I'm always your friend - 2003年01月09日(木) アナをピックアップしに行ったら電話してよ、ってマジェッドが言った。 次の日仕事だから行けないって言ってたくせに、ちょっとだけ行ってみようかなって言い出した。女の子ふたりってのが心配だったみたい。それから、アナをちょっと見たかったみたい。「スパニッシュのすごいかわいい子だよ」ってわたしが言ったから。 あんまり見込みのないジェニーのことを、マジェッドは土曜日にデートに誘うことにした。「当たって砕けろだよ」って。「I like that! やるだけやってみればいいじゃん。それでダメならそれでもいいじゃん」「うん。僕は男だからさ、砕けてもちゃんとハンドル出来るから」。女の子はダメだけどね、いつまでも抜け出せなくてさ、ってわたしのこと言う。反論の余地なし。『当たって砕けろ』はいいけど、砕けちゃったらもうどうにもハンドルする術が分からない。だけどわたしだって、人のことなら分かる。それに、マジェッドだってほんとは立ち直れないほど落ち込んじゃうの知ってる。「平気平気」って言いながら。 「上手く行かなかったら move on だよ」って、わたしはいつもわたしにそういうマジェッドの真似して言った。 わたしとアナは先に着いて、遅れてやって来たマジェッドと3人でお酒買ってフロアの方に行ったら、この間マジェッドが連れてきたマジェッドの会社の友だちが一人で立ってた。笑っちゃった。マジェッドもびっくりしてた。「アンバー来るから見に来た」ってマジェッドの友だちは言った。ふたりがおしゃべりしてる間、わたしとアナはうずうずしてる。「踊っておいでよ。僕はもう少し飲むから」ってマジェッドが言うから、アナとフロアに飛び出す。ときどきマジェッドの方を遠くに見て、踊りながら手を振ると、振り返してくれる。遊園地の回転木馬に乗ってる子どもがお父さんに手を振ってるみたいだなあって思った。 アンバーはよかったけど、期待してたほどじゃなかった。クラブのライブじゃそんなもんなのかもしれないけど。わたしの一番好きなの歌ってくんなかったし。あの人日本からわざわざ来なくてよかったよ。なんて。 ライブ終わってから、いい曲がたくさんかかった。マジェッドと踊るのが楽しい。アナは知らないお兄さんに気に入られて、ずっと一緒に踊らされてた。でも、ニコニコ笑って、アナ楽しそうだったし可愛かった。 突然どどどどどって5、6人の人がダンゴになってなだれて来たと思ったら、その中のふたりが髪の毛ひっ掴み合って喧嘩してる。女の子同士だった。女子プロみたいなものすごい勢いで、恐ろしくて思わずマジェッドにしがみつく。マジェッドが咄嗟にダンゴの反対側にわたしを庇って抱いてくれた。セキュリティーの大きなオジサンが4、5人飛んできて、喧嘩を抑える。男の取っ組み合いならよく見るけど、女の子の取っ組み合いでセキュリティーが飛んでくるなんて初めて見た。「女の子だよ?」ってマジェッドを見上げながら、ちっちゃい妹がおにいちゃんに守られてるみたいだなあって思った。 「僕たちは明日仕事だから、そろそろ出なきゃ」ってマジェッドたちが言ったときは、もう朝の4時だった。マジェッドと友だちにバイして、アナを車でうちまで送ってった。 2時間くらい寝て、今日は朝から車をディーラーに持って行く。この間やってもらえなかったリコールのリアポイントメント。そのあと IKEA に行った。夏にニュージャージーの IKEA にカダーと行ったことを、もうずっとずっとずっと遠い昔のことみたいに思い出してた。どうしてるかな、カダー。もう電話してない。カダーのルームメイトだって、電話もくれない。「ずっと友だちだよ」ってそう言ったくせに。 「But remember, Iユm always your friend」。 それからフレンドシップのカードに印刷された言葉みたいなこと言ったら、マジェッドは「サンキュー。感謝するよ」って笑わずに言った。「だからジェニーがダメでも、あたしのほかの女友だちに会わせてあげるから。たくさんはいないんだけどね」「これからたくさん可愛い子と友だちになりなよ」「あなたのために?」「そう、僕のために」。 でも、アナは可愛いけど、マジェッドのタイプじゃなかったみたい。 マジェッドはずっと友だちでいてくれる。友だちでいたい。いて欲しい。 居心地のいい大好きな友だち。 カダーの周辺ばっかで何やってんだろわたし、ってちょっと思うけど。 -
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