日々日記
いちらんふるいあたらしい


2005年06月13日(月) 思い出し泣き

こんなことにならなきゃ思い出さなかったかもしれないような、
些細なことなんだけど、泣きのツボつきまくりの思い出たちが入れ替わり立ち代わり顔を出す。

ん。でもギクシャクした期間が長かったおかげで、ある程度覚悟やあきらめはできてたから、
思い出してもくよくよはしない。

ああ、楽しかったなぁ。
こんな風にかわいがってもらったなぁ。
大事にしてもらったなぁ。

っていうのを思うと、涙が出てくる。じわり。


自分の場合は書くことで、どうにもならない思いを少しでも和らげようとしている感じがする。
実際、押さえ難い衝動なども、一度言葉(文章)にすると落ち着いたりするし。

うんと気持ちの荒れてる時に、ありったけの汚い言葉を並べてみ。
気持ちがちょっと和らいだり、すぅっと静かになる。

…泣きながら一気に書いて、読んでまた泣くんだから
効率がいいのか悪いのか、よくわかんないけど。


そう、3月くらいに父と弟のおかげでバッテリー切れになった愛車のコペン、ようやく治りました。

7月入ったら、コペンに乗って金沢の21世紀美術館へ旅に出よう。


2005年06月12日(日) 変わり続ける

刻々と時間がたつ。
刻々と気持ちも変化する。

まだ愛しい気持ちから、恨むかのような気持ちになり、
この先の未来への希望に溢れたかと思えば、全てを失ったんだという絶えがたい喪失感を感じる。

次から次へと移り変わる感情のうねりに飲まれないように、なるべく理性的に考えるようにしている。
理性っつっても、無駄骨だったりするけど…。
でもタガが外れちゃうよりはマシだろうと。


恋愛というものの与える影響の大きさに、今更ながら驚かされるよホント。

そんな中でも、自分のことをきちんと考えるようになった。
歳とったってことかな。

傷つき悲しんでいる自分のために、時間と少しのお金をかける。
お金が少しでいいのは幸いなこと。
ちょっとした息抜きで効果が得られるって、リーズナブルでいいぞ自分。

ひとまずは、
もっと、音楽を聞こう。
もっと、大好きなアートを観よう。
もっと、本を読もう。
もっと、景色を観よう。
もっと、勉強しよう。

必ず、何も考えずにまた心から笑える日が来るので。

わたしがなりたい自分は、
自らの悲哀を乗り越えなおかつ、相手を包み込めるような人間。

そこへ向かって成長している途上であることは間違いないさ。きっと。

さて、30という妙齢の妙齢?を迎えた最近「なりたい大人」の姿が具体的になってきた。
若い人に「大丈夫だよ」って言ってあげられるおばちゃんになりたいわ。
柴田理恵みたいな感じで「大丈夫だよ〜!」って。

そのための今日(こんにち)なのです、ということは、前進してるってことだ。
よしよし、ドンマイ自分。


2005年06月06日(月) この世で一番愛してる。

人生で一番悲しいと思うお別れを経験してしまった。

6月6日午後10時10分。

細長い宿場町の軒先にはいくつもの行灯が灯り、暗闇の中で中山道を照らし出す。
寒くもなく暑くもない風の中を、星のない空を見ながら二人で歩いた。

待ち合わせた直後、「歩こう!」と言ったのは彼。

二人でどこへ行くともなく、かつて手をつないで散歩した妻籠宿の街並みを歩いた。


いま、聞かなきゃ。と思って、
歩きながら、いつから別れたいと思ったのか聞いてみた。

「別れたくて、そう考えたんじゃないよ。」
「好きだから、考えたんだよ。」と言われた。

「ふーん」としか答えられなかった。

今夜、今まで彼が考えていたことがわたしに知らされると同時に、
わたしたちはお別れすることになるのをわかっていたから。

「でもさ、話してくれなきゃ。分からないってことが、一番悲しい。
一番苦しかった。」

「ごめんね。連絡をしないでおけば、そのうち嫌いになってくれるかなぁ
って思ってたんだけど、誤算だった。
でもね、好きだから言い出し難かったの。顔を見ると言えなくなっちゃうから。」

とことこと、似たような背格好の二人が歩く。

もうすぐ長い長いお別れが来るという二人の置かれた状況が、
リアルに心を圧迫してきた。つらい。

何か言わなきゃ、と思いながらも、話しかけて忘れてしまった。
「だめだよ、歩きながら話すとわかんなくなっちゃうから、座ろう!」

わたしがそう言うと、彼はお寺の階段を手で払った。
「どうぞ」
わたしね、このしぐさ、知ってるよ。
この数ヶ月、わたしが好きになった彼はどこいっちゃったんだろうとずっと思ってた。

でもいた。
目の前に、なにも変わらずにそこにいた。

二人で座って、話す。
でも触れない。
もう触っちゃいけない気がして、彼も極力そうしないでいるのが分かったし。


子供さんのことを聞いてみた。
何があったのか。

離婚のしわ寄せは、結局は子供に行くんだなぁと思って聞いた。
「離婚して、一番わりに合わないのは子供だね」って言ったら、
「うん」と。

そして、寡黙な彼が話し始めた。

「僕は、貴女と一緒に暮らせないし、結婚もできない。
約束もできない。(子供のことが気になって、そういう気持ちになれないと
いうことだと思う)このままずるずる付き合っても、
貴女にとっていいことは一つもないと思った。

でも、好きだから、会えばキスもするし抱きたくもなる。
でもそのあとで、これじゃいけないって思ってた。」

「それを話してくれて、二人で話し合っちゃだめなの?」

「話し合いをすると、妥協しちゃうでしょ。
それで僕が自分を騙して貴女と暮らしたとしても、結局うまくいかない。
自分を偽ってるから。」

「ほかの方法を考えちゃいけないの?」

「うん。」

「相談しちゃだめなの?」

「うん。」

「それで、ずっとメールくれなかったの?」

「うん。嫌いになってくれればと思ったのと、やっぱり迷ってたから。」

今彼がうんと近くにいる。
気持ちも限りなく近くにあるって実感できる。
でも、彼の覚悟が固いことはひしひしと伝わってきた。
彼は、わたしを手放しちゃうんだ。

「結局さ、わたしたちのことでがんばるのに、怖気づいちゃったんだね。」

「うん。そうかも。でもね、これだけは覚えといて。
貴女がメールで言ったように思ったことは一度もないよ。嫌いじゃなかった。
ずうっと貴女のことが好きだったよ。」

わたしはつぶやいた。
「…ひどい男だね。ひどいことするね。」
「うん。ごめんなさい」

「わたしが、うんとうんとあなたを好きだったこと、覚えててね。」

「うん、絶対。」

別れることは、承知してここに来ているから、と言って、
そのあともいろんなことを聞かせてもらった。
本当はもっと早く、聞きたかった、一緒に悩ませて欲しかったことばかり出て来て
でももうどうしようもなくて悲しくなった。

もう、彼の人生にわたしが登場することはないんだ。

「帰りましょうか?」と言う彼に、
「もう二度と会えないんだし、わたしにとって、大好きなあなたと一緒にいられる
最後の時間なんだから、もう少しここにいなさいよ」
と言って、一緒にいてもらった。

「わたしはね、あなたの事情を知ったときから、どんなことを聞いてもおどろかな覚悟をしてたよ。わたしの覚悟と、気持ち、知ってた?」

「もちろん。知ってたから僕も真剣に考えた。」


だけどね、

彼はわたしを手放した。
彼はわたしと生きることに怖気づいた。
彼はわたしに誰かと幸せになれという。
わたしのこと、幸せにしてくれる男じゃないって思う。

そうも思うんだけど、
なんで別れなきゃならないのか、わたしは全然なっとくいかないの。
別れなきゃならないことは分かるんだけど、どうしてなのかが分からない。

どういうことだ?

でも、彼の気持ちは固い。
言うこときくことが、きっと今のわたしが彼に対してしてあげられる
唯一のことなんだろうな、って思ったらさ、
飲むしかないでしょう。

…嫌だけどさ。


最後はさっぱり別れようかと思ったんだけど、
逆光で「顔が見えないよう」と言ったら、するすると抱きしめられてしまった。

「だから、会うの嫌だったんだ」って言いながら。

忘れない。
きっとずっとずっと忘れられない。

スーツを着てネクタイを締めた胸元の感じ。
抱きしめた腕の力強さ。
髪や肩、顔、首をなでる手のあたたかさ。
ほほをあてた時の彼の肌ざわり。
わたしを見るときだけに見せる、甘くて優しいまなざし。
細い腰。

忘れることなんかできないよ。
だってさぁ、大好きだもん。大好き。

「長生きしてね。無理しないでね。元気でいてね。
おばぁになって、わたしが余ってたらもらってくれる?」

「多分ね、余らないよ。すぐ売れちゃうから」

抱きしめて、彼も泣いてる。

「このまま、部屋に連れて帰りたいくらい大好きです。」

「うん、知ってる。」

「何年もたって、まだ好きだったら、わたしはもう迷惑返り見ずにまた果敢にあなたに挑むからね。そのくらい、好き」

「うん。」

「ばかだな〜。ばかだよ。こんなに好きなのに、手放すなんて」

「うん。」

ずーっと、名残惜しい抱擁が続いたけれど、「じゃぁもう帰りましょう」と、
彼がわたしを180℃回転させて、肩を押した。

わたしの車の方角に向かって。

ああ、帰らなきゃならないんだ。
お別れなんだ。
どうしてもお別れなんだ。
なんで?どうして?どうしても?

もう、言葉にして出すことはできなかった。

車に乗ってから、手を振りながら、極力笑っていたら、
彼が手の甲にキスをした。2回。

わたしの好きになった人は、ずっとずっとわたしのことをうんと好きなまま、
わたしとお別れした。


帰りながら、帰ったあとも、泣いた。
母の前で、報告して、泣いて、部屋で一人になってまた泣いた。

悲しいから泣くんだけど、泣いてもどうにもならない。

泣いたってしょうがないと思うんだけど、眠れたかな?と思うと、
ふとした拍子に嗚咽が止まらなくなって困ってしまった。

これって、愛別離苦だ。
生きていると、愛することと、別れることの苦しみを味わう。
それを味わってしまったんだなー。

大好きだった。

ほんとにほんとに愛してた。

違う。過去形じゃなくて、
今も大好き。
ずっと愛してる。

んっとにもぅ、…切ないね。


2005年06月05日(日) 人工物への愛着

六本木ヒルズへ行く。

森美術館へ行ってみたかったんだ。

以前1人で行った時は、全然楽しめなかったけど、
今回は学生の時の友人と行ったからかな、すっごく楽しかった!
どこ見ても楽しめた。

それで、森美術館と展望台が好きになったよー。
また行こーっと。


最近、実感として思うことがある。

それは、
この世に存在する全ての人工物には、必ず誰かが関わってて、紆余曲折を経て今はこうしてそこにある。という、すごく当たり前のことなんだけど。

ガードレール一つにしろ、
原料をとった人、売った人、買った人、運んだ人、加工した人、
製品を販売した人、営業した人、製品を買った人、買った製品を運んだ人、
買った製品を取り付けた人…オーマイガー!

こんなにも誰かが関わっています(想像だけでもこんなによ)

すごいなー。

そういう仕事に関わることで、お金を得て生活してるわけだけど、
いやぁー、すごいなぁと感心するの。

そう思うとね、なんも見るもののない景色の単調な道でも、
そこに道がある限り、誰かが作ったんだなって思うと残像が見えるような気がして
ドライブの楽しみが増すわけ。

自分で1から10までやって作ったもの以外は、
全てのものが誰かの手を経ている。

1人で生きてるわけじゃないんだなーってことも実感する。

たった1枚の紙、たった1枚の布。
これが今わたしの手元に来るまで、どれほどの旅をしたのだろう。

そしてその旅はわたしのところで終ることなく、もしわたしが必要としなくなってもほかの誰かが必要とするならば、ぜひそこへ行かせてやりたいな、と思う。

こう思うと、リサイクルに自発的に取り組むきっかけになるかも。
つい、ゴミにしちゃうからね。
いかんいかん。

ものを買うとき、捨てるときのことまで考えて買えるようになるから、
衝動で買わなくなる。
必要かどうか、すごく考えるもん。

この発想は自分にとっては大変良い発見だったな。ふむ。


2005年06月01日(水) いつでもスタート。

わたしたちは、いつ何時も、たとえどんなことが起ころうとも、
きっといつでもスタートできるのだと思う。

それって当然の理なんだけど、人間てのはなかなかそう思えない。

調子が良い時はこれでいいのかなどと問わないのでそのことを思い出さず、
失意のどん底にあっては、辛くて悲しくてそのことに心が及ばない。


ずっと悩んでた。
苦しかった。
出口がなかった。

でもそれでも考え続けた。

恋ってなんだ。結婚ってなんだ。離婚ってなんだ。
男ってなんだ。女ってなんだ。

自分は彼とどう関わって生きたいのか。
彼はわたしにどうして欲しいと思っているのか。

考えて、考えて…どのくらい考えただろう。

長い間モノクロだった世界に、急に光がさしたように感じたとき、
一気に周囲の景色が自分に流れ込んでくるのがわかった。

なんて美しい光。
なんて青い空。
なんて瑞々しい野山。
日差しって、あたたかい。
田んぼで稲が気持ち良さそう。
…風が次々に新たな香りを運ぶ、それはそれは素晴らしい5月のある日。

ああ。
こんなことに気付かなくなるまで、考えてたんだ…と気付いたとき、
相当病んでるなこりゃー。と思って、考えるのをやめた。

要するに、悩むこと自体がすでに不毛な行為だったことがわかったのだ。

でも、気付かないの。
女だから。
そういう性なの。女は。

いやぁ恋ってホントに盲目!!

でもね、もういい。
もういい、やめる。

スタートしよう。
新しい未来が待っている。
自分が選んですることだもの、いずれにせよこの先も、苦も楽もどっちも堪能できるはず。


明日、ひとつ恋が終る。
恋が終るのはしょうがない。

でもひとつ終れば、またひとつ始まるのだ。

肝心なのは、それで止まってしまわないこと。
私が歩を止める理由なんか、どこにもないのだ。


inu-chan