羽根 - 2002年08月30日(金) 昨日よりは少しあったかかったけど、曇り空で今日も寒かった。 今日は病院にヒーターが入ってた。重症の患者さんを、ひとりずつ時間をかけて診る。シフトが入ってない週末の前の金曜日は、いつも心配する。そんなに心配しなくったって、わたしひとりの患者さんってわけじゃないのに。 帰ったら、車の保険屋さんから書類が来てた。契約のキャンセルのお知らせ。なんで? 青くなった。理由のところに「支払いが未納になっているため」って書いてある。そんなはずない。今年の分はもう全部払い終わって更新もして、来年の分のプランの通知をずっと前にもらってたのに。慌ててその書類を引っ張り出す。11月からの月々の支払いのスケジュールの上に、276.25ドルのスターティングの最低金額が書いてあって、それを8月22日までに支払うようにって書いてあった。知らなかった。ちゃんと見てなかった。11月まで払わなくていいんだと思い込んで、安心してた。 保険会社を変えたら、値引きがなくなるから高くなる。それでなくても車の保険は高くて大変なのに。 またバカやっちゃった。 なんか思いっきり落ち込んで、カダーが早く電話をくれたらいいのにって思いながら、待てなくなってかけた。 カダーは友だちとシティにいた。わたしの声をすぐにわかって名前を呼んでくれた。「Did you miss my voice?」って言うから、泣きそうになって慌てて笑う。ミッドタウンにいて、これからダウンタウンのバーに行くって言った。明日は会えるかなって思ってたのに、帰国してて戻って来たその友だちと一緒にアップステイトに行くって言う。「だから明日は会えなくなったよ、ごめん」って。がっかりしてますます泣きそうになる。 黙ってたら、「どうしたの? 怒ってるの? どうしたの? なんかあったの? 何があったの? 話しなよ」。 保険のことを話したら涙声になっちゃって、カダーは「大丈夫だよ。そんなことよくあるさ。僕も一回やったけどさ、電話して話したらちゃんと継続出来たから。そんなの誰にでもあるんだから、大丈夫だって。電話しな」って言ってくれた。 涙声になったのは、全部はそのせいじゃない。 「ホラ、泣くなよ」って言うから、「泣いてないよ」って頑張って笑う。 カダーは、ビーチでわたしを撮ってくれた写真をその友だちに見せた話をする。「なんて? なんて言ってた、友だち?」。普通の声に戻って言えた。「『So nice and sexy』」。カダーの隣りで男の人の笑い声が聞こえる。「じゃあさ、今度会いましょうってその人に言って?」。それからカダーはわたしを笑わせてばかりいて、わたしは乗せられてるふりしていっぱい笑う。そして少しだけ息を止めたあと、「I miss you」って短く言った。「I miss you, too」。優しくてとても真面目な声でカダーは言った。 会いたいよ、カダー。抱いて欲しいんじゃなくて、抱き締めて欲しいの。抱きたいんじゃなくて、抱きつきたいの。頭にキスして。額にキスして。頬にキスして。友だちに写真を見せて、わたしのこと何て言ったの? あの人に電話したくてしたくてしたくて、必死で我慢した。 ベッドに突っ伏して、ベッドカバーにしがみついて、必死になって押さえた。 こころに羽根が生えて、自由に飛べるようになったら、そしたらあなたに電話する。 -
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