2002年09月26日(木) 冷たい月。
 

長い睫毛が上下に揺れるたび
寒さの中で揺れていた冷たい月を思い出す
吐く息が冬そのもので
境界線など見つからないのではと思う


できれば
その長い睫毛を持ち上げずにいてはくれまいか
少しの間だけくちびるを貸してくれるだけでいい


その柔らかさだけで
私は冬を愛せるような気さえもするのだ
冷たい
冷たい
月が浮かぶ
その真上の薄空を愛しく思えるように





↑エンピツ投票ボタン
2002年09月25日(水)
 

私はもう灰になる
君にあえない日ばかり数えて
寒さに震える月も見忘れ
うっかり、残り少ないつくしも踏んだ


ゆくゆくは
緑色の草原の中で眠りこける
そんな、夢見て


今から越えなければならない寒さを前に
私は灰になる
これなら寒さも苦ではない
君の出す、灰になる





↑エンピツ投票ボタン
2002年09月01日(日) ふたつ混ざり合う事の幸せ。
 

君の形そのままにシーツに皺を作る
緩やかな午後と静かな寝息。
鎖骨のくぼみに顔を埋めて
静かな空間に溝を作らぬよう意識を起こす。
ふたつ混ざり合う事の幸せ。今は優しさと静けさ。
微笑を浮かべて私も眠る。このまま、時間の流れを感じぬままに。





↑エンピツ投票ボタン

my追加
いつも読みに来てくれてありがとう。
※マイエンピツは告知しないに設定しています。