昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2005年02月28日(月) 足並みをそろえろ

 午前6時50分起床。やっぱり喉が痛い。周りが風邪やインフルエンザで倒れる中、何とか元気溌剌を保ってきたが、私の運もここまでか。このまま扁桃腺から高熱でもでて、月曜日から会社を休むというようなちょっと楽しいことになるかもな、と考えてみるも、喉が痛い以外はいたって元気溌剌なのだった。

 というわけで仕事場へ。午後から会議。こないだの会議で喋りまくったことが喉の痛みにつながっているのかも、と思い、どうせ私の話なんか誰もまともに聞きやしないんだし、と少々卑屈にもなって、今日のところは大人しくしておく。
 ちょっとだけ残業して終業。帰る途中、京阪モールの無印良品に行く。「お得意様ご優待セール」の葉書が届いていたため、何か欲しいものがあれば買おうかと思って寄ってみた。それにしても私はいつこの店の「お得意様」になったのだろう、特に何を買った覚えもないけどな。店内を見て回るもどうも買物気分が盛り上がらずとっとと退散。結局、モールの地下で鶏肉とコーンパン、チェーン店の薬屋でうがい薬、近所のスーパーでチキンブイヨンと鮭を買って帰る。今夜のメニュウはクリームシチュウ。
 帰ったらポストにスムース文庫が届いていた。句入り署名本の「読む人」。本を読んでいる人ばかりを描いたスケッチ集だ。嬉。

 宅配野菜を片付けたあと、チキンのクリームシチュウを作って食べる。旨し。食べているとTが、明日の弁当にクリームシチュウとパンを持っていく、と言い出し、弁当にシチュウなんておかしいよ、と言い返すが、いや持って行く休憩室のレンジでチンして食べる、と主張し、レンジに耐えうる弁当箱なんかない、とまた言い返すと、じゃあ普通の弁当箱にシチュウをいれて耐熱皿とラップも一緒に持っていき移しかえてチンすればいい、とまで言うから、そこまでしてシチュウを持っていくことないだろう、とまた喧々諤々の議論となる。この人とはいつも食べ物のことで喧嘩するなあ。

 夜。Tが買ってきたブルータスを読み、アカデミー賞の話をして、うがいをして早めに就寝。午前1時消灯。午前1時が早いか遅いか、よくわからんのだけど。

・購入物:林哲夫「読む人」(スムース文庫)届いたもの

・朝食:ロールパン、苺ジャム、ヨーグルト、デコポン、バナナ
 昼食:お弁当(コンニャクのピリ辛煮、レンコンと人参のキンピラ、卵焼き、ごはん)
 夕食:チキンのクリームシチュウ、レタスサラダ、ほうれん草と春菊のゴマ和え、コーンパン、麦酒


2005年02月27日(日) Life is a showtime

 日曜日。晴れ時々くもり。相変わらず寒いが、風が弱いぶん昨日より過ごしやすい気もする。本日のできごと、以下、時系列。

 午前中。
 午前9時起床。新聞熟読ののち、昨日は時間がなくて聞けなかったので録音しておいた「ウィークエンドサンシャイン」と「世界の快適音楽セレクション」を流しつつ、朝ごはんの支度とその摂取。昨日のラジオを聞いているから今日が土曜日みたいに感じる。それから掃除に取り掛かる。曇りがちだけど強引に布団も干す。
 
 午後。
 一週間の汚れを取り除いたあとは、お惣菜作り。レンコンと人参のキンピラ、ほうれん草と春菊のゴマ和え、コンニャクのピリ辛煮を作る。お惣菜をこさえるとひと仕事やり終えた気になる。マリア・ヒタなど聴きつつ、二階の部屋に丸くできた陽だまりの上にゴロンと寝転んでお昼寝。歌声が意識のむこうにドンドン遠のいていく感じがたまらなく気持ちいい。日差しがかげって寒くなった15時半ころのっそり起きて、買物がてら古本でも見ようと自転車に乗っておでかけ。布団と洗濯物はとりこんでおく。

 夕方。
 自転車を置いて、千林界隈を散歩。甘いものが食べたくなって、「かどや」でクレープを食べる。クレープなんて食べるのはいつ以来だろう。アツアツのカスタードクリームの味がどことなく懐かしい。食欲を満たしたのち、古本を見る。いつもよく行く古本屋さんが休みのため、商店街内のあまり探索したことのない店に入って、棚を掘り起こしてみる。文芸文庫が2冊、それぞれ200円で見つかった。志村ふくみの「一色一生」は機会があったら読んでみたいと思っていたので喜んで購入。他にも中川一政の随筆や正岡子規の評伝など、好きな人が書いたもの、好きな人について書かれたものが安くで買えた。
 続いて千賀書房でも3冊購入。上司小剣「鱧の皮」の500円を高いとするか安いとするか、解釈にしばし迷うが思い切って購入。上司小剣は、大阪を舞台にした小説を書かせたらもしかして織田作よりも巧いかも、と思える作家。幕切れが見事で、しびれる。それからチェーホフとトルストイを。トルストイはホントは「幼年時代」が読みたいのだが、なかったのでまず「少年時代」を買うことになった。順序がバラバラだが、今更そんなことを気にしていてもはじまらない。
 市場で、鰤の刺身とニラともやし、焼酎を購入、自転車で帰る。日がとっぷりと暮れた。

 夜。
 酒盛りの後、本の整理をしつつ読書。本棚のロシア文学ばかり集めているところから、チェーホフとその関連の本を出してきて、読む。読書のおともは、いつものとおり珈琲と煙草。でもだんだん喉が痛くなってきて、何だかイヤな予感がするのでお風呂に入って早めに寝る。午前0時半ころ、消灯。
 
・購入物:志村ふくみ「一色一生」(講談社文芸文庫)
     中川一政「我思古人」(講談社文芸文庫)
     柴田宵曲「評伝 正岡子規」(岩波文庫)
     上司小剣「鱧の皮」(岩波文庫)
     チェーホフ「決闘・黒衣の僧」(新潮文庫)
     トルストイ「少年時代」(新潮文庫)   全て古書

・朝食:ごはん、焼鮭、豆腐とネギの味噌汁、キャベツの茹でサラダ、大根の漬物
 昼食、というか、オヤツ:カスタードリンゴクレープ
 夕食:鰤のお刺身、レンコンと人参のキンピラ、ニラとモヤシのぽん酢サラダ、炙りスルメ、焼酎(二階堂)のお湯割、ごはん、大根の漬物


2005年02月26日(土) 先斗町の雪

 母とデートの日。展覧会見物に誘われた。母に付き合った後は、四条で浪人生の頃からの友達であるYちゃんと晩ご飯を食べる予定であったが、Yちゃんの子どもが熱を出したため取りやめになった。会うのを楽しみにしていたが、まあ仕方ない。Yちゃんが誰かの母親であることに私はまだ慣れないが、息子のことを案じる様子を電話で聞くと、ああなるほどな、と思う。人は変わるもんなのだな、と。

 雪が舞い散る京阪三条駅で母と待ち合わせ。三条通りをテクテク歩いて京都文化博物館まで行く。ここで「古代エジプト文明3000年の世界展」というのを観る。古代エジプトと言われてもな…、というのが正直なところで、まあどう思っていいやらわからん部分があるのだが、母はこのあたりのことが好きなようで、ミイラ木棺がどうしたとか、パステト女神像がこうしたとか、しきりに説明してくれた。母が古代エジプトに興味があるなんて知らなかった。知らないことばかりだ。
 館内の照明をぐんと落としてあって、暗いところにボウと浮かび上がるミイラマスクを眺めるのは、けっこう怖かった。入場者がもっと少なければ、きっと真剣に怖かったと思う。カバ像やトキ像など動物の木像がかわいくて好き、と言ってみたり、クレオパトラって何で死んじゃったの?、とか質問して、母に馬鹿にされた。

 博物館を出て、京極でお寿司を食べる。しばらく来ない間に新京極は下品な下着の店が本当に多くなった、と母はえらく憤っていた。ほんのり温かい蒸し寿司が美味しかった。
 高島屋で少々買物をして(母が散々迷ってスカートを買った)、Yちゃんに振られた私は母とともに実家に帰り、弟とも楽しく歓談し、夕飯をご馳走になって大阪に帰った。高島屋で買ってもらった阿闇梨餅と西利の漬物、デコポンをもらう。
 行き帰りの車内では講談社の「本」を全部読んでしまう。町田康の小説はだんだん磨きがかかってきたな、と思う。それから「私のなかのチェーホフ」を途中まで。

 夜、というかほぼ夜中。お通夜から帰ってきたTがお腹が空いたと言って、キャベツともやしで焼きそばを作りはじめ、美味しそうだったので少しわけてもらってそれでビールを飲んだ。夜中にこんなもの食べちゃって、不覚なり。しかも食べてすぐ寝てしまった。ダメー、だな。

・購入物:なし

・朝食:バターロール、苺ジャム、ヨーグルト、バナナ
 昼食:乙羽にて。蒸し寿司、赤だし
 夕食:実家にて。エビのチリソース、野菜の春巻き、粕汁、ごはん、焼酎お湯割


2005年02月25日(金) いつまでも四苦八苦

 気がつけば金曜日。さらに気がつけば2月も終わりに近づいていて、何だったんだろうこの1ヶ月、って毎月思っているような気もするな…。とにかく瞬く間に日が過ぎていく。
 朝起きてもイマイチ気分がすぐれず。弁当をつめる気にもなれない。簡単に雑煮を作って食べる。今日はどう考えてもバタバタ忙しくなりそうな予感がして、少々出社拒否気味。

 案の定、終日バタバタ。昼ご飯もろくに食べられず。おお、イヤだイヤだ。適当に残業して引き上げる。心が渇いているという感じがする。こんな時は本屋さんへ行かなくちゃ。ジュンク堂まで歩くのは遠くてしんどいので、今日は旭屋へ寄る。
 一階の文芸書のところで本を見ていたら、白髪のおじいさんがブツブツ独り言を呟きながらやって来て、「えー、古井由吉の新刊はどこや…、フ、フ、フ、フルイ…、アレー、ないなあ、アレー、ないのかなあ」と言っている。古井由吉の新刊はおじいさんの目の前にあるのだが、見当違いの方ばかり探しているから気がつかないのだ。余計なお世話かな、と思いつつ、これじゃないですか、と言って差し出してみる。おおこれこれ、と白髪おじいさんは喜んで、この人の本もっとないか最近たくさん出たでしよ、と言うので、脚立を持ってきて棚の上から「野川」とあともう一冊取って差し上げる。おじいさんはさらに喜び、3冊ともお買いあげになった。私は今日、ハードカバーを3冊も売りました。旭屋さん、ご褒美になんかくれ。
 とにかく堀江敏幸の新刊を買い、「本」をもらう。それからブックファーストに移動し、「FOIL」の新刊、川内倫子の写真集を購入。第3ビルの古本屋さんに閉店間際に飛び込んで、リーフェンシュタールの文庫本を買った。これの単行本は手に取ったことがあったのだが、文庫で出ているのを知らなかった。300円。満足して、地下でごはんを食べて、置きっぱなしにしていた自転車で家路へ。満月っぽい月がでていた。今日は暖かい一日だったけれど、夜から徐々に冷えてきた。

 夜。Tの元同僚が亡くなったという知らせが入り、喪服を出したり数珠や香典袋を引っぱり出してきたり薄墨の筆ペンを探したり、なんかごちゃごちゃやっている間にあっという間に夜中。まともに社会生活を営むというのはたいへんなことだ。
 疲れて入浴後、日記書いて寝る。時間忘れた…。ホントに何でも忘れるなあ。

・購入物:堀江敏幸「河岸忘日抄」(新潮社)
     川内倫子「the eyes,the ears,」(FOIL)
     レニ・リーフェンシュタール「ヌバ」(新潮文庫)これのみ古書

・朝食:雑煮(味噌仕立て、大根と人参入り)
 昼食:メロンパン1個、珈琲
 夕食:ぶどう亭にて。カットステーキ、ライス、スープ


2005年02月24日(木) 触るな危険

 午前7時起床。ゴミ出し、弁当と朝食作り、洗濯はせず台所の後かたづけだけして家を出る。平均的な朝。会社に行く前に郵便局で「スムース文庫」を送ってもらうため、600円振り込む。
 午前中はまずまずの天気であったが、昼すぎから横なぐりの雨が降り、かなり空気が冷えてくる。自転車は会社に置き去り、地下鉄で帰った。

 夕方から私の苦手人物Kさんを交えて、数人で打ち合わせ。疲労がたまっていく。それはたぶんKさんが四角四面なことばっかり言うせいだと思う。Kさんの持つ鋭い直角にグイグイとつつかれる。先が思いやられるよ。まあ、私のように角がなく、角どころかそのものの形さえもないようなドロドロ人間もどうかと思うけど…。

 遅くなったので、その場にいた6人ほどで呑みにいくことになった。私は本当に疲れてて、一刻も早く自分の「世間向けスイッチ」をオフにしたかったので、ものすごく面倒くさくて、ものすごくイヤだったけれど、断る理由が思いつかずダラダラとついていった。
 呑み会は、先週誰かが行ったというスキーとスノボの話とか(スキーとスノボについては何の興味も持てないし、どこが面白いのかわからない)、ゴルフの話とか(ゴルフはもっとどうでもいい)、血液型の話とか(血液型!よりいっそうどうでもいい)、フクダさんにはこれからももっと頑張って欲しいわね、そうそう張り切って頑張ってもらわなくちゃ!というような話とか(頑張れ頑張れとやかましいわ、お前の方がもっと頑張れ)、私の関係ないところで盛り上がり、要するにクソ面白くもなかったので、ムッツリしてほとんど喋らず黙々と飲み食いしていたが、みんな自分の話に夢中で私のことなんかに頓着していなかった。これでいいのだ。

 10時頃散会。帰りの地下鉄で「詩人のノート」を読んでしまう。読了、という言葉が似つかわしくない本だった。何をもってしてこれを「読んでしまった」と言えるのだ?
 家に帰ってお風呂に入り、濃いめの珈琲を飲んだら気分が悪くなり、胃薬を飲んで、早々に床につく。あんまり美味しいお酒じゃなかったな。でも酒を美味しく感じるかどうかは自分次第だな、などと考えつつ寝る。

・購入物:なし

・朝食:バタートースト、珈琲、バナナ、ヨーグルト
 昼食:お弁当(塩鮭、ピーマンのきんぴら、ゆで卵、ごはん)
 夕食:梅田の居酒屋で。店名忘れた。チェーン店。味は普通だが、刺身の盛りつけはキレイではある。ヒラメ、ホタルイカの刺身、牡蠣フライ、帆立のバター炒め、上ミノのおろしポン酢、カツオたたき、生中麦酒4杯、焼酎お湯割4杯ほど、かな。細かいことはもう忘れた。なんでもかんでもどんどん忘却の彼方へ。


2005年02月23日(水) 眼を閉じて見なければならぬ

 午前7時すぎ起床。朝ご飯は簡単にすませて、お弁当用にケチャップオムライスを作る。ピーマンと人参、玉ねぎ入り。ウサギさん型に皮をむいたリンゴも詰めて、まるで幼稚園児のような弁当。
 天気予報によれば終日晴れるそうなので、無邪気にそれを信用して洗濯物を外へ干していく。暖かく、どこからともなく花の匂いが漂ってきそうな、春間近な風情の一日。春がキライな私はどことなく憂鬱だ。Mさんにもらったシクラメンは、もう完全に咲かなくなった。葉っぱだけが無秩序に伸びている。

 終業後、仕事で使用する本を探しにジュンク堂へ。つまらぬ用事はさっさとすませて、岩波文庫のリクエスト復刊の中からチェーホフを一冊買う。「決闘」は古本で買った全集で読んだけれど、「妻」は未読なのだった。それから群像社ライブラリーの新刊リジャ・アヴィーロワの「私のなかのチェーホフ」も一緒に買う。徐々に自分の中のチェーホフモードが上がってきた。今週は「田村隆一週間」にするはずだったんだけれどなあ、このコロコロコロコロと変わる気分をどうにかしたいものだ。

 夜。珍しく教育テレビの「おしゃれ工房」なんて観てしまう。今日は吉沢久子さんのお宅拝見。この人が古谷綱武とご夫婦だったことを今日はじめて知った。古谷綱武の文章は古い「暮しの手帖」でよく読んだものだ。吉沢さんのひとり暮らしぶりは、質素な中にもかわいらしい華やぎがあって、ステキだった。

 寝る前には、チェーホフと洲之内徹を交互に読んでどちらも読んでしまうのがもったいなくて途中で止め、結局引き続き「詩人のノート」を読む。田村隆一の言葉の選び方が好きだと思う。午前1時ころ消灯。

・購入物:A.チェーホフ「決闘・妻」(岩波文庫)
     リジャ・アヴィーロワ「私のなかのチェーホフ」(群像社)

・朝食:クロワッサン、チーズ、珈琲
 昼食:お弁当(オムライス、ミニトマト、大根菜のおひたし、リンゴ)
 夕食:雪見鍋(ごく普通の寄せ鍋に大根おろしをたくさん入れたもの)、麦酒


2005年02月22日(火) 壁の花

 今日も快晴。寒い。日ごとに寒くなっていくような。
 今朝の音楽は引き続きセウ・ジョルジ。良い。良いんだけれども、少々歌唱力に難があるように思うのは気のせいか。低いところはまだいいのだが、高音がちとしんどいかな。でも惚れた弱みで許してしまう。

 仕事へ。実のない会議と閉塞感たっぷりな打ち合わせの二段攻撃にあってぐったり。喋りすぎて舌が痛い。少々残業ののち、疲れたため自転車で帰宅。帰り道、近所のスーパーに寄る。
 棚卸後の大出血セール!、とのことで、7時半もとっくに回っているのにけっこうな人だかり。「えのき3袋100円」「大根1本100円」「キャ別1個100円」、を買う。このスーパーのPOPはいつも「キャベツ」を「キャ別」と記してあるんだけれども、キャベツの「ベツ」ってホントに「別」なんだろうか。どうでもいいけど気にかかる。「バナナ1房100円」と札に大書きしてある前で、ピンクのマフラーを巻いた金正日みたいな髪型のおばちゃんが、このバナナいくらー?、と店員に向かって怒鳴っていた。100円ってちゃんと書いてあるやん、と心で思う。おばちゃんは目の前にあるものを見もしないうちから何でも人に聞く傾向がある。
 近所の本屋さんで「本の窓」と「青春と読書」をもらう。旭屋では販売しているこの2冊の本ではあるが、ここではもらえる。読むとこないけど。文字がズラズラ書き連ねてあっても読むところがないと感じるのは寂しいことだ。

 夜。音楽聴きながら、静かに読書。今週は「田村隆一」週間、と勝手に決めて、ポツポツと詩集など読んでいる。寝る前には、いつも開いたページを熟読していた「詩人のノート」をちゃんと通読するべく、最初から読みはじめた。
 午前1時前消灯。
 
・購入物:なし

・朝食:ビーフシチュウ(残り)、トースト、珈琲
 昼食:お弁当(ウィンナー、卵焼き、ピーマンとジャコのキンピラ、ごはん)
 夕食:肉そぼろ丼、ベビーリーフとコスレタスのサラダ、大根の味噌汁、麦酒


2005年02月21日(月) 二兎を追いかけて

 快晴。朝から晩まですっきり晴れるのは久しぶり。はりきって洗濯をする。ベランダに風が吹き付けてきて、足と手先がかじかむ。今日は底冷えする感じで、夜になるといっそう寒さが増したけれど空気が澄んでいるせいか、空の月と星はピカピカであった。

 終業後、ホテホテ歩いてタワーへ。セウ・ジョルジのCDを買いに行く。タワーは誰かのライブか何かがあったらしく、キャアキャアと青い声の女の子たちでごった返していた。CD一枚、素早く買ってジュンクへ。新刊をチェックに行くも目当てのものが並んでおらず、今日はこれにて退散するか、と帰りかけたら洲之内徹の新刊を発見してビックリした。昨年出た「おいてけぼり」の姉妹編で、タイトルは「しゃれのめす」。うーんどうなの、この題名。まあ何でもいいや、と、とにかく買う。予想外に充実した買物になった、財布の中身は薄く薄くなってしまったけれど。

 帰宅したら、Tが台所を汚しまくってビーフシチュウの支度中。このお腹の空いている時にビーフシチュウなどという時間と手間のかかるものを何故作ろうとするのかと少々イライラし、後片付けをどちらがするか、サラダを作るか作らないか、シチュウの器を何にするかで言い争いになり、お互い空腹のため気が立っていて実に険悪なムードが漂う。人間誰しも、お腹が空いては波風を立て、いろいろ事を仕損じるものだ。常に腹は満たされていなければならないのかもしれん、特に私のバヤイ。

 夜。
 買ってきた洲之内徹の本を読む。主に短文が収録されているため、「気まぐれ美術館」のように話が捻転しないのが少々物足らないけれど、カラー絵がたくさん見られるのが嬉しい。
 それからセウ・ジョルジを聴く。うーん。要所要所だけはとびきり優しくて、性根のところは冷たそうな、このテの男にはホントに弱いなあ、とつくづく感じる。

・購入物:洲之内徹「芸術随想 しゃれのめす」(世界文化社)
     seu jorge「CRU」(Omagatoki)

・朝食:トースト、ベーコンエッグ、珈琲、リンゴ半分
 昼食:お弁当(キンピラゴボウ、昨夜作った煮物の残り、ミニトマト、ごはん)
 夕食:ビーフシチュウ、ガーリックトースト、水菜のサラダ、麦酒


2005年02月20日(日) 二度ともどれない

 寝すぎにより、貴重で楽しい「日曜日の午前中」という時間を失った。信じられへんと思うけどもう12時やで、とTが起こしにやって来るまでコンコンと眠っていた。不覚なり。
 トーストを一枚食べて、それだけでは足りなくて餅も焼いて食べる。お正月にもらった餅はまだなくならず、冷凍庫でボチボチ邪魔になりかけている。
 くもりときどき晴れ。風が冷たくけっこう寒い。モコモコセーターを出してきて着込む。

 掃除。ぬるま湯をバケツに入れて、玄関先をみがく。外の戸と、道路に面した窓も拭く。通りがかりのおばあちゃんが、いつもていねいにキレイに掃除してはってエライねえ、と褒めてくれた。ホント?お世辞でもうれしいよ。ていねいじゃないけどね、キレイにはしてるつもり。
 その後、台所を片付けている時、手がすべって、大切にしていた伊万里の蕎麦猪口を割ってしまった。持った時の感触と深い赤の染付が好きだった。さっき餅を食べながら煎茶を飲んだのが、この蕎麦猪口との最後の付き合いだった、そうと知ってたらもっとゆっくりお茶を飲んだのに、最後の瞬間が何時なのか絶対知ることはできない、それに備えて心の準備することはできない、誰も彼も何もかもが突然失われて突然去っていってしまう…、というようなことを考えていたらものすごく寂しくなって、生きていくのがイヤになった。

 あまりに気がふさぐので、山下達郎のラジオを聴き、次いで「モロ・ノ・ブラジル」のサントラを聴きながら、トイレ掃除とお風呂掃除をし、Tと連れ立って、歩いて片道20分くらいかかる近所のスーパー「イズミヤ」まで晩ご飯の買物に行って、帰りに屋台でたこ焼きを6個買って公園のベンチに座って食べ、何にも買わなかったけれど本屋さんで立ち読みをしたら、気持ちが徐々に上向きになってきた。割れた蕎麦猪口は新聞紙にくるんでゴミに出した。
 
 夜。本棚の整理を行い、奥のほうから出てきた、懐かしい懐かしい気が遠くなるほど懐かしい、石井桃子の「ノンちゃん雲にのる」を読んだ。幼き頃、何度も何度も読んだ本。やっぱり素晴らしくよかった。ふくよかな家族の風景。置いてきぼりにされたノンちゃんが泣き叫ぶところは夏休みに畳の上で扇風機を回しながら読んだなあ、とか、池に落っこちちゃうところはコタツに足を突っ込んでうずくまりながら読んだなあ、とか、昔読んだ時の思い出とともに話を追っていくのが言葉にできない愉しさだった。
 
『その朝、ノンちゃんは、その日のおてんとうさまとおんなじくらい、はればれと目がさめたのです。
 トントン、トントン、トントントン……
 お勝手で、おかあさんが、おみおつけのダイコンを切っている音がしました。ノンちゃんの胸が、なんということもなく、うれしさでぷうとふくれました。まな板の上にもりあがる、水けをふくんだまっ白い、四角い、細い棒の山を心にえがきながら、ノンちゃんはもう一ど目をつぶって、ぼうと、朝寝のあと味をたのしんでいました。』

 という、日曜の朝の光景がすごく好き。来週はちゃんと早起きしよう。

・購入物:なし

・朝食:バタートースト、焼餅1個、ヨーグルト
 昼食、というかオヤツ:たこ焼き6個
 夕食:鶏肉とゴボウと人参とコンニャクと大豆の煮物、湯豆腐、ホウレンソウのおひたし、炙りスルメ、麦酒、ごはん

 


2005年02月19日(土) all right

 午前7時起床。ラジオを聴きつつ、スパゲティナポリタンを作りTの弁当に詰め、残りをひとりで食べる。百貨店の大食堂の味がした。
 食後、珈琲を啜りながら朝刊を熟読。本日の記事中最も愕然としたことは、日本アカデミー大賞の作品賞に『半落ち』が選ばれていたこと。日本アカデミー大賞というものはもう「終わっている」のだろうし、もともと「始まって」もいないのかもしれないので気にとめる必要はないのだとしても、もっと他に良い映画があるだろうによう、というやるせない気持ちを抑えることはできない。たぶん賞を与えねばならない事情があるのだろうけれど、それを割引いて考えても『半落ち』はサイテーな映画でした。観た後、目と耳と脳みそを洗って消毒したくなったもんね。

 そんなことはさておき、午後からは絵本の会に出かけねばならぬのでせっせと台所の後かたづけと洗濯をする。今日は終日雨模様、気温は高め、ずいぶん暖かい。向かいのおばちゃんは、半袖Tシャツに短パンといういでたちで植木に水をやっていた。気分はリゾート地。

 午後から図書館へ。紙芝居と恐竜ものの絵本を読む。概ね好評。動物をからませておけば子どもは絶対ついてくる。練習不足のため素話は今日のところは止めておく。終了後、Iさんと少し雑談。また頼まれ事をされそうになったので、なんだかんだと理由をつけて早々に逃げ帰ってくる。図書館でチェックしたい本もあったのだが、残念また今度。

 帰りに商店街にて食料調達。晩ご飯にはニラとキャベツをたっぷり入れた餃子を作る。合間に「新潮」の3月号をあらかた読了。考えてみれば文芸誌を最初から最後までちゃんと読んだのって生まれて初めてかも。結局のところ最も面白く刺激的だったのは、ああでもないこうでもないとうねうね書いてある保坂和志の連載「小説をめぐって」であった。
 夜、ラジオで「世界の快適音楽セレクション」を聴く。セウ・ジョルジの新譜から曲がかかりそれはかなり格好よかった。昨日はタワーでフェラ・クティにかまけてて、この人のCDをチェックしなかったことを激しく後悔する。セウ・ジョルジは音楽だけでなく姿かたちもぴったり好みのタイプでクラクラしてしまう。春に公開するらしい出演映画と来日が、今からホントに楽しみだ。
 その後、11時頃から本を片手にリビングで2時半ころまで熟睡し、風呂に入って今に至る。でももうそろそろ寝るつもり。

・購入物:なし

・朝食:スパゲティナポリタン、トースト一枚、珈琲
 昼食:リンゴ半分、バナナヨーグルト
 夕食:焼き餃子、レタスとブロッコリーのサラダ(胡麻ドレッシング)、麦酒 

 


2005年02月18日(金) 雨傘クルクル

 文楽4月公演の座席予約葉書、出し忘れていることに昨夜やっと気がついた。なぜこのような重要事項を失念してしまうのか。劇場に電話してみると本日夕方6時までに窓口に持参すれば受け付けてもらえるとのこと、仕事を早々に切り上げて急いで日本橋まで行った。
 朝のうちはすっきりした空だったのに、昼からどんどん雲が出てきて、夕方からまたショボい雨と強風、おまけにシンシンと冷えてきた。

 文楽劇場に葉書を無事提出した後、千日前通りを歩いて波屋書房へ。ブックカバーが素晴らしくかわいい波屋書房は料理本の専門店。ここで何か料理にまつわる本を買って、あのステキなカバーをしてもらおう、と店内をめぐってみたのだが、迷ってしまって結局買えず。また今度ということにする。
 そのまま難波の無印良品へ行って日用雑貨を買い、タワーの6階で「ミュージックマガジン」を熟読の末、空いているのをいいことに試聴機を長い間独占してフェラ・クティのCDを聴きまくる。聴けば聴くほど自分がどのアルバムを所有していてどれを持っていないのかどうも確信がなくなってくるのだが、今日聴いて最もグッときたものをポイントカードをつかって一枚だけ買う。ポストカード一枚つき。最近の私はわりとストイックだ。

 つらつらと考えてみるのだが買い物というものは、限られた資金の中からああでもないこうでもないと悩み迷いつつ行うのが、やっぱり楽しいな。この先大金持ちになって、使っても使っても札束がもう余って余って邪魔になるわいアハハハ、というような状況になったら、こんなふうにチマチマと本やらCDを買ってホクホクした幸せ感を味わうことはなくなってしまうのだ。それはまあなんと寂しく荒れ果てた人生だろうか。だからみんな一生貧乏でいましょうね。

 タワーの後は裏道を通ってジュンクにも行ってみたのだが、お腹が空いてボウとしてきたため集中できずそのまま地下鉄に乗って帰宅。家で簡単にごはんを作って食べる。フェラ・クティをBGMに、甘辛くたいた油あげを入れたきつねうどんと、梅干しかつおを入れたおにぎり二つ、ワカメを入れた卵焼き。自家製うどん定食。
 それから、音楽本ばかり収納した本棚を漁って、マビヌオリ・カヨデ・イドウ「フェラ・クティ戦うアフロ・ビートの伝説」を読む。
 入浴後、布団の中で「新潮3月号」の続き。午前2時まで粘って読む。

・購入物:Fera Kuti「Fera with Ginger Baker Live」(UICY)

・朝食:ロールパン、ツナサラダ、珈琲、デコポン
 昼食:お弁当(ハンバーグ(湯につけるやつ)、ジャガイモの醤油煮、ゆで卵、ごはん)
 夕食:自家製うどん定食

 

 


2005年02月17日(木) エンドロールの後にもドラマがあるか

 目覚めたら身体がだるく、頭も重く、とにかくかったるい。布団にへばりついてなかなか起き上がれず。何もかもどうでもよくなり、7時半までダラダラしてしまう。本日はお弁当はおろか、朝ご飯もまともに食べられず。無念なり。
 提案していた企画が通り新しい仕事が1本決まった。よかったことはこのことくらい、体調はずっとすぐれず全体的に不調な日。終日生ぬるい暖かさで、夕方チョロチョロと細い雨が降った。

 帰り、旭屋に寄った折「遊歩人」をもらい、夕食後にパラパラと読む。特集は『小父さんの居場所』。特集テーマからもわかるように、「遊歩人」はいかにもオジサンの雑誌だなあという感じ。執筆陣も池内紀、北上次郎、小沢信男、泉麻人など、後は忘れたけどとにかくオジサンばっかりだし、池波志乃も書いてはいるけどこれも半分オッサンと言えなくもないような。本の綴じ方もあんまり好きじゃないのだけれど、何でか毎月もらってしまう。
 その他、本日の読書。
 車谷弘「銀座の柳」の冒頭部分で清水一の俳句にしみじみ感動してから、伊井直行の「青猫家族輾展録」を読了。地に足のついた、わりとオーソドックスな小説だった。この世で解決することってやっぱり何にもないのかも、と思ったり。

 夜、友人Yちゃんから再び電話あり。こんど実家に帰ってくるのは自分の浮気がダンナにバレて追い出されてくるのだということが判明。そんな面白いことを何故もっと早く言ってくれないのだろうか。来週寄り合う日にちを決めて電話を切る。
 頭がズキズキ痛むので、早々に眠る。

・購入物:なし

・朝食:コーンスープ(昨夜の残りのインスタント)、バナナ、ホットミルク
 昼食:ハムとキュウリ、チーズとトマトのサンドイッチ、ミルクパン(通勤途中の小さなパン屋で購入)、珈琲 
 夕食:焼き飯(豚バラと山盛りネギとジャコ、ニンニクと生姜を入れて塩胡椒で味付け。感激して涙が出るほどの旨さ。)、大根と揚げの味噌汁、ジャガイモの醤油煮、麦酒


2005年02月16日(水) 日々あれこれあれこれあれこれ

 雨ときどき晴れ、のち曇り。日中は暖かく、コートなしで出かけても平気だった。冬が終わっていくのが何となくさみしいような今日この頃。

 本日の会社風景。
 Nさんが髪をショートカットにしてきた。頭のてっぺん、つむじのあたりから顔方向に前へ前へと流れるようにパーマがあたっている。どう?この髪型、と聞くから、後頭部をパシコーンと叩かれたみたいですね、と正直に感想を述べてみると、なにそれー、とうんざりした顔をして、Iちゃんは「ハートのイヤリング」を歌ってた時の松田聖子のような感じですねと褒めてくれたわい、と言う。なるほどお世辞とはそのように言うものなのかと思い、感心する。しかし、Nさんに聖子ちゃんを持ってくるとはいくらなんでも無理がある、という気もしないでもないが。
 Wさんと吉野家の牛丼の話。Wさんが先週どこだかの吉野家で、久しぶりに牛丼を食べたという話をする。嬉しくて並んで2杯食べたんだと。私は生まれてこのかた吉野屋の牛丼というものを食べたことがないので、その熱意がうまく想像できない。多くの人が食べているのに私は未だ口にしたことのないものが考えてみればたくさんあるなあ、と思う。例えばビッグマックとかケンタッキーのフライドチキンとか納豆とか。まあ納豆を食べるくらいなら死んだ方がまし、という気もするが。
 Mさんが「小津安二郎の世界展」のチケットをくれる。来月京都であるらしい。ありがたくいただく。Mさんがくれたシクラメンが瀕死の状態であることはとうとう言えずじまい。季節の花はいずれ枯れるのだけれども。
 今日もこうして事もなく終わる。一応仕事もしたのだが。

 終業後はジュンク堂に寄って、「草思」の3月号をもらい、2階と3階で立ち読みし、編集工房ノアのコーナーの前で買うか買わぬか15分くらい悩んで、結局手ぶらのままバスにて帰るが、バスの窓から外を見ながらやっぱり買えばよかったと激しく後悔する。バスの車内に時折、キェーッ!という奇声を上げる男の人が乗っていた。信号で止まってキェーッ!、降車ボタンの音でキェーッ!、アナウンスの声にキェーッ!。なかなか楽しかった。

 夜、KBS京都で「浪人市場・朝やけ天狗」という市川右太衛門主演の映画を観るともなく観る。殺陣シーンは悪くないが、私は市川右太衛門という人がどうもいまいち好きになれず終始気分が乗らぬまま。
 今日は夜更かしせず早々に寝る。

・購入物:なし

・朝食:バタートースト、珈琲、バナナ、ヨーグルト
 昼食:お弁当(ネギ入り卵焼き、豚肉と玉ねぎの炒め物、梅干、ごはん)
 夕食:シメジとマイタケのトマトソースパスタ、ベビーリーフとブロッコリーのサラダ、コーンポタージュスープ(インスタント)、ガーリックトースト、麦酒


2005年02月15日(火) どんなことでもおこりえる

 夕方からゆるい雨。ショボショボショボと降る。よって本日は地下鉄で出勤、バスにて帰宅。行き帰りの車内と就寝前に、「新潮」3月号から村上春樹の『偶然の旅人』と、伊井直行の長編を四分の三くらいまで読んだ。村上春樹のは出来すぎ、綺麗すぎ、まとまりすぎ、で、それに加えてわりと凡庸。でも細部はちゃんと‘村上春樹してる’のはまあ、さすがかな。

 文楽劇場へ4月公演の観劇申し込み葉書を出さなきゃならないし、カエターノ・ヴェローゾのライブチケットも予約しなければならないし、スムース文庫のお金も振り込まなきゃならないし、しなければならないことがいっぱいなんだけれども、バタバタして何ひとつできないまま仕事に行って、夜はどういうわけかまた街へ買物に行ってしまった。金もないのに。ああ。
 
 本日買ったもの。
 阪神百貨店で有本葉子氏プロデュース「ラ・バーゼ」のボウルとザルの中・小サイズをセットで。けっこう高くついたけれど、ちゃんとしたステンレスボウルが欲しかったのでこれでいいのだ。
 地下で100g160円の豚ロースを200g、豆腐一丁、ヘンゼルで食パン一斤。
 タワーで、Tに頼まれた「レコードコレクターズ」。特集はレイ・チャールズ。レココレの値段が私に断りもなしに100円ほど上がったのは一体どういうわけだ。紙が変わったからか。それとも今月号だけのことなのだろうか。

 夜。埼玉在住の友人Yちゃんより電話あり。久しぶりなので小一時間話す。今月末に実家のある京都に帰ってくるとのこと、その時遊ぶ約束をする。友人の中でもYちゃんとは波長が合うというか、無理しなくていいというか、楽しむポイントが似ているというか、一番気が合って、好きだ。それにYちゃんと話している時の自分も好きだ。だから、会えるのは本当に嬉しい。

 夜中に洗濯をし、カエターノ・ヴェローゾのチケットは一応予約してみた。本を読んで、午前1時半頃就寝。

・購入物:上記のとおり

・朝食:お粥、梅干
 昼食:お弁当(平天と小松菜の煮びたし、ほうれん草のゴマ和え、ゆで卵、ごはん)
 夕食:豚肉とセロリの炒め物、湯豆腐、キムチとイカのサラダ、麦酒、ごはん


2005年02月14日(月) ちいさなことからコツコツと

 午前7時ちょっと前、ウダウダと起床。昨日の午前中に作っておいた惣菜をお弁当に詰める。このところ、食べることにかけてはわりとマメにやっている。シクラメンに水をやる。といっても、もうほとんど葉っぱだけになっている。蕾をつけても、蕾のまま枯れていく。花がなくても、シクラメンの葉っぱはどことなくチャーミングなので、もうしばらくこのまま置いておこう。

 自転車を梅田に置いて、今日は神戸に直行。阪急電車の中で、「庭の桜、隣の犬」を読んでしまう。角田光代の小説を読んでいると、これ私のことが書いてあんのかしら、と思うことがままある。これ私やん、いつもこんなふうに感じてるやん、と。『わたし、行くとこないんだよ』、って登場人物のひとりが口にするくだりがあって、どういうわけか今日はずっとこの言葉が頭に残り、何度も心でリピートしてしまった。『わたし、行くとこないんだよ』。

 昼すぎに梅田に戻り、かっぱの古本屋を眺めてから会社に戻る。永井龍男が解説を書いている、車谷弘の「銀座の柳」の文庫本を見つけて、650円もしたからずいぶん迷ったのだけれど、前から読みたかったので買った。装丁に使われている柳の絵もステキだ。
 少々残業の後、帰宅。宅配野菜を整理する。今週はちゃんと「デコポン」が入荷してきたようで、6つも入っていて嬉しい。来週は「有機はっさく」を頼んでみよう。

 夜。友人と電話で喋ったほうが早いのになあ、と思いつつ、携帯電話でメールのやりとりを数回行う。面倒くさくなって途中で脱落、「婦人家庭百科辞典」を眺めて、時を忘れる。ついつい図版ばっかり見てしまう。小さくて、いとおしい。

・購入物:車谷弘「銀座の柳」(中公文庫) 古書

・朝食:はちみつトースト、珈琲、バナナ、ヨーグルト
 昼食:お弁当(茹でキャベツと茹で豚のマスタードソースかけ、セロリのキンピラ、ゆで卵、ごはん)
 夕食:焼鯖、ほうれん草のゴマ和え、大根と九条ネギの味噌汁、セロリのキンピラ、山芋の短冊サラダ、ごはん、麦酒


2005年02月13日(日) 風に吹かれて舞い上がる

 午後から、天満宮で行われている古本市に行った。盆梅展との併催で、規模は小さめ。自転車をこいでいる時はさほどにも感じなかったのだけれど、吹きさらしのテントの中で古本を見ていると横風が冷たくて、寒くて寒くて集中できなかった。安岡章太郎の文庫を100円で購入。ソビエト訪問記。自身で撮影したという、表紙の写真が良い。その他、百円均一台に古い「文学界」がズラズラと置いてあったけれど、ナニがナニやらよくわからないし、コートのポケットから手を出して内容を確かめるのが億劫で、ろくに見もしなかった。ダメだ。

 古本を見て冷えた体を暖めるべく、近くのうどん屋で暖かいうどんをすする。うどんとかき揚げで315円(税込み)。安い。素晴らしい。
 腹がくちたら天牛書店へ。尾崎一雄の箱入りの「続・あの日この日」発見。1200円。これは安いのか高いのかよくわからないが、とにかく購入。「あの日この日」に続編があるとは今日の今日まで知らなんだ。なんだかんだで一巻目の途中で放り出したままの「あの日この日」を、今年こそは最後の四巻目まで読んでしまいたいなあ。
 天神橋商店街を5丁目まで散歩してまた引き返し、天満橋駅地下ののデリスタで夕飯と朝飯の買物。ついさっきまでピッカリと晴れていたのに外に出てきたらどんより曇っていて、京橋辺りで通り雨にあう。洗濯物を外に干してきたのにー、どうしてくれるのさ。自宅に着いた途端、雨はピタリと止み、夕陽がサンサンと降り注いでいた。全く憤懣やるかたなし。
 
 夜。金曜日に名古屋で買ってきた安井仲治「曲馬団」のポスターを(書くの忘れてた。ポスターも買ったんだった。A2サイズで200円)、試行錯誤の上、押入れに設えた本棚の横にはる。ライトをつけると本の影がいい具合に写真の上に落ちて、なかなかいい感じ。
 その後、夜更けまでリビングでうたた寝していたのだけど、0時すぎの地震で起こされる。揺れるたび本棚がミシミシと音を立てるのがどうも不気味だ。お風呂に入って、土曜日の日記を書いてから、今度はお布団の中で朝まで眠った。

・購入物:安岡章太郎「ソビエト感情旅行」(角川文庫)
     尾崎一雄「続・あの日この日」(講談社) いずれも古書

・朝食:バタートースト、ツナサラダ、珈琲、ヨーグルト
 昼食:中山製麺所で。かけうどん(中)とかき揚げ
 夕食:キャベツとモヤシのソース焼きそば目玉焼きのせ、麦酒


2005年02月12日(土) ラクして日々を過ごしたい、か?

 晴れのち曇り。夕方にピチピチと数粒の雨が降る。連休の二日目。一日、これといって何にもしなかった。自宅とその周辺でウロウロゴロゴロしていただけ。無為、というのがぴたりとくる感じだ。今日やったことで、これはものすごく無為だ、と感じたのは、昼ごはんを食べながらテレビで吉本新喜劇を見て随所で大笑いしてしまったこと。これを無為と呼ばずに何と言えばよいだろう。
 その他、本日行ったこと、というか、なんというか。

 午前中。
 ラジオ「ウィークエンドサンシャイン」を聴く。土曜日恒例行事。朝のうちは晴れていたので布団干し、洗濯、台所の掃除と風呂掃除。金曜日の日記を書いて、灯油を買いに行き、図書館に本を返却にいく。吉田喜重の本、やはり全部は読めずじまいであった。図書館近くのスーパー「ライフ」で買い物。「ライフ」は普段あんまり行きつけないので、どこになにが置いてあるやら店内配置がわからず、買い物に時間がかかる。

 午後。
 昼ごはんにパスタを茹でて、残り物の野菜で和風スパゲティを作る。上に大葉をふんだんにちりばめたのが正解であった、旨かったー、と自画自賛したところで、深夜に再放送するとかなんとかわけのわからんことを言っていたくせに視聴者からの抗議にあって急遽生中継することにしたとかいう、ラグビー日本選手権の試合を観た。生中継するのが当然じゃないか、NHKはアホとちゃうか。というか、真性のアホだ。試合は面白かった。ルールは半分くらいしかわからないけれど、ラグビーを観るのは好きだ。野球ほどじゃないが、サッカーよりは好きだ。その後、土曜日の日記を書いて、安井仲治の図録を眺める。

 夕方。
 買い忘れたニラとニンニクを買いに、近所のスーパーへ。ついでに新刊本屋ものぞく。近所のへなちょこ本屋にも、文芸文庫の新刊が一冊づつ並んでたので購入。藤田嗣治の画は、そう好きだというわけでもないのだが、このエッセイ集にときおり挿入されるスケッチは素朴でいいと思う。

 夜。
 たらふくキムチ鍋を食べる。しばらく動けず。片付けをした後は淡々と読書。「庭の桜、隣の犬」と「新潮」3月号をとっかえひっかえして読む。入浴した後、午前1時前には就寝。 

・購入物:藤田嗣治「腕一本・巴里の横顔」(講談社文芸文庫)

・朝食:ソーセージと茹でキャベツ、卵焼き、梅干し、ごはん
 昼食:しめじとベーコンの和風スパゲティ、食後にクッキーと珈琲
 夕食:キムチ味噌鍋(しめにうどんを入れる)、麦酒


2005年02月11日(金) exodus+exile

 「安井仲治展」のため、名古屋へ行く。バスで。高速バス。往復で4600円と、新幹線の半額だ。安い。くたびれるけど、片道3時間くらいなのでまだ耐えられる。浮いた交通費で図録と、名古屋近辺の古書店でなんか安い古本でも買うつもり。

 名古屋市美術館で「安井仲治展」を観る。充実してて、本当に良かった。遠くまで来たかいがあった。安井仲治の写真『流氓ユダヤ』を初めて観て、衝撃を受けてから早や10年。いつか写真展が開催されるはず、と心待ちにしていた。美術館に入る前、白川公園の入り口に『犬』を引き延ばしたポスターが掲げられていて、これを見ただけでも胸がいっぱい。私が写真を追いかけて観るようになったきっかけは安井仲治だったなあ、と感慨もひとしおだ。ようやくここで原点回帰。
 こぼれた水、ちぎられたデモのポスター、破れた帽子、囚われた犬、労働者、朝鮮集落の人々、貧しくも明るい子どもたち、サーカスの団員、ユダヤ難民…、戦前の日本で最も見過ごされ、最も辛い毎日を強いられた人々やモノたちを、感傷を交えずひたすらクールに、しかし「撮られる側」に寄り添いつつ撮る。安井仲治の写真を見ていると、人々の顔、皺、筋肉の影とか、骨の輪郭や血管の隆起が、今にも動きだしそうな感じがして少し怖くなる。初めて安井仲治の写真を見た時、怖い、と思った。こんなに怖い写真は見たことがない、と思った。その気持ちは今も変わらない。怖くて、だからこそもっと見たくなる。 
 チラシにも書かれている安井仲治の言葉。
 『見る者と見られる者、その間には何の関係もない様で、しかし又、目には見へぬ何か大きな糸でも結ばれてゐる思ふ。』

 同時開催の「他者へのまなざし展」も観る。安井仲治が所属した「丹平写真倶楽部」が、1941年ヨーロッパを追われ神戸の居留地に流れ着いたユダヤ人難民を取材し連作として発表された『流氓ユダヤ』が展示されている。この作品には切なくて哀しいドラマがあって、心が揺さぶられる。「丹平写真倶楽部」には手塚治虫の父親も所属しており、メンバーのひとりである河野徹が撮った写真には、父について撮影現場にやってきた中学生の手塚治虫も写っている。ここで見聞きしたことが「アドルフに告ぐ」の下地になっているのだとか。

 名古屋には午前11時頃着いて、ほとんど美術館で過ごした。写真展の前に「yummy」という韓国料理のファーストフードみたいな店でごはんを食べた。こんな店は大阪にはない。美味しくなくもなかったが、少々味が濃くて、後から喉が乾いた。写真を見た後、フラフラと行き当たりばったりに歩いて、鶴舞駅の近くにかたまっていた古本屋さんをいくつか見て回ったけれど何も買うものがなく(値付けが総体的に高いようであった。天牛書店みたいな古本屋はなかなかないもんだ)、幸か不幸か手ぶらで名古屋駅まで地下鉄で戻り、駅前の高島屋で食料を調達して最終のバスで帰阪した。
 名古屋には何度か行ったことがあるし、行ってみればわかるだろ、と地図も持たず歩いたため、どこへ行くのも道に迷い、何度もいろんな人に道を聞いた。みんな親切に教えてくれた。道を聞く時は自転車に乗っている人を狙えばほぼ確実に教えてくれる。自転車に乗っている、ということは、その辺りを生活圏内にしているということだ。日頃私がよく道を尋ねられるのは自転車に乗っているからだと、今日はじめて気がついた。
 美術館もガラガラ、街中も名古屋駅周辺を離れれば閑散としていて、道幅が広いこともあってか、なんとなく寂しい感じがした。でも道路はゴミが少なくて、変な匂いもないし、公園もきれいに整備されてて、散策していても快適であった。大阪と比べると雲泥の差だ。Tは、カワイイ女の子が少ない、特に女子高生がひどい、とブツブツ文句を言っていたが、それに関して私はノーコメント。
 名神を走っている時、バスの窓から見えていた細い三日月がキレイであった。彦根あたりにさしかかった時にだけ月が隠れて、フワフワと雪が舞っているのを見た。

 午後10時すぎ帰宅。風呂に入って、ぐっすりと寝る。

・購入物:「安井仲治展」図録

・朝食:ツナとポテトのサンドイッチ、ドーナツ、珈琲
 昼食:yummyにて。レギュラープレートのポーク。韓国豆腐、キムチ、ポテト、春雨のサラダ、ライス
 夕食:帰りのバスの中で。チキン南蛮弁当と麦酒


2005年02月10日(木) 役には立たないものだけど

 午前7時20分、目覚める。寝坊。お弁当をつめるのが私にできる精一杯のこと。細かい雨が斜めに降っていたので、今日は地下鉄で会社へ。梅田に着いて地上に出たら、ゆるやかに晴れ間が見えてきた。日中も少しぐずつき、夜からジワジワと冷え込む。
 
 終業後、ちくま文庫を買うためジュンク堂の本店までポコポコ歩く。立ち読みしてみたら欲しくてどうしようもなくなった『婦人家庭百科辞典』を買う。こういう本を放っておけないなあ、「辞書辞典好き」としてはやっぱりね。これに加えてこないだは諦めたはずの「新潮」も。伊井直行という人の小説を一度読んでみようと思って。それから、渡辺聡子「チェーホフの世界・自由と共苦」を買うか買うまいか15分くらい迷って、今日のところは我慢しておくことにする。でもたぶんそのうち買うだろう。
 旭屋で「未来」「UP」「月刊百科」をもらって、バスで帰る。
 車内で「月刊百科」の、今月号から始まった『ゴダール/トリュフォー往復書簡』を読む。ゴダールの、商業映画を撮り続ける君は嘘つきだ、という嫌味タラタラな手紙に対してトリュフォーの、手紙を読んで胸がむかついた、君は最低だ、という攻撃性たっぷりの返事。はっきり言って大人げない。この連載が始まったということは、「月刊百科」も怠ることなくもらい続けねばならない。仕事が一つ増えて、嬉しいような悲しいような。

 手抜きの晩ご飯の後、後かたづけ、お風呂に入って、シャツにアイロンをかけて、目覚ましをしっかりセットして、早めに寝る。急に思い立って、明日は早朝から名古屋へ行くことにしたのだ。楽しみ楽しみ。

・購入物:三省堂百科辞典編集部・編「婦人家庭百科辞典 上下」(ちくま文庫)
     「新潮」3月号(新潮社)
     
・朝食:ジャガイモとソーセージのスープ(昨日の残り)、ヨーグルト、バナナ、珈琲
 昼食:お弁当(焼き鮭、卵焼き、ミニトマト、ごはん)
 夕食:牛バラ丼(牛バラ肉と青梗菜、ピーマン、もやしを炒め、中華風に味付けして片栗粉でとろみをつけたものをアツアツごはんの上にかける。突発的に発明したわりには美味しかった)、麦酒


2005年02月09日(水) 天下御免の向こう傷

 暖かい。ヌクイ、というか。日中、街を歩くと汗をかいた。
 仕事で、立腹させられること2,3あり。ここが我慢のしどころか。職場にいると精神衛生上よくないと思われるので、今日のところは早めに帰る。

 閉館前に地元の図書館にすべりこんで、今度の「絵本の会」で読むネタをさがす。図書館はガラガラ空きで、机でひとり居眠りしているおじさんと、子どもコーナーに親子連れが一組いるだけだった。
 4歳か5歳くらいの男の子とそのお母さんが、絨毯の上に絵本を数冊ひろげて「本屋さんごっこ」をしていた。男の子は全く人見知りしない子で、私にも「買イニ来テクダサイー」と言う。「ききみみずきん」とアンパンマン、それからもう一冊(題名忘れた)を買ったら「ハイ、3冊デ1万3千円デス!」と言われてビックリした。絵本、高いなあ!横でお母さんが、「この子、1万3千円が好きなんです、お店屋さんごっこすると、何でも1万3千円にするんです」とのこと。なるほどな。色紙で作ったお札で会計をして、絵本を持ったまま館内をグルッとまわって、最後に棚に戻す。お母さんに、遊んでいただいてありがとうございます、とお礼を言われる。いいんです、私ヒマなんで。
 そんなこんなでネタにする絵本は探せず、帰りに本を一冊借りる。角田光代「庭の桜、隣の犬」。

 帰宅して、ごはんを作りながら、食べながら、KBS京都の『中島貞夫の邦画指定席』でやってた勝新太郎主演『ど根性物語・図太い奴』という1964年の映画を観る。調子がよくて喧嘩が強い、刑務所から出所したての勝新が大暴れする娯楽映画。面白かった。
 脇を東野英治郎と西村晃の「水戸黄門コンビ」がかためてて、ピリッとした芝居が実に良い。特に西村晃はティム・ロスそっくりで、眼光鋭く切れ味抜群でカッコいいったらなかった。惚れ惚れする。勝新太郎がここぞというシーンで見せる「顔の演技」もさすがで、映画スターとはやっぱりこうでなくちゃな、と至極感嘆した。

 映画を観ていたおかげでサッカーのことはコロッと忘れていたが、まあいいや。夜は、持ち帰ってきた仕事関連の本を一冊読む。つまらん。

・購入物:なし

・朝食:トースト、スクランブルエッグ、珈琲、ヨーグルト
 昼食:お弁当(豚のしょうが焼、マイタケのバター炒め、大豆と昆布の煮たの、ごはん)
 夕食:コロッケ2個(近所のお肉屋さんで買ったやつ)、山芋のサラダ、ジャガイモとソーセージのスープ、セリのゴマ和え、発泡酒(不本意だがないよりましなので仕方なく飲む)、ごはん


2005年02月08日(火) 日々、消費活動

 雨。昼すぎより曇り。足の下からジンジン冷える、という感じで、寒いというよりも、つめたい日、であった。

 終業後、諸々の買物を行う。お金もないのに。
 天牛書店で、北尾鐐之助の「近代大阪」を見つけた。坪内祐三の「まぼろしの大阪」にチロッと記述があって、こないだ行った「モダニズム心斎橋展」でも展示されていたので、どこかで見つけたら買おうと思ってはいた。昭和7年発行されたものの復刻版。昭和初期の大阪を歩いて記した紀行文で、当時の写真がたくさん掲載されているのがうれしい。解説は海野弘。
 海野弘つながりで「一九二〇年代の画家たち」も購入。380円。海野弘の本も随分たくさん所有しているのだが、読むのがノビノビになっていて何がなんだかわからん状態になっている。
 久しぶりに古山高麗雄の随筆も一冊購入。これも380円。森敦の文章も読める。このあたりの人に熱くなっていた時期もあったが、ここんとことんとご無沙汰だ。気持ちがどんどん移り変わり、それに自分自身がついていっていないように感じる。

 商店街の豆腐屋さんで、買物ついでに豆腐の栄養価の高さについて講義らしきものをうける。イソフラボンがどうしたこうしたと講釈を聞き、絹ごし豆腐一丁買う。この店にくるといつも時間を食う。
 京橋の無印良品で、Tの靴下とTシャツ、私のタイツとかストッキングとか諸々の日用小物、安くなっていたので茶色のコーデュロイスカートも購入。試着しようとして店員さんに、すみませんこれ試食させてもらえます?、と言ってしまう。私は食べることしか考えてないのか。店員さんも笑ろてはった。
 地下で鱈と豚肉を買う。「火曜100円市!」というのをやっていて、すごい人だかりであった。早々に自転車で帰る。

 夕食前、Tにビールを買ってきて、と頼んだのに、発泡酒を買ってきたのでしばし喧嘩。というか、私がひとりで一方的に怒る。お腹が空くと怒りっぽくなるのが困りものだ。鍋を食べてご機嫌を直す。
 夜は、買ってきた本を広げたり、箪笥の引き出しの整理をしたり、「噂の娘」の好きな部分をもう一度読み返したりなどした。女達の交わす噂話がうねうねうねと交差する、わりと通俗的な部分が好きなようだ。会話の楽しみ。
 夜中に洗濯機をまわす。明日は晴れるといいのだが。

・購入物:北尾鐐之助「覆刻版近代大阪・近畿景観第三編」(創元社)
     海野弘「一九二〇年代の画家たち」(新潮選書)
     古山高麗雄「八面のサイコロ」(北洋社) 全て古書

・朝食:味噌雑煮(大根と人参入り)、リンゴ
 昼食:お弁当(ハンバーグ(昨夜の残り)、サニーレタスの韓国風サラダ、キンピラゴボウ、ごはん)
 夕食:鱈ちり鍋(白菜、春菊、豆腐、しめじ、えのき、揚げ入り)、雑炊、麦酒


2005年02月07日(月) 泣きたい気持ちは言葉にできない

 午前6時半起床。寝不足のせいか頭が少々重いが、立ち働いているうちに和らいで、そのうち忘れる。お弁当をつめて、朝食をとった後、かなりショボショボになりつつあるシクラメンの手入れ。蕾をつけてもそのまま枯れて花をつけるものが少なくなった。だいたい、シクラメンっていつまで咲くものなんだろう。葉を間引いて、今日のところは保留。

 仕事。午前中は長々と会議。問題山積みで、八方塞な感、無きにしも非ず。しかしまあたぶん何とかなるだろう…、と力なく我と我が身を励ます。
 
 夕方からチビチビと雨が降り出した。自転車で帰れないほどの降り方ではなかったが、傘をさして運転するのがどうも億劫で、やってきたバスに飛び乗ってしまう。自宅の最寄の停留所よりすこし手前で降りて、本屋さんに寄り、「ジョン・フォード論」が続いているようなので、少し迷った末『文学界』の3月号を買う。これから毎月『文学界』を買うようなはめになったらどうしよう。
 帰宅して、宅配野菜の整理。頼んでいたデコポンが、入荷十分でなかったため欠品であった。食べるのを心底楽しみにしていただけに大ショック。来週こそ、たくさん収穫されますように。

 夜。先日のお寿司のお礼と、エルメスのスカーフを友人に貸したことを一応ことわっておくため、母に電話する。開口一番、「美味しかったでしよ!、お寿司!うまいこと出来てたよねー、プロみたい!」と言われ、自画自賛もここに極まれり、という感じ。それからスカーフのことについて、「ああ、あのスカーフは私のちゃうねん、確かチカちゃんに借りたやつだ」と、私の伯母の名前を言い、しかし母によると、どうやら伯母も自分の娘から借りていたものらしく、結局あのスカーフは人から人へと借りまわされ、使いまわされているわけで、エルメスのスカーフなんていうのは日本中に五、六枚あれば事足りるのかもしれない。

 寝る前に急に気がむいて、本棚から昔古本で買った『海』の1977年1月号を出してきて、吉田健一の「流転」を読み、酔ったような気分で就寝す。

・購入物:「文学界」3月号

・朝食:コーンパン、バナナ、蜜柑、ヨーグルト、珈琲
 昼食:お弁当(豚肉と玉ねぎの甘辛炒め、ゴボウと人参の炊き合わせ、大豆と昆布の煮たの、ごはん)
 夕食:和風ハンバーグ(シソと大根おろし、ぽん酢をかけて)、ポテトサラダ、サニーレタスの韓国風サラダ、キンピラゴボウ、麦酒、ごはん


2005年02月06日(日) ユラメキとトキメキ

 日曜日。どんより曇り、時々晴れ、時々にわか雨、わけわからん空模様。旭屋の上にある温度計は夕方6時の時点で6℃だったけれど、風が冷たく強いぶん、もっと寒く感じられた。

 10時頃までダラダラと寝る。観念して起床し、餅をゆで、大根おろしと柚子胡椒をまぶして食べる。そのあと午前中は、台所で常備菜作りに勤しむ。毎度おなじみキンピラゴボウや大豆と昆布の煮たの、小芋のそぼろ煮など。食べるものがあると、心が満たされる。

 午後から、中之島まで自転車を飛ばして、国際美術館に「オノデラユキ写真展」を観に行く。
 ラベルの剥がれた缶詰、宙にうかぶ古着、コラージュされた人影、ボールが二つもあるサッカーの試合風景、カメラ内にビー玉を入れて撮影された雑踏、など、普段スナップばかり好んで見ているものにとっては、作りこまれた写真が新鮮で面白かった。近くに寄るとぼやけていたものがすこし離れてみると鮮明に見えてきたり、遠くではただの人影だと思ったものが傍で見ると様々なものでコラージュされていたり、ただ漫然と眺めているだけでは見逃すものも多くあって刺激的だった。缶詰であって缶詰でない、古着であって古着でない、サッカーの試合であってサッカーの試合でない、今見えているものがそのものの全てではない、という感じかな。
 良かったので、下のミュージアムショップで図録を購入。それから常設展で畠山直哉の写真を見られたことも収穫だった。工業地帯を撮ったものが、クールでカッコいい。
 展示はよかったが、国際美術館の案内アナウンスの過剰さには閉口する。チケットを買えだの、地下に下りろだの、エレベーターに乗る時は気をつけろだの、ああしろこうしろといちいちうるさい。もっと客を放っておいてほしい。

 美術館の後、ジュンク堂で少し本を見て何も買わず(エライ)、京橋で食料品の買物をして帰宅。「日曜美術館」を観ながら晩ご飯を食べた。

 夜。本を読みつつ、またリビングでうたた寝。今まで風邪をひかずにやってきているのがフシギなくらいだ。お風呂に入ってから、とうとう「噂の娘」を読了。読み終わりたくなかったが仕方ない。私にもこのように世界が見えていた時があった、小説を読み進む間その頃に幾度か戻されて、何かと幸福な時間であった。
 日記を書いて午前3時前に就寝。少々夜更かしだったかも。

・購入物:「オノデラユキ写真展」図録

・朝食:大根おろし餅
 昼食:ちょぼ焼一枚を天満橋のデリスタで。美術館に行く途中に寄った。
 夕食:きつねうどん、鶏ナンコツの唐揚げ、ゴボウと人参の炊き合わせ、麦酒


2005年02月05日(土) 退屈なクリシェ

 一週間ぶりの土曜日、当たり前だけど。ゆっくり寝られるのが何より嬉しい。でもそうゆっくりもしておられず、午前7時半には起床し、ラジオを聴きつつ朝ご飯。新聞をザッと読んで、台所の片付けと洗濯、手抜き掃除、それから日記を書いて、「ちくま」の2月号を隅から隅まで読む。読み終わる頃、友人Kが元同僚の結婚式に持っていくバッグを私に借りるため、家にやって来た。

 バッグだけじゃなくて靴も、できれば何か「それらしい」洋服も貸して欲しい、と言うので、しばしファッションショーをやってみるが、私の持っているフォーマルな服は彼女にはどうも似合わなくて諦める。パンプスも試し履きしてみたところちょっと窮屈だと言い、別に六甲山の山頂で式があるんじゃないんだから数時間くらい辛抱すればいいと思うのだがこれもダメで、結局、この辺に巻くような何か「それらしい」ものない?、と首のあたりを指し示すので、母から借りて借りたままになっているエルメスのスカーフを貸した。友人は、これホンマにエルメス?‘made in ダイエー’とちゃう?、と何度も聞いていた。全く失礼な女だ。

 昼ご飯にお好み焼きを焼いて二人で食べ、友人のお母さんが年賀状のお年玉抽選で3等が当たった、という、まあ甚だしくどうでもいい話をして、仕事があるから、と言って友人が帰った後、私は部屋の掃除の続きを少しして、洗濯物を入れてから、買い物と散歩がてら千林に行った。

 食料品の買い物ついでに古本屋めぐり。何となく買い逃がしていた野坂昭如の「行き暮れて雪」を200円で購入。カバー画は司修。司修はどこにでも描いているな。それに、千林で野坂昭如を買う、というのが何となく‘つながっている’という感じがして良い。それからアイヌ特集の別冊太陽を買って、商店街の外れにある新刊本屋さんでもうすぐ刊行されるという宮本常一の「写真と日記」のチラシをもらう。…欲しい。上下巻と別巻つきで六万円。宮本常一に六万円。…悩む。しかし、なぜこのようなものを欲しいと思うのだろう。不思議だ。

 夜、「世界の快適音楽セレクション」を聴いて、「アイヌ神謡集」を読む。

・購入物:野坂昭如「行き暮れて雪」(中公文庫)
     別冊太陽「先住民アイヌ民族」(平凡社) いずれも古書

・朝食:トースト、マーマレード、珈琲、蜜柑
 昼食:豚入りお好み焼き、麦酒
 夕食:大根とイカの煮物、レタスとブロッコリーのサラダ、山芋とろろ、麦酒、ごはん


2005年02月04日(金) 1ヶ月、待つのだぞ

 立春。暦どおり、それなりに暖かい。日中は10℃くらいまで気温が上がり、日向はポカポカしていた。
 
 午前中。
 午前7時、ムックリ起床。頭がぼやけたまま、朝食とお弁当作り。卵を焼く時フライパンに胡麻油を熱しすぎ、そこに卵を流し入れた途端、ボッ!と炎が15センチほど上がって、一気に目が覚めた。ああ恐ろしい。
 弁当を持ってフラフラ出勤。今週は全体的に暇な一週間で、特に心がかき乱されるようなこともなく、平穏であった。永久的にこのように日々が過ぎてくれるといいのだが。昼休みに、バレンタインチョコレート代金の徴収あり。500円払う。

 午後。
 外出。本町でWさんと打ち合わせ。仕事の話は20分くらいで終わり、その後1時間くらい、『レイクサイドマーダーケース』について語り合う。それからWさんが、『君に読む物語』は当初は観たいと思っていたけれど、あの映画の新聞広告をみかけるたびごとにその気持ちがどんどん減っていく、というようなことを言って、その話でまた盛り上がったため会社に戻るのが予定より遅くなってしまった。

 夕方。
 旭屋へ出向き、4階で「みすず」の読書アンケート号を買う。1階のカウンターで「波」と「ちくま」をもらい、近くの珈琲館に寄ってパラパラ読む。新潮社の「波」によると、来月ついについに島尾敏雄の『「死の棘」日記』が刊行されるとか。う、うれしい。ずいぶん前から今か今かと待っていました、ただひたすらに。あまりに感動したためその他の読書が進まず、珈琲を飲んで早々に帰る。途中のお肉屋さんで、100グラム105円の豚肉を300グラム買う。

 夜。
 晩ご飯の後、「みすず」をゆっくりチェック。私の知らない面白そうな本が世の中にはまだまだあることに、うっすらとした希望のようなものを感じる。それから、ニュースを観て果てなく暗い気持ちになってから、テレビを消してクッションを抱えてカーペットの上で0時頃までうたた寝。いけないいけない、と思いつつ、気持ちが良くてついつい寝てしまう。

 夜中。
 うたた寝してパワー復活したので、お風呂に入って寝床で読書。吉行淳之介の「出口」(短篇)、「世界文学を読みほどく」、「噂の娘」の続きなど読んで、午前3時頃消灯。今日は毛布を一枚かぶるにとどめておく。

・購入物:「みすず」1・2月号(みすず書房)

・朝食:バケット、ハムとレタス、珈琲、バナナ
 昼食:お弁当(昨日もらった巻寿司、ほうれん草と春菊のおひたし、卵焼き、漬物)
 夕食:セロリと豚肉の柚胡椒炒め、根菜汁(大根、人参、ゴボウ、蓮根、コンニャク)、小松菜としめじのおひたし、麦酒、ごはん


2005年02月03日(木) やあ、調子はどうですか?

 節分。
 昨夜母から、明日は節分なので巻き寿司を作る、お父さんに駅まで持っていってもらうから取りに来て、と電話があった。実家の最寄駅までは大阪から40分近くかかるし、仕事が終わった後往復してたんじゃご飯が遅くなるからなあ、と渋っていたら、「仕事なんかそんなものチャッチャッと片付けてしまえばいいやんか、チャッチャと!」と言われ、とにかく作るから取りに来てね!、とガチャンと電話を切られて、とにかくどこまでも強引な母なのだった。
 チャッチャと、かどうかわからんが仕事を終わらせて、自転車で天満橋まで向かう。乗る前に実家に電話しておいて京都へ。改札の手前で父から荷物を受け取って、また大阪へ帰る。荷物の中には巻き寿司の他に、鰯、蜜柑、苺、ほうれん草と春菊のおひたし、チョコレート、節分の豆、が入っていて、晩ご飯に美味しく食べた。庄野潤三の娘さんなら、このあたりで一筆お礼の手紙をしたためられるところだろうけれども、私はそんなことしない。だって面倒くさいから。
 でもまあ、感謝感謝、である。

 その他。
 昼間、少々外出した折に、天牛堺書店にて土門拳のエッセイ集を買った。昔、図書館で借りて読んではいるが、文楽の撮影を行った時の文章をもう一度読み返してみたいと思っていたので。それから明治屋で「嗜好」と、通りがかりの小さな本屋さんで「本の旅人」と「図書」の2月号ももらう。なんて言うか、もらってばかりの日かも。
 京阪電車の中で「図書」と「本の旅人」を読む。「本の旅人」は読むところがほとんどない。それから「噂の娘」続き。ディティールの洪水。クラクラする。

 夜。
 テレビで「きょうの料理」をじっくり鑑賞ののち、テレビ大阪でやってた「CUBE2」というのも観るが、途中から観はじめたせいもあって何のことだかわけがわからずすぐにやめる。マーク・ベノとジョニ・ミッチェルを聴きつつ、リビングでうたた寝。起きたら0時。お風呂に入って寝る。今夜も寒く、毛布を2枚かぶる。寒がりなもんで。

・購入物:阿部博行・編「土門拳エッセイ集 写真と人生」(同時代ライブラリ) 古書

・朝食:バタートースト、珈琲、リンゴ半分
 昼食:お弁当(トマト、煮込みハンバーグ、レタス、卵焼き、ごはん)
 夕食:巻き寿司、鰯、ほうれん草と春菊のおひたし、麦酒、デザートに苺


2005年02月02日(水) good morning

 午前7時ちょっと前、起床。雪は積もっていないけれど、今日も引き続き冷たい朝。
 シクラメンに水をやる。草臥れてきたように見えるが、小さい蕾が下のほうにまだいっぱいあるのでまだ咲くのだろう。葉を少し間引く。シクラメンの散髪。
 出勤前に近所をまわって募金を集める。募金集め、まだ引っ張ってるよ。今夜には会計宅に持っていかねばまた怒られる。行った先のおばさんに、ずっと留守にしててごめんねー、何度も来てくれたんと違う?、と言われ、ホントは1回しか来てないけど、はあまあ何回か、と答えとく。恩は売れる時に売れるだけ売っとこう。何だかんだで募金200円もらう。

 仕事へ。今日も人のためにチャカチャカと働いた。私ほど親切な人っていないんじゃないだろうか、と思えるほどの献身ぶりだ。誰も言わないから自分で自分を褒めて満足しておく。職場とその周辺には風邪をひいている人が多く、みなどことなく身体がダルそうで暗い雰囲気だ。巻き込まれたくないのでとっとと帰る。

 帰り道。また古本屋さんに寄って、いつ読むとも知れない本を2冊購入。手ぶらで帰ることが出来んのか。「大宅壮一日記」は氏が17歳くらいの時のものだが、書いてる内容の嫌味なほどのレベルの高さに驚く。老成しているというのか。とにかくこんな高校生は嫌だ。
 帰宅して一旦荷物を自宅に置き、会計さんの家へ集めたお金を持っていく。しばし世間話。孫娘の高校受験がせまってピリピリしている、ネギと梅干とカツオを混ぜたものを食べると頭が良くなると言うのでそれを毎日食べさせている、というようなこと。ふーん。ネギと梅干とカツオなら私も毎日のように食べているがこのような有様ですよ、と思ったけれど、言わなかった。言えばよかったかな。

 夜。ゆるゆると金井美恵子「噂の娘」を読む。ゆっくり読んでいるので時間がかかるが、それがなんとも心地よい。

・購入物:草森紳一「円の冒険」(晶文社)
     大宅壮一「大宅壮一日記」(中央公論社) 古書

・朝食:胚芽パン、コーンポタージュスープ、珈琲、りんご半分
 昼食:お弁当(ジャガイモのマスタードマヨネーズ、ソーセージと玉ねぎのソテー、トマト、ごはん)
 夕食:鶏だんごと白菜鍋、ほうれん草のおひたし、麦酒、ごはんお茶碗半分


2005年02月01日(火) 思うことが多すぎて疲れる

 屋根やベランダに雪。路面が凍てつき、水たまりに氷。新御堂筋が通行止めになったせいか、車の通りも少なく、静かな朝であった。

 終業後、映画を観るため茶屋町へ。あまりに寒いので、三番街でうどんを食べる。食べながらIちゃんに借りた『彼が喜ぶとっておきの煮物』という料理本を読む。どうでもいいようなものだけど、この本のタイトル「彼が喜ぶ」というところが鼻につくな。本を借りた時、フン、私の料理で誰が喜ぼうと知ったことか、と憤慨したけれど、言わずに黙っておいた。憎たらしいことは口には出さず日記に書こう、というのが今年の目標なので。

 三番街シネマで「レイクサイドマーダーケース」を観る。青山真治監督、東野圭吾原作。青山真治の映画は「ユリイカ」しか観たことがないのだが、これはすごく良くて甚だしく感動したから4時間近くもある映画なのに2回も観に行った。今まで観た邦画の中でも屈指の作品だと思うし、だからこの新作も観てみる気になった、のだが。
 まあな…。悪くはないんだけど…。何かもうひとつふたつ足らないような…。と、どうも歯切れが悪いのだけれど、要するにイマイチであった。一番の難点はセリフが陳腐なこと。わざと狙っているのかもしれないが、私はこれが最もしんどかった。映画冒頭あたり、部屋に入ってきたチョウチョを「ある人」がスリッパで踏み潰すシーンで、ストーリーのだいたいのことがわかってしまう。細かく伏線ははってあるけれど、確信するには少々弱いところもあり、中途半端だ。
 役所広司の演じている父親とその愛人が登場人物中唯一「まともな人」なんだけれど、愛人は殺されてしまうし、役所広司もやがては「まともでない人」にとりこまれてしまう、「まともでない」ことが「まとも」な世界に入っていかざるを得なくなる、という、まあ「規模の小さい『ツインピークス』」みたいな感じの話だ。何かようわからんけど。でも、東野圭吾という人の小説世界には、私はたぶん何の興味ももてないであろうということが、今日の映画ではっきりわかった。
 上映前の予告編を観て、人の顔が恐怖や不安に歪む映画があまりに多いことにウンザリ。特に着信がどうしたこうしたとかという邦画と、タイトルは忘れてしまったけれど、ジュリアン・ムーアとキム・ベイシンガーが主演してる2本の洋画がひどい。どちらも好きな女優さんではあるけれど、もう少し仕事を選んだ方がいいように思う。
 
 どうも消化不良のまま、バスにて帰宅。下を向いて本を読んでいたらバス酔いしてしまい、家に帰ってからも気分がすぐれず、わりと早くに寝てしまう。夜になってからさらに冷え込み、部屋にいても息が白くにごった。

・購入物:なし

・朝食:チーズトースト、ヨーグルト、バナナ、珈琲
 昼食:お弁当(小松菜のソテー、卵焼き、焼鮭、ごはん)
 夕食:三番街で、うどん定食(天ぷらうどんといなり寿司2個)


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