どうしてもカシコクなれない - 2003年02月09日(日) フランチェスカがふられちゃった。 わたしがハンサムドクターとデートしてた頃にフランチェスカもボーイフレンドが出来て、 わたしがドクターにふられた頃にフランチェスカもまたふられた。 わたしがカダーと出会ったあとにフランチェスカは B3 のドクターとつき合い始めてて、 カダーがわたしと会ってくれなくなった頃に B3 のドクターもフランチェスカと会うのをやめた。 ふたりしてなんでこんなにおんなじ運命なんだろって思ってたけど、それからフランチェスカは別のドクターに誘われて、あんまりタイプじゃないって言ってたくせにだんだん好きになってった。「あたし、ジョンのこと多分今愛してる」って毎日のようにデートしてたのに、突然「きみと僕は生まれた世界も信仰も違うから」ってジョンが言った。だけどそれから3週間くらいでよりを戻して、クリスマスもニューイヤーズ・イヴもふたりで過ごして幸せそうだった。フランチェスカが病気になったときはうちまで行って両親にも会ってたし、アップステイトのジョンのおじさんちにふたりで泊まりに行ったりもしてた。ほんとに幸せそうだった。ほんとに、ほんとに幸せそうで、わたしはフランチェスカのために嬉しかった。すごく嬉しかった。なのに。 またフランチェスカは突然言われた。「きみのことが大好きだけど、僕はきみを愛してない。愛せない」。 おんなじ言葉。まるで「未練を残させながら女と切る方法」のマニュアル本がトレンドになってて、そこに書かれた通りのセリフを言ってるみたいに。 先週の週末じゅうフランチェスカは泣き通したって言ってた。「仕事に来ることが嬉しいって初めて思った」って、月曜日に辛そうに笑ってた。「もう会わないの? 一緒に出掛けたりもしないの? 友だちでもないの?」。そう聞いたら「もうこれ以上傷つきたくない」ってフランチェスカは言った。 わたしは出来なかった。今でも出来ない。まだ友だちになれるって信じてて、困ったときには助けてあげたいとか苦しいときには支えてあげたいとか、バカなこと思ってる。電話したくて出来ないのが辛くて、でも電話したらしたでやっぱり辛い。うちにいるといつもいつも同じこと考えてて、そこから抜け出せない。仕事だけが気を紛らせてくれる。一緒なのに、一緒だったのに、でも「もういいんだ」って言い切るフランチェスカはわたしよりずっと強くて賢い。 昨日わたしはマジェッドに電話した。ちょっと前に、アパートのビルの郵便受けの上に前の住所に送られたわたし宛のメールを見つけたから取ってある、ってマジェッドが電話をくれてた。昨日仕事が終わってから、取りに行こうと思って病院の駐車場から電話した。マジェッドは「ジェニーを誘ってプールしに行こうよ」って言った。ジェニーは帰ったあとだったから、マジェッドに言われた通りにうちに帰って電話して聞いてみたけど、ジェニーは「行きたくない」って言った。 「アンタ行っておいでよ。行きたいでしょ?」 「マジェッドはあたしとはもう遊んでくれないもん。ふたりっきりじゃ」 「ほんとにそうならひどいヤツ。でもあたし行かないよ。アンタは行きたいなら、マジェッドに行きたいそぶり見せないで上手く連れてってもらいなよ」。 出来ないんだってば、そういうこと。 「ジェニー行きたくないってさ」って言ったら、マジェッドは淋しそうに「そうか」って言った。すごく可哀相になったから、「仕事で疲れてるだけだよ」って言ってあげた。「きみもうちにいるの?」ってマジェッドは聞いた。「うん、あたしも疲れた。明日も仕事だしね」って答えた。 ちゃんと上手く出来たか報告しなってジェニーが言ってたから、そのまま「報告」したら、「よくやった! Good girl!」って誉められちゃった。でも、マジェッドが「メールだけ取りにおいで」って言ってくれなかったのがちょっと淋しかった。自分から「メールだけ取りに行くよ」って、そう言ったらまた勘違いされそうで言えなかったのも淋しかった。どうやったら誤解を解けるんだろ。 予定通りにヨガを始めた。 えらい。ちゃんとやった。 牛の顔のポーズとねじりのポーズと猫のポーズとお月さまのポーズ。 初めにちゃんと瞑想もした。 気持ちよかった。 それからラッキーマンも読み始めた。 マイケル・J・フォックスが、最初に PD のシンプトンを経験したところから始まる。ある朝左手の小指が突然痙攣して止まらない。 マジェッドの恐怖が重なった。 違う病気だけど、似た病気。 「診断されてからの10年、人生で最高の年月だった。僕は自分をラッキーマンだと思える」。 全部読んだらマジェッドに貸してあげたい。読んで欲しい。 大きなお世話なんだろうか、それも。勘違いされちゃうんだろか、また。 わたしはどうしてもどうしてもカシコクなれない。 -
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