詩のような 世界

目次


2006年09月27日(水) 着衣



グリーンの

洋服が好きなひとは

草原にダイブしたり

天まで伸びるような木の上で

静かに目を閉じたりしたいと思っていた

たとえ、眠れなくても


ひらひらしたスカートは

風にどれほど軽く舞うかが重要で

白っぽい脚が透けようがかまわない

靴だって重たいから

本当は裸足でくるくる踊りたい

でも、そこらじゅうに地雷が埋まっている


街はデニムを制服にした

巨大なひとつの会社のよう

青で溢れても空色とは違いすぎた

その制服を着てどこかを目指し歩くひとたちには

すぐ上の青空、見えているかな

見えているかなぁ



2006年09月01日(金) 無感


冷え切った海の

限りなく底に近い場所に

ぼくは住んでいる

いや

定住する場所などないのだから

泳いでいる 泳ぎ続けている と言ったほうがいい


ぼくなんかがたどり着けることのない

はるか上の上には

ぶ厚く透明度ゼロの氷がこの海を覆っている

それを知り嘆くものもあれば

諦めて融ける時を待つものもあれば

氷が張っていること自体知らないものもいる


泳ぐことをやめることはできない

べつに誰にも禁止などされてはいないのだが

ただ単にその術を知らないだけだ

ぼくたちは



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