カダーなんか - 2002年10月11日(金) マジェッドが、友だちが今日来てくれて注射を打ってくれたから明日の予定をキャンセルして欲しいって電話してきた。昨日やおとといと違って、安心した声だった。 朝早くマジェッドをピックアップして病院に連れてく予定だったから、「これできみは早起きする必要がなくなったね」って、それから「お昼頃に電話するよ。どっか行く?」って言ってくれた。 カダーが相手にしてくれないからつまんないっての、マジェッドは知ってる。 雨が降って寒いのに、アパートはヒーターがまだ入ってない。 寒くてバスタブに熱いお湯を溜めてお風呂に入った。 お風呂から出てからチャイニーズ・スープを作ってたら、カダーが電話をくれた。 まだ少し辛そうな声で、鼻をときどき啜ってた。 「昨日きみに電話しなかったからね」 「よくなったの?」 「うん、もう殆ど大丈夫だよ」 「明日はおうちにいるの?」 「出掛けると思う」。 「出掛けたりして平気? 気をつけなきゃだめだよ」。 そう言ったけど、ほんとは違うこと考えてた。 つまんない。やっぱり会ってくれないんだ。 わたし明日マジェッドと出掛けるんだ、って言おうと思ったけど、言わなかった。 また余計なこと考えることになっちゃいそうだから。 前のアパートを引っ越す少し前に、マジェッドがチビたちを見たいってやって来た。「あなたの友だちが来たんだよ。猫が見たいって言うから入れてあげたの」って言ったら、「ほんとにそれだけ?」ってカダーは妬いてた。 今なら妬いてもくれないんだろうな。 「I miss you」って言ったら、「Okay. また電話するから」って言われた。 「I miss you too」も、もう言ってくれない。 またマジェッドから電話がかかる。 明日ニュージャージーの従兄弟のところに急に行かなきゃいけなくなったって。 携帯のコネクションが悪いのか、途中で切れた。 ああ、明日はまたひとりぼっちの、たいくつな土曜日だ。 がっかりしてたらメールが来る。 「3時か4時頃には帰って来るから、その頃電話するよ」って。 それから、「きみの携帯のヴォイスメールのグリーティング、いいね。きみの猫?」って。 「You have reached the voice mail of...」のおねえさんの声のあとに続けて自分の名前を吹き込むところに、みゃお〜って猫の鳴き真似して入れたから。わたしって、猫の声上手に出せるんだから。マジェッドったらチビたちのうちのどっちかだと信じてる。 カダーは「バカげてる」って言ったけど。「僕は好きじゃない」って言ったけど。 「あなた猫好きじゃないもんね」って言ったら、「そうじゃない、コンセプトが好きじゃない」って、わけわかんないこと言ったけど。 マジェッドみたいな人、好きになったらよかったな。 カダーのルームメイトは犬が大好きだっけ。 ああそう言えば、Dr. ナントカのレズは、わたしと同じに犬も猫も大好きなんだ。 カダーなんか、カダーなんか、 チビたちがベッドに上がってくるの嫌がるし犬も好きじゃないって言ってたし、 ちっとも会ってくれないし愛してくれないし「僕は誰にも愛されなくて構わない」なんて言うし、 別れた恋人と友だちだしほかの女の子と寝るし、 嫌いだ。 嫌いになりたい。 ダメ。友だちでいたい。 ダメ。友だちはイヤ。 だめ。カダーがいい。 -
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