日々日記
いちらんふるいあたらしい


2009年09月26日(土) 秋風

秋になると死んだ母方のじいちゃんをよく思い出す。

じいちゃんちは中山道妻籠宿の土産物屋だったので、遊びに行くと
お昼はいつも宿場の食堂に大皿を持って行って、山のように五平餅を買って来たものだ。

夏はだいたいそうめんメインなんだけど、秋冬は五平餅メインの昼食だった。
鼻が匂いをまだ覚えてる。香ばしいんだ。


そんで時々、大きな水車のそばにあるお店に連れて行ってもらって、ザルそばと馬刺を食べた。
じいちゃんは馬刺で熱燗を飲んでご機嫌だった。


初めてそこへ行ったとき、「じいちゃんこれ何?」って聞いたら、
「馬刺」って言われて「?」ってなった。

「ばさしって何?」
「馬の肉だよ。お前馬刺知らないのか。ハッハッハ。愉快愉快!ほれ食べてみろ。」

戦慄が走ったね。何が愉快かと。

だってさ、それまで馬は食べ物だとは思ってなかったから。

しかしながらわたしは馬を食べるということにほんのちょっと興奮を覚えた。
なんだか禁断の食べ物を口にしている気がしてワクワクしたのもホント。

でも実際食べたらおいしかったから、そんなおののきはすぐ無くなった。
むしろ、馬刺をおかわりしてさらに愉快がられた。

あー、懐かしいな〜。

ちなみに、「愉快愉快」はじいちゃんがご機嫌な時の口癖。


そんなじいちゃんも、ばあちゃんを先に亡くし、
惚けてからずっと面倒を見てくれていた、たった一人の息子を自殺で亡くし、
生家とは別の場所(母の姉の家)に引き取られ、そこで老衰で亡くなった。

生きていると、一生懸命だろうが、正しかろうが、どのみち何かが降り掛かる。
運命ってのは残酷だとよく思った。

じいちゃんがおばの家に行ってからはよく会いに行った。
私をよく母と間違えたけど、たまにシナプスが繋がると思い出してくれた。

逆さまに持った新聞を毎日一生懸命読んで、話しかけるとにこにこ笑ってた。

じいちゃんが亡くなったとき、火葬も葬式もおばのところでやったから、
せめてじいちゃんの生家の近くの野の花を、と思い、田んぼの畦で花を摘んで行った。

そしたらおばちゃんがそれを棺に入れてくれたっけなぁ。



…こんど帰省したら、
墓参りして、そんで五平餅とか馬刺食べに行ってこよう。


2009年09月25日(金) 覚え書き(メモ程度)

なぜだかわからないけど、

秋になって、空が青くて高くて、風がそこそこ冷たくて、
突然の風に、紅葉した枝が大きく青空に翻って、

そして鼻に、紅葉して落ちたばかりの葉っぱの甘い香りが届くと、

無性に、無性に嬉しくなって、そして同時にすごくハラハラする。


多分、私の思惑とか置かれた状況には全くおかまいなしに、
自然の営みがつつがなく進んでおるというようなことを、全身の感覚で知るからだと思う。

わたしが生きてようが、死のうが、そのような進行でいくんだな、と思うと、
わたしたちがこの地球上に立って生きていられることになった来し方と、

最悪、全人類が滅んでも地球は営みを続けるとしたら…などと想像して、
その想像の及ばないスケールの多きさに「うわー」と、ただただ圧倒される。


ふつーに暮らしているけれど、今ここにこうしていられるのって
なんだかすごいことじゃんよ。と思うわけで。

で、そのスケールの大きな大きな営みの中で、生まれては消える無数の泡みたいに、
我々人類が生まれて死ぬを繰り返しているのもすげぇなと、感嘆するわけで。

その泡の総体が増え続けてるのも凄いことで。

そして、その一瞬の泡たちに、人生というものがある。
どんなに辛くても、つまんなくても、誰にも代わってもらえない。
誰も代わってあげられない。なかなかに峻厳。

月には行けるようになったが、
生老病死の4つの苦しみを乗り越えることは未だ難しい。

ああ、そんで宗教はうまれるのか。

ふーむ。

人間って不思議だな。
今こうしてものを考えながら日記を書いている自分のことがそもそも不思議じゃよ。


春は芽生えの季節で、冬があけたことが単に嬉しいから、こんな風には思わないんだよなー。
秋の魔法ですかねー。


2009年09月24日(木) 鬼まんじゅうを求めて三千里

眠れない。

体がぽかぽか暖かくて全然寝付けない。

仕方なくネットサーフィン。この言葉ももう死語っぽいね…。


というわけで、秋と言えば「鬼まんじゅう」だよねー。と思い立ち、
都内で買えるお店があるか探してみるが、皆無とわかる…。


ええええーーーー。

あんなおいしいのに。
お芋と、ういろうのハーモニー。もちもち。やさしい甘さ。ボリューム的にも満足。

わたしの中では、蔦屋製菓舗(@長野県木曽郡南木曽町)の「赤飯まんじゅう」と
どっこい勝負のおいしさなのに…。

ちなみに、蔦屋製菓舗の「赤飯まんじゅう」は、わたしのNo.1ソウルフード。
世界で一番うまい。どんだけ食べても飽きない。


鬼まんじゅうは、そんなinu-chanが赤飯まんじゅうと同じくらいに心寄せる一品。つか逸品。
うそでしょー!東京には何でも売ってるんじゃないの?

名古屋飯だから?ジャンクフードだから?

買えないなんて。わー。大ショック。


日持ちしないから送ってもらえない。作るしかないのか?
でもうちには蒸し器がないぞー。電子レンジじゃ芋じっくり加熱とか無理よね。

斯様に、鬼まんじゅうへの道は遠くて険しいのでした。
あああ。なんで思い出しちゃったんだろう鬼まんじゅう。


2009年09月23日(水) 秋だから?

家の中で、菌類のにおいがする。なぜー?秋だから?

濡れた洗濯物とか、カビとかのにおいではなく、
繁殖に繁殖を重ねた「菌糸」の香り。

キノコのにおいをもっともっと濃縮した感じ。


それがどっからともなく漂ってくる。たまに無防備に鼻に入れてしまい、うっ!てなる。

住むには快適だが、たまーに不思議なことの起こる家だ…。


2009年09月16日(水) ピンクな季節

もう絶対会えるもんだと信じきって出かけたのに、
好きな人に会えなかったー!!!!

哀しみの京都2009年9月吉日。ちーん。


我々を隔てる障壁はチョモランマより、うんにゃ、霊鷲山よりも高いとみた。
助けて釈迦如来!


なんだよー。
なんでいないんだよー。

えーん。えーん。


さて困った。新たなとっかかりをさがさにゃなりますまい。


と、消沈するわたしを尻目に、友人たちはピンク色一色。
同じ片思いでも、リアルで相手に会える人はいーよね!!!うらやましいったらないね!!


でもその友達2人、どっちもよくモテる人で、
これまで自分から告白したことがない(自発的に誰かを好きになったことがない)人と、
狙った男は百発百中で落としてきた(なびかない男はこれまでいなかった)人なもんだから、

2人して、わぁわぁと恋愛相談をしてくるから面白い。


みんなでがんばって好きな人、捕まえたいねぇ。


2009年09月15日(火) 修行のこと。覚え書きのようなもの。

先週末、比叡山で一日修行してきた。

ほぼ99%以上信者さんで構成されてる中で、黙々と歩いた。


外はまだ真っ暗な丑三つ時に起床。
前日に降り止まなかった雨が上がって、薄雲の向こうに欠けた月がほの白く見えて幽玄な雰囲気。

やがて準備体操と、阿闍梨さんに頭こっつん(正式にはなんていう行為なのか?)されて、
真っ暗な中を懐中電灯をたよりにして出発。


50代後半〜70代くらいの人が大半なのに思ったより歩く速度が速く、
遅れないよう必死で付いて行った。


要所要所、阿闍梨さんが比叡の山の中で立ち止まり、場所や行の意味、
作法について説明してくれる。


今回は友人に誘われて付き添い参加したので、
行くまで難しいことは考えずにいたんだけど、修行が始まっちゃったらそうもいかない。

到着してすぐ天台宗のお務めが始まってガクブル。

あたし何やってんだ。作法もお経もわからない。
でももうやるしかないや。と思って腹をくくった。


で、参加してわかったこと、びっくりしたことがある。

阿闍梨さんがすごく徳の高い人だということ。

すごーく優しい。たぶん、この底が見えないくらい深そうな優しさとおんなじだけの深さで、
きっと厳しいんだろうなと感じた。

この優しい人の言うことはちゃんと聞きたいなぁと思い、
自分は天台宗の人じゃないけど、ちゃんと真剣に歩ききった。

会ってすぐ阿闍梨さんを大好きになった。そんな人には滅多に出会わない。



それまで持っていた千日回峰行にまつわるいくつかの「?」に対し、修行は
すごく明確に答えを示してくれた。

言葉にはならない形で、つまり振る舞いや空気のようなものによって、
体の中に流れ込んでくる感じ。


根本中堂もすごかった。汗まみれで、くたくたのよろよろ状態で見たんだけど、
百年、二百年程度の時間じゃ醸し出せない重さ、もうなんとも表現し難い荘厳さが
しっかりとそこにはあって、ああこれが歴史の重みってやつか…って感じた。


1200年、一日も休まず朝晩、世の中の平安を祈っていると聞いて、もうね…。


1200年ですか…、そして今新しく祈りが継がれていく先端に私はいますか、と思うと
非常に不思議な気持ちがした。なんだかわかんないけど、嬉しくなった。


途中で見かけた別の阿闍梨さんのおうちに立派なBMWがあったのも、
私はある意味わかりやすくていいと思った。

現代では坊主だっていい車に乗りたいし、乗れるのだね。

それを、信者の立場から見るのか、研究者の立場から見るのか、
他宗教への寛容さに欠ける宗教の信者として見るのかで、全く変わってくることが面白い。



たった20時間弱の修行だったけど、終わったあと「清々しい気分」とか
「生まれ変わった私」とかいう気分じゃなく、

「で、ようするに宗教ってなに?なんなの?」という問いが、
ますます強くなってのしかかってくるのだった。

なんなんだか全然わからんぞ。大混乱。だからもっと勉強しよっと。


2009年09月05日(土) やさしい弟

弟(17歳で思春期をこじらせて以来、ずっと思春期まっただ中の今年26際独身会社員)が、
実家で飼っている犬(とむ)を洗ってくれた。

とむの体中にウイルス性のおできができちゃって、
薬を飲みながら、週に1回薬用シャンプーしなくちゃなんないんだけど、
私の帰省中に3回しか洗えなかった。

せめてあと2回は洗いたい。しかし母は忙しい。父はそういうこと向かない。

そして白羽の矢が立ったのが弟でした。


じゅん君、とむ洗ってくれたかなぁと思い母に電話したら、
とっくにやってくれたそうだ。真面目な子だよ。

弟は、じいちゃんと犬を大事にしてくれるいい子だ。心強い。


とっても嬉しかったので日記に書いてみた。
姉ちゃん感無量ですよ。


2009年09月04日(金) きたよきたよー!!!

ノルディックウォーキングを始めた。


も う ね 、 最 高 に 面 白 い 。


あんまり面白くて、立川での体験会が終わった足でインストラクターさんと石井スポーツに寄り、
LEKIというメーカーのポール買っちゃったもんね★

価格は2本で12600円。ビンボー学生には痛い出費だけど、購入に迷いはなかった。
これから先ずっと、あちこちそこらじゅうを歩くことを思えば断然安い初期投資だ。


そんで、インストラクターさんと解散したあと時間があったから、前から行きたかった西荻の
ポムドデールというベーグル屋さんに行った。

醤油が練り込まれた生地に、スイートコーン味のやらかいものが乗っかったベーグルと、
にんじん味と、マンゴーバナナ(?)と、ゴーダチーズを買ったよ。

コーン味のを夕飯に食べたら、もっちもちで超うまうまだった。
上にかけられたスイートコーン味のものは、ちょっと食事向きじゃなかったけど。


そうそう、話は戻ってウォーキング。


で、電車に乗ってまた帰る間に、立川が近づいてきたらなーんかそわそわしちゃって、
ついつい下車して多摩川沿いに歩いて帰ってきちゃった。

最終的には、八王子に入ったあたりで力尽きて、バスに乗って帰ったけどね。

インストラクターさんにはさっき
「もうちょっと歩きたいくらいがちょうどいい」と言われますた。
そりゃそうだ。反省。

インストラクターさんはすごく丁寧に教えてくださる方だった。
ノルディックウォーキングが好きでたまらない様子が伺えた。
人に恵まれると嬉しいな!



もうね〜、面白すぎるよこれ。

一歩一歩しっかり歩けるし、自転車よりも景色がゆっくり流れてね、最高。


土曜日にもまた体験会があるので行ってくるお。グフフ。


※帯状疱疹の薬、バファリンよりでかい。そして喉に引っかかる。
1日5回、合計10粒も飲まなあかんので大変。


2009年09月02日(水) 母の愛とBeth Ditto

夏休みに太ったことをたいそう気にして、毎夜1時間のサイクリングしちゃったり、
次にはチャンシー履いてノルディックウォーキングしちゃおうとしている今日この頃。

そうまでする理由は先日、母親に「ねー、太っちゃったよー」と言ったら、
「うん、そうだね。お母さんもそう思ってた」と、ひどく慈愛のこもった目で見られたから。

なんていうの?あの屈辱の感じ。忘れまじーーー!!!


でも、頭のどこかで「なんでこうまでして痩せなあかんのよ。何のために。あん?」
って思っている。


そうなるとついつい「Beth Ditto」の画像検索しちゃったりなんかして。
大好きだよベス・ディットー!!!

そんで、デブ(fat)であることを肯定している(というより全く否定しないんだな)彼女の、

「太め」という言葉は嫌いだ、なぜならそれはデブを標準から逸脱したものとみなす言葉だから
という意味合いの、実に健全でまっとうな意見を読むとあら不思議、

なんだか目が覚めるわ。


そんで、
「無駄な肉? そんな肉、俺の身体には存在しねぇ!全部大事で必要な肉だ!」とか、
「美しいプロポーション? それは今生きてここにいる私の身体そのまんまだわ!」とか、

どんどん自己肯定的な気分になってゆく。
凄い。止まらない。恐るべしベス・ディットー効果。


それにしても彼女は本当にパワフル、そして笑顔が超キュート。
もう断然見習いたい(かといって白目むいて自分のパンプス舐めたりはしない)。


でも、今持ってる服が着られなくなるのも困るし、
もう少し体重減らした方がフットワークが軽くなるので、しばらくあがいてみよう。


★閑話休題★

8月下旬から右首が痛くて、同じく右首から肩にかけて赤いブツブツができた。
このブツブツが軟膏塗ってもいっこうに治らず、しかもブラの肩ひもが当たっただけで痛い。

仕方なく皮膚科に行きましたら「帯状疱疹です」だと。わー。
疲れ、ストレス、どちらにも心当たりあるある!!!ひゃー。

もっと楽しみを増やし、気楽な気持ちになろ。
抱えてる悩みにはひとまず積極的にケリをつけて生活してかなきゃなぁ。


1日5回、朝9時から3時間おきに薬を飲まなくちゃなんない。

それにしてもこのブツブツ痛い。
ブツブツじゃない場所も痛い。こっちは神経痛のような痛み。あいたたた。


inu-chan