the blue fairy - 2002年12月08日(日) ちっちゃくなったアロマセラピーのキャンドルをひとつにして新しいキャンドルを作ろうと思った。ドリーンに教えてもらったクラフトショップに行く。ゴールドとシルバーの粉と、キャンドルの芯を買った。キャンドルの芯は30年くらい使えそうなロールになっててちょっと困ったけど、それしかなかった。倉庫みたいなお店にはおもしろいものが山のようにあって、アレもコレも作りたくなってコーフンしてくたびれた。 くたびれたからキャンドルは今度のお休みに作ることにして、そのままグロリアんちに行った。電話したら「おいでよ」って言ってくれたから。長い時間車を運転して、グロリアのちっちゃい子どもたちの相手してバービー人形で本気で遊んでたら、ますますくたびれた。 帰り道でマジェッドに電話する。晩ごはん食べに行こって誘った。コーヒーが飲みたくてしょうがなかった。「取りあえずうちにおいでよ」って言うから、「じゃあなんか買ってくよ」って言って、よく行ってたマジェッドのアパートの近くのイタリアンレストランでチキンのパニーニを2種類買って、その並びのスターバックスでコーヒー買って、マジェッドのアパートに行く。 マジェッドのアパートはくつろげる。どこんちでもくつろいでるけど、わたし。 コーヒー飲んで、ほっとした。パニーニ食べてコンピューターで遊んで、また HBO で映画を観る。2本目に観た映画は A.I. だった。 なんて残酷で冷酷で哀しくて暴力的で屈辱的でコミカルでバカげてブルシットな映画だと思った。テレビを見ないわたしでもしっかりインプットされたくらい公開前の宣伝はすごかったのに、放映期間が延長されなかったほど不評だったあの映画。納得した。見てるうちにムカムカきて頭が痛くなってきた。 それなのに、「人間の男の子になりたい。そしたらママが愛してくれる。本物の人間になれるようにブルーフェアリーにお願いするんだ」ってのが、わたしをまた病気にした。映画の世界に自分を重ねる病気。 「本物の男の子になったら、マミーはきっと僕を愛してくれる」。 本物の何になったら、カダーはわたしを愛してくれるんだろ。 わたしはブルーフェアリーに、ほんとは何をお願いすればいいの? 世界の終わりにブルーフェアリーはいる。 世界の終わりの、海に沈んだマンハッタンにブルーフェアリーがいる。 この街が海に沈むまで待たなきゃなんないんだ。 海に沈んだシティが映る。 「ほら、ツインタワー」 「ほんとだ。この映画ってあの前だったんだっけ?」 「そうだよ。もう古い映画なんだよ」 「そっか。あの前の春だったんだ」。 そんなことマジェッドと話しながら、ツインタワーのない現実にさえわたしは戻れないでいる。 やっと見つけたブルーフェアリーにお願いし続けて、お祈りし続けて、何も叶わないままそのまま凍って2000年が過ぎる。そしてやっとやっとマミーに会えて、たった一日だけママとふたりで過ごせる。ママは眠りについてしまう。一日が終わってしまう。 「I love you. Iユve loved you ever since」。 ー それは、デイビッドが長い長いあいだずっと待ち望んでたことでした。 聞きたい。わたしも。カダーの 「I love you」。 いつかみたいなにせものじゃなくて。 ずっと望んでたセキュアな愛。 だけど一日だけなんてやだ。 それに、2000年経ったときにはわたしはあの人のそばにいられる。 そんなときにカダーに「ずっと愛してたんだよ」って言われても困る。 だからブルーフェアリーを探したってしょうがないんだ。 カダーにセキュアな愛を求めて待ち続けたってしょうがないんだ。 「哀しすぎるぅ〜」ってエッエエッエ泣きじゃくるわたしに、マジェッドはベッドルームからティッシュを持ってきてくれて言う。「バカ。映画じゃんか、ただの」。 「あたし、カダーのこと考えてたの」 「カダーのこと考えてたの? それで泣いてるの?」 「あたしどんなに願ってもダメなんだね。シティが海に沈むときまで待たなくちゃダメなんだもんね、それから2000年待たなくちゃダメなんだもんね」 「きみはさあ、2000年も生きられないだろ?」 そういう問題じゃないんだってば。 もう夜中の2時になってた。駐車場まで送ってくれたマジェッドにバイのハグをする。「今度はさ、うちの近くの地中海料理のお店でごはん食べようよ」「いいね、オーケー」。 運転しながら思ってた。もしかしたらあのときの「I love you」はほんものだったのかもしれない。そう信じよう。だから、I have to move on. Iユm trying. -
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