きまぐれをジェット気流に乗せて。...菱安

 

 

HYSTERIA - 2001年10月16日(火)

いつのまに雨はやんだのだろう
喫茶店で頬杖つきながら
読みかけの本をたたむ
なんとなく曖昧な
境界線の中を
僕はまださ迷っていたから
心を蹴飛ばし
重い腰をあげた
いいさ
こみ上げてくる この鼓動にも似た
衝動を
そのまま両手に
すくいあげてみようよ
きらきらと輝く
あのグレープジュースみたいに



...

針の筵 - 2001年10月13日(土)

坊主の群れが私の前を往く
追い越そうとして 足がもつれた
耕地の果てで
彼の坊さんが 歪めるヲ見た
顔が暗くて再び見るはあたわず
”それはアナタのものですか?”
確信は悪意なり
握り締めた柄を翳して 問い直す
”これはアナタのものですか?”
刹那―袈裟が割れ、太陽が僕を見下す
汝 何を求むル者ゾ!
言霊に返す
”真実を そうでなければ死を”
そして針の筵を今日も
私は歩いていく 奥へ
そして 奥へと


...

屈折した星屑たち - 2001年10月10日(水)

夜空に浮かぶ 光りの爆発に
心奪われる

そっとため息をついて
立ちこめる少し湿った大地の匂いに
心が揺れた

ほんの少しの痛みと
後悔を抱きしめながら 奥へと進む
ほんとの世界の色は何色なんだろ

君に見える色や形が
僕のと同じって考えるのは
きっと傲慢な思いあがりなんだけど

無限に広がる季節の中で
星屑たちが今日も瞬く





...

夢見果てり - 2001年10月03日(水)

何を期待してたの
日々の告白と 降り続く雨の合間に
かき消された小さなメロディー
何を望んでいるの
幾通りにも分かれた枝の中で
僕は地雷を踏んだ
胸一杯に抱えた花束爆弾で
君もろとも吹っ飛んだ
何も残らなかった
何も残せなかった
ぽっかり空いてしまった胸の穴
今日もこれからどうしましょうか
狂ったフリも出来ないし
黙って受け止めることもいいかな
爽やかな初秋の風を浴びながら
今日も自転車をコイでいるけど
ちっとも前に進みはしない
気付けば公園へあと少しだった






...



 

 

 

 

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