毎日、何度もRを思い出す。


毎日思い出す度、
「今日は○時まで思い出さずにいられた」
「今日は●時まで…」


って空しいくらいに、自分の中の小さな前進を探した。
か弱くて歩みを簡単に止めてしまうわずかな前進。


一歩進んで、二歩下がって。
二歩進んで、一歩下がって。


その繰り返し。
一日に何度も繰り返す毎日。


忙しさ。
それだけが救いだった。

元彼（R）と別れてから、少し惹かれた人（K）。


出会って沢山話をして、少しKを知った。


傷付いてきた人。もしかしたら私以上に過去に苦しんだ人。

Kに私はただ足りなかっただけ。


追いかける元気は私にはなかった。
苦しい思いをする事が予想できるこの恋は、
始まらないままの方がいい。そう考えたから。



なによりもただ単純に、
素直な気持ちで、幸せになってくれればいいと思った。

私たちは何も始まっていなかった。

だから、終わりもなかった。ただ、いなくなっただけ。




それから少し忙しくなった。


Kを思い出さなくなるまで、そんなに時間はかからなかった。

また全部でRを思う日々が続いた。

その人とは始まらなかった。


楽しく遊んだ。


沢山話した。沢山聞いた。


それでも足りなくて、
もっと話したいと思った。もっと聞きたいと思った。
もっと聞いてほしいと思った。もっと話してほしいと思った。


だけど。

残念だけど、私達に始まりはなかった。


そして私の前からいなくなった。
2年前の8月の初めの事。



しばらくはまた元彼を思い出していた。


めそめそしていた。



そんな1年前のちょうど今日、父が入院することになる。

元彼を忘れる切っ掛けをくれた人。


元彼と別れて、
ウジウジとしていた毎日。張りのない毎日。


ある時出会った人に、私の心は少し傾いていった。


ドキドキしていた。もっとこの人を知りたいと思った。


純粋で、優しくて、繊細で、頭がよくて。そんな人。


2年前に出会って、

2年前に始まる前にいなくなった人。

この日記、生きていたんだね。


最後に書いたのはもう2年半以上も前の日付。
それからの私は変わってしまった。


付き合っていた人と別れ、
何もない人になってしまった。


自分でその時の素直な気持ちをありのまま、
リアルタイムで書いてきたこの日記。
読んでいて何度も泣きそうになってしまった。

「こんな事もあった」

「この時はこんな気持ちだった」

「すごく大切だった」


ただ、今もし、
戻りたいかと聞かれたら、戻りたくない。


ようやくそんな気持ちになれた。
また、ここにいろんな気持ち書いてみようかな。