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終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2009年08月13日(木)

すべての夏は、あなたに属する:


ああいったい、この胸の重たいせつなさを、
わたしいつまで、手放しがたく抱えてゆくのか。

真夏の日差しはすでに、分ちえずあなたのものだ。
夏とはつまり、あなたのことだ。あなたがたのことだ。
愛でもなく恋でもなく、あなたはすでにわたしの血肉。


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- 2009年08月12日(水)

日記を持ってたことを忘れていたよ!
まあそんなわけで、頭がお留守だった二ヶ月の産物でも。


そもそものはじめがだいたい:


 開け放しの障子の外から、しろい月光が畳の上に染みている。
「この小十郎を、梵天丸さまの守役にと、仰せられましたか」
 小十郎は眉をしかめて問い返した。まだ十八歳にもならぬ、しかも家柄とてない身に、伊達の長子の側役などという役回りは、過ぎたことというより、明らかな人選の間違いとしか思われなかった。
 それだけではない――
「おまえが都に出たいと思っていることは知っている」
 は、と、息を飲む。それは、誰にも言ったことのない願いだった。剣の腕を磨き力の限りを尽くして高みを目指したいという願い、誰の力にもよらずただ一人で世のすべてと相対したいという願いは。それは、この大恩ある主君、伊達輝宗公そのひとにこそ知られてはならないものではなかったか。
「殿」
「この乱世に腕試しをしてみたいのだろうが、なァ、小十郎、あれは竜だ。一人で何ほどのことが出来る。あれと一緒になら、天下を取れる。おまえの手腕を存分に振るえるさ。だまされたと思って十年辛抱してみろ」
 説きすかすような言葉とは裏腹に、奥を小刻みに突き上げられる。小姓勤めのひとつとして伽を命じられてもう六、七年にはなる。前髪立ちの頃もとうにすぎ、元服も初陣もすませたというのに、こればかり、まだ免れることを許されない。後ろから腰を抱きこまれての、いったいどこにこんな体力が残っているのかと腹立たしいほど執拗な責めにも、馴染まされた体はがくがくと揺れて、敷布を握る手指に思わず力が入る。こんな閨事の最中に、まっとうな反論のできようはずもない。
「そう、したお話は、昼に」
「小十郎、あれは竜だ。あれに賭けてみろ」
「との、」
「うんと言え」
 言われて歯を食いしばった。こんなところで言質を与えれば、抜き差しならなくなるのはわかっている。辛いほどに突き上げられても唇を噛みしめて黙っていると、耳元に、ふ、と吐息がかかった。
「うんと言えよ、小十郎」
 ぬろ、と、耳元に熱い舌が這う。続いてもっと密かに、低く、囁きが吹き込まれた。
「――でねえと、ヤり殺すぜ」
 その夜、何度気を遠くしたか、覚えていない。ついに耐えかねて、うんと言った記憶がかすかにある。




小十郎17歳のみぎり、輝宗公と。
もはやBASARAではない?さあねえ。


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