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2008年10月27日(月) いい仕事してますね。

銀座に出る用事があったので、某有名和装小物店で帯締めを1本購入。
あまりに有名なので敷居が高いし、そのお店はネットでも定番商品は買えるので、ネットで済ませてしまおうかとも思ったが、やはり実際色を見たいし、値段もわかっているので社会見学のつもりで。
お店の中は着物姿のお客さんでいっぱい。きれいどころのお姐さんも。帯締めはネットショップより数があって、ますます気後れする。洋服姿で所在なげにウロウロしていたら、同年輩の店員さんが声をかけてくれた。帯締めが欲しいといったらショーケースから出して丁寧に説明してくれる。なんとなく、濃い目の青か、この間ようこさんが買ったような薄いピンクが欲しいなぁと思っていたのだが、私の手持ちを聞いてくれて、その辺にある商品と実際あわせてみてくれて、結局当初の予定とは全然違って、山吹色の冠組みを買うことにした。大体帯3本にあわせて使いまわせれば上出来らしい。私の前に帯締めを買ったお姐さんはいきなりレモンイエローを買っていた。なんか慣れてる感じだなぁ。冠組の帯締めは冠と書いて「ゆるぎ」と読むと習ったし、本にもそう書いてあるが、そのお姐さんは「その、イエローのかんむりぐみを見せてちょうだい。」と言っていて、それもなんか通っぽいというか業界用語っぽいというか格好いいのであった。
雑貨コーナーにもいろいろ可愛いものがある。夫が来年年男なので干支にちなんだものを買って店を出た。お店の人たちは感じのいい人ばかりで、さすが銀座の老舗と思う。
その後別のお店で前から欲しいと思っていたジャケットを買うことにして、明日から特典がつくというので取りおきにしてもらっていたら大雨。しばらく勧められるままに雨宿り。
夫がいないので今日は何か食べて帰ろうと思い、一人でも入れるお店を探して新橋の高速道路下のアーケードへ。飲み屋ではなくファストフードではなく、こぎれいな店で定食が食べたいなと思って地下に降りていったら、なんとなくよさそうなカウンターだけの洋食店発見。主婦っぽい二人連れとこれからご出勤の和服女性もいるのでよさそう。中に入ってみると、油を使うのに全然ベタついた感じがしない。調理台も揚げ物のフライパンもぴかぴかに磨いてある。揚げ油もたっぷりと透き通って、カス一つ浮いていない。
注文するとその場で卵を割って溶いて、冷蔵庫に寝かせてあったタネに衣をつけはじめる。次は生パン粉。これは期待できますぞ。常連客との会話を聞いていると、このお店は冷凍ものは一切使わず、全部その日の朝仕込みをするのだという。始発に乗って朝6時にお店に来ないとランチに間に合わないらしい。
本日おススメの定食は、ハンバーグ、クリームコロッケ、エビフライ、ビーフカツ。期待通り、外はさくさく中はジューシーでおいしかった。付け合せにキャベツの千切り。これにご飯と薄いおみおつけとたくあんが数切れつく。
もっとお金を出せばもっと凝っておいしい洋食もあるだろうが、この手間をかけて定食950円とは大変なものだと思う。

また来よう。


2008年10月14日(火) 着付けマダム18回(その2)

コーディネートお稽古が終わってから、次は私の着付けのお稽古。
いったん着てきたものを脱いで、長襦袢を着るところからから始まり。長襦袢の下、裾よけは夏前まではスカート式のをはいていたのだが、それだと裾つぼまりにしにくいからという理由で、巻きつけ式に変更。これがうまく着られているかどうかからチェックしていただく。
まあまあ、らしい。
で、長襦袢の着付け。充分に衿を抜くこと。衿あわせは合わせすぎるほどあわせること。衣紋抜きに通す紐があまり下すぎるとよくないので、3段階あるうちの中段より上に通すこと。衿を合わせたら下前の衿先と衣紋抜きの紐をそれぞれを持って下に引くこと。次に上前も同じ(この辺は復習で、過去の日記にもすでに書いてあるはず…。)背中のシワをきちんととること。
正しい着物姿は正しい襦袢姿から、ということで下の画像の左側2枚のような感じ。衿の合わせが深く、脇がぴしっと伊達締めの中に納まっている。こうなると着ているほうも気持ちがいい。後姿は衣紋抜きに通した腰紐が充分下に引っ張られている。腰紐は一度前で交差させて後ろで結ぶ。無理に伊達締めの内側に収めなくてもいい。背中のしわを丁寧に伸ばしておく。こうして襦袢姿の前後の写真を並べてみると、当然のことながら前身ごろの裾はずいぶん上がり気味になることがわかる。
それから着物。今回帯の後姿を撮るのを忘れてしまったので、前姿だけ。ようこさんが撮影してくれたので、マダムが監修に回って立ち姿から着物のシワまでチェックしてくださった渾身のポーズ。
写真に撮られるときの注意。手を上げ下げしたり動いているうちに胸の両側の布がだぶついてくるので、写真に撮る前には、さささっと余分を脇の下にはさむとすっきりしてきれい。前で重ねた指は伸ばす。以前、別の方に手は軽く握ったほうが自然に写るといわれたが、それだと老けて見えるらしい。老舗の女将っぽい感じ?手先はちょっと上げ気味に、でも上げ過ぎない。カメラに向かって全身を斜めにして顔だけ正面に向ける。
…われながらけっこういいんじゃないですか??顔がなければね(笑)
それにしても、自分としては体型の変化がよくわかる一枚。成人式の時は、胴回りはもちろん、肩にも胸にも肉布団として脱脂綿を乗せて、それでもうすっぺらな感じで写っていたのだが、今回は胴回り以外の補正は一切なし。ほほほ。

今回は家から着て行ったので、ようこさん宅でもう一度着るときに、仮紐(腰紐)がないことに気づく。もともとマダムの着付けはほとんど仮紐を使わないのだが、帯を締めるときは、手先をお太鼓の中に収めるまで胴巻き部分を固定するために使っている。それから今回は二重太鼓だったので、タレの位置を決めるときも使って都合2本必要なのだ。ようこさんが腰紐を貸してくれるというのをマダム遮って「私たち(プロ)は仮紐なんて使わないから、それ無しでやりましょう。」というわけで、手先を押さえる仮紐は、帯締めで代用。なるほど。それから二重太鼓はがんばって両手を伸ばして折り上げの位置を決め、帯の耳同士がきちんと重なっていることを確認し、お太鼓部分が平行に折りあがるように気をつける。ふぅ。これは場数を踏めばナントカなるかもしれない。
袋帯は真ん中で折らないこと。胴巻き部分の外に向くほうが若干多めになるようにする(そうでないと、身体側の帯の裏側が表から見えてしまう。)

コーディネートは、これでまあよし。でも、ちょっと帯締めが細めで弱い(らしい)ので、いっそ礼装用の白い幅広のものでいいかもしれないとのこと。この細いのを藤結びしたらどうかな。他に変えるとしたら(安売の店で買った)抹茶色に金が入った帯締めが合う。同じ時に買った色違いの煉瓦色は合わなかった。実際乗せてみないとわからないものだ。
訪問着の着付けは、丈は長めというが、出かける際は少し短めにして、あとでトイレなどでずるずると引き出したほうがよいとのこと。それから、動いているとどうしても腰紐が緩んでくるので、おはしょりの下に手を差し入れて、腰紐を結びなおすこともアリ。
いずれにしても正しい姿を頭に叩き込んでおかなければこのような補正はできないのであった。

来月はマダム多忙につきお休み。
次回はもう師走なのでお正月の着物姿の研究だ。母からもらったレトロな帯留を使って見るとのこと。


2008年10月13日(月) 着付けマダム18回(その1)

ようこさんがコーディネートに悩んでいるという話を聞いて、一度マダムに見ていただこうということになり、ようこさん宅で合同お稽古。
一方私は何をお稽古していただこうかしらと考えて、目新しいものではこの間袖丈を詰めた綸子の振袖。訪問着として着ましょうということで、マダムに事前にメールでコーディネートの相談をすると、成人式の時の帯で行け!とのご指示だったので(実際はそんな言葉遣いではありません。念のため)、帯と振袖は成人式の時のもの。小物類はさすがに当時のままとは行かないので、白地に銀糸の入った細い帯締めと、墨染めに桃色のぼかしが入った帯揚げ。荷物は多くなるけどそのほかにも小物類をいくつか用意するようにといわれたので、持っていくより着ていくほうが荷物が減ると、思い切って着て行く事にする。
で、これがまあ大変。
着物自体がひと月ぶりな上に、ひと月前は夏。肌襦袢の着方から戸惑う。長襦袢は振袖とセットなので、自分で着るのは初めて。衣紋抜きをつけることは覚えていたが、はて、ここに何を通すんだったか…。衣紋抜きに腰紐を通すんだったと思い出して、一回やり直し。やっとのことで長襦袢を着て着物を羽織り、ここから先はさすがに身体が覚えているので比較的スムーズに進むが、帯にかかると、またこの帯が重くて短くて、ずるずる。綸子の生地は滑りやすく、ご丁寧に長襦袢もすべすべなので、帯を締めているうちに、胸の辺りがはだけてきた。
…やり直し。
さっきの反省点を生かしながらもう一度着物を着て、帯。帯はここ何回かずっと作り帯だったので、またも思い出しに時間がかかる。仕上げ間近にちょっともたついていたら、どさっとお太鼓が落ちた。そりゃ落ちますよ、手を離しちゃったら。仮紐外してんだから。
てな感じで、汗だくになりながら早1時間半。過程を何回も行きつ戻りつやり直しているので、そばにいる夫には一向に進捗していないように見えるらしい。横で「いろいろ大変だねぇ。」などと涼しい顔をしている。
結局、着付けに2時間の余裕を見て、2時間強かかってなんとか仕上がり、上に道行を着て出かける。ようこさん宅近くのファミレスでマダムと落ち合うと、「あらちゃんと着られてるじゃない、感心したわ。」とのお言葉を頂く。あーよかった。
×××
ようこさんのお宅に着くと、和室いっぱいに広げられたようこさん手持ちの帯、着物、小物類に迎えられる。ステキ。ようこさんのは、お下がりやもらい物もあるけれど、最近になって自分用にあつらえたものや若い頃にお母様が準備して置いてくださった比較的新しいものなどもあって、私のものとはまた違う品揃えで目新しくうらやましい。
ようこさんが「この着物/帯にはどれをあわせればいいのかわからなくて…。」と言って見せると、マダムがてきぱきと「この着物はこの帯を合わせて、小物類はこれこれをあわせましょう。」と目の前で組み合わせてみせては、そのたびにようこさんと私が「わー、考えもしなかったー。」と驚くという繰り返し。さらにようこさんの驚きっぷりにマダムも「あらまぁ、そんなに驚かなくても…。」と驚く。この道40年のマダムには当たり前のことでも、私たちにとっては目から鱗が落ちる思い。
一応「織りの着物に染めの帯(あるいはその逆)」とか、錦糸の入った帯や帯締めはある程度格のある着物に、というルールはあるものの、基本的には「何でもいいのよ。」というマダム。その「何でも」が難しい。とりあえずはパートとして着物・帯・帯揚げ・帯締めを、上(着物・帯揚げ)と下(帯・帯締め)の2パートで考えるのもいいのだとか。
ようこさんはわりと渋好みなので「あまり好きでなくて…。」と見せた、実家から持ってきたというピンクの付け下げ。いらないなら私が欲しいっ!と口に出そうになったところで、マダムがこれまたすばらしいコーディネートを見せて下さり、いきなりようこさんお気に入りの一枚に変身。
ようこさんが最近呉服屋さんで買った帯締めがとても素敵。色もきれいだし、質感もいい。やっぱりいいものはいいなぁ。私もきれいな帯締めが欲しくなった。
(続く)


2008年10月05日(日) 「捨てられない人」帰還。

約一週間の出張から戻ってきた夫@捨てられない人。
玄関を開けるなり、「うわー。なにがおきたのー。どうしたのー。」と驚く声が聞こえる。
うちは、総床面積のわりにムダに廊下部分が多く(不動産屋さん曰く「ゆとり」)、彼の留守中に一畳書斎でゆらゆらしていた積本高層タワーを廊下に出して、新たな低層タワーを構築しておいたのだ。人が通れるぐらいの幅を残して壁に沿って本を積んでいって、それでもまだ積み場所がないのが一畳書斎に残っている。
「なんで出ちゃったのー。」と驚き続ける声ににんまりしつつ知らんぷりしていたら、そのうち静かになった。いつまでも廊下にいるので覗いてみたら、旅行かばんを背負ったまま、次々と本を手にとって顔を輝かせて眺めていた。

…。

がらんとした一畳書斎を見て、「あ、ここまで出たら、あとはナントカ…♪」と明るい声を出す夫。
出たんじゃなくて出したんだ。出ちゃったんじゃなくて出したんだ。これだけ出すのに何日かかったと思ってるんだ!「何日かかったの?」「一週間だっ!いっしゅうかん!」「へえー。」
あたり構わず積んだものだから変な風によれてしまった本や、パックされたままの本などを指して「これを死蔵という。」と解説。ずっとほったらかしておいたからユーロ切替で使えなくなった硬貨や期限切れの優待券などを見せて「これは宝の持ち腐れという。」と解説。原稿料の払い込み先をいついつまでに教えてくれと言う手紙も見つかった(締め切りが過ぎていてもらい損ねたらしい。)
地層を掘り進めて行くたびにいまだに出てくる、ウェットティッシュやホテルのアメニティグッズの類、留守中に種別ごとに分類して箱に詰めなおしたのを見せたら、「わぁ☆これだけあれば当分貰わなくていいね♪」といった。

もう金輪際貰うな(-"-)


2008年10月01日(水) 人生には「?」と「!」が必要だ。

仕事帰りにとぼとぼ通りを歩いていると、道行く人の雰囲気がなんとなく浮き足立っている。「?」
人々の向ける視線の方向にを見ると東京タワー…がピンク!というよりなんとなく紫っぽい?光に照らされたあたりもなんとなく幻想的な雰囲気。
えーっと…と考えて納得。これは、毎年恒例の乳ガン早期発見啓発キャンペーンの一環で、ピンクリボンに見立てたタワーなのだ。腎臓病世界糖尿病デーの時は、これが青く染まる。
皆、なんだなんだといいながら、道で立ち止まって携帯で写真を撮る人もいれば、本格的にズームのついたカメラを構える人もいる。三脚を担いできて中央分離帯に陣取ったり、いきなり路上駐車して車道でカメラを向けるつわものも。写真が撮れた人たちはみんな一様に嬉しそう。画像を確認して、足早にそこを去っていく。ブログやmixiに載せるのか、家族や友達にメールするのか、はたまたコンテストに応募するのか。
普段と違うタワーの色に盛り上がってるけど、みんな乳がん撲滅キャンペーンだって知らないで浮かれてるんじゃない?と一瞬思いかけて、考えるのをやめる。なんとなくウキウキしている街路の雰囲気に、やっぱり人生には「?」と「!」が必要だ、と思った。
タワーがピンクであるその理由なんて、後からでも知ればいい。楽しい思い出と結びついたほうが、よほど強烈なインパクトがある。

参考サイト:
「年に一度のピンクタワー!10月1日(水) 東京タワーがピンク色にライトアップされます。フォトコンテストも開催! 」

http://www.tokyotower.co.jp/cgi-bin/reg/01_new/reg.cgi?mode=1&no=1212


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