fantasia diary* 

ほどよくダラダラをモットーに。 
アコギをゴロゴロ弾くように。 

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2004年03月16日(火) 円を描く時

その道は最後には円を描く。
止めなく細くなる腕のようにそれは収束に向かっていた。
寝台の上ひとりになった彼女に、私は笑いかけた。
「お迎えかしら?」
老婆は私に笑い返し、そう言った。
年寄りの往生を看取る時は、私も心安らかだ。
「将校さん、待ちくたびれてるわね」
表情で相槌を打って、目を閉じる彼女の頬を撫でた。
皺々にしぼんだ皮膚。しっとりとしている。
すっかり少なくなってしまっている眉の、端の数本がやや白い。
親指でその部分を撫でる。猫を撫でるような気持ちだった。

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