オミズの花道
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『 屋上と宝石 』
2003年08月31日(日)


ある状況で日航ホテルの宿泊券が年に何度か貰える私は、金曜日の仕事が終わってから日航心斎橋ホテルに泊まって来ました。誰だ枕営業なんて言う奴は。枕ならリッツくらいじゃないとショボ過ぎだい。日航心斎橋、余りにもショボ過ぎる。

で、朝起きてカーテン開けてビックリしました。
そごうの上は何であんな事になってるの?????

外観はビニールシートに覆われているから地上からは解らないんだけど、上から見ると屋上だった所にクレーンが何台も乗ってて、床が本当に真っ平らになってるのです。のぺ〜んと。
私の記憶が確かなら、そごうも隣接する大丸に負けず劣らず、屋上は重ねた増設の為ごちゃごちゃしていて、上から見るとデコボコだったのに。

あの立地条件では一気に解体出来ないから、チョコっとずつ壊しているのかな?
それとも大改装して屋上庭園でも造るのかな?
・・・・個人的には後者の方が嬉しいなあ。あの辺りにこそ、そんな場所が欲しい。
ちなみにあのそごうは西武が買い取ったんだよね。

どんな形にせよ、訪れる我々にとっていい場所になればいいなと思う。
企業の腕の見せ所だろうな。こんな時代だからこそ、頑張って欲しい。


週の半ばにオークションで競り落とした裸石(ルース)が届いた。
銀粘土でアクセサリーなど作ってみようと思う。

親父の仕事の関係で元々ルースは沢山あるのだが、銀に使用するのは勿体無い石ばかりで、大雑把な性格の私と言えどもこれを使うのはさすがに躊躇される。
手先の器用さには自信があるのだが、何たって初心者だしここは貴石では無く、半貴石でやってみようと購入したのだ。

トルマリンのグラデーション10色、ラピスラズリ17mm×13mm、アイオライト4カラット、ブルートパーズ4,5カラットが3つ。
占めて4500円くらい。安いじゃん。ね?ね?

7年前に買って何度かしか使っていないリュ−ター(こんなの)がやっと役に立つ時が来た。
・・・・動くかなあ。




『一生手離さない』
2003年08月29日(金)


男ではない。また、自分が男に言われた台詞でもない。服の話だ。
耐久性は別として、私には『この服だけは一生手離さないだろう』と思う服が何点かある。

着物では真っ白の梅の柄、それと鳳凰柄の帯。
梅は作家物の手書き。この先生がもう亡くなってしまったのも大事にしたい理由の一つなのだが、白い着物というのは後々も便利で、染みやアクが出てきても(絹の運命)染め直しが利いたり、銀を打ったり散らしたり出来る。
本当に大事に着れば、年齢相応に何度も薄い色から濃い色に染めて、一生着れるものだと言える。

洋服ではイタリア製のレースのジャケットだ。
このレース、ちょっと他にはない。
イメージに近いものと言えば、007シリーズの『ワールド・イズ・ノット・イナフ』に出ていたソフィー・マルソー、彼女がラストで着ていたレースの服に近い。
調べた事はないのだが、色は違えど余りにも雰囲気が似ているし、ひょっとしたら同じメーカーの物なのではないだろうか。

イタリアの小物ばかりを置いている行きつけの店がある。
この店のもともとの資本は比較的大きな商事会社で、物はしっかりしているし価格も妥当で私のお気に入りの店だった。
韓国などに行けばオーストリッチのバックでも安価で購入出来るが、仕上がりはともかくデザイン的に洗練されていなくて食指が沸かない。
イタリア物は韓国の1・5倍〜2倍の価格はするのだけれども、小粋さがあって2倍であっても納得が行く。
この店はそんな物ばかりを置いていて、私はとっても大好きだったのだ。

で、ここを任されていた店長が、これまたいい具合に変な奴であった。
その変さもまた私の興味をそそったのだが、そのうち妙な動物的勘のある人だと気がついた。
私に段々馴れてくると大した会話もしないのに、私の好みの物をすっと出してきたりするのである。

販売業、接客業的には完全にアウトな奴なのだが(笑)センスはピカイチで、ジャラジャラ着飾った大阪のブルジョアババアでも、一人前の芦屋婦人に仕立て上げる腕前の良さは、ピーコのファッションチェック(大阪昼間の定番番組)でのピーコよりずっと上だった。

その代わり無口で頑固。似合わない物に客が手を付けようものなら、安くても高くても別の似合う物を引っ張り出してきて、半ば強制的に薦めたりしていた。
大阪のコテコテの地域ならそんな事をすれば間違いなく諍いの元であるが、その店は大阪でも色んな土地の人が集まる場所にあったから、彼もそんな浮いた販売員でありながら、いい意味で生き残って行った。
もともと販売業の店長と言うよりは本格的なバイヤーであったし、彼が店長と言うのも仕入れの後に空港から直行出来るという会社の都合でしかなかったろうし、彼にとっては不本意なポジションだったのやも知れない。

この人は美容師やアート関係に進んだ方が向いているのではなかろうか、と彼が現地で買い付けしてくるものを見るたびに私は感心していた。
彼が選ぶものは日本人向けでは無いのだが、妙に東洋的で官能的なのだ。
彼が現地で買い付けしてきた商品が店頭に並ぶたび、私は楽しみに店に足を運んだし、また母や妹もその店が好きだったので、彼女等と何やかんや言いながら良く出向いた。

ある日そんな彼が『ちょっと高いんだけど』とか言いながら、荷解きしたばかりのダンボールからそのレースのジャケットを出した。
見た瞬間、思わず『うっこれは・・・・高そう。』と呻いてしまった。
基本的にはチュ−ルレースなのだが、目があの独特の揃った六角形とは違う。あんな風に均一で無いからかえって味がある。そしてそれに沿う如く不規則に染められた色。深い部分、浅い部分、無色(肌色)の部分。そしていかにも手で織り込んだと解る金糸と銀糸で描かれた薔薇。
見ているだけで何とも不思議な雰囲気の物なのだが、羽織るとその不思議さは増した。
浅く染めた部分、その所々から覗く素肌が、元来の地肌よりも綺麗に見える。
脱ぐよりも羽織ったからこそ艶かしくなるシースルーなど、今まで見た事が無かった。

『こりゃ凄い。久しぶりに服を見て感動を覚えたわ。』そう言う私に、彼は淡々と続ける。
『多分これ水上さんに似合うと思う。こういう色って、どっちかって言うと妹さん好みかもとも思うんだけど、彼女には強すぎるかなと思って。』
う〜ん、確かに。私と違って和風の顔立ちの妹には少しキツイかも知れない。
『いいなあ、確かに。で、いくら?これ。』
『○○万円。』
『★▲●!?』
『これね、100%手作りなの。何でもシェイクスピアの舞台衣装の為に見本で作った生地で、1m作るのに三週間かかるらしい。でもね、その舞台が中止になったから、この生地が宙ぶらりんになったんだって。それで寝かすのも勿体無いから一点だけジャケットに作ったらしいよ。』
『世界に一つだからって、その値段はちょっと手が出ないなあ・・・・。』
『・・・・岸田今日子を目指してる人には必須アイテムだと思うけれど。』

な、何故知っているのだ。余生は岸田今日子のようなお婆さんになって、海辺の洋館で猫を膝に抱きながら静かに暮らしたいと言う私の願望を。恐るべし、店長。
『一生物だとまでは言わないけれど、ババアになっても着れるよ。』
妙なトドメの刺し方に押され、私はそれを購入してしまった。
ちくしょう、こいつ本当に販売員にしておくには勿体無いぜ。

時が流れて現在、彼は今東京にある本社の方に戻り、企画の方に回ったのだと聞く。
店の方は日本人好みのオーソドックスなものが増え、マニアックなファンは減り、普通の店になってしまった。
だけれども家賃の高いあの場所で続いてる事を思うと採算は合ってるのだろう。
たまに店の前を通るが、珍しいもの好きの私がもう店内を見回る事は無くなった。

私の服の方はと言えば、相変わらずキラキラとしていて、大事にされている。
高い値段を後悔する事も無く、年月が経つにつれ愛着は増しているのだ。
引っ掛けて解れないように注意したりするのも、愛着があれば嬉しい行為になる。

一生もつ服など無いだろう。
いつかは破れたり、痛んで着れなくなるのだと思う。
だけれどもこの服を捨てることは、手離す事はこれから先もきっと無い。
恐ろしく高かったからではない。お世話になった感謝の気持ちと愛着心がそうさせるのだ。

相手はたかが洋服、なのだけれども。




『こにちわ。えんぴつ。』
2003年08月27日(水)


ライコスから移動してきました。
ギリギリですぅ。

も〜何だか忙しくてろくに移動出来ないです。
過去ログも半分以下移動出来てません。
え〜ん。ごめんなそーりー。
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