振りに会うことになる、あの子の顔を思い浮かべ。
口の端に苦い笑みを浮かべながら。
何かを振り切るように、顔を上げる。


見上げた空は、そろそろと、夕暮れの色を集めて。
赤銅の色に染まりつつあった。


――うちは、もう、間違いたくはないんよ。


あの子の笑顔が、たとえ自分と離れた場所で花開くとしても。
それでも良い。
そう思い定めて。
寮へ続く裏道へと、足を踏み出していた。






― 了 ―











制限時間一時間的リハビリ小話(何)。
多分、後日訂正するかと。
若干手直しして、Web拍手に仕込んでみました(え)。
某友人(をを、この表現も久々やなあ/笑)、チェック、感謝。


2005年12月09日(金) 己に色気とか艶とか何とかを期待してはいけません(何)。※4回目突入。実は、20060514.

方向性を見失ったまま。
取敢えず、続けてみたり。

てか。
相変わらず、何かが続いているやうな。
そうでもないやうな。
そんな心許ない有様のままどんどんと。
ええ、どんどんと、何処かへ流されていく感がひしひしと……(何)。

つーことで、4回目。




隙のない動作で片づけを始めた姿を眺めているのも何故か辛くて。
逃れるような気持ちを胸の片隅に抱えて席を立つ。
今更、食事前に手を付けていたゲームに興じる気分にもなれなくて。
ソファの上に深く腰を落ち着ける。
背中で感じる彼女の気配は穏やか過ぎて、静か過ぎて。
儚くて、遠くて、何だか耳を塞ぎたくなる、そんな気がして。
我知らず立てた両の膝に額を押し付けて。
頭を抱えるようにして目を閉じた。



綺麗な夢のその果てに・4



――……なつき。

声が、聞こえる。
懐かしい、でも何処か切ない。
まどろんでいる生暖かい夢の中。
一心に走り続けている日常の合間に。
ふとした瞬間に滑り込んでくる、優しい声。
でも、決して心の中にまでは踏み込んでこない。
距離を置いて、穏やかな時間の狭間に私を。
置き去りにして見守ってくれるような、そんな……。

不意に。
頬に何かが触れる気配を感じて、はっと目を見開く。
一気に覚醒した感覚が四方に解放されてゆく。
大きく身を捩った時、身体を覆っていた何かがはらりと落ちた。

「……ああ、目ぇ、醒めてしもたん?」

笑い含みの声は、ローテーブルの向こうで茶器を用意していた彼女のもの。
時間の経過を感じさせない仕草で悠々と急須を手にしている。

「……すまない」
「ううん。疲れてはったんやね」

もうちょっと寝ててもろてても良かったんに、と微笑みながら。
薄藍の湯飲みをテーブルのこちら側へそっと置く。

「甘いもん食べたらちょっとは疲れ、取れますえ?」

言って桜色の皿に乗せた和菓子をその隣に並べる。
有難う、と口の中でもごもご呟きながら。
胸から膝に掛けてずり落ちている綿の毛布を傍らに押しやって座り直す。

「ふふ……せやけど、なつきはほんまにどんな格好でも
寝られる子ぉやねんねぇ……」
「な……っ」
「あんたが居眠りしてはるとこ、これまでも仰山見てきたけど」

ソファの上に三角座りで寝てはるん見たんは初めてやわ、と。
口元に手を添えて、彼女は肩を震わせている。

「……! 静留……!」

声を荒げて身を乗り出そうとして。
背けられた彼女の横顔に漂う。
気付くか気付かないかの、僅かな緊張感を感じ取ってしまって。
こめかみの辺りに上がり始めていた血液の流れがすっと。
引いていく。

「……静留……」

正直すぎる自分の声が、彼女の肩にぶつかる。
ほんの一拍、何かを置くようにしてから、彼女は顔を上げる。

「堪忍。笑い過ぎやね、うち」
「それは……」

良いから、と零しかけて、膝の上で掌をぎゅっと握り締める。

「ああ、また謝ってしもぉた」

何でも無い事のように続けて彼女は。
自分の分の湯飲みと茶菓子を整えると、真向かいにそっと正座する。
以前ならば同じさり気なさで多分彼女は。
私の隣に席を占めたろうに。
そんな一つひとつが少しずつ少しずつ。
二人の間に、積み重ねられていって。
そうして、新しいルールになっていく。
新しい当たり前になっていく。
彼女がそれを、望んで、いるから。
なら、私は。
私は……。

「どないしたん……?」

お茶、冷めてしまうえ?と。
ほんのり微笑みながら促す、その姿が、既に、遠い。
聞きたい事があるのに、確かめたい事があるのに。

たとえば。

お前は、いつから私を見ていた?
いつから、私を知っていた?
いつから、自分がHiMEである事を。
私が、HiMEである事を知り。
私の求めていたものの空しさに気付いていた?
私が失ったものは、私の元へは永遠に戻らない事に。
そして、その事実に私がいつか、辿り着く事に気付いていた?

そんな取りとめも無い思いが胸の中で渦巻き始めて唇を噛む。
それは、言葉にしてしまえば、彼女を責める形にしかならないものばかり。
けれども、違う、そうじゃない。
彼女を責めたい訳じゃない。
ただ、知りたいだけだ、どうして、私だったのか。
そこまでして、どうして、私だったのか。
それなのに何故、今更。
どうして、お前は、私から。
どうして、私から……。

「……なつき……っ?」

知らず顔を伏せてしまったのと同時に。
焦ったような彼女の声が耳を打った。

「どないしはったん…!」
「え……?……あ……っ」

まずい。
なんで、こんな。

気が付けば、私の目は。
自分でも分かるくらい、熱を帯びた雫を。
馬鹿みたいに、あからさまに、零し始めていて。

「ち、違う……!」

焦った私は。
気遣わしげに身を乗り出して、手を伸ばしてきた彼女をまるで。
まるで、拒むように、顔を背けてしまう。

「……なつき……」
「……あ……」

ためらいを滲ませ、差し伸べた手を止める彼女の瞳。
その中に確かな痛みの色を認めた瞬間。
直視出来ない私は、大きく頭を振りながら、叫んでいた。

「やめろ!お前が悪いんじゃない!だから、もう……!」

ぐい、と右袖で勢いをつけて顔を拭い。
そのまま、腕に両の目を押し付ける。

「頼むから……」

―……『頼むから』……?

何を。
私は、何を今更。
彼女に願おうとしているのだろう。

熱くなった頭の片隅に、冷えた感情がするりと差し込む。
何も知らないでいたのは、私の方で。
何もかも知っていたのは、彼女の方で。
それでも、私を。
私を、好きだと言ってくれた。
守り続けてくれた。
ずっとずっと、多分きっと。
彼女自身は、何もかもを、堪えるようにして。
何があっても、平気な振りをして。
ただ、私の為に、私の為だけに。
でもそれは。
それは。

押し付けた腕の下で両の目の奥が軋むように痛む。
けれども今、彼女を見つめるのは、怖かった。
全てが終わり、全てを知った。
だから、これからが私にとっての本当の、始まりで。
だから。
ずっと私を見てきた彼女が、これから取ろうとしている道が。
選ぼうとしている道が。
どんなものであるのか、薄々でも分かってしまった今。
彼女が見せるどんな表情も優しさも。
私にとっては、遠く辛く、痛い。
そんな甘ったれた自分を直視することが、本当は。
怖かっただけ。

ようやく、分かった。
私が知りたかったのは、過去なんかじゃなくて。
今の。
これからの。
彼女を。

本当は……。

――……願う資格が、今の私に、ある筈なんてない。

冴えた脳裏で揺れ動き続ける、冷たい感情、それが。
彼女を止める為に全てを賭けた。
何の迷いも無かったあの日の自分すら。
許せないと、囁いている。
想いの形が違う、ただそれだけの理由で。
彼女を失いたく無くて。
その願いの強さが、彼女を追い詰める事がある事にさえ。
思い至らないでただ、求めてようと戦った。
そんな自分自身すら、許せないと。

今更なのは。
彼女ではなくて。
本当は…ほんとうは……

「なつき…!何してんの……っ!」

不意に。
思いがけない近さで激しい声がした。
強く両腕を引かれて、視界が転倒する。
何が起こったのか分からない間に。
背中は、ソファの上に押し付けられ。
口元に何か、柔らかいものを押し当てられる。

「口、開けて!早う…っ!」

耳元で叫ばれた途端に、舌の上に鉄錆びた。
でも、何処か覚えのある、甘苦い味が広がる。
思わず見開いた両の目の、視野一杯に迫る、彼女の顔は。
いつか見たものよりも、もっともっと。
辛そうな、痛々しい、涙顔。
良く見れば、彼女は。
手にしたハンカチを私の口元に強く押し当てていた。
私といえば、一体何が起こっているのか分からないままに。
こんなに近くで彼女の顔を見たのが酷く懐かしくて。
それだけで何だか胸が詰まるのを強く感じてしまって。

「……静留……」
「喋ったらあかん…!」

思わず零した声にも彼女は、怒ったように叫んで。
口全体を塞ぐように、ガーゼのハンカチを押し当ててくる。

「何で……何で、こないに血ぃ出るまで……っ」

こみ上げてきたものを振り払うように彼女は。
折角直ぐ近くにあった顔を、強く横へと逸らしてしまう。

――……血?

そうか。
この甘いような渋いようなのは、血の味。
何度か渡った危ない橋の経験の中、確かに覚えのある味。

思い至った途端、唇の右端にじんじんと鈍痛が沸き始める。
知らず噛み締めていた犬歯が多分。
思いの他深く、そこへ食い込んでしまったのだろう。
そんな事を、馬鹿みたいに冷静に、確認して。
背けられた彼女の横顔を、まじまじと眺める。

―……静留……。

押し付けられた布が邪魔で、声にならない。
けれども、こんな事くらいで酷く動揺している彼女を。
何とかしてやりたくて。

――……大丈夫、だから。

きつく掴まれ、ソファに押し付けられた左手はそのままに。
空いた右手で彼女の肩を軽く押しやろうとして。

――……違う、そうじゃない。

考え直して、そのまま、彼女の首筋にそっと回して。
何かを堪えるように震えているその頭を、抱え込んだ。

「……なつき……っ?」

驚いたように身を剥がしかけた彼女には構わずに。
そのまま、自分の肩に引き寄せる。
その拍子に、唇に押し当てられていたハンカチが僅かにずれて。
引き攣ったような痛みが走る。
けれども、そんなものは、もう、どうでも良かった。

「何してはるんのん……!ちょぉ……離し……」
「いや……だ……」

傷は痛む。
言葉を漏らせば、唇だけではなくて、この胸の中でさえ。
でも。
でも。だからこそ。

「なつき……っ!」
「痛いのは……幾らでも我慢できる。でも、私は……」

私は。
彼女の泣き顔は、もう。
見たくないから。

「……泣かないでくれ。私は、大丈夫だから……」

言った自分が、また、泣きそうで。
どうしようもなくて。
でも、今度は唇を噛み締める訳にもいかなくて。
だから私は。
彼女の頭を、強く強く。
自分の肩に、強く強く、押し当てるようにして。
抱きしめる事しか、出来ないでいた。





ええと。
転がってしまいましたですねえ……文字通り(え)。
つーか、もう、方向性も何もあったもんぢゃないので。
行き着くところまで、そんな感じで一つ(えー)。


でもって、今更ながら。
ちょこっと誤字やら何やら、手直ししてみました。
どんだけ勢いだけで書いてたんやろ……己……(伏し目)。


2005年12月08日(木) オフ会やら何やらで中断継続中〜(え)。※でも三回目突入。20050513更に改訂版。

福岡は楽しう御座いましたです。
そして美味しう御座いましたです(え)。
鶏の水炊きは京都にも名店があったりしますですが。
福岡で頂いたのは更にあっさりとした風味で。
お野菜も豊富に入って食べ応えも十分でしたですね。
コース仕立てだったお陰で。
ゆるゆるとおちゃけ頂きながら各種お料理を。
楽しめたのも嬉しかったです。

さてさて。
そりでは続きを…と行きたいのですが。
今は脳味噌がちょっと現実モードに突っ込んでいるので。
どんだけ小話方向に戻せるのかちょっち…自信が…(伏し目)。
こちらも、ホント、ゆるゆる行こうと思いますです。
此処まで書いてきたのと空気変わっちゃってしまったら。
スミマセンです、はい(えー)。
あまりにもあんまりな繋げ方になった場合。
多分、後日書き直すか消すかするかと思われ(マテぃ)。

※20060513に若干手直ししましたです。
書きたい方向へ軌道修正って事で(何)。

つーことで。
三回目。




思わず零した言葉に、彼女の動きが止まる。
けれどもそれは本当に、一瞬の事で。
多分、少し前の自分だったら気付けなかった。
そんな、僅かな瞬間の出来事で。
あれから。
彼女が、二人の間に何か別のルールを置き始めた頃から。
何故だろう。
それまでは見えなかった、彼女の心の動きが。
見え始めている、そんな気がする。
それとは逆に、彼女には。
それまで見えていた、私の心の動きが。
見えなくなり始めている、そんな気が、した。



綺麗な夢のその果てに・3



何故そんな言葉を漏らしてしまったのか自分でも分からず。
手元の茶碗に視線を落としてしまう寸前。
ほんの一瞬だけ動作も表情も止めてしまった彼女が。
もの問いたげな、それでも何の気もなさそうな風にして。
小首を傾げたのが見て取れた。

「ふふ……うち、そんなにいつも謝ってばかりどすか?」

そう軽く返す事で。
彼女はいつも、私の心が揺らぐのを防いできたのだと。
今なら、分かるから。
もういい、と。
もういいんだ、そんな事をしなくても、と。
言いたくて言えない言葉を、野菜サラダごと、嚥下する。

「ああ、また……。お野菜はちゃんと噛んで頂かなあきまへんえ」
「……分かってる」

彼女が何かを誤魔化そうとしたように。
私も、多分、何かを誤魔化そうとしたのだ、きっと。
でも。
そんな些細な事に引っ掛かるよりも、もっと。
もっと、話したい事が、あった筈だった。
今日一日、いや、逢えないでいた何日かの間中。
一人になって、これまでのこと、これからのことを考えながら。
彼女に聞いておきたい事、確かめたい事も考えていた筈だ。
彼女の事を想いながら、考えていた事が。
苛立ち半分に、慌しく一通り食べ終え、箸を置いた所で。
彼女がそっと、席を立った。

「お茶、淹れましょな。それともなつきは、コーヒーの方がええ?」
「私は、どっちでもいい」

ぶっきらぼうに言い放つと。
ならお茶にしましょ、と笑い含みの声が返ってくる。
それだって、いつも通りの日常で。
だのに、何故か、何処か、遠くて。

「静留……っ」

呼びかけた声は我ながら思いのほか鋭くて。
ゆったりと振り返った彼女の瞳の奥に、刹那の緊張を走らせる。

「どしたん?えらい勢い込んで」

それでも、何事も無かったように微笑む姿から。
私はまたもや、目を逸らしてしまう。

「……私は、お前に……」
「うちに……?」

緩く小首を傾げた後、続く言葉を待つように佇む彼女の姿が。
視界の端で小さくぶれる。
私は。
お前に。
確かめたい事が。
知っておきたい事が、本当は。
本当は。

「……なら、お茶しながら伺いましょか?」

張り詰めた空気を吹き払うように。
笑い含みの言葉が彼女の口から零れる。
その事に、救われたような、苛立たしいような。
もやもやとした気持ちが胸の奥に渦巻いたけれども。
私も、軽く息を吐いて肩から力を抜く事にした。

「……ああ」
「あ、食器はそのまま置いといてくれはったらええよ」

言って、彼女は、背中を向ける。
言葉の軽快さとは裏腹にその背中は。
まるで何かを拒絶するかのように堅牢で。
近寄り難い頑なさを漂わせているように見えて。
それさえも、もしかしたら、思い込みなのかもしれない。
彼女の姿をそう見せているのはもしかしたら。
私自身の心のありようなのかもしれない。
その時、私は初めて。
本当は、彼女の心を、気持ちを。
その中に秘められた全てを、知りたいだけなのかもしれないと。
気付いた気が、していた。





うん。
ちょっとぐらぐらしてきましたので。
若干、改稿。
でもまあ、修正した所で。
何処でぶっ倒れる羽目に陥るか…かなり微妙(えー)。


2005年12月07日(水) ちょっと色々寄り道してる感じです。※ホントは20060504.

二回目まで行きましたですね。しずなつ習作。
方向性がイマイチ定まらないまま書き書きしているので。
書いてみたい場面や台詞をどんどん。
文字通り徒然に書き連ねている状態になってます……。
静留さんの手料理についてはもうちょっと。
書き込みたかったかなあ…(其処?!)。
味噌汁はきっと、普通の味噌と白味噌の併せなんですよ。
出汁はちゃんと、昆布とか鰹節使って取ってそう。
お味噌とか煮豆とか佃煮とか漬けもんとかは。
京都のお父はんからええもん届いてそう。
作る料理は煮魚とかお野菜の含め煮とかが多そう。
なつきは悪食らしいので、イマイチ味が分からなくて。
最初の頃はホントに水菜のはりはり風煮物とかに。
マヨ掛けて食べてたんちゃうかなあ…とか思った(笑)。
下手したら漬けもんにもマヨ掛けそう。
そりで極力生野菜のサラダを必ず付けて出すようにしてる。
静留さんが素敵やなあ…とか(戻って来い)。
風華学園のある場所は四国らしいんですが。
てことは、子どもの頃から(多分)ずっと。
風華学園に通っていたらしいなつきも一応。
ベースは関西人味覚なのかな。悪食やけど(まだ言ふか)。
そんな感じの場面も、書いてみたいなあとか思ったり。

まあ、このごった煮的な書き方は。
マリみてのミカン箱行き小話を書いていた時に近い感じですね。
書きたいものは多分、山ほどあるのだけれども。
書きながら探らないとまだ形が見えない、みたいな状態。
他の方のしずなつSSとか読んでも。
補完されない部分を探している、みたいな感触もありますし。

あんまし時間を掛けすぎるとあかんなあとは思いつつ。
まあ…リハビリなので許してやって下さいませ(ヲイ)。

つーか。

明日明後日は福岡で某ラヴ茶オフ会に参加なので。
ちょいと中断する予定です。
もしかしたらそりで脳味噌がマリみてに。
揺り戻されるかもしれませんが。
そしたら、更に中断期間が延びるかも(えー)。

いやいや。
日曜日のインテックスで頑張って『舞-HiME』探して。
どうにかしずなつカンを取り戻して参りますです…って。
漫画市みたいなイベントであるのかなあ…しずなつ本。
無かったら帰りに虎狩りかメロン狩りに行くしか(え)。


2005年12月06日(火) 続きました。※二回目。ホントは060503.

しずなつ徒然小話書き書きです。
でも何処まで書けるかちぃとも分かりません…(ヲイ)。






久し振りに足を踏み入れたその部屋は。
いつも以上に何だか綺麗に片付けられていて。
記憶の中にあった細々としたものが無くなっていて。
そうか、彼女はもう直ぐ此処を出て行くのだっけと。
当たり前の事を改めて教えてくれるようだった。

「直ぐ支度するさかい、ちょっと待っててな」

そういって、キッチンの方へ向かった彼女の背中を見送ってから。
私は、ソファセットに腰を下ろした。
ビデオセットすら既に梱包済みなのか。
テレビ台の上段は開いているのに。
何故だか、いつも私がここで時間を潰す時に使っていた。
ゲーム機と数本のシューティングゲームのソフトだけが。
いつもどおりきちんと下段に収まっている。

「静留、これ……」

思わず振り返って叫び掛けた私に。
冷蔵庫の扉を開けながら彼女が微笑み掛ける。

「良かったら、なつきに貰ってもらお、思てるんよ。
うちひとりやと滅多に使いませんよってに」

何の含みも持たせない声音が却って、胸に差し込んできて。
私は慌てて、テレビの方に向き直る。

「……邪魔になるっていうのなら、貰ってやる」

思わず返した言葉が、更に自分の胸に突き刺さる。

「邪魔になるやなんて……思てまへんえ?」

私の勝手な物思いを、分かっているのか、分かっていないのか。
キッチンを行き来しながらそう返してきた彼女の横顔は。
とてもとても、静かだった。



綺麗な夢のその果てに・2



液晶の画面を行きかう色彩や。
耳を刺激する爆音や電子音に出来る限り意識を集中していたせいか。
できましたえ、と彼女が声を掛けてくれたその時まで。
私の思考は完全に停止していた。
攻略途中のゲームをあっさり諦めコントローラを放り出す。
途端に御飯の炊ける匂いや醤油や出汁や…そんな食欲をそそる匂いが。
一気に鼻腔をくすぐって、思わず胃の辺りに手をやってしまった。

「ちゃんと、手、洗ぅてな」
「……分かってる」

ぶっきらぼうに答えながらゲーム機とモニターの電源を落とし洗面に向かう。
手を洗うついでに、目元も水で冷やすようにして洗う。
こめかみから目の奥に掛けて重いような疲労感。
まだひんやりと冷たい水道水で何度も何度も洗う。
気が済むまでやってから手にしたハンドタオルは。
いつも通り清潔な日向の匂いがした。
学園内で姿を見かけなかった間も彼女は。
几帳面なその日常生活を崩す事は無かったのだと。
ぼんやりと考えていた。

いつもの事だけれども。
彼女に食事をご馳走になる度に、食卓を埋める料理の内容に圧倒される。
同級の友人も面倒見が良くて料理が得意だから。
そのルームメイト共々、夕食の世話になってはいる。
けれども友人が用意するメニューが比較的シンプルで。
たとえるならファミレスのディナーメニューとするなら。
彼女のは、まさに家庭料理と呼び得るそれで。
なんでこんなにきちんとした食事を用意出来るのかと以前尋ねたら。
実家に居た頃から自分が早くに亡くした母親の代わりに。
台所に立っていたからかと、さらりと答えられてちょっと反応に困った。
言ってしまってから彼女も、しまったと思ったのだろう。
料理は、得手不得手、あるもんやし、と。
さりげなく言葉を継いでくれたけれども。
ぼんやりとそんな事を思い出していた私の目の前に。
そっと、御飯がよそわれた茶碗が置かれる。

「何や、お疲れみたいやねぇ」

笑い含みでそういって、彼女は私の真向かいの席に着く。

「食欲、あらへんとかはない?」
「……それは、無い」

言って、両手を合わせてから箸を手に取る。
料理の方へと意識と視線を集中させながらも。
彼女の視線や気配にどうしても、気を取られる瞬間がある。
訊きたかった事や、話したかった事が、あって。
けれども、自分と彼女がこうして会える時間や機会は本当に。
本当に、もう、残り少なくて。
その事にじりじりと焦るような気持ちとはまた別な所で。
彼女を過度に意識している部分が、自分にはある事を。
こうして、二人きりでいる時にはどうしても。
自覚しないではいられないから。

「なつき、そんなんにまでマヨネーズ掛けたら、あかんえ」

笑い含みの声に制されて。
黒豆やら蒟蒻やら筍やらを上品に炊き込んだ小鉢に捻り出し掛けていた。
チューブを握る手を止める。

「うちの味付け、そんなに愛想ないのん?」
「ち、違…!ちょっと、その…ぼんやりして」

拗ねたような声と表情はいつもの冗談だと分かっていて。
反射的に、慌てて否定の声を上げると、彼女は楽しそうに笑った。

「そっちのサラダには好きなだけ掛けたらよろしいよ?」
「わ、分かってる…!」

水菜やら刺身のツマ並に細切りされた大根や人参やらが盛られた皿に。
遠慮なく、マヨネーズを捻り出す。

「なつき、鴇羽さんの作ってくれる料理にも、盛大マヨ掛けてはるねんてな」

更に楽しそうに続ける言葉に、思わず顔を上げる。
彼女は、穏やかに目を細めて私を見ている。

「なつきに会うちょっと前に会うて、久し振りにお話しさせてもろたんよ」

何でもない事のように続けて彼女は、味噌茶碗を手にしてそっと啜る。

「ええお友だちやね。うち、安心したわ」
「……何でそんな事で」

安心するのだと言い掛けて、口を噤み、箸の先でサラダをかき回す。
理由なんて本当は、良く分かっている。
ただ、時間に急かされてじりじりとする気持ちや。
祭りの前には無かった、彼女との間に生まれた距離への意識を。
わざとの様に思い出させる彼女の言葉が。

「堪忍な」

なぜ、謝る、と呟き掛けた言葉も、飲み込んだ。
それは、とても聞き慣れた彼女の言葉だけれども。
その顔に浮かぶのはいつもいつでも。
自分に向けられていた笑顔だけれども。
その裏側に存在していたものを知ってしまった今となっては。
それらがどれだけ、彼女の本当の心から遠いものか分かるから。

「……おまえは、いつも、そればかりだ」

やっとの事で零した言葉に、彼女の手が止まる。





つ、続く…のかな…?(汗)
後で書き直す可能性大(え)。

つーか。
食卓シーンの為に。
京のおばんざい関連を頑張って検索した己が此処に居ますよー(何)。
全然役に立たなくて、おにゃか空いただけなのは此処だけの…(伏し目)。


2005年12月05日(月) どないしょ。※ホントは060502

静留さんの台詞を考えるのが楽しぅてかなん…(ヲイ)。
なんかこう、耳の中であの。
進藤さんの声が響く感じで、めっさ楽しい…(ヲーイ)。
なつきの台詞を考えるのも、楽しいです。
つーか、うっかり一人称で始めてしまったので。
あの、ひっくぅい、でも、どっかかいらし千葉さんの声で。
延々と地の文を埋めていく感じがして。
ちょっと、嬉しい…(……帰って来い、己)。

原作が小説やコミックスだと。
こういふ感覚で書くって事、滅多にないんですが。
アニメ観た後で読んだ『十二国記』は一時。
陽子主上の声があの声になって面白かったですが。
『マリみて』は…どうかなあ…。
アニメやドラマCDのキャストの声の影響。
うーん…あるやうなないやうな。
でも、自分が書いた小話上での台詞を。
あの声で再現されたら、多分、昏倒する(え)。
や、なんかこっ恥ずかしくて…む、無理!みたいな(えー)。

『舞-HiME』は。
最初がアニメで絵があって声があって、なので。
かなり生々しく自分の中にキャラたちの容姿や声が。
食い込んできている気がしますですね。
もっとちゃんと、最初の回から何度も見直したり聞き直したりした方が。
もっとちゃんと、彼女たちに近づけるやうな気がするのですが。
それやり過ぎると多分、この先逆に何も書けなくなりそうで。
ほら、設定とか世界観とかタイムテーブルとか(其処?!)。
だもんで、今書き掛けのは、手元にある。
DVDの5、8、9巻と、アニメブック1、2学期と。
ドラマCD2枚にイメージソング集2枚を手掛かりに。
書き進めやうと思いますです。

つーか。
進むのかな、これ(ヲイ)。

<20060502>


2005年12月04日(日) 行けるところまで。行ける間だけ。※一回目。ホントは060501.

続けてみます。
オチは用意しておりません(何)。
無駄にだらだらと長く続ける可能性、大。
書くの嫌になったら消すかもです(何々)。

・時期は。
祭後から卒業式までの間。
詳しいタイムテーブルやら設定やらが手元にある訳ぢゃないので。
多分、公式設定色々無視しまくりな予感。

・しずなつです。一応(一応?)

・タイトルは(仮)です。なつきソングからまんま頂きなので(え)。




温む空気に甘い香りが入り混じり始めている事に気付いて。
胸の中の落ち着かなさに気付く機会が増えた。
再開された学校生活。
でも普段通りになるにはまだまだ障害も多くて。
何より、自分が頻繁に出入りしていた場所ほど。
祭の後の被害は甚大で。

「また、さぼり?」

明るく真っ直ぐな声が背中に飛んで来る。
それへ軽く右手を上げてやり過ごそうとしたけれども。

「あんた、普段が普段だったから、やばいって」

気配に気付いて振り返るのと同時に、腕を取られる。

「い、いいんだ。どうせ自習だろう?教師もまだ揃ってないんだし」
「自習でも一応、課題出てるし出席も取るのよ」

文句言わないの、と人の腕を勝手にぐいぐいと引っ張るお節介な奴。
祭の前の一時、鳴りを潜めていたその強引な姿は。
まるでその間に挟まっていた凄絶な時間を切り取って。
過去を現在にあっさりと繋ぎ合わせてしまったようなさり気なさに満ちていて。
多分、私の心はこいつに、随分と救われている。
でも。

「……ちょっと、用があるから」

邪険にならないように気をつけながら、足を止め、その手を振り払う。
それでも、ちょっと吃驚したように彼女は目を見開いた。

「何?まさかあんたまた危ないこと考えていたり」
「しないしない」
「……だよねぇ」

一瞬だけ真剣になった眼差しが緩むのへ、苦笑を返す。

「まあ…無理強いしても仕方ないか。ああでも、明日はちゃんと出るのよ?」
「分かった分かった」

面倒見が良いのにも程がある。
けれどもそこが、こいつの良い所でもあるから、否定はしない。
離した右手を、行ってらっしゃい、と振って、彼女は背を向ける。
その潔さが、ちょっと居心地良くて、面映かった。

――友だち、か……。

思わず胸の中に落とした呟きが、意外な重さを伴っていて。
私は、溜息を一つ、零していた。



綺麗な夢のその果てに・1



情報屋のヤマダが最後にサービスしてくれたバイクは。
結局、大して乗り回せない間に大破してしまったから。
今の私には己の足しかない。
住んでいた街中のマンションも引き払う羽目になった事だし。
面倒だとは思いつつ、学生寮に入る事にした。
学園敷地内にあるその建物までは、徒歩にしてそう距離は無い。
まだ就業時間内だからあまり堂々と歩くのも憚られて。
自然、校舎脇の植え込み沿いだとか、プールの裏の小路だとかを選んでいく事になる。
本当は、勿論、用なんてない。
ただ、今の自分には、校舎や教室の中になかなか、居場所を見つけ難いだけ。
全校生徒の大半がまだ戻ってきていないという理由で。
僅か1クラスに集められた高等部の生徒たちの中には。
見知った顔は多いとは言え。
そこが、自分が帰るべくして帰ってきた場所だとは到底思えなくて。

――馬鹿だな、私は。

祭が終って、全てが終った。
今まで自分が追い掛けてきたもの、全てが。
思い返せば、何て狭い場所で、独り、足掻いていた事だろう。
私を突き動かしていた復讐心もその為の行動も全て。
その復讐相手の手の上での戯れ事でしかなかったのかも知れない、と。
最後に思い至った時には、笑うしかなかった。
決して一枚板では無かった『一番地』。
そのどの部分が私を囲い、泳がせ。
躍らせていたのかは今となっては分からない。
迫水辺りを突いた所で、決して彼は口を割りはすまい。
結局、彼らの手の内で踊らされる事でしか。
あの頃の私には生きる術が無かったのだ。
私を、HiMEとして生き長らえさせる為に、だとしても。
そのお陰で今の自分がいる事は、否定出来ない。

――……あいつは。

そう結論付けた後で、ふと思い浮かんだ顔が、あった。

――あいつは、それを、どこまで知っていたのだろう。

そう思いついたら止まらなくなった。
けれども、本人に確かめようにも。
生徒会の引継ぎやら受験やらで相当忙しいらしく。
この所は、寮にすらその姿を見せないでいる。
心配を掛けまいとしてか、定期的にメールを寄越しはするけれども。
実際に顔を合わせて話したのは、数日前が最後だった。

――……会いたいな。

会って、ちゃんと確かめたい。
あいつが、どこまで気付いていたのか。
そして、聞いて欲しい。
その事であいつを責める気が私には全く、無い事を。

――……って。何を考えているのだろうな、私は。

何かから気持ちを逸らすような感触を胸の中に覚えて。
軽く、首を左右してそれを振り払う。
プールの裏道は今現在は手入れの必要性が低いと見なされているのか。
敷石の隙間から逞しく延び始めた雑草が目立つ位荒れていて。
油断すると詮無い思考に捕らわれ始める私の注意を、時々、引いてくれる。
だから、今はただ、足場の悪い小路を歩く事に専念する事にした。
そのせいだった。
いつもなら、気付いていた筈の気配に気付くのが。
ほんの一瞬、遅れた。

「……なつき?」

耳元に届いた声は、思いのほか近くて。
反射的に後ずさるようにして振り返るとそこには。
私の思考をさっきまで締めていた。
穏やかな笑みを湛えた彼女の顔があった。

「し、静留……!」
「……嫌やわ、そんな幽霊にでも会うたような顔して」

口元に手を添えて、笑顔を深くしてみせる。
そんなちょっとした仕草に、どうしようもない後悔が押し寄せる。

「や、ち、違うんだ。ちょっと、考え事をしていて、それで……」
「吃驚しただけ、どすか?」
「……う、うん……」

私が回した下手な気なんか、お見通しなのだろう。
あっさりと言葉を補うと、彼女は口元の手を下ろす。
それにしても久し振りやなあと、しみじみと呟いてみせた。

「あんじょう、学校行ってます?今日はどうやら、サボりみたいやけど」
「あ…うん、いや、今日はちょっと…用があって」
「大事な出席日数犠牲にせなあかんような、御用?」

そらたいへんやなあと、くすくす笑う。

「そやったら、引き止めて悪かったんと違います?堪忍な」
「いや……」

彼女の笑顔に、せめて苦笑いだけでも返せたら良かったのに。
私ときたら、視線を落としたまま、言葉を探しあぐねている。

「……もう、済んだんだ、実は」
「そう?」

落とした視線をゆっくりと上げた私は。
彼女が私服姿である事にやっと気付いた。

「今日は、お部屋探しやったんよ」

いつも通り、私の視線の意図を先回りして彼女は答えた。

「大学の寮は、条件が相当厳しそうやし。入れるかどうか最後まで分からしませんよってに、もう、普通のお部屋でええか思て」
「え?静留、もう、大学決まったのか?」
「ああ、そうどすなあ。なつきには、知らせ損のぉてたわ」

県外も幾つか受ける事は受けたけれども、結局。
風華の大学に進む事にしたのだと、彼女は続けた。

「中途半端な大学通う位なら、地元で進学せえ、言われそうで敵んし」

成程、彼女の実家は関西でも有数の大学街を擁する都市にある。

「……帰らなくても、良かったのか?」

つい、口をついて出た問いに、私はまた思わず視線を落とす。

「なんで?どうせいずれは戻って来い、言う話になるんやろけど。
学生の内くらいは、自由に過ごしたいわ、うちも」
「そうだな……」

今度は、上手く笑えたかもしれない。

「で、御用の済んだなつきは?今日はもぉ、寮に帰るだけどすか?」
「ああ……うん」
「ほな、一緒に行きましょか」

淡い色の長いスカートの裾をさばくような足取りで、彼女は私に背を向けた。
いつからだったろう。
彼女が、決して私の横を歩かなくなったのは。
後ろを行く事もまた、なくて。
必ず、少し前を歩いて私には、背中越しの横顔しか見せない。
それはまた同時に。
私の顔をまともにみない位置を必ずとる、という事だ。
それは、祭以降の二人の間に彼女が置いた、ルール。


「そや。今日は晩御飯、どないしはりますのん?鴇羽さんらと一緒?」
「いや。特には、決めていない」
「なら、久し振りにうちがご馳走しましょか?」

月杜まで出掛けてたから色々と食材を買い込めたし、良かったらと。
穏やかな声音で彼女は続けた。
多分ここで私が否と言っても彼女は。
決して、傷ついた顔を見せたりはしないのだろう。
そう思わせる、静かな、けれども。
どこか遠い声。

「……うん。頼む」

答えた私の声は、我ながら。
どうにも頼りなく、小さかったけれども。
彼女は振り返らなかった。
ただ、嫌やわ、頼むやなんて水臭いわぁ…と。
当たり前のような声音を、背中越しに返すだけだった。



続く……かもしれない。
つか、そろそろ人名・用語を辞書登録しろよ、己……(其処?!)。
<060501.>


2005年12月03日(土) 久々に、徒然と書き書きしてみたり。※ホントは060429

今まさに自分が。
此処に存在する恐怖。

…と。
踊り狂うのとは別次元の感覚を。
不意に思い出してみる、疾走途中の己だったり(何)。

桜咲く頃を真ん中に置いて。
その前後、色々と突っ走ってきていたのですが。
そろそろ、電池切れが近付いて参りましたですかねえ…。
久々に、胃が痛いです。
んでもって、これまでの春と違って。
ちょっと、身辺に窮屈な枷を自ら嵌めている心地なども覚えてみたり。
これはまあ、極、個人的な感慨ですが。

はてさて。
『舞-HiME』観ていてなんつーか懐かしいなあとか。
そうそう、この感覚とかって思う時がふとあって。
あの世界観とか物語展開とか設定とか。
特別目新しいものではなくてほら。
己らが中高生だった頃に色々夢中になっていた。
伝奇ものだのファンタジーだのSFだのに。
何だか風味が似ているなあ…みたいな?
そんな懐かしさ。
ええ、紀州さんに物語のアウトラインを説明していて。
「懐かしいなあ」…と呟きあっている辺りが(何)。

作り手の皆さまとの。
世代的な近さは否めませんけれどもね、確かに…(伏し目)。

だからほら、某所で書き書きしてみたやうに。
自分がかつて書こうとしていたオリジナル小説に。
微妙に設定とか世界観が被ってたりするのも道理かなあと。
で。今あれ書いたら、絶対。
『舞-HiME』の影響受けましたね?って言われそうなのが。
何とも、アレやなあとか思っていたり。
まあ、受けますけれどもね。書いたとしたら絶対に。
つか、その手があったか…!と言ふ部分が物凄くありますから(ヲイ)。
その辺、構想だけで留まらずちゃんと世間に。
世の中に作品として形を成して提供されているものの。
確かさ強さには敵わないなあと。
や、負け惜しみではなく。
作り手側に回る事の凄さを認識中な訳です。

つーことで。
何が言いたかったのか意味不明なままに、終了(何)。


2005年12月02日(金) 勢いついてる間にこっちも書いておきます(何)。※ほんとは20060427.

「綺麗な夢のその果てに」を。
エンドレスで聴きながら。
合間に「片恋艶花」を流す日々(何)。

真夜中のラヴレターBy静留。
ありえへんなあ…ほんまに…(伏し目)。

※追記。
携帯からだと半纏…もとい反転仕様はチェック出来ない事に気付き。
一挙に晒し上げ…(伏し目)。



いつから、うち。
あんたの事、分からんようになってしもたんやろね。
あんたの想いの強さが、うちに向けられる憎しみと。
怒りと思て、辛かった。

あんた、そないな子やなかったのにね。
いつも、いつでも、痛い位に真っ直ぐで。
自分の信じたもんの為には余所見も出来ひんお人で。
大事にしてるもの、失くす痛みも、良ぉ知ってて。

それでも、うちを、好きやと言うてくれた。
違うと分かっていて、それでも好きやと言うてくれた。
自分に絶対嘘をつかれへんあんたの瞳、見誤るほどに。
血迷た自分が、いっそう辛い。

うちなぁ。
あんたの為や…言いながら、ほんまは。
うちの為に、あんたを求めてたんやね。
人の為に、人を求める強さは、ほんまは。
あんたの心の中に、あったんやね。

そやから。
うちは、本当に、嬉しいんよ。
あんたと戦こうて、こうして一緒に消えてゆける。
酷い話やけど、うちは、嬉しいんよ。

あんたの笑顔、ほんまに素敵どすな…。
ずっと、ずっと、見たかったん。
重い荷物全部その背中から降ろして。
うちに笑い掛けてくれる、その笑顔。
ほんまに、ほんまに見たかったん。

有難う…なつき。



泉州人が書く。
ものっそい嘘っぽい京都弁でお送りしました。消滅(ヲイ)。


2005年12月01日(木) すんごい勢いで(『舞-HiME』祭は此処から開始)。※実は060427

急降下はまり込み中なんですが、ええ。
何で今更と言われても…説明に困る位(ヲイ)。

そんな感じで、『舞-HiME』です。
勿論、しずなつです。
や、ぶっちゃけなつしずでもオッケーなんですが。
つーか、乙女は基本的にリバ仕様ぢゃないですk(蹴倒

ともあれ。
手元に本編のDVDもなーんも無い状態で。
アニメブック一学期・二学期と。
ドラマCD二枚にキャラソング集二枚と。
アンソロジー三冊抱えただけで。
ホント、今更何をやるねんってセルフ突っ込みかましつつ。
ちょっとだけ(え)。

テーマは。
恥ずかしさの余り。
二度と読み返したくない真夜中のラブレターByなつき(何)。

※追記。
携帯からだと半纏…もとい反転仕様はチェック出来ない事に気付き。
一挙に晒し上げ…(伏し目)。




ひとけの無くなった学園を。
友だちと二人、歩き回った。
いつか、おまえが望んだとおり。
私の心は、何の憂いも無く静かだった。


けれども。
なぜ、ここにおまえが居ないのだろう…と。
ふと思う度、胸が痛かった。
門を潜り、中庭を歩き、教室を巡り。
友と笑顔で語り合いながら、あの花園を望み。
夕暮れの中ゆっくりと歩く私を、おまえが。
いつものように何処かから。
見ていてくれてるんじゃないかと。
錯覚する度、痛かった。


あの日、あの時。
私はおまえを受け止められなかった。
おまえが流した涙ごと。
私がこの手で、何もかもを受け止められたなら。


けれど。
もう、遅いとは、思わない。
手遅れだとは、思わない。
おまえが世界を壊してでも、私を望むなら。
私は私の全てを懸けて、おまえを止めてみせる。


想いの形が違うくらいで。
おまえを、私の中から失いたくはない。
この気持ち、必ず、伝えてみせる。
必ず、伝えてみせるから。


待っていろ、静留。




そんな感じで。
決戦前夜でした。玉砕(何)。


一橋@胡乱。 |一言物申す!(メールフォーム)

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