心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2010年05月10日(月) 近況

用事があって断酒会におじゃましました。
火事で三人が亡くなった事件のことが話題になっていました。依存症で最近退院された人だったのですが、焼けた家の中でご本人が、それとお墓の近くで燃えた車の中からご両親が発見されました。死因はそれぞれ一酸化炭素中毒と焼死。新聞やテレビで事件のニュースが流されましたが、依存症のことについてはひと言も触れられていません。
今日は「どうしてこのような悲劇が起きたのか、それを知らせねばならんのだ」という話を新聞記者にしてきた、と会長さん。

ここの断酒会は野菜の産地にあり、行くたびに野菜をおみやげに頂いてきます。今回も「ブロッコリーいらねえか?」と聞かれました。僕はブロッコリーが大好きなので「ぜひ頂きます」と答えたのですが、ブロッコリーはブロッコリーでも、ブロッコリーの苗でした。それを十数本もらってしまったのです。

「30センチ間隔で植えればいい。肥料は野菜用の三要素のやつでな」

三要素って窒素、リン酸、カリウムだっけか。

借家の狭い庭はすでにイチゴやらハーブで埋まっているのですが、なんとか隙間を見つけて数本植え付けました。それでもまだ半分あります。実家の田植えに行くついでに持って行って、カーネーションと一緒に母に渡せばいいや、と思っていたのですが、持って行くのを忘れてしまいました。「お前のやることはいつもそうだ」とは母の言葉です。

さて、どうしたもんだ。

庭を持っているスポンシーに「ブロッコリーの苗いらない?」と電話したところ、近くまで来てくれるというので、近所で待ち合わせしました・・・が、そこへも苗を忘れていってしまい、結局我が家に来てお茶を飲みながら少し話をしました。

彼がAAに来たのは5年前ですが、当時は彼が今のように「スッキリとなる」とは想像もつきませんでした。最初は再飲酒もあったし、その後2年間は酒は止まっていたものの、処方薬の多用が続いていました。そのスッキリしない状態でもミーティングに通い続けたからこそ、その後の彼があったのでしょう。スッキリしだしたのは、薬の乱用をもとにソーバーをリセットして断薬し、ステップをもう一度1からやり直してからでした。おそらく断薬とステップの相乗効果だったのでしょう。

あのころ彼が患っていた「うつ」が、本当の?うつ病だったのか、それともアルコール性のうつ症状(や安定剤の相反作用)だったのか、両者の混合だったのか。それは今の僕には判断がつきません。ともかくアル中の「うつ」は治りうるものなのだ、というひとつの証拠を示してくれます。

ブロッコリーは順調にいけば2ヶ月ほどで収穫できるそうです。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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