委員長の日記
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2003年02月10日(月) 雪遊び顛末記

今年も行くぞ!!
 一昨年から、子どもネットワーク可部の恒例行事となった『雪遊び』
 雪のないときは、パラグライダー場として使用している、加計町の「杉の泊ホビーフィールド」のスロープを借りて、肥料袋と、ダンボールで作る、“マイソリー”(子どもたちが命名・・)を使って雪の斜面をすべるダイナミックな遊びは、毎年、50人以上の参加者で賑わい、会員たちだけでなく会員外の子どもたちにも人気が高い。
 今年も、事務局のFさんやIさんが、遊び担当のTさんと一緒に、事前の計画を練るために連日頭をひねっていた。

遊びたい!でも食べたい!!
 子どもネットワークのいいところは、大人も子どもも遊ぶのがだ〜い好き!ということ。
 わが子をそっちのけで(?)そり遊びに興じるお父さんやお母さんたちの姿を見ながら、子どもたちは負けるもんか!と、よりいっそう遊びに拍車がかかる。
 しかし、遊んだあとは…当たり前だけど…おなかが減る。
 いつも以上に、ぺこぺこ…
 これが、デイキャンプやファミリーキャンプなら、子どもたちが遊んでいる間に、何人かのお母さんたちが、食事の準備…ということなるのだが。
 何しろ、そり遊びは大人も必死になって遊ぶので、毎年食事の準備が一番の課題になっている。

飯炊きおばさん登場!?“第1回雪遊び”
 初めて、雪遊びを企画した一昨年は、事務局のIさんと、もう子どもは大きいから一人でほっといても大丈夫!と、いつも快く手伝ってくださるUさん、そして後からマイカーで追いかけていったわたしの3人で、同じく杉の泊の“夢の塾”の炊事場を拝借して、みんなが遊んでいる間に大急ぎで、豚汁を炊いたり、ご飯を炊いておにぎりにした。
 なにしろ50人分以上の豚汁とおにぎり・・・
 大なべ3杯作るには、中に入れる具や野菜の量も半端じゃない。
 ベテラン(?)主婦3人が、必死で切ってもなかなか終わらない、それにガスコンロは一般家庭用のものなので、大なべがなかなか煮え立たない…
 ご飯は…といえば、3つある炊飯器をフル回転して何度も炊いて、アツアツのご飯をふぅふぅ言いながらおにぎりに…
 決して狭くはない炊事場を、走り回ること約2時間半。
 ようやく、最後のご飯がもうすぐ炊き上がる…というころ、グランドの向こうに大型バスの影が見えた…と思うまもなく
 『おなかがすいた〜〜!!』という子どもたちの声。
 良かった!何とか間に合った・・・
 山と積み上げたおにぎりと、大なべ3杯の豚汁は、あっという間になくなってしまった!
 もちろん、食べたらあとは片付けが残っている。 
 結局、Iさんも、Uさんも、その年はそり遊びは全くできなかった。というよりも、ホビーフィールドにも行けなかった。
 最初から、飯炊きおばさんのつもりで手伝いに行った私はかまわないけど、これでは、参加者は全員スタッフという、私たちの活動の大切なテーマが成立しない。
 次年度の反省点として、課題が残った1回目の「雪遊び」

便乗・便乗!?“第2回雪遊び”
 2回目の「雪遊び」となった昨年の冬。
 当初予定していた日程には、雪が少なく、そり遊びができそうにない…
 困ったな、みんな楽しみにしてるのに。
 頭を抱えていると、県教育委員会のKさんから耳寄り情報が入る。
 「2月に、加計町で地元の人たちが『がんばれ可部線!』の一環として“雪祭り”をされるんですが、参加協力していただけませんか?」
 どこであるのかな?と思ったら、案の定会場は「杉の泊ホビーフィールド」
 当日は、屋台なども出るらしい。
 「やったじゃない!これで、お昼ご飯を作る心配をしなくても大丈夫よ!」
 この年は、交通手段も、『がんばれ可部線!』に協力するために、みんなで電車(ディーゼルだった…)移動。
 加計駅からは、地元がチャーターしてくださったマイクロバスで会場へ。
 お昼の用意の心配もなく、参加者一同が思い切り遊べた、第2回「雪遊び」
 でも…来年もこんなイベントやってくれるのかな?

作りたくない!?でも食べたい!?
 そして、迎えた“第3回雪遊び”
 そろそろ段取りしなくちゃ…と声をかける私に「はい、分かってるんですけど…」と答える事務局のFさんが、心なしか元気がない。
 「どうしたの?何か心配なことでもあるの?」
 「いえ、別に…ただ、今年はもう、イベントもないので、お昼ご飯をどうしようかと思って…いつもいつもIさんやUさんの好意に甘えるわけには行かないし、それに今年はMさんは絶対に無理なんでしょう?」
 う〜〜ん…そうなんだよな…
 その日、私はどうしてもはずせない用事が2つも入ってるから、今年は手伝いに行くことはできないんだよな…
 「良いんです、私が作るつもりはしてるんです…でも…一人じゃいやだな…」
当たり前だよ!そんなことしたら、1回目の課題が何も解決されてないことになるじゃない!!
 「でもね、雪遊びして帰ってきた子どもたちには、やっぱり温かいものを食べさせてあげたいんですよね。」とFさん。
 
みんながスタッフなんだから
 「何で、もっと早く相談しなかったの?そんなの簡単なことよ」と私。
 どうしても豚汁が食べたかったら、参加者がそれぞれ野菜や具を、あらかじめ切って持ち寄れば良いじゃない。ご飯は、おにぎりにするのがとても大変だから、各自自分が食べたいだけおにぎりを持参してもらいなさい。
 話し合いに参加できなくても、当日助けてくれる人は必ずいるんだから、会計も誰か他の人に任せて、あなたは仕切ればいいのよ!
 「でも、それじゃあ、文句が出ないでしょうか?会員外の人もいることだし…」
 
 私たちの合言葉は“参加者はみんなスタッフ”でしょ?そのことを理解してもらうためにも、みんなができることを少しずつ手伝ってもらえばいいじゃない。
 「そうですね!わぁ!!ずいぶん気が楽になりました!みんなにお願いします。」

雨天中止?
 買出しも順調に済み、野菜もみんなで手分けして切ってもらい、鍋もみんなで持ち寄って…
 いよいよ、明日はホビーフィールドに出発!!
 と思ったら、天気予報は雨マーク
 「明日、本当に来るんですか?って、ホビーフィールドから問い合わせがあったんです!バスをキャンセルするなら、早く決断したほうが良いですよね?」と、またまたなきそうな声でFさんからの電話。
 「大丈夫!雨は午後からになってるから、午前中は遊べるし、雨が降ったら雨が降ったように子どもたちは遊ぶはずよ!子ども会やPTAの行事じゃないんだから、目的は、子どもたちが群れて遊ぶことから生まれる人間関係つくりでしょ!何かないと遊べないと思い込んでいる大人たちにも、かえっていいチャンスかもよ」と私。
 「はい!そうですね…じゃあ、行ってきます。」とFさん

さあ!出発進行!!
 一夜明けて、それでも心配になって空をのぞいたら、良かった!降ってない。
 みんな、楽しんできてね!
…と、ここまでは、事前の準備の様子を知っている委員長の私の委員長記だが
 これからは、後から聞いた話・・・・

え〜〜〜〜っ!!!???行けないの??
 大型バスに乗り込んで、バスの中の進行は、中学生の可愛いガイドさん(?)がクイズ大会で盛り上げてくれた。
 温井スプリングスを過ぎ、山道に入ろう…としたとたん
 「こりゃあ、行かれんわ…」とバスの運転手さんが言ったとか言わなかったとか…
 なぜって、あらかじめ「道は大丈夫ですか?」と問い合わせていたにもかかわらず、今年は例年になく大雪で、確かに除雪はされているが、マイクロバス1台がやっとと折れるくらいの道幅しかなく、左右には硬く凍った雪の壁がそそり立って…
みんなの行く手を阻んでいる・・・
 
やっぱ、ちがうね!私たちの仲間は!!
もちろん慌てたのは今回の責任者のFさん。
 どうしよう!!とパニックになったらしいが、連絡を受けた夢の塾の川浦さんご夫妻が自動車で迎えに来てくださったり、参加していた飯室のOさん(お父さん)が、実家が近いということで、機転を利かせて実家からおじいちゃんおばあちゃんに車で来てもらい、お二人には温泉に入っていてもらって、車だけを借りてくださったり、最初から自家用車で参加していたNさんにも手伝ってもらって、計4台で、50人の参加者をなんとかピストン輸送することができた。
 その、機敏な対応のおかげで、午後から雨が降ってはきたが、子どもたちは十分アクシデントを楽しんで、思い切り遊んで帰ってきたらしい。

 これが、子ども会やPTAなどの行事だったとしたら、こんなにうまくいったかしら?と思う。
 バスが動かなくなった時点で、必ず誰かが責任を追求するだろうし、そこまで行かなくても、苦情のひとつや二つは必ず出ただろう。
 でも、参加者の誰一人文句も言わず、逆に、何人かの会員さんは、困っているFさんに、「どうする?歩く(笑)」と、冗談を言って、気持ちをほぐしてくれたという。
 心配していた昼食も、もちろんみんなに助けられ、ホビーフィールドの関係者の方までが、「こんな天気の中よく来てくれちゃったね!」と、ぜんざいを用意してくださっていたとのこと・・・
 午後からの雨の中でも、広い管理棟を、貸しきり状態の子どもたちが縦横無尽に走り回り・・・帰りは、もちろんピストン移動。
 雨に濡れるのもかまわず、軽トラックの荷台に乗せてもらって大喜びしていたという。
 そう!子どもたちのとっては、慌てふためいている大人たちを見ていることが、きっとドキドキわくわく楽しかったに違いない。
 当たり前の「雪遊び」より、きっと思い出に残るものになったよね!

 帰ってきて、報告の電話で「本当に、皆さんに助けられました!」とFさん。

 良かったね!やっぱり、みんなスタッフだったね!!
 


委員長