フミハズシマクリ
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2016年07月02日(土) 思い描いていた未来

寒い冬の朝、階下からのまな板の音と美味しいにおいに目を覚ますと、
あわてて階段をかけおりストーブの前に座る。

「おはよう」と声をかけてもらいながら、
ストーブの前で洋服に着替え、
髪の毛を結わってもらい、
美味しい朝ごはんをたくさん食べて、
ランドセルを背負って元気に学校に通った。

だけど学校の記憶はあんまりない。
学校ではあまり楽しくなかった。
学校が終わるとよく大声で歌いながら帰ったことを覚えている。
こう書くと近所迷惑極まりなさそうだが、
通学路にそんなに家も建っていなかったので問題ないとする。
歌う曲はなんだってよかった。

私はたんぽぽの歌がとっても好きだった。
「どんな花よりたんぽぽの花をあなたに贈りたい」

それから曲名は忘れたけどイエス様の歌、
「かいばの桶で寝ている、優しい顔のイエス様、
お星が空でやさしく寝顔をずうっとみている」

あと、あのうた。
「ねえママ、どうか教えて、ママほど素敵な人に、
いつかは私もなれるのかしら」
っていう歌詞の歌。

残念ながら私は永遠にそんなママにはなれない。
素敵なママはおろか、普通のママにもダメダメなママにもなれない。
ランドセルを背負いながら夢見ていた明るい未来は今影も形もない。


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