心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2009年08月05日(水) 最後の一杯が

54.0Kg, 8.7%
晴れのち雨

The farther you're away from your last drink,
最後の一杯が過去に遠ざかるほど、

the closer you are to your next.
次の一杯が近づいてくる。

そんなもんでしょう。

2007年問題、というのはこの年から団塊の世代が定年退職を迎え、様々な社会問題が起きてくることを指したものです。アルコール依存症の場合、仕事が支えになって依存症の悪化が防がれていた人が、退職して飲み放題になり病気が表面化してくることです。

病院メッセージにまめに行っていた頃の観察では、入院患者の中に「定年アル中」の人たちが一定数の割合で見られました。定年後1年か2年ほど大酒を飲み、奥さんや子供に頼み込まれて入院してくるのがパターンでした。
現役世代の人には、「仕事のために」「家族のために」酒をやめようという意欲が見られますが、定年アル中さんたちは断酒意欲が乏しいのが特徴です。

彼らは二言目には「現役の頃は大丈夫だったのだが、定年を迎えてからダメになった」と言います。まるで定年が悪の根源のようですが、聞いてみれば現役時代もちゃんと酒を飲んでいます。

酒が悪いのではない、また仕事を(あるいは仕事に替わる何かを)すれば大丈夫だ、と彼らは自分に言い聞かせるようようです。だが、定年後の飲んだくれで病気が進行していることを見落としています。退院して再び仕事や趣味に生き甲斐を見いだし、酒のトラブルがやんだ、という話は聞いたことがありません。

科学者のように統計を取ったわけじゃないので、この先は印象です。
奥さんが生きている限り、定年アル中さんたちは飲みながらでも生き延び、時々入院してきます。奥さんが亡くなってしまうと、福利厚生に問題が生じるようで、かわりに娘さんが入院させに連れてきたりするのですが、それも長続きせず、顔を見なくなってしまいます。

飲んでいようがいまいが、奥さんに先立たれると男は長生きできないようです。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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