委員長の日記
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2004年06月19日(土) 困った顔の赤ちゃん

先週の土曜日は、イラクから医療研修のために来日しているお医者様と、中高生達の平和交流会・その夜は、ソーランの練習・・次の日は、新しく移転した事務所のお披露目パーティで、朝からバタバタ・・・

連日のイベントで、私だけじゃなくスタッフもよれよれだったのだが

月曜日は、午前中に、地域の公民館との共催事業の『子育て支援講座〜親子で遊ぼう!〜』が入っていた。

朝、駐車場で出会った私達は、顔を見合わせながら『疲れたね〜〜・・・』とためいきをついていたのだが

受付開始と同時にやってくる、乳幼児を連れた若いお母さん達

生後2ヶ月の赤ちゃんから、2歳の子どもたちまで、16組19人

子ども達の顔を見たら、さっきまでのヘロヘロはどこ吹く風

みんな飛びっきりの笑顔になってる

やっぱり、子ども達が大好きなんだよね♪

そんな参加者の中に、その7ヶ月の赤ちゃんはいた

会場に入ってきた時から、にこやかなお母さんとは裏腹に、何故か困った顔をしている赤ちゃん

知らない人ばかりだから、とまどっているのかな?
でも、人見知りをしてお母さんにしがみついて泣くわけでもないし
一体、何を困ってるのかな・・・?

気になりながらも、他の参加者と一緒に、遅れてくる人たちを待ちながら、まずは絵本の読み聞かせ

こういうときに、普段、お母さんがテレビやビデオばかり見せているか、それとも絵本を読んで聞かせているかどうかが、良く分かる。

すぐに絵本の世界に入り込んでくる子は、日常の中でもお母さんに絵本を読んでもらっている。

動かない絵本の世界に戸惑いながらも、少しずつ集中してくるのが、あまり呼んでもらっていない子ども達。

中には、絵本を全く無視して、読んでいる私の表情が気に入ったらしく、絵本を無視して、私の顔を一生懸命触ろうとする子どももいる。

そうかと思えば、しきりに私の膝に登ってこようとするハイハイの赤ちゃんは、いつもお母さんのお膝の上で本を読んでもらっているのかな。

そんな中でも、さっきの困った顔の赤ちゃんは、笑うでもなく、泣くでもなく、でも、ごそごそと動き回るわけではなく、絵本には集中している・・・

さて、参加者がそろったところで、いよいよおやこ遊びの始まり

床に座って、赤ちゃんを両手で抱いて、まずは定番の『高い!高い!』

次に、腰をひねって、赤ちゃんを体の右や左に動かしてあげる、

このあたりから、子ども達からは嬉しそうな笑い声や、歓声が上がってくる。

続いて寝転がって、お膝に乗せた子ども達をゆらゆら揺らせて・・・

すると、驚いたことに、私の娘くらいの年齢のお母さん達は、すでに息があがって、腕や足が上がらない・・

私が子育て真っ盛りの頃は、3人の子ども達を、順番に、肩や背中やお腹に乗せては、大騒ぎをしていたのに・・・

たった一人の子ども達と、ほんの数分遊んだだけでくたびれてしまうなんて・・

どれだけ普段体を使った遊びをしていないのかが良く分かる。

そして、さっきの困った顔の赤ちゃんは…

見ると、少しほぐれた顔をしているので、お母さんにではなく、赤ちゃんに向かって
「高い!高い!楽しかった?」
と声をかけると。。。

投げ出して座っている足を、ひっくり返らんばかりにピンピン動かして、声を上げて喜んでくれた。

「ほらほら。。お母さん!まだまだ遊んで欲しいって言ってるわよ!」

「そうですね、こんなことで喜んでくれるんですね!この子のこんな笑顔を、今日はじめて見ました!」

って・・・おいおい、もうこの子は7ヶ月だよ?!

生まれてから7ヶ月の間、一度もこんな風に嬉しそうな顔をして笑ったことがなかったって言うの?

でも、このお母さんは、すご〜く真面目な性格のように見えるし、決して子どもに対して愛情が薄いわけでもないと思う。

ただ、子どもとどう接して行けばよいのかが分からなかっただけなのだ。

でも、悲しいことに赤ちゃんには、
『お母さん、一緒に遊んで!』と言葉に出して訴えることはできない。

だから、きっと、あんなに困った顔をしていたんだな・・・

終わったあとの感想でも、そのお母さんは、『今日は本当に楽しい時間をありがとうございました。この子のこんな笑顔が見られて幸せでした。』って言ってくれた。

う〜〜〜ん・・・
きっと、こんな風に困った顔の赤ちゃん達は、まだまだたくさんいるんだろうなぁ・・・

体は年々体力がなくなって、きつくなるけど…

やっぱり、こういう地道な活動が大切なんだよね・・・

一人でもたくさんの子ども達の笑顔に出会うために・・・


委員長