詩のような 世界

目次


2005年11月25日(金) 微笑



都会から離れると

そこには大きな大きな空があった

空とはこういうものだったんだ

つまり僕が今まで「空だと思っていたもの」は

空全体のほんのひとかけら(つまり空とは言い難い)


天使の羽が描かれている

僕もあそこへいきたいな

両手を伸ばすのが少し恥ずかしくて

目を閉じて想像したんだ

ねぇ 世界はもう1つあるのかな


気がついたら何年か経っていた

としてもね

あの空の下にいる僕は変わらないまま

残像のように立っているだろう

今度は、きっと誰かと一緒に



2005年11月09日(水) 白い生命線



巨大な穴を開ける 午後

滴るマニキュアは 磯の香り

暗くなる前に出かけましょう

始まりは すぐ終わりになるのです


灼熱地獄を懐かしむ11月は

何を迎えるために過ぎるのでしょうか

新しい靴は 小さな家を買えるくらい高価

一心同体のわたしは 影


あの飛行機雲は太すぎて奇妙だと

誰かに教えたくて右と左を探しました

影も形もないとは このこと

前と後ろには興味がわかず


わたしも線を描きたくなり

待ち人のことは頭から吹っ飛び

あの雲よりも白いチョークを求めることだけ

だけです


恐れる必要はありません

命を失ったように冷たくなったアスファルトに

叩きつけてゆく 白い生命線

つながってゆく 影と影が 


疲れきり 倒れこんだところはベッドの上でした

ぷかぷかと気持ちよく浮いている夢を見ながら

最後の人は 最初の線と結んでくれたか 

ふと心配になりましたが そのまま夢に沈みました



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