非日記
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2009年10月08日(木) 台風だったらしい。

相変わらず日々テレビもつけずに平凡に暮らしている私は、しつこい雨ではなくて台風だという事を人に言われるまで気づきもしませんでした。
「ちょっと聞くけど、アンタさー、台風とかで交通機関が止まったらどうすんの?」
と言われ、
「前に路面凍結して止まってた時は、始業開始までギリギリまで粘って、連絡手段も無かったのでタクシーで行きました。(こういう事を言うとバカにされるとわかっているので急いで)でも!今は携帯がありますから!どうやらたどり着けませんと電話して、……えーと、家に帰りますかね?」

そういえばそうね、そういう心構えは一応上司に言っておこうと申告しておきましたら、上司は上司に「そういう人は予め来れないものと想定してシフトを組み直せ」と厳しく言われたらしく、突如休みになりましたよ。私は有休を殆ど使わないので自動的に毎月勝手に捻じ込まれながらも人に言わせれば思い切り溜まっている上、先月の銀色週間のせいで公休すら消化できていないのだった。だって人様が家庭の事情とか病欠で休みまくるし、まだ比較的若いせいかあんま体調崩さないんだもの。
「もういっそ超過勤務に付けますか?」と先月言われたのだが、「来月とか再来月とか休みが要るので使います」と言ったら「そんな事言ったって、一週間とかは要らないんでしょ?」と言われ、「でも流行の山が来るじゃないですか。新型インフルエンザにかかるかもしれませんから、ちょっと待ってください」と止めていたのだった。

年配の奥様なんぞが「いつ親が倒れるかわからんから有休を勝手に使わせるのやめて欲しい」と言っていたが、親じゃなくたっていつ何が起こるかわからんものなのよ。兄が死んだ年を越したしな。私だって、体を壊して身動きが取れなくなったら余生どうやって稼げばいいか時々考えてますよ。まあその時になってから真面目に考えようって大体流すんだけど、その調子でエヴァン蹴りオンのキャラ○いをやったら結果がペンギンという「わっ、私だって悩みぐらいあるんだからあ!ちょっとカッコつけちゃっただけなのよ!」という始末になる。「ほ、ほんとは、悩みぐらい沢山あるんだわよ。年金問題とか老後の生活とか世界平和とかガンジーとかイッパイあったわ。ちょっと今思いつかなかっただけよ。本当の私は違うわ!」と張り切って最初からやり直したものの、結果またもや人間に後一歩足りないものになり、一人「はやく人間になりたーい」と妖怪人間ごっこをやっていました。

休む気なんぞ全然無かったので、どれくらいぶりか突然の休暇という感じで壮絶に変な気分だった。私、誰にも何も言われなくて軽蔑されず、自分の帳尻を合わせるためで極たまにだったら平気で自腹をさいてタクシーで出勤するよ(苦笑)。精神衛生上その方がはるかにマシ。
それになんつうか、仕事が好きとか働きたくてたまらないとか家にいてもやる事が無いとかじゃなくて、何かに阻まれるのをどうにかして頑張って行くとか好きなのよ、割と。意味も無く燃えてくるというか。特に強風、豪雨、吹雪などの真っ只中は脳みそが大人になりきれないのか気分が高揚してるし。こー…、どこへか知らんが行けと背を押されている気がするというか、誰にかわからんが来いと呼ばれてる気がするというか。そのまま還らぬ人になっても本望な勢いというか、むしろ「ただいま」気分というか。行こう、帰ろう、迎えが来たといささか電波な気分になるんだよ。

しかし人が嫌とかダメとか言うのを全力で振り切ってやるほどでもない。大体止めとけと言われるし。
それに自然災害は災害というぐらいだから大体どこかで被害にあう人がいて、後で罪悪感に苛まれる。自分のせいじゃ無い事は確かなんだが、「その時私は楽しんでいた」というのが罪悪感の根拠なのよ。うん。でもそれを言い始めたら、色々難しい事になるの。ああ、常識って難しい。


やぐちまさき |MAIL