| 2004年10月31日(日) |
突発的SS「少尉の休暇」 |
「少尉の髪の色はアルに似ているんだ」 早朝、鏡にうつった夜勤明けの冴えない自分の顔をぼんやりと見ていた時、ふとそんな言葉を思い出した。
ぼさぼさの頭に手をやる。 背の低さを気にしているエドワードは、会う機会がある度に、羨望と嫉妬の色を交えた瞳で俺を見上げていた。 だから、身長のことではない俺に対するエドの考察は少し意外だった。
意外だった、けれども。忘れていた。 記憶のポケットの奥深くに入りこんでしまっていたのか。 それが今、ふとした拍子に。
非日常的な出来事が立て続けにおこり、自分も柄になく、死を覚悟して走り回った数日間。正確な日数は覚えていない。 気が付けば大総統の独裁政権は倒れ、民主的な新政権が誕生していた。 直属の上司であるマスタング大佐は、生死の境を彷徨いつつも一命をとりとめたようだった。 そして、周囲が落ち着いたころに、ようやく耳にしたのだ。
エドワード・エルリックが、消息不明である、と。
*
あの、バカ。
最初に出たのはそんな言葉だった。 大佐はエドを気にいっていた。能力だけではなく、猪突猛進ともいえるその気質も。 でも俺は、あの気質はどうしてもエドの欠点としか思えなかった。 まだ幼いからという問題でもないだろう。きっと奴はいくつになってもあのままなんだと思った。 あんなに小さい身体で、なんでも自分ひとりで背負いこむ。 最後に会った時も、そうだった。
あの時ばかりは大佐も御立腹だった。鎧の弟を連れて、軍からの逃避行を試みやがった。 この国のどこへ旅しようとも、いつも大佐に行動が筒抜けだったのを何とも思っていなかったのだろうか。軍を甘く見てもらっちゃ困る。
俺は、大佐の命に従って兄弟を追ったー。そして。 エドに銃口を向けて。 鋼の手に握られて、銃は暴発した。間抜けな話だ。
最後に見た奴の顔は、悪いことをして、叱られた時のような、年相応の表情をしていた。 それが、最後。
* 鏡から視線をそらす。そのまま、服も脱がずにベッドに転がりこみ、眠りについた。
途中、何か夢をみたような気がした。 目が覚めた時にはすでに覚えていなかった。
出勤前に、大佐の見舞いに立ち寄った。ちょうどホークアイ中尉が中から出てきたところだった。今、眠ったところだと聞かされ、出直すことにした。
そのまま中尉と並んで歩く。会話のない状態がしばらく続いたが、ふいに、中尉が口を開いた。 「心配していましたよ」 俺は、え、と聞き返した。「エドワード君、あの時、少尉に怪我をさせてしまったこと、謝っていました」 どうして突然エドの話がでてきたのだろう。今朝、奴の言葉を思い出したことと、中尉の話は単に偶然の連鎖なのだろうか。俺の思考を推察したのか、中尉はふ、と小さく微笑んだ。 「大佐が、最近リゼンブールの夢を見ると言うものだから、つい思い出してしまったの」
俺はなんとなく合槌をうった。瞬間、頭にじわりとした痺れのようなものを感じた。 そうだ。 今朝見た夢。 あれは奴等の故郷の景色だった。
「あの村に初めて訪れた時は、兄弟が人体錬成に失敗した現場を目の当たりにした。二度目は兄弟の身柄を拘束するために…でも、あの村を思い出す時は、美しい風景しか浮かんでこないのが不思議だ、と」
俺はうなずいた。 「ど田舎」 「少し少尉の故郷にも似ていたわね」 「あそこまでじゃありませんよ。ちゃんと馬車以外の車だってありましたから」 俺はごほん、とわざとらしい咳払いをしてみせた。
「中尉」 ポケットの中の紙くずをぐしゃぐしゃといじる。 「休暇、二日ばかりとってもいいっスか」
一日一鋼も緊張の糸が切れたかのように途絶えてしまって・・・(T_T)
あああああ。忙しいよう・・・。
最近のオドロキながらも心温まる(?)ニュウス。
10月23日の夜、NHK交響楽団定期公演の最中に、アシュケナージ氏が右手で振っていた指揮棒が左手に刺さるアクシデントが起きたそうです。チャイコフスキー交響曲第3番ニ長調作品29「ポーランド」の演奏中。アシュケナージ氏はそのまま最後まで指揮した後、病院に向かい手当てを受けたそうで・・・。 最後まで演奏する気満々だったようですよ。 刺さってしまったのもすごいけど、その後何事もなかったように元気に指揮したっていうのもすごいなぁ。 ちなみに、後半のチャイコフスキー交響曲第4番は、コンサートマスター堀正文氏が弾き振りをして終えたそうです。
弾き振りもステキだなぁ。
サンマルクカフェの「ゆずちゃ」が好きです。
コンビニで今日「和の紅茶・柚子入り」というものを見つけたので、購入してみました。
あ、なんか、どこかで飲んだことのあるような・・・
って、
はっきり言って、レモンティーでした。
商品開発って、難しいね。
毎度歪んでたり乱筆ですみません。
 ん?これで一応オチはついたのか?
こういうときに、一気に岩盤を固めたり、壊れた家を建て直したりできるといいのになぁ。
とか考えながら、お昼休みにコンビニの募金箱に突撃。 募金箱に、かなり紙幣が入っているのに驚きました。
・・・どこまで続くのでしょう・・・
二兎を追うもの、一兎をも得ず。
欲張りすぎて、結局すべて中途半端になってしまった週末でした(T_T)
鋼ることもままならず・・・。
来週はもうハロウィンか。 去年買ったモロゾフのジャック・オ・ランタンの空ケースにお菓子をたくさん詰め込みました。この期間、うちに遊びに来るこどもたちに強制配布するのさ。ひひひ。 血が騒ぐなー。仮装したい。コスプレとは微妙に異なる、チープな感覚の仮装がしたい。
台風に地震に、日本列島は沈没寸前ですか?! ねずみ逃げ出していませんか?
被災された方々、お見舞い申し上げます・・・。
大きな地震の際に、一番最初にした方がいいのは、窓を開けるなどして出入り口を確保することだそうですね。私は動転しやすい性質なので、いざという時には、外に慌てて飛び出して怪我をするような気がしますが、とりあえず出入り口の確保班になろうかと考えております・・・。
台風の影響で野菜の値段がすごいことになっているそうですね。
ためしにスーパーを覗いて見たら、レタスが半分158円で売られていました。 同じように野菜売り場を覗き込んでいた奥様が、「まー。こんないじけたのがこんな値段なのー」と呟いていらっしゃいました。 それでもこうして食べられること、感謝しなければ。
また微妙に続いてる。大佐は上機嫌な上に既にかなり酔っています。
仕事の合間の潤いを求めて、飲みに行ってきました。
不思議の国のアリスをモチーフにした居酒屋さんへ。
アリスの格好をした店員さん達を呼び鈴をちりちり鳴らして呼べると聞いて、是非是非行きたいと主張してみました。
前半、呼び鈴独り占め状態でした。 しかし、一緒に行った女友達も、ハンターのような目で行き交う店員さん達を見つめていました。眼鏡のヒトをお気に召したようでした。 ていうかメイド服っぽい衣装に眼鏡(しかも控えめ)って、やっぱり最強だと思いました。
何気に続き物になりつつある・・・。
| 2004年10月20日(水) |
きしょうよほうしのもりたさん |
今日も朝のラジオで森本毅郎氏につっこまれていましたが。 「先週のこのコーナーで、もう台風上陸しないっていったじゃん!!」 「いや、本当に非常に珍しいケースなんですよ。こういう珍しいケースを、一週間前に予測することなんてできませんよ」 森田さんと森本さんの不毛な会話が大好きです。
そんなわけでまた台風ネタです。
昨日の大佐パワーのせいか、本当に午後半休になりました。 さっさと仕事持って、帰ってきてしまいました。
今、まだ外はすごい雨風です・・・。
かなりの被害がでているようですね。
皆様、お大事に・・・。
仕事中にネットのニュースで、鋼コンプリートがなにやら初登場一位という史上初の快挙を遂げたということを知りました。 にんまりしているうちに、数名の友人が祝福メールをくれました(笑)
そういえば週刊大極宮で宮部みゆきも鋼最終回について述べていましたー。あとでDVDでゆっくり見返すって。ふふふ。
一日一鋼を目指しながらも、明日はさっそく外泊予定が・・・。
「だめですよ」←中尉の冷静な声
だめですか・・・。
忙しいのに使い物にならなかった月曜日。
月に一度こういう時期がくるのって、本当に憂鬱だ・・・(T_T)
今日、姉に提案したタイトル。
「恋愛クロニクル」 「時空変更線」
半日後の姉のコメント。→『いや〜。笑わせてもらったよ』
ワタシ、かなり真剣なんですがね?!
<一日一鋼企画。>
企画。ていうか野望。どうしたら達成できるかしら。
こういうときにペンタブが駆使できたらいいのになぁ・・・ でも暖めております。ネタを。
今日はこのあたりでおやすみなさいませ。
頑張って自分で気分を高めていくしかないですね。
そんなわけでなんとか今週も更新。
コメディタッチのものを書こうと思っていたのに、違う仕上がりになってしまいました。 今、友人との間で「黄昏」がキーワードになっております。トワイライトがブームです。
自分で高める・・・と殊勝なことを言っても、時々ドーピングしてます。鋼のコンプリートきいたり。付属のガイド読んだり。ガイド読んで初めて最終回の大佐がアーチャーに頭部を撃ち抜かれたということを知りました。そうだったのか・・・。よく無事だったな・・・。
年下のお友達がガンガンの付録CDを貸してくれました。 お礼に手作りアップルパイをご馳走しました。 その際、ワタシ、ごく普通に振舞っていたのですが、ココロの中ではそわそわしてました。「・・・言うかな、言ってくれるかな・・・」と。
そしたら食べ終えた彼女は一言。
「グレイシアさんのパイも、こんなカンジなんですかね?」
言ってくれた−−−−!!(TvT)
仕込みネタが成功した芸人の気分でした。
−−−−−
国際ブックフェアに行っていた姉が帰ってきました。 コミックの展示場もあったらしく、参考までにと覗いてきたら、コスプレ軍団や人の波にもみくちゃにされて具合が悪くなったそうです(笑)。 天使禁猟区がなんかのランキング一位になっていたらしい・・・。 日本の有明も体験したことがない姉、すごいカルチャーショックだったようです・・・ちょっとかわいそう・・・(笑)←でも笑う
そんな姉が、最近本のタイトル案で悩んでいました。「永遠に続く愛、みたいなタイトルが欲しいのー」 ワタシはちょっと考えて、提案。
「『恋はシリカゲル☆』ってのはどう?」
電話の向こうで、姉が固まる音がしました。しかし次の瞬間、ゲラゲラ笑い出して、 「なに、なに?もう一回言って!!!」 とハイテンションで聞き返されたので、気を良くしてもういちど言ったら、 「すげー!!絶対使えない!!!でもメモっとこう!!!」
・・・・・誰かワタシにセンスを下さい。姉のためにも。
さて、CDでも聴いて寝ます・・・。
| 2004年10月15日(金) |
至福のひとときの後の恐怖。 |
鋼コンプリートが届きました。
アマ○ンさま、毎度、ありがとうございます。
残業中にネットで配送状況の追跡確認を行い、「配達終了」の表示を見てにんまりしました。
相変わらずシックな雰囲気の商品です。 街角で持ち歩けます。・・・かな?
OP/EDの勝手に自分内ランキング。
【好き歌1位】 メリッサ
【好き絵1位】 消せない罪
【好きエド絵1位】 消せない罪
【好き大佐絵1位】 ラルク(突然アーティスト名)
・・・・・・とかいいつつ本命はリライトのアル中大佐だったり・・・
【きっとエドのテーマ1位】 消せない罪
【きっと大佐のテーマ1位】 UNDO
【きっとアルのテーマ1位】 扉の向こうへ
・・・・などなど、想いに耽りながら鑑賞した後、真夜中残業になだれ込もうとしたところ、
ブラハ5号(新パソコン)、突如発狂。
ワタシも、発狂寸前。
夜中にがくがく震えながら何度も再起動を試みるかわいそうな子でした。 パソコンに詳しい友達起こして(←迷惑)なんとか復旧させることができたのが、3時過ぎ・・・。
ああ、でもよかった。うえええ〜(安心泣き)
いそがしいです。
その上、風邪をひきました。
鼻をかみながら通勤する日々です。 これ結構やばいです。うっかり居眠りしたりすると。
というわけでプレ○ール飲んで寝ます。
あちこちにオレンジ色の水溜りができていたのは午前中。 午後16時現在、そんな水溜りさえなくなっております。
ぎゃー。 すごい暴風雨です。
フランクフルトに短期滞在中の姉から「なんかすごい台風きてるんだって?!」とお見舞いメールがきましたよ。この前の地震も台風も体験しなくて済んだ姉・・・。むむむ。
モエコ君が以前に「久しぶりにジャンプ本誌を読んだ」とメールをくれた。 「ナルトに、間違えてイルカ先生出てこないかなーとか思って読んでいたら、本当に間違えて出てきたよ!!」 と大興奮しておりました。
この自虐的な喜び方ってどうよ。間違えたりどうこうっていう問題じゃないから。
とか半分馬鹿にしておりましたが、
今日の朝、
「間違えて52話やったりしないだろうか・・・」
とか思いながらテレビ欄のぞく自分がいて、
ちょっと切なくなりました。
・・・ごめんね、モエコ君。
しょせん同じ穴のムジナね。
電車に乗っていると、行きなのか帰りなのかが分からなくなりつつあります。
とくに帰宅時。ふと、「あ、ミーティングに間に合うかな?」とか思ってあせったりしてます。
ぼんやりしすぎでしょうか。
仕事始めてから、すごい勢いで靴を破壊しております。 歩き方もいけないんだろうなー。 あと猫を探してケモノ道とか歩くのもいけないんだろうなー。
ミントのフリスク中毒患者です。 ヘビースモーカーのタバコ並みに摂取してます。
うおあー。よくないよくない。
新しくした眼鏡、まだ気に入ってます。 強気なカンジに見えるから。 でも、この前すれ違った会社の姉さんに
「その眼鏡、ひょうきんなカンジでいいよね」 といわれて、しばらくトイレに閉じこもりました・・・。
ちがうの、強気なオンナ眼鏡なの・・・。
そして今日はもう週半ば。
BLEACH見るのも忘れてしまいました。
すっかり腑抜け。
ま
そんな週があってもいいか。
仕事はきちんとしなくちゃいけませんが!!!
| 2004年10月03日(日) |
突然の喪失感・・・これって恋(笑)? |
笑ってみたりしましたが。
一日経ったら急に哀しくなってきましたよ。 うううううう。 アニ鋼は終わっちゃったんだー。(T_T)
ぐちぐち文句言ってたけど、やっぱり楽しかったよう。
とにかく溢れ出る想いを創作活動に結びつけようと、筆記用具を手にしてはみるものの、なにも描けない。描いては捨てて、描いては破って。 描きたいのに、描けないー。つらいー。
わー。重症(笑)
そしたらちょっとステキないただきものをしたので、元気出ました。 うふうふふ。近々アップ予定・・・。
いつかこの手でつかむ、未来のために。その日まで。
| 2004年10月02日(土) |
鋼最終回第一声。(追加第二声) |
第一声なので不真面目です。
さようなら、 うつくしいたいさ さようなら!!
流血美しゅうございました。
胸毛は濃くならなかったようですが 隻眼ルックは受け継いでしまったようですね。
生きていて嬉しかったけど
そのままトビラの向こう側行って
運良く
ミュンヘンにて親公認 ラブラブ生活を
送ってもらってもよかったのですが。
ていうか
大日本ロイエド党党首として確認したいのですが、
敗北?
アルエドに 敗北ですか?
ではまた後ほど。
−−−−−
(遅れて第二声)
みなさんこんばんは。 お疲れさまです。
えー。 久々に、見ごたえのあるアニメであったと思われます。 付き合いで見てやってる感覚が途中まではありましたが、 オリジナル路線になってからは、 内容はともかくやはり毎週見ようという気になってしまいましたね。
でも、 やっぱり、 正直なところ、 原作のこれからに、すごく期待してしまいます。
−−−−−
「無駄に暗くしすぎるー」 との声も多かったアニ鋼。 そう、だからこそ、暗く、重くしすぎた内容にどう決着をつけるのか、 気になっていました。
賢者の石は、多くの人の命が犠牲になって作られたもの。 「それ」ができてしまってから、 エルリック兄弟のためだけに使われてしまうのか、 それとも使われずに終わるのか、どうなんだろう、と思い、 できれば使われずに消滅してしまえばいい、と願いました。
賢者の石を使った時、その意味の重さに耐えられるのか。
でも、結局使われてしまった。
そして、物語をなるべく短時間で 明るい方向へ昇華させるために用いられた、 アルの記憶の喪失、という手段。
んんー。 甘いよー。
そしてセリムは何故命を落とさなければならなかったのだろう。 スタッフはカガツツコンビが憎いのですか?(泣笑)
そしてやっぱりマスタングさんには、 中途半端な復讐の鬼になってほしくなかった。 「カタキもとるし、大総統にもなる!!」ぐらいの強欲さがほしかった。
中尉も、ロイエド派を納得させたいのならりんご剥いたりするのは およしなさい。 むしろ眼帯とかひっぺがして 「さっさとリハビリして上を目指しなさい」 と叱咤激励の中にラブを込めてください。
エンヴィーは、映画の登場権を得たことになるのでしょうか。
それにしてもかわいそうなウィンリィ。 ようやくラブラブできるのかと思いきや、 本命は消えるし、弟はちっこい時のままだし。
月日が流れ、だんだんと15歳の時のエドワードの面影を宿すようになる アルフォンス。 ウィンリィの切ない想いは日に日に強くなっていく。
そして、ついにある日・・・。
・・・逆・源氏物語・・・(すみません)。
そして本当に何があったのかロゼ。野暮なことは聞いちゃいけないのかしら。
来年、映画に大佐が登場したとして、リザさんが奥様になっていたりしたら、どこかの劇場で朧が憤死している図を想像してください。 いえ、オトコマエなリザ様とでしたらかまわないのですがね。
| 2004年10月01日(金) |
おちつかないので更新してみる |
うさロイは今日も元気です。
つ・い・に。 明日は鋼の最終回です。 原作ラブだし、本当はあまり気にしていなかったのですが、メールやらなにやらで周りから「もうすぐ最終回だね!!」と言われ、どんどん興奮してきました。 楽勝マインドコントローラー☆朧です。
とかいって実はこの日記は土曜の5時に書いております。 イチローはついに記録更新しちゃいましたよ。
あああー。落ち着かないったらありゃしない。
見た後にアップする自信がないので今のうちにアホロマアップ致します。
>「やさしい呪縛9」
がたん、と窓の外で音がした。 俺は反射的に大佐の側に駆け寄った。 ホークアイ中尉も俺のすぐ横に並んでいた。
腐っても上司。有能な部下はうっかりしてしまいそうな忠義を きちんと忘れないでいるのだ。
しかし、当の本人は、くんくんと鼻を動かして、俺と中尉を押 しのけた。
「鋼のだ!!」
大佐は窓を開け、左右を見回し、「いた!!」と言って窓から身 を乗り出した。 俺は慌てて大佐の腰をつかんで引き戻す。
「何やってるんすか?!」
引き戻された大佐の腕の中には、既に小柄な少年が捕獲されていた。
「大将...」 大佐の腕の中の少年、エドワード・エルリックは、 バツの悪そうな顔をしながら、大佐と一緒に窓から引き上げられた。 「ちょっと、驚かそうと思って窓から覗いてたんだ」 俺は、大佐の異常な嗅覚の方が恐ろしかったので、エドの悪戯 なんて笑って許せる、と思った。
>「やさしい呪縛10」
エドは俺たちを見上げて、視線の先を中尉に向けた。
「ちょっと、聞こえちまったんだけど…」
うわ、あの親権争いの場面に遭遇していたのか。 俺はあまり関係ないのになにか上手い言い訳はないか 考えてしまった。 しかし、エドの言葉に中尉は動じない。 さすがだ。静かに、次の言葉を待っている。
「ありがとう、中尉。でも、心配しなくても、 大佐は俺のこと本当に大切にしてくれているよ。 イーストシティを離れていても、いつも手紙や花を 送ってくれるんだ。それこそこっちが連絡していない 時でさえ、知らせてもいない宿屋に届けてくれたりするんだから」
………大佐…。
・・・そんな暇あったら・・・
仕事してくださいよ・・・。
「だから、俺、大丈夫だよ」 大丈夫って…大将…。
「そうですか。エドワード君がそう言うなら」 中尉…。それで納得するんだ…。
俺は一人で三人にツッコミを入れていた。心の中で。
>「やさしい呪縛11」
本当にエドの言葉に納得したのか、 それとも単に久しぶりに顔を見たことで安堵 したのか、中尉はそれきり仕事モードへと移行した。
「それでは、私はこれから外出して戻りは一時間後になります。 大佐、その時までにこの書類は終わらせておいてください」 淡々と言い放つと、執務室の扉へ向かい、かるく頭を下げて出ていった。
しかし、俺は見た。去り際に中尉がエドに向けた眼差しを。 一瞬ではあったが、見ているこっちがとろけてしまいそうな やさしい眼差しだった。
そしてさらに俺は見た。 中尉が部屋を後にした瞬間、エドが、 まとわりつく大佐に肘鉄を食らわせたのを。
>「やさしい呪縛12」
大佐は痛いのか快感なのかわからない声をあげた。 そして相変わらずくっついたままである。
「大佐。苦しいよ」大将は笑顔で、 今度は大佐の鼻をつまんで上向きに引っ張った。 大佐は顔が変形しながらもにこにこしていた。
「鋼の、お腹空いてないか」 「んー」 大将はまんざらでもなさそうな返答をした。 「ウニ食べたいかも」 「そうか、じゃああと10分で終わらせるから、 休憩室で待っていなさい。タオルもあるから、 雨で濡れたままにしておかないで乾かすように。 ああ、それから、戸棚にこの前送ったやつと 同じクッキーが置いてあるよ」
「マジ?あれすっごく美味かった!」
鋼は大佐の鼻から手を離すと、 ちゅっと軽く額にキスをして大佐の拘束を解くと、 軽やかに執務室を出ていった。
……。
大佐…。
純愛というより…。
…援助交際ですよ……。
いいんですか、それで?
………ああ、ものすごい勢いで仕事をしはじめた大佐。
…いいんですね…
外の雨音は、なんだか今日は俺をアンニュイな気分にさせた。
おわり。
呪縛にとらわれてしまったのは、ハボ?
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