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2004年09月12日(日) 「ベイビー・シャワー」/山田あかね

子供を産むか、産まないか。
30代に入り、自分も友達の多くも結婚した今、この問題はすごく大きな存在になっています。
産み育てる、と決める人もいる。産まない、と決める人もいる。
産みたいが諦める人もいる。産みたくないが産む人もいる。
産むかずっと悩む人もいる。育てながら苦労している人もいる。
幸せな人もいる。そうでない人もいる。
何をおおげさな、とは簡単に言えない、自分や家族だけの問題ではない、
大きなテーマになるのが現代の実情だと思います。

前置きが長くなりましたが、そんな話が増えた最近、本屋さんでふと目がとまったこの本。
『未婚39歳、子供が産みたい。父親探しの始まり−・・・』
主人公の二人は39歳独身のキャリアウーマン。それぞれ仕事が好きだし恋人がいるし毎日は適当に充実している。
そんなとき片方が、突然「39歳は子供を産むタイムリミット!」と突然言い出し、子供を産む決意をする。恋人は子供は欲しくないと言うので、父親は誰になってもらおうか、探そうか・・・いつのまにか子供を産むことなんて考えなくなったもう片方はそんな親友を見て、自分の仕事との関係、恋人との関係を考えざるをえなくなる・・・

産まれた息子の語りで小説はスタートしますが、この本を読んでいてすごくおもしろいなぁ、と思ったのが、登場人物が皆、正直なこと。皆立場も違ければ意見も考えも違うのだけど、不倫の恋人も、ゲイの友達も、仕事に行き詰まったOLも、それぞれきけば納得の意見や考えを持っているのです。だからこそ、自分はどうするべきか。

そんなことを考えながら、楽しみながら最後まで読みました。
結末はハッピーな小説ですが、表紙のイメージほど軽い内容ではありません。
登場人物と一緒に自分や周りの意見も比べて見ると、今まで考えなかった・考えないようにしていた事もはっきりしてくるかもしれませんよ?
同世代の女性にとくに、おすすめします。



2004年09月09日(木) 「ニューヨークで見つけた気持ちのいい「ふたり生活」/渡辺葉

私の大好きな渡辺葉さんの、cafeglobeで連載してたエッセイの本、ふたり暮らし編。
独身編に続き、結婚後の生活の様子が書かれています。
単にふたりの生活の事だけでなく、友達カップルもたくさん登場し、
「家事分担がどうしてる?」「お金のことどうしてる?」「仕事の話は相手にする?」
「相手の友達とのつきあい方はどうしてる?」「一人の時間はどう確保してる?」
など、テーマ毎に分かれていて、すごく具体的なので読みやすい。
これを読んでいるとアメリカに住むカップルもふたり暮らしで感じることは似てるんだなぁ・・・
と思いつつ、やっぱりちょっとクールとゆうか、相手を客観的に見ている気もしました。
私の場合、相手に求めてしまいがちだったり、二人の違いや温度差を埋めようとしがちだけど、
それぞれの温度や価値観を尊重してちょっとクールになったほうが、お互いに居心地がいいかもしれない。
そんなことも思いました。出来るかはどうかはともかく(笑)。
でもふたり暮しは長く続くわけだし・・・

しかしとにかく、何につけても彼女の文章や写真が大好きなので、これまた大好きな1冊になりました。
ちょっと参考にしつつ、私も気持ちいい「ふたり生活」をこころがけようと思います。



2004年09月06日(月) 「ブラフマンの埋葬」/小川洋子

前から(なぜだか)読みたくて読みたくて、やーーっと読みました。

主人公「僕」のブラフマンに対する視線や愛情(気持ち)の描写が文章からにじみ出るようで、今ペットを溺愛しつつ暮らしている私はいちいち「うんうん」と共感してしまいました。
ブラフマンが結局何の動物なのか?とゆう疑問もあるようですが(最後まで分からないのです)、私は
・なでると毛がすべすべしていて ・何でも齧ってしまって ・尾が長く泳ぎが上手で
・人の話を聞くときは、その人の目をじっと見て聞き ・すぐまるまって寝てしまう
これでブラフマンの説明は十分なんじゃないかと思います。

しかし・・・小川洋子さんの、四季折々の風景や周りの景色の様子などの描写が本当になんと細かく繊細なことか!!感嘆いたしました。
読んでいても「創始者の家」や周りの情景は鮮やかに頭に浮かび、本当に楽しく読めました。
最後はとてもあっけなく、せつない終わり方だったけど、とても暖かい本でした。


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