詩のような 世界

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2005年01月21日(金) 小さき者



わたしは ちいさいひとを だきしめる

わたしは おおきいひとに つつまれる

下界の住人であるわたしは
雲の遥か上を知らない

そのことが 悲しすぎて
諦めるには 大きすぎた

青い山の天辺 
髭が地を這う仙人を見た

彼の周りは 薄らいでいた
空気が凍る寸前まで冷えるが
耐えなければならない なぜなら
わたしは まだ離れたくないから

細く流れる川のような髭は
一体どこまで伸びてゆく気だろう
やがてわたしは巻き取られるのかもしれない
そんな奇跡が起こったなら

ちいさなひとを だきしめ ねむる

おおきなひとに つつまれ おきる

まだ 足は土を踏むけれど

大地を蹴り空へ飛びたくて
ここで重い靴を脱ぎ捨てる




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