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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年02月21日(木) アイデンティフィケーション AAミーティングで話をする前に「アルコホーリクの○○です」と名乗るのが通例です。アルコホーリクという言葉の代わりに、アルコール中毒者とかアル中とかアルコール依存症という言葉を使う人がいますが、表現の違いは大きな問題ではありません。
これはもともと、"My name is ○○. I'm an alcoholic." という言葉を日本語にしたものだそうです。「これから私はアルコホーリクとして話をしますよ」という宣言だとも言えます。
これはアイデンティフィケーション(身元確認)と呼ばれ、とても大切なことだそうです。自分はアルコールに問題があるのだ、と自ら認めるのはステップの基盤になることです。それから話を聞く人に対して、どんな立場から話をするのか明確にすることで、グループの「唯一の目的」を果たす手段のひとつにもなります。
もちろんアイデンティフィケーションはAAメンバーの義務ではありませんから、かならずそう名乗らなければならないわけではありません。ただ、アイデンティフィケーションをきちんとやりたいと思ったなら、お勧めなのは「少なくともアルコールに問題があることははっきりする言い方が良い」と思います。
複数の依存を抱える人が、たとえば「アルコールと薬物依存の○○です」と名乗るのは良くないと考える人たちもいます。AAの唯一の目的はアルコールなのだから、薬物のことが出てくるのはおかしいという理由だそうです。僕の個人的考えは、そこまで厳しくはありません。他の依存のことも一緒にアイデンティファイするのはその人の勝手だと思っています。
ただ、アルコールに問題があるのかはっきりしない言い方は良くないと思っています。たとえば「依存症の○○」とか「コントロール喪失の○○」とか「クロスアディクションの」などのように、アルコールに問題があるのかどうかはっきりしない表現はいただけません。クローズドミーティングに参加の可否、オープンでも話をしてもらえるのかどうか、そういうことを他の人が判断するのに、必要な情報が含まれていないと困ります。自分のグループではそれで通じても、他を訪れた時にどうなんでしょう?
もちろん、アルコールの問題を抱えていない、他の依存だけの人がアルコールのアイデンティファイをすることはないはずですし、そういう人がミーティングに参加して話をするかどうかは、個々のグループの選択でしょうから、この話題とは別のことです。
僕はミーティングでは「アルコール中毒者のひいらぎです」で始めています。なぜ「アルコール中毒者」という言葉なのか、というこだわりはまたの機会に。
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