委員長の日記
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2005年11月20日(日) 新しい出会い

「抱っこ法顛末記」

●困った!!

今年の4月、申請していた助成金が交付されることが決まり、乳幼児対象の子育て講演会や、ワークショップを実施することになりました。
さっそく、講師の方に依頼しよう…と、コンタクトを取ろうと思ったら、当初考えていた東京の先生は、年齢や、健康上の理由から、地方での講演は無理だという情報が入ってきました。
え〜〜っ!!どうしよう??
おまけに、村田美穂さんのマイムワークも、彼女が急病になって入院する…という予期せぬ状況になって、年内の実施は無理かもしれないということで、まさにダブルパンチ・・・
う〜〜〜ん・・・困った・・・

●「抱っこ法??」
 そんなときに、スタッフのIさんが「“抱っこ法”っていうのがあるんだけど…」という提案をしてくれました。
“抱っこ法”???それなぁに??
 早速、インターネットで関連のサイトを調べてみました。
 そこには、“親も癒される子育て”“泣かない子育てから泣いてもいい子育てへ…”“親と子が心を通わせる…”という言葉が並んでいました。
 ほほう・・・これは良いかも・・・
 早速、Iさんに、抱っこ法についてもっと詳しく調べてもらうことになり、彼女は次々と本を取り寄せて、抱っこ法について一生懸命勉強してくれました。
 そして、「本を読めば読むほど、心に響くのよ!絶対に私たちの活動と通じ合うと思う!!」と力説し、彼女に薦められて本を読んだスタッフたちも、“抱っこ法”に共感し、具体的に話を進めてもらうことになりました。

●思わぬ反響!
 Iさんを担当者と決めて、色々話を進めていくうちに、ワークショップも講演会もどちらも可能です。ということになり、願ったりかなったり。
 早速、日程や会場を決めて、チラシを作り、HPに情報をアップして・・準備を進めていきました。
 でも、私たちも初めて耳にした“抱っこ法”
 果たして、参加者が集まるのかしら…
 担当のIさんも、「人数が少なかったら申し訳ない、一人でもたくさんの人に参加して欲しい!!」と、一生懸命でした。
 しかし、私たちの不安とは逆に、ワークショップの定員はあっという間に一杯になってしまったのです。
 可部周辺だけでなく、市内全域や遠くは岩国からの申し込みもあったのです。
 
●困った!!その2
 さぁ、そうなると今度は新たな問題が…
 対象が乳幼児の保護者ということは、必然的に託児の希望も多い、兄弟・姉妹の場合もある…ということで、参加定員20名に対して、託児希望は20名以上・・・今度は託児スタッフの確保に悪戦苦闘することになったのです。
 当初は、一緒にワークショップに参加する予定だった委員たちは、ほとんどが託児担当に…
たまたま、代休だった高校生まで動員して当日を迎えることになりました。

●素敵な出会い・・膨らむ期待・・
 当日は、講師の方だけではなく、アシスタントスタッフの方も3人来て下さることになりました。
 この日まで本当に一生懸命準備に奔走してくれた担当のIさんが、「遅刻してくる人がいても、定刻に開始したいんだけど…」と言うので「それはできればそうしたいけれど、全体の雰囲気つくりや、進行については講師の方と相談してから決めたほうがいいよ。私達が相手にしているのは機械ではなく人間なんだから、何もかも決めていたとおりには行かないかもしれないし、そのときに臨機応変に対応しましょうね。」と答えていたのですが、そのことを講師の七野さんに相談すると、「やはりできるだけ全員が同じ条件でワークショップを受けて欲しいので、全員揃うまで待ちましょう、でも、せっかく遅刻せずに来て下さった方達には、早く来て得したなぁって思っていただけるように何か考えてみますね。」と、とてもおだやかに言ってくださったのです。
 その時に、初対面だけど、この方とはきっと波長が合うな・・・と直感し、これからのワークへの期待がより大きく膨らんだのでした。

●いよいよワーク開始・・・の前に
 案の定、定刻には全員揃わず…時間通りに来られても、むずかったり嫌がる子どもさんを託児のスタッフに預けるのに手間取ったり…
 ようやく全員が揃ったのは、予定時刻から15分以上過ぎていました。
 七野さんに『始めてください!』とお願いしようと部屋に入っていくと、一人のお母さんの悩みを七野さんだけではなく、ほかの参加者も、
熱心に聞いていたのです。
 あまりにみんなが集中しているので、声をかけるのもはばかられて、しばらく様子を見ていたのですが、時間が過ぎていることに気がついた七野さんが、参加者のほうを向いて、「本当はもうワークショップに入る時間になっているのですが、せっかくみなさんも集中してお話を聞いてくださっているので、もうしばらくこの方のお話を伺ってもよろしいですか?」と、問いかけられ、みんながうなずくのを見て、改めて最初のお母さんに向き直って、じっくり話を聞いてあげてくださったのです。
 そんな風に一人一人の参加者を大切にしてくださっているということは、もちろんほかの参加者にも伝わり、会場はほのぼのとした空気に包まれていきました。

●今度こそ、ワーク開始!
 さて、いよいよワークショップの始まりです。
 まずは、簡単なストレッチをしたあと、体の冷えによく効くつぼをマッサージ…
次は、なるべく初対面の人同士が二人一組になって、今日、ここへやってきた動機などについて互いに相手に伝えます。
そのあと、相手の了解を取ってから、今聞いたお話をみんなの前で発表します。
合間合間に、スタッフによる詩の朗読をはさみながら、相手を変えていきながら、ワークショップは進んでいきます。
二人組がそれぞれ、お母さんと子どもの役になり、駄々をこねる子どもにいろいろなパターンで対応してみるワークでは、迫真の演技で
子どもになりきる人もいて、本当に楽しい雰囲気の中でワークショップは進行していきました。
終わってからの感想では、子ども役になった人から、子どもの気持ちがよく分かった…という感想が多く聞かれました。

●抱っこ法って何?
そのようなワークの中に、もちろん抱っこ法についての具体的な説明も盛り込まれています。
泣くことの大切さ、涙の中にはストレス物質を排出する副腎皮質ホルモンが含まれているということや、泣くことにより脳内からも不安や発作の神経反応をやわらげる物質が分泌されるということなど…へぇ〜〜そうなんだ〜〜と驚かされるようなお話ばかりでした。
また、泣いている子どもへの親の対応の違いが与える心理的影響についても、改めて納得させられるお話が続きます。
その中身のすべてについて、ここで書き表すことはとてもできませんが、私が一番心に響いたのは、子どもの心を大切に感じるということは、親の心も癒し、快復への道筋を作りだすということでした。
これまで、さまざまな自己肯定ワークや講演会などを学んできましたが、子どもの行動を分析するだけのものであったり、また大人に対しては自分自身を振り返り、その課題を克服するためのものがほとんどだったのですが、抱っこ法は子どもの行動を理解することによって、親のストレスにも自ら気づき、親も子もともに癒されるという内容のものに出会ったのは初めてだったのです。

●もっと知りたい!
 結局、予定の時間を大幅にオーバーし(約1時間も!)最後に、最初に話をした相手ともう一度二人一組になり、今日の感想を話し合って、
ワークショップは無事に終了しました。
 参加したほとんどのみなさんからは、もっともっと抱っこ法について知りたい!という声が多く聞こえてきました。
 幸い、来年1月には、今回よりも多くの皆さんに抱っこ法に触れていただくための講演会を予定しています。
 2回目の人はもちろん、初めて抱っこ法に触れる方にも理解していただける内容になっているそうです。
 今回、定員オーバーでお断りした方はもちろんですが、本当にたくさんの人たちに、抱っこ法に触れてもらいたい、また講師の七野さんの温かい人柄にも接してもらいたい!
 スタッフ全員が心からそう感じています。

●内緒・・・
 さて、大いに盛り上がった午前中のワークショップの後で、講師やアシスタントスタッフのみなさんには、事務所でこちらのスタッフと一緒に昼食を取っていただきました。
 そのあと、「お世話をしてくださるスタッフの方たちに、スペシャルワークをしてあげましょう。」という七野さんのご好意で、会員のYさん親子にモデルケースになってもらって、スタッフだけのスペシャルワークをしていただきました。
 その中身は・・・とてもこの紙面では書ききれない感動的なものだったのですが・・・
 今回は内緒・・・ということにしておきましょう。
 今は、1月に再び七野さんにお会いできる日をスタッフ一同首を長くして待っているのです。


委員長