あふりかくじらノート
あふりかくじら



 一年飛ばして夏が直撃。

ガラスの自動ドアが開いて一歩外へ出れば、
蝉時雨とむんっとしたトロピカルな日本の夏が
体当たりしてくる。耳の奥がぎゅっとする。
世界が白い。

いかん。
すっかり忘れていたよ。
日本の、東京の夏は熱帯の夏みたいだったこと。

ミルンズ・コートは石造りの古い建物で、
冷房設備なんてまったくなかったんだっけ。
スコットランドの歴史のかたまり。

一年、季節を飛ばしてしまった。
くじらは風邪をひいてしまった。

なんで、本屋で立ち読みをしているのだろう。
エディンバラの街は、そこでは生活の場ではなく、
旅行者として訪れる場所として映っているのに。

2002年07月31日(水)



 くじらはシャツにアイロンをかける。

だから、そういうひとつひとつのこと。

アイロンとか洗濯とかお部屋の片付けとかスーパーマーケットとか、
そういうこと。
生活だから。

NGOとかボランティアとか学会とか勉強会とか講演会とか、そういうこと。
世界とつながっているから。
どこかで誰かが生きている、その生活のこと。
自分とシェアできるということ。

ごくごく普通のこと。たったそれだけのこと。

すごくもなんともない。
でも大切なこと。

イルカは「かわいい」だけじゃない。
オーロラは、「きれい」なだけじゃない。

安易な言葉で、誰かを評価してはならないね。
どれもこれも、深く大切なこと。

2002年07月27日(土)



 背中から台風に捕まるのはくじらだから。

台風がわたしを追ってくる。
背中から、捕らえられる。
逃れられない。

夜の闇が濃度を増して、わたしはこの街を泳いでいるけど、
それはすべてを飲み込んでしまうのだから。

何故?

日本の国会が郵便ポストの数について
真剣に議論しているとき、
「グローバルスタンダード」の狂気が
アフガニスタンで「価値の低い」生命を奪い、
この地球で同じ過ちは否応無しに繰り返される。
わたしはおんなじ道を、おんなじ間違いに陥りながら
何度も何度でも通り過ぎる。

背中から捕まえてくれればいい。

開発とは、誰のためなのか。

2002年07月16日(火)
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