■人の考えは人の数だけ。ピッタリ同じものは無い。有り得ない。 推し量ってもそれに正解などなく、いつだって想像なんて本当にちっぽけで 予想もしないことだって在って当然なのだ。 自分の考えが正解で正常で間違ってない、なんて、他人に押し付けることはできない。 自分が絶対だ、なんて堂々と表現出来る時期は通りすぎた。
■それでも生きていくうちには人と関わり合うことになる。 違う意見と意見のぶつかり合い、 ヒリヒリと痛むその間にあるのは果たして「妥協」なのか?
■ある人は「それは違う」と言った。 自分と違う意見と認めて、出来る事は出来る、譲れないものは譲れない、とするだけだ、と。 私にはそれを理解することは出来なかった。ぶつかり合いには傷口が生じた。 けれどそれと引き換えに、私はもっと大きなものを手に入れた。 信頼という名のもの。 泣き喚いて、心をかき乱されて、ボロボロに崩れ落ちたその中心にそれは存在した。
■ひとりでは生きていけない。 目に見えない空間に絡み合うものが在る。 私からも、誰からもそれは縦横無尽にそれは放られている。 その糸を切れば、痛みを感じるのは自分だけじゃないと知っている。 それを知ることが出来た。
■私が一番混迷の中にいた17歳から19歳の頃、 その後10年生きている気がしなかった。 14歳の頃からしょっちゅう死ぬ事ばかり考えていた。 でも私は確かに生きていて、 そして、生きていてよかったと思えている。 それは、あの日の出来事のおかげ。
■4月20日。 あれから何度目かの同じ季節を迎えている。 たくさん泣いて、たくさん笑って、 私はかけがえの無い思い出をたくさん抱えている。
|